黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

再び空いて1ヶ月…(;^ω^)

それではどうぞ!



第180Q~膠着~

 

 

 

第1Q終了

 

 

花月 14

洛山 15

 

 

両校のディフェンスが光り、ロースコアゲームの様相を見せたこの試合。第1Q最後に空が赤司を相手にアイソレーションで1ON1を仕掛け、赤司を抜いて得点を決める事に成功した。

 

拮抗していた展開を変える為、空が渡った危険な橋。見事乗り越えた空だったが、当の赤司はそんな空に対し、不敵な笑みを浮かべるのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「…なかなか見応えのある試合じゃねえか」

 

アメリカにて、試合中継を見ていたジャバウォックの面々。最初の10分を見たアレンがそう感想を漏らした。

 

「ああ。正直、ソラと、ソラと同レベルの奴以外は大した事ないかと思ったが、これはなかなか…」

 

ニックも想定を超えた試合のレベルに驚いていた。

 

「ソラのいるチーム、あの6番(大地)、なかなかの逸材だ。あのスピードとブレーキング能力はアメリカでも通用するぞ」

 

「ソラの対戦相手、全員がなかなかのオールラウンダーだ。特にあの4番(赤司)。テクニックもさることながら、ゲームメイク能力も相当だ。下手したらナッシュ並だぞ」

 

空と同格の大地。キセキの世代の赤司。ニックとアレンがそれぞれ称賛していく。

 

「寝言言ってんじゃねえぞアレン」

 

それを後ろで聞いていたナッシュがアレンを睨み付ける。

 

「…あ、いやさすがにお前並は言い過ぎたがよ」

 

慌てて訂正をするアレン。

 

「…ふん、相手が低レベルのサルだから良い様に出来てるだけじゃねえか。所詮、通用するのは同じサルだけだ」

 

ナッシュは酷評をする。

 

「相変わらずジャパニーズには厳しいな」

 

そんなナッシュを見てニックが苦笑する。

 

「…」

 

そんな2人を他所に、ナッシュはベンチへと戻っていく両校の選手達。その中で洛山の赤司に視線を向けた。

 

「(あの4番。間違いなく奴は相手の動きを見えていた動きをしていた。奴も持っていやがるな。俺と同系統の眼を…)」

 

赤司の動きを見てナッシュが自身と同じ、未来を視えている眼を持っている事を確信する。

 

「(対象は目の前の1人程度だが、まさか、あの眼を持つ奴がジャパンにいるとはな…)」

 

口では悪く言っていても内心では空の実力を認めているナッシュだったが、空が口にした、自分と同等の実力と才能を持つ者が日本にはまだまだいると言う言葉は半信半疑だった。

 

「(アレンの言う通り、白い方の4番(赤司)、それなりにやるみたいだな。…あのサル(空)じゃどうなる事やら…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

洛山ベンチ…。

 

「してやられたな」

 

選手達がベンチに座ると、監督白金がそう呟く。

 

「申し訳ありません」

 

赤司がタオルで汗を拭いながら謝罪する。

 

「……まあいい。それより、ここから先の事だが…」

 

それ以上、何を咎めるでもなく話を早々に切り上げた白金が話題を変える。

 

『…』

 

第1Q最後に赤司が抜かれた事に僅かながら動揺している他の選手達。白金の指示に耳を傾ける。

 

「特に変更点はない。これまで通りに試合を進めろ」

 

『っ!?』

 

ハッと顔を上げる選手達。何か特別な指示を出すと思っていただけにこの現状維持の指示を理解出来なかったのだ。

 

「最後にやられたと言っても、試合運びは決して悪いものではなかった。ここでジタバタ動く必要はない。自信を持て。これまで通り、どっしり構えて花月を迎え撃つ」

 

『はい!』

 

「ゲームメイクは赤司に任せる。頼んだぞ」

 

「はい。任せて下さい。…全員、集まれ」

 

しっかりと返事をした赤司は全員を集める。

 

「…」

 

選手達に指示を出す赤司に視線を向ける白金。

 

「(動揺は一切ない…が、今日の赤司は何か引っ掛かる。杞憂でなければよいが…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

花月ベンチ…。

 

「よしよし! よくやったぞ神城!」

 

ベンチに戻ると、菅野が歓喜しながら出迎えた。

 

「どうぞ! しっかり身体を休めて下さい!」

 

相川と姫川が試合に出場した5人にタオルとドリンクを渡す。

 

「ゴクッ…ゴクッ…! プハァ! …まだ逆転出来た訳やない。けどまあ、ええ終わり方やで」

 

ドリンクを口にして水分補給をした天野。

 

「これで赤司も動揺するはずだ。ここで一気に――」

 

「――それはどうですかね?」

 

士気を上げようと盛り上がる菅野に対し、空が言葉を挟む。

 

「ここに戻る前にチラッと赤司の様子を確認したんですが、動揺してるようには見えなかったですね。正直、余裕綽々でしたよ」

 

つまらなそうな表情を告げる空。

 

拮抗している流れを変える為、リスクを承知で赤司との1ON1を挑んだ空。見事、赤司を抜きさって得点を決めた。これで少しは動揺を誘えるかと目論んでいた空だったが、赤司から芳しい反応は見られなかった。

 

「ハッタリちゃうんか? 悟られへんようポーカーフェイスしただけちゃう?」

 

「多分違うかと。俺からするとあの赤司は結構分かりやすいですからね。…間違いなく、動揺してません」

 

天野の懸念に空は断言した。

 

「なら、最後の1ON1はわざと取らせたって事? …正直、そんな事する意味って…」

 

「ないな」

 

真意を探ろうとする生嶋だったがこれまた空が断言した。

 

「何れにしろ、神城が赤司を抜きさって決めた事も事実。第2Qもこれまでどおり試合を進める。何か動きがあればベンチから指示を出す」

 

そう上杉が選手達に指示を出した。

 

「(何を考えてやがる…。思えば今日の…いや、昨晩から赤司は何処か違和感を感じた。言葉に出来ねえが確実に以前までの赤司と何か違った。何か企んでるのか、それとも別の…)」

 

言い知れぬ何かを感じた空はインターバル終了のブザーが鳴るまで考え続けたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

インターバル終了のブザーが鳴り、両校の選手達がコートへと戻ってきた。両チーム共に交代はなし。

 

『待ってました!!!』

 

選手達がコートへ戻ると、観客が沸き上がる。

 

審判から生嶋がボールを受け取り、空に渡し、第2Qが始まった。

 

「1本、行くぞ!!!」

 

空がボールを運ぶ。

 

「…」

 

「…」

 

空の前には赤司が立ち塞がる。両社が対峙する。

 

「…」

 

ダブルチームを受ける大地。

 

「「っ!?」」

 

突如、大地が空に向けて走り出し、ダブルチームを引き剥がす。空と大地がすれ違い、ボールを交換…。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

と、見せかけ、空がカットイン。

 

「…」

 

しかし、赤司はこれに惑わされる事無く、空のドライブに対応する。

 

「だろうな」

 

空も、予測済みであり、直後にボールを掴み、通り過ぎた大地へとパス。

 

 

――スッ…。

 

 

かに見せて、大地が移動した事で空いたスペースに走り込んだ生嶋にパスを出した。

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

「っ!?」

 

しかし、そのパスは赤司に読まれ、スティールされてしまう。

 

「甘いな」

 

そう吐き捨てる赤司。

 

誰しもが空と大地の動向に気を取られる中、赤司だけは冷静に他のポジションの動きを把握していたのだ。

 

「くそっ、戻れ、ディフェンスだ!」

 

慌てて声を出し、ディフェンスに戻る空。他の選手達もこれに続く。

 

「…」

 

だが、赤司はボールを奪ってもすぐに速攻に駆け上がる事はなく、ゆっくりとボールを運んでいた。

 

「(速攻を仕掛けなかった? こっちからしたら助かったが…)…っしゃ、1本、止めるぞ!!!」

 

『おう!!!』

 

空が両腕を広げながら檄を飛ばすと、選手達がそれに応えた。

 

「…」

 

「…」

 

ボールをキープする赤司の前に空が待ち受ける。

 

「(赤司が何を考えてるかなんて俺の頭じゃいくら考えても答えなんて出ねえ。この1本止めて、ミスを取り戻して流れを完全に掴む!)」

 

「…」

 

赤司がゆっくりとボールを運ぶ。

 

「(どう来る? 速攻でフィニッシャーを特定して――)」

 

 

――ピッ!!!

 

 

「っ!?」

 

誰で決めて来るか思考したその時、空の顔すぐ横を高速でボールが通過した。

 

「よし!」

 

『っ!?』

 

ボールは松永の裏を取った五河に渡った。

 

「っ!? しまっ――」

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

松永が気が付いた時は既に遅く、五河はボースハンドダンクでボールをリングに叩きつけた。

 

 

花月 14

洛山 17

 

 

『第2Q開始早々決めたぁっ!!!』

 

『何だ今の!? 花月のディフェンスを一瞬でボールがぶった切った!?』

 

 

「…ちっ!」

 

思わず舌打ちをする空。これまで通り時間をかけて攻めてくると予想した空の逆を突かれ、出来ればやられたくなかった失点を時間をかけずに取られると言う嫌な形で決められてしまった。

 

「くそっ…!」

 

松永が自身の失態に悔しがりながらボールを拾う。

 

「ドンマイ、今のは俺のミスだ。取り返すぞ」

 

「お、おう…」

 

駆け寄った空がボールを受け取り、ボールを運んだ。

 

「…」

 

「…」

 

空がフロントコートまでボールを運ぶと、赤司が空の前に立ち塞がる。

 

「(……ん? 大地の警戒が甘い? これなら…パスを出せる!)」

 

 

――ピッ!!!

 

 

これまでと変わらず三村と四条がダブルチームで付かれる大地。大地がマークを振り切ったその瞬間に間髪入れずに絶妙なタイミングでパスを出した。

 

「(ここで流れをこちらへ持って来る為にもここは…!)」

 

ボールを掴んだ大地は腰を落とし、ドライブ……と、見せかけ…。

 

 

――スッ…。

 

 

バックステップで距離を取り、スペースを作り、即シュート体勢に入った。

 

「おぉっ!!!」

 

 

――チッ…。

 

 

「っ!?」

 

しかし、大地の放ったシュートは即ブロックに飛んだ三村の指先を掠めた。

 

「(しまった、読まれた!?)…リバウンド!」

 

外れる事を悟った大地は即座に声を上げた。

 

 

――ガン!!!

 

 

言葉通りボールはリングに嫌われ、弾かれた。

 

「こんの…あかん!」

 

リバウンド争い。オフェンスリバウンドを抑えたい天野だったが、大地が動くのと同時に四条がスクリーンアウトに入っており、リバウンド度外視で天野を身体を張ってボールから遠ざける。

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

「よーし!」

 

「ちぃっ!」

 

リバウンドボールは五河が抑えた。

 

 

『うわー! 花月痛恨のオフェンス失敗!』

 

観客も頭を抱える。

 

 

「(今のは何だ? 大地のブロックと言い、リバウンドと言い、まるでそうなるのが分かっていたみたいじゃねえかよ!)」

 

ダブルチームでも大地を容易には止められないのは第1Qで分かっている。止めるにはそれこそ赤司のような眼でも持っていない限り…。

 

「よし! 行け赤司!」

 

コートに着地した五河が既に速攻をかけていた赤司に大きな縦パスを出した。

 

「っ!? そういう事かよ!」

 

何かを悟った空が悪態を吐きながら赤司を追いかけるべく全力で走った。

 

一連の攻防は全ては赤司が作り上げたシナリオ。第2Q開始早々の時間をかけないオフェンス。そこから大地のブロックとリバウンド。全てが赤司の指示によるもの。その考えは当たっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

先程のインターバルにて…。

 

『第2Q最初のオフェンス。花月はこちらが時間をかけて確実に得点を狙いに来ると予測してくる。それを逆手に取り、迅速に取りに行く』

 

『…』

 

赤司の指示を無言で聞き入れる選手達。

 

『直後のディフェンスだが、敢えて綾瀬のマークを緩くする』

 

『…』

 

『ボールを持てば綾瀬は必ず即下がってスペースを作ってシュートを撃ってくる。彰人はすぐにブロックに向かえ。失敗しても構わない』

 

『分かった』

 

『次にリバウンド。大智は綾瀬が動くのと同時に天野を抑え込め。充がリバウンドを抑えるんだ』

 

『『おう!』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

これがインターバル時に赤司が出した指示。半ば予言に近い指示。いくら赤司のエンペラーアイでもこれほどの試合展開を視るのは不可能だ。普通に考えれば苦言の1つでも呈したいと考える所だが…。

 

『(赤司がそうなるって断言したんだ。その通りになるんだろ)』

 

他の4人は赤司への絶対的な信頼から疑う事も迷う事もなく忠実にその指示に従った。

 

「行くぞ」

 

ボールを掴んだ赤司がそのままリングへとドリブルを始める。

 

「野郎、逃がすかよ!」

 

グングン加速する空。距離を考えれば到底追い付けない程開いているのが…。

 

「(これならギリギリ…!)」

 

距離はあっと言う間に縮まり、リング目前で赤司の背中を捉える。

 

 

「…赤司のスピードだって決して遅くねえ。相変わらずデタラメなスピードしてやがるな」

 

赤司に追い付いた空のスピードに感心する青峰。

 

 

ボールを掴んでリングに向かって飛ぶ赤司。

 

「打たせっか!!!」

 

背後からブロックを狙い空。

 

 

――スッ…。

 

 

「っ!?」

 

しかし、赤司は空がブロックに現れるのと同時にレイアップの構えを中断し、ボールを右方向へと放った。

 

「ナイスパス!」

 

そこには二宮が走り込んでおり、スリーポイントラインの外側でボールを掴んだ二宮がスリーの体勢に入る。

 

「っ!?」

 

しかしここで再び驚愕に包まれる。二宮はスリーを打たずボールを頭上に掲げる直前にボールを左へと流した。すると、スリーをブロックにしようとしていた大地の手が空を切った。

 

「よっしゃ!」

 

ボールはリング正面、スリーポイントラインの外側に走り込んだ三村の手に渡る。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

ノーマークの三村は悠々とスリーを放ち、決めた。

 

 

花月 14

洛山 20

 

 

『ここでスリー!?』

 

『第2Q始まって早々の連続失点!』

 

『これは痛い!』

 

これまで膠着状態だった試合に始めて変化が訪れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「インターバル直後の僅かな緩みと、そこから生まれた動揺に付け込んだ。…ま、この辺が赤司の怖い所だな」

 

一連のプレーが全て赤司によってデザインされたものだと悟った青峰。

 

「花月は痛い所を突かれたね」

 

「痛いで済めばいいけどな」

 

桃井の懸念に青峰はさらに言葉を続ける。

 

「この試合は如何にチャンスを掴むかより、如何にミスをしないかがカギだ。早々に立て直さねえと文字通りこのミスが致命傷になるかもな」

 

青峰が警鐘を鳴らした。

 

「点差は6点。ここで落ち着いて決めて立て直せれば――」

 

「――これで終わりなわきゃねえだろ」

 

「えっ?」

 

「第1Qはまだしも、第2Q以降は勝機と見ればとことん仕掛けるのが赤司だ。…この奇襲はまだ続く」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「(ちくしょう…、俺達がやりたかった事を見事にしてやられた!)」

 

胸中で悔しがりながら空がスローワーとなった松永からボールを貰いに向かう。

 

「(冷静に、まずは1本。1本取ってペースを――)」

 

「っ!? 神城!」

 

空にパスを出した松永が思わず声を上げる。

 

「っ!?」

 

ボールを掴んだ空。直後に目を見開く。二宮と三村がボールを持った空に対して2人がかりでプレッシャーをかけてきたのだ。

 

「っ!? これは!?」

 

ベンチの菅野が思わず立ち上がる。

 

『オールコートゾーンプレス!?』

 

ここで洛山がディフェンスで仕掛ける。オールコートゾーンプレスでボールを奪いに来たのだ。

 

「…っ! ここでかよ!?」

 

激しく空に当たる二宮と三村。

 

「(くそがっ…! 考え事し過ぎて不意を突かれちまった! これじゃ益々赤司の思う壺じゃねえか!)」

 

冷静に立ち返ろうとしたその刹那。そうはさせまいと洛山のオールコートゾーンプレス。気持ちの切り替えを完全に出来ていなかった空は動揺を隠せなかった。

 

「…野郎、この程度でオタオタする程俺は甘くねえんだよ!」

 

 

――ダムッ!!!

 

 

動揺した心をダブルチームを受けながらも立て直し、スピンムーブしながら2人を抜きさった空。

 

「(……待て、何で二宮と三村なんだ? 赤司は何処行った?)」

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

そう疑問を抱いた瞬間、突如現れた1本の手によってボールを叩かれた。

 

「甘いな」

 

ボールを叩いたのは赤司だった。ダブルチームをかわした直後の僅かに出来た隙を狙い打たれたのだ。

 

零れたボールをすぐさま拾った赤司はハイポストに立っていた四条にパスを出した。

 

「貰った!」

 

パスを受けた四条はボールを掴んだの同時にシュート体勢に入った。

 

「あかん!」

 

突然のオールコートゾーンプレスで四条のマークを外してしまっていた天野が思わず声を上げる。

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

「っ!?」

 

横から伸びて来た1本の手によってブロックされ、思わず目を見開く四条。

 

「な、ナイス綾瀬先輩!」

 

ベンチの竜崎が立ち上がる。ブロックしたのは大地。大地だけは冷静に四条のポジションを捉えていたのだ。

 

「(…ちっ、取れねえか…)」

 

弾かれたボールを追いかけた二宮だったが、サイドラインを割った。

 

「まだまだ!」

 

その時、二宮の横を高速で何かが駆け抜けた。

 

『神城!?』

 

その正体は空。空はラインを割ろうとしていたボールに飛び付き、ボールをコートに戻した。

 

 

――バチッ!!!

 

 

「…あっ!?」

 

 

――ピピッ!!!

 

 

『アウトオブバウンズ、赤(花月)!』

 

空がコートに戻したボールは同様にルーズボールを追いかけていた二宮の足に当たり、再度コートの外へ。審判は花月ボールをコールした。

 

「……ふぅ。…うし」

 

何とか3連続失点を阻止、マイボールに出来た空はホッと一息し、静かに喜んだ。

 

「ナイスガッツ、空」

 

そんな空に歩み寄った大地が手を差し出す。

 

「そっちこそ、ナイスブロック。助かったぜ」

 

その手を取って空は立ち上がった。

 

「お互い、見事にしてやられちまったな」

 

「…えぇ、さすがは赤司さんです」

 

双方、苦笑しながら赤司を称える。

 

「開いた点差を詰めたい所ですがとりあえず今は…」

 

「立て直して1本決めねえとな」

 

「行きましょう」

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「…秀平」

 

「…っ、スマン、少し気を緩めちまった」

 

咎めるような赤司の視線を受けて二宮はバツが悪そうな表情で謝った。

 

「大智もだ」

 

「…っ」

 

今度は四条に視線を向ける赤司。

 

「多少点差が出来て緩んだか? オーバータイム目前ならいざ知らず、時間がたっぷり残ったあの状況で迂闊に仕掛けるな。あれでは綾瀬でなくともああなるぞ」

 

そもそも発端のブロックをされた四条を咎める赤司。

 

「……赤司の言う通りだ。スマン」

 

返す言葉がなく、四条は赤司の言葉を受け止め、謝罪した。

 

「この試合、例えどれだけ点差が出来ようと気を緩めるな。相手は花月だ。最後まで死に物狂いでボールに食らい付け」

 

『おう!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

花月ボールで試合が再開。

 

「…」

 

ボールをフロントコートまで運ぶ空。

 

「…」

 

そんな空の前に立ちはだかるのは当然赤司。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

赤司が立ちはだかるや否や、空が一気に加速して仕掛ける。

 

「っ!?」

 

ボールを狙い打った赤司だったがこれもその手が空を切った。

 

『うおぉぉぉっ!!! また抜いたぁっ!!!』

 

赤司を抜きさった空はそのまま突き進み、リングに近付いた所でボールを掴み、リングに向かって飛んだ。

 

「ちぃっ! …おぉっ!」

 

リングに向かって飛んだ空に対し、五河がヘルプに飛び出し、ブロックに飛んだ。

 

 

――スッ…。

 

 

「っ!?」

 

横から五河が現れると空は右手で掴んだボールを1度下げる。

 

 

――ドン!!!

 

 

同時にブロックに現れた五河の身体と空中で衝突する。

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

同時に鳴り響く審判の笛。

 

「…っと」

 

体勢が崩れながらも空はボールをリングに向かって放り投げる。

 

 

――バス!!!

 

 

放り投げたボールはバックボードに当たってリングを潜り抜けた。

 

『ディフェンス、白8番(五河)、バスケットカウントワンスロー!』

 

ディフェンスファールと共に審判がフリースローをコールした。

 

『っ!?』

 

これに洛山の選手達も目を見開いた。

 

 

『赤司を抜いただけじゃなくて、バスカンまでもぎ取った!?』

 

これには観客も驚いていた。

 

 

「よーやった空坊!」

 

「うす!」

 

そんな空に駆け寄った天野が空の頭を叩きながら労った。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

フリースローもきっちり決め、3点プレーを完成させた。

 

 

花月 17

洛山 20

 

 

「…スマン」

 

責任を感じた五河が頭を下げる。

 

「…いや、今のは僕のミスだ。お前のせいではない」

 

そんな五河を赤司を制する。

 

「慌てる事はない。きっちり次の1本を決める。それだけだ。…行くぞ」

 

ボールを受け取った赤司はボール運びを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

――ダムッ!!!

 

 

「っ!?」

 

ボールを運んだ赤司はエンペラーアイで空の身体の軸を乱して抜きさり、中へと切り込んだ。

 

「打たせるな!」

 

ベンチから菅野が指示のような声を出す。

 

カットインした赤司に対してゾーンディフェンスを敷いていた花月は赤司を包囲するようにディフェンスを収縮させる。

 

 

――スッ…。

 

 

完全に包囲される前に赤司をノールックビハインドパスでボールを横に放った。その先、右アウトサイドの深めの位置に走り込んだ四条の手にボールが渡る。

 

「…っ!?」

 

大地は抜群のタイミングでかけた三村のスクリーンに捕まり、追走出来ず。

 

『っ!?』

 

空はもちろん、ディフェンスを中に収縮させてしまった為、誰もヘルプディフェンスに向かえず…。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

ノーマークの四条は悠々とスリーを決めた。

 

 

花月 17

洛山 23

 

 

「これで元通りだ」

 

ディフェンスに戻る際、通り過ぎ様に赤司が空にボソッと告げる。

 

「…あーそうかい」

 

そんな赤司に対して苛立ち気に返した空だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

その後は再び膠着状態が続く。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

一方が決めれば…。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

もう一方が決め返す。試合は第1Q同様、拮抗した試合が続く。そして…。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

『チャージドタイムアウト、洛山!』

 

ここで洛山が申請したタイムアウトがコールされた。

 

 

第2Q、残り6分38秒

 

 

花月 21

洛山 27

 

 

『リードしてる洛山がタイムアウト!?』

 

特に劣勢でもないリードを保っている洛山。ここで貴重なタイムアウトを申請した事に観客達は困惑している。

 

 

「スマンな、タイムアウトを取らせてもらった」

 

ベンチで腕を組みながら選手達を出迎えた白金が赤司に言う。

 

「…いえ、緊迫した試合展開で集中が途切れかねない状況でした。プラン修正をする意味でもありがたかったです」

 

赤司も絶好のタイミングだと思っていたのか、異を唱える事はなかった。

 

「現状でも悪くない…が、もう少し外を意識させてみようか。如何に神城と綾瀬のスピードと運動量が脅威であれ、全てのスリーを2人で止める事が出来る訳がない。外を意識させて再び相手のディフェンスを乱す。いいな?」

 

『はい!!!』

 

白金が大まかな指示を出すと、細かいプランをここから指示を引き継いだ赤司が出していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・・・・

・・・・

 

 

「…ちっ、点差が縮まらねえ」

 

第2Q最初の奇襲で開いた点差が縮まらず、苛立つ空。

 

「相変わらずダイが機能しないのが痛いね」

 

生嶋がボヤく。

 

大地はダブルチームで徹底マークされており、事実上封殺されているに等しい。空がかき回して何とか点は取れているが、いまいち波に乗り切れていない。

 

「何とかせな。…けど、どないしよか」

 

必死に考える天野。

 

「メンバーを変える」

 

そんな中、上杉が言葉を発する。

 

「天野、交代だ」

 

「俺でっか!? 分かりました」

 

指名された天野は驚きつつもその言葉を受け入れた。

 

「(ディフェンスとリバウンドの要である天野先輩を下げるのか…)」

 

この選択に驚きつつも誰もがコート入りするのか呼吸を整えながら聞き入る松永。

 

「……準備は出来ているな? 行くぞ」

 

そう指名すると、12番のユニフォームを着た男がジャージを脱いだのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





変わらずネタ不足…(>_<)

投稿したい気持ちはあるのですが、ネタがないとモチベーションも上がらず、どうしても執筆意欲が落ちます。正直、気分転換にまた新たな二次を、とも考える事もあるのですが、これやるとどっちも中途半端になる上、エタる事が目に見えてるんですよねぇ…(;^ω^)

また軽い短編でも考えるか…。

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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