黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

涼しくなってきましたね~…(^_^)/

それではどうぞ!



第182Q~タイミング~

 

 

 

「行くぞ!」

 

コートへ続く通用口を、次の試合を控えた田加良高校の選手達が主将の胡桃沢を先頭にコートのあるフロアへと足を踏み入れた。

 

 

――おぉぉぉぉー--っ!!!

 

 

次の瞬間、観客の大歓声と同時に熱気が田加良高校の選手達を襲った。

 

「…」

 

胡桃沢が点数が表示されている電光掲示板に視線を向ける。

 

 

第2Q、残り31秒。

 

 

花月 38

洛山 44

 

 

コート上では赤司がボールをキープしており…。

 

「33番だ!」

 

ナンバーコールと同時にパスを出す。これを聞いた他の選手達が動き始め、高速のボール回しを始める。

 

『っ!?』

 

洛山のお家芸であるナンバーコールからのボール回しを見て田加良高校の選手達は思わず息を飲んだ。

 

ボールは絶えず選手間を飛び回っており、選手達も、絶えず走り回っているのだが、選手、ボール双方共にスピードが桁外れなのだ。

 

「(これが噂の洛山のナンバープレーか…!)」

 

胸中で胡桃沢はそのボール回しに圧倒されていた。選手達はボールを掴んだら1秒もボールをキープする事無くすぐにパスを出す。出すパスもかなりのスピードを有していた。選手も猛スピードでダッシュしながらポジションチェンジを繰り返しているにも関わらず、正確に手元にボールを送り届けているのだ。

 

「っし!」

 

シュートクロックが残り3秒となった所でスリーポイントラインの外側、右45度付近でフリーとなっていた二宮にボールが渡り、すぐさまスリーの体勢に入った。

 

「(…入る)」

 

シュートフォーム、力の抜け具合、リズムを見て胡桃沢はこのスリーが入る事を確信する。

 

「おぉっ!」

 

 

――チッ…。

 

 

「っ!?」

 

ボールをリリースした瞬間、すぐさま距離を詰めてブロックに飛んだ空の指先がボールに触れる。

 

「(あれに追い付くのか!?)」

 

胡桃沢は驚愕した。ボールを掴んだ時点では二宮は間違いなくフリーだった。1番近い位置にいた空にしても、2メートル以上は離れていた。にもかかわらず、空は一気にその距離を埋め、ボールに触れてしまった。

 

「落ちるぞ! 松永!」

 

「任せろ!」

 

落ちる事を確信した空がゴール下の松永に檄を飛ばすと、松永はその檄に応えながらスクリーンアウトで五河を抑えながらリバウンドに備える。

 

 

――ガン!!!

 

 

ボールは言葉通りリングに弾かれる。

 

「「おぉっ!」」

 

同時に松永と五河がボールに飛び付く。

 

「(…っ、ポジションが悪い。これでは取れん! ならば!)」

 

 

――ポン…。

 

 

「…くっ」

 

松永はボールが取れないと見るや、右手を伸ばし、ボールを叩き、チップアウトした。

 

「頼む!」

 

「任せろぉっ!!!」

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

チップアウトしたボールに空がいち早く飛び付き、リバウンドボールを確保した。

 

「空!」

 

ボールの確保と同時に速攻に走った大地がボールを要求。

 

「行け!」

 

空はその声に反応し、振り返るのと同時に前線に大きな縦パスを出した。

 

「ちぃっ!」

 

フロントコートに入るのと同時にボールを受け取った大地の前に、危機を察して素早く自陣に戻った三村が待ち構える。

 

「…」

 

 

――キュッ!!!

 

 

大地は三村の1メートル手前で急停止し、視線をリングに向けた。

 

「(打つのか!?)」

 

外があり、スリーポイントラインからある程度離れた位置からでも決めて来る大地。三村はすぐさま大地との距離を詰めようとする。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

「…っ」

 

しかし、大地は三村が距離を詰めるべく1歩踏み出した瞬間再加速し、三村を抜きさった。その後、ツーポイントエリアに侵入した所で大地はボールを掴み、シュート体勢に入る。

 

「うおぉぉぉー-っ!!!」

 

すると、後ろから四条がブロックするべく、飛んで来た。だが…。

 

「っ!?」

 

大地は飛んでおらず、ボールを掴んだまま四条のブロックをかわす。四条が通り過ぎたのを確認してから改めてシュート体勢に入った。

 

 

――バチィィィッ!!!

 

 

「っ!?」

 

ボールを頭上にリフトしようとしたその時、大地の持つボールが何者かに叩かれた。

 

「(赤司さん!?)」

 

叩いたのは赤司。大地の後方から手を伸ばし、ボールを叩いたのだ。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

転々と転がるボール。同時に第2Q終了のブザーが鳴った。

 

 

第2Q終了

 

 

花月 38

洛山 44

 

 

第2Qが終了し、これより、10分間のハーフタイムとなった。

 

「…っと、練習を始めるぞ! 準備急げ!」

 

息の詰まる試合に思わず見入っていた胡桃沢だったが、すぐに目的を思い出し、選手達に指示を出し、コートへと向かった。

 

『…』

 

コートへと向かう途中、控室へと向かう花月の選手達が正面からやってくる。

 

「(あれが花月の神城、それと、綾瀬か…)」

 

花月高校の2年生ながら主将を任された選手であり、キセキの世代と互角に渡り合い、今も赤司と対等に渡り合っている実力者。そのすぐ後ろには同じく、キセキの世代と互角に渡り合い、この試合でも洛山の猛者の厳しいディフェンスも物ともせずに得点を量産している実力者。

 

「(これが、次世代のキセキか…!)」

 

ある程度、実力がある者であるなら、対峙しただけでその者の実力を推し量る事が出来る。胡桃沢とて、佐賀では指折りの実力者。空と大地から発せられるオーラのようなものを肌で感じ、思わず圧倒されてしまう。

 

「…っ」

 

先頭を歩く空とすれ違ったその時、胡桃沢は思わず息を飲んだ。空は胡桃沢…及び、田加良高校の選手達に一瞥もくれず、通り過ぎていったのだ。仮にも、今日勝ち抜けば明日、戦うかもしれない相手。にもかかわらず、何の関心も示さなかった。

 

だが、それは自分達への侮りのものではない事はすぐに理解した。

 

…そんな余裕がないのだ。

 

そもそも明日の試合等、今日勝てなければ意識しても意味がない。集中を切らさず、呼吸を整える。目の前の相手を倒す為、今出来る事を最大限従事しているのだ。

 

「…ふぅ」

 

空達が通り過ぎると、思わず息を吐く胡桃沢。そして今一度、電光掲示板に視線を向ける。

 

「(あの2人を有する、スペシャリスト揃いの超攻撃的チームの花月。連携抜群のハイレベルのオールラウンダーの選手とそれを余すことなく指揮する司令塔を擁する洛山…)」

 

圧倒的なオフェンス力を有する花月と、攻守に渡って隙が無い洛山。

 

「(花月を38点に抑えた洛山と、洛山相手に6点差で食らいつく花月。どっちが凄いのか…いや、両方か…)…ん?」

 

その時、胡桃沢は反対側のコートからこちらへ向けられた視線に気付く。それは、対戦相手の多岐川東高校の主将、若林のものであった。

 

「…」

 

2人の視線が合うと、若林は苦笑しながら肩を竦めた。

 

「…フッ、そっちも同じか」

 

向こうも、今、自分が感じたものと同じものを感じ取ったのだとすぐに理解し、釣られるように肩を竦めた。

 

「時間を無駄にするな! まずはシュート練習から始めるぞ!」

 

振り返った胡桃沢は指示を飛ばし、試合前の練習を始めたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

花月の控室…。

 

「ここまでは悪くない。逆転は叶わなかったが、想定内だ」

 

控室に戻り、各々が呼吸を整えながら身体を休める中、上杉が選手達を労う。

 

「夏よりデザインプレーのパターンが増えた上に、パススピードも上がってる。厄介だね」

 

生嶋が汗をタオルで拭いながらここまでの感想を口にする。

 

「全員が中からも外からも打って来る。それだけにオフェンスパターンは多彩だ。的が絞り切れん」

 

松永がその後に続く。

 

「とは言っても、こっちだって点は取れてんだ。あのボール回しに対応出来りゃ、6点差なんてすぐに逆転出来るぜ!」

 

気落ちしかけている選手達を鼓舞するように菅野が声を出す。

 

「それが出来ひんから苦労しとるんやろが」

 

呆れた口調で天野がツッコミを入れた。

 

「ハァ…ハァ…!」

 

後半戦の作戦を考えている中、試合に出ていた帆足がタオルを頭から被り、大きく肩を揺らしながら息を荒げていた。

 

「だ、大丈夫、帆足君!?」

 

その様子に気付いた相川が声を掛ける。

 

「…だ、大丈夫」

 

心配させまいと帆足は無理やり笑顔を作って取り繕った。

 

「僅か7分足らずで…。帆足先輩は決して体力がない訳ではないのに…」

 

第2Qが終わって時間が経って尚、呼吸が整わない帆足を見て室井が驚く。

 

「しゃーないわ。たかが7分言うても、強敵相手に常に集中、常に全力出しとったんや。しかも、この大舞台、大観衆の中でや。かかるプレッシャーは、県予選の決勝や、大量リードで守られた1回戦とは比較にならへん」

 

決して少なくない体力が枯渇するには仕方のない状況だと天野が説明する。

 

「…ふむ。帆足、交代だ」

 

「…えっ?」

 

上杉が出した最初の指示は、帆足の交代。

 

「天野をコートに戻す。準備は出来てるな?」

 

「いい加減、尻がいとーて仕方あらへんかったで!」

 

コート入りを命じられた天野は意欲を見せながら意気込みを露にする。

 

「体力の限界もそうだが、得意のスクリーンとスリーが対応されかけている。神城がそれを逆手に取ってゲームメイクをしていたが、それもそろそろ限界が来ている。このハーフタイム中に完全に対応してくるだろう。もう潮時だ」

 

「そう…ですか……っ」

 

自身の自慢の武器がもう使えない状態だと言われてしまえば反論も出来ず、受け入れるしかない。切り札として投入されながら、結局点差を詰められず、帆足の中で悔しさが募っていく。

 

「帆足、お前の頑張りのおかげで、点差を広げられる事なく試合を折り返す事が出来た。よくやってくれた」

 

項垂れる帆足を、上杉が労いの言葉を贈った。

 

「…は、はい! ありがとうございます!」

 

この言葉を聞き、帆足を頭を下げたのだった。

 

「ところで、キャプテンと綾瀬先輩は大丈夫ですか?」

 

「ん?」

 

「?」

 

竜崎が空と大地に尋ねると、2人はキョトンと返事をする。

 

「いえ、キャプテンは赤司先輩と常にマッチアップしていますし、綾瀬先輩はダブルチームを受けていましたから…」

 

他にも、ディフェンスでは2人が積極的にヘルプに出ている事で、相対的に負担は大きくなる。竜崎は消耗具合を心配していた。

 

「まだ試合の半分しかやってねえんだぜ? 余裕だっつうの」

 

「問題ありません。試合終了まで走り切るだけの体力は十二分にありますよ」

 

鼻を鳴らしながらアピールする空と、にこやかに返事をする大地。

 

「(呼吸はもう整ってる。…っていうか、よく考えたら控室(ここ)に戻ってきた時には平然としてたな。相変わらずスゲー体力だよこの2人…)」

 

厳しい環境と役割をこなしているにも関わらず、誰よりも平然としているこの2人に改めて驚愕する竜崎だった。

 

「…続けるぞ」

 

「っと、すいません!」

 

話の腰を折った形になってしまい、謝る竜崎。

 

「逆転する為には、点を取る事が1番重要だが、やはり、何処かで洛山のナンバープレーを破る必要が出て来る」

 

現在、2-3ゾーンで対応しているが、止めきれていないのが現状だ。

 

『…』

 

この試合、1番の課題にぶち当たり、閉口する選手達。そんな中、空が口を開く。

 

「その事なんですが――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

洛山の控室…。

 

「結局、リードを広げられなかったか…」

 

ベンチに腰掛けると、二宮が悪態を吐く。

 

「引き離そうとも食らいついてきやがる。相変わらずのしつこさだ」

 

「…だが、向こうの手札を1つ切らせた。もう帆足(12番)の動きにも慣れてきた。それだけでも充分、収穫があったと言えるだろ」

 

花月のしつこさに辟易する三村だが、そんな三村を励ます五河。

 

「赤司、ここからどうする? ……赤司?」

 

第3Qからの戦術プランを尋ねた四条。だが、赤司はタオルを頭から被り、俯いたまま。

 

「おい赤司、大丈夫――」

 

反応がない赤司を不審に思い、肩を叩こうとした四条を白金が止め、首を横に振った。

 

「赤司は今、後半戦に向けて集中を切らさないよう努めながら呼吸を整えている。今は声を掛けるな」

 

「スー…ハー…」

 

赤司は俯きながらゆっくり深呼吸をしている。

 

「(ペース配分を誤ったインターハイの時とは違い、冷静に試合を進めている。それでもここまで消耗させるのか…!)」

 

回復に神経を注ぐ赤司を見て改めて空の強大さを痛感する四条。

 

「皆、聞け。第3Q、恐らくは花月は帆足(12番)を下げ、天野(7番)を戻してくるだろう。オフェンスの脅威が1つ減る代わりにディフェンスとリバウンドが固くなる。そこで――」

 

白金が選手達に指示を出していく。

 

「…スー…ハー」

 

赤司は着実に力を蓄えていたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「もうすぐ始まるね」

 

「…ん、もうそんな時間か」

 

桃井の言葉に、何やら考え事をしていた青峰が意識をコート上に戻す。

 

「何を考えていたの?」

 

「大した事じゃねえ」

 

質問をはぐらかす青峰。

 

『来たぞ!』

 

コート上に花月、洛山の選手達が戻って来ると、観客達が沸き上がる。

 

「この後の予想は?」

 

「さあな。…だが、プレッシャーをより強く感じてるのは洛山だろうな」

 

そう断定する青峰。

 

「リードしてるっつってもたったの6点だ。第2Qでも、要所要所で詰められかけてたのを赤司の機転で何とか凌いでたが、それでもリードは大きく広げられなかった」

 

「…」

 

「洛山からすりゃ、背中の僅か後ろからジリジリと詰め寄られてるようなもんだからな。この時間があまり長く続くようなら、洛山はごっそり体力を削られる。もっとリードを広げるか、いっその事、追い付かれちまった方が楽かもしれねえな」

 

「なるほど。…花月はやっぱり、天野君を戻してきたね」

 

ジャージを脱いだ天野に対し、逆にジャージを着こんだ帆足を確認する桃井。

 

「当然だろ。終盤、帆足(12番)は役に立ってなかったからな。オフェンスで機能出来ねえならこれ以上はただの足手纏いにしかならねえ」

 

「そうなると、オフェンスはどうするんだろ? ここまでは帆足君のスクリーンとスリーで得点に結びつけてたけど…」

 

「問題はむしろディフェンスだ。何処かであのボール回し攻略しなきゃ点差は詰まらねえ」

 

「確かに、スタメン全員が外からでも中からでも決められて、パスも出せる。そんなチームを赤司君が統率してるから、正直、私も具体的な対策は…」

 

未来のデータを予測出来る桃井でさえも、洛山のナンバープレーへの対応策を思い付く事が出来なかった。

 

「1つ、分かる事があるとすれば…」

 

「?」

 

「この第3Qで、まず間違いなくどちらかに流れが傾くって事だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

それぞれのベンチに各チームが戻り、選手達がコートへと足を踏み入れた。

 

 

OUT 帆足

 

IN  天野

 

 

花月はメンバーをスタメンに戻し、洛山は交代はなし。

 

審判から二宮がボールを受け取り、赤司にパス。第3Q、後半戦が始まった。

 

『おぉぉぉぉー--っ!!!』

 

後半戦が始まり、観客が大歓声を上げた。

 

「…」

 

赤司の前に立ち塞がる空。花月はこれまでと変わらず、2-3ゾーンでディフェンスをしている。

 

「68番!」

 

ナンバーコールと同時に赤司がパスを出し、そこから洛山のお家芸である高速のボール回しが始まる。

 

 

――キュキュッ!!!

 

 

絶え間なく動く回る人とボール。花月の選手達もボールを持った相手に時間を与えないよう、すかさずチェックに入る。

 

 

――ピッ!!!

 

 

ローポストの五河にパスが入り、すぐさま外の二宮にパス。二宮が中の三村にパスを出した。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

一連のボール回しでフリーとなった三村がジャンプショットを決めた。

 

 

花月 38

洛山 46

 

 

『第3Q、開始早々洛山が手堅く決めた!』

 

『やっぱりあのパス回しはえげつねえ!?』

 

「よし!」

 

得点を決めた三村は拳を握る。

 

「…」

 

そんな三村を観察するように見つめる空。

 

「(何だ? 今のは…)」

 

赤司だけが、今の1本に違和感を感じていた。

 

 

「1本、行くぞ!!!」

 

オフェンスが切り替わり、空がボールを運ぶ。

 

「…」

 

「…」

 

空の前に当然、赤司が立ち塞がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

『第3Q、オフェンスは当然、うちのエースに任せる』

 

そう言って、大地の肩に手を乗せる。

 

『言うてものう、これまでもそうするつもりやったけど、出来ひんかったんちゃうんか?』

 

空の提案に天野が突っ込むように口を挟む。大地はダブルチームで徹底マークを受けており、なかなかボールを持たせてもらえず、得点機会を奪われていた。

 

『ここまで大地にパスを出せなかったのは、ダブルチームのせいじゃなくて、どっちかと言うと俺の問題だったんですよ』

 

『どういう事だ?』

 

言葉の意図が理解出来ず、松永が尋ねる。

 

『赤司にタイミングをズラされていたせいでここまでは上手くパスを出せなかったが、ようやく目途(・・)が立った。…大地、行けるな?』

 

『もちろんです。いつでも来てください』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

――ダムッ…ダムッ…。

 

 

ボールをキープする空。

 

「…」

 

赤司が一定を保って空の前で対峙している。

 

 

――ダムッ…。

 

 

ボールが床から手元に戻ると…。

 

 

――ピッ!!!

 

 

同時に空が矢のようなパスを放った。

 

「「っ!?」」

 

ボールは瞬間的にダブルチームを引き剥がした大地の手元に収まった。

 

『綾瀬にボールが渡った!』

 

「…」

 

ボールを掴んだ大地が構え、ジャブステップを踏みながらボールを小刻みに動かしながら牽制する。

 

「「…っ」」

 

集中力を高めた三村と四条が身構える。

 

 

――ピッ!!!

 

 

「「っ!?」」

 

2人が僅かに両腕を下げ、距離を空いた瞬間、大地はすぐさまシュート体勢に入り、クイックリリースでジャンプショットを放った。

 

 

――バス!!!

 

 

慌ててブロックに飛んだ2人だが間に合わず、ボールはバックボードに当たりながらリングを潜り抜けた。

 

 

花月 40

洛山 46

 

 

『鮮やか!』

 

『相変わらずとんでもない速さのリリースだ!』

 

「ナイス」

 

「どうも」

 

空と大地がハイタッチを交わす。

 

 

「なるほど、いくらダブルチームでガチガチにマークしてるっつっても、一瞬、引き剥がすだけなら可能だ。その瞬間にパスを通せんなら、この先、いくらでも点が取れる」

 

今のプレーを見た青峰がそう結論付ける。

 

「…が、問題はディフェンスだ。止めれなきゃ、点差は縮まらねえ。どうするつもりだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

――バス!!!

 

 

続く、洛山のオフェンス。洛山のナンバーコールからの高速のボール回しが行われ、五河がゴール下を沈めた。

 

 

「…」

 

試合映像を見つめるナッシュ。

 

「おい、ナッシュ、何処へ行くんだ?」

 

椅子から立ち上がったナッシュをアレンが呼び止める。

 

「トイレだよ」

 

「試合が始まったって言うのに、見なくていいのか?」

 

「どうせ、数分は試合は動かねえ。それまでは見る必要ねえよ」

 

鼻を鳴らしながら返すナッシュ。

 

「俺の予測通りなら――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――第3Qが折り返すまでに、花月(サル達)が試合をひっくり返すだろうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





モチベーション下がり気味の今日この頃ですが、何とかネタを絞り出しての投稿です…(;^ω^)

やっぱりペースは上がらんなー…。

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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