黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

一気に寒くなってきましたね…(>_<)

それではどうぞ!



第187Q~ターニングポイント~

 

 

 

第4Q、残り43秒

 

 

花月 96

洛山 100

 

 

赤司の眼の覚醒により、窮地に陥る花月。しかし、空もまたその窮地によって覚醒し、再び食らいつく。花月が再び背中を捉えるかと思われたその時、赤司が空の隙を突き、点差を広げた。

 

「…」

 

「…」

 

ボールを運ぶ空。当然、空の前には赤司が立ち塞がる。

 

「…ちっ」

 

思わず、空の口から舌打ちが飛び出る。

 

「(…くそっ、さっきまでのディフェンスと違う…!)」

 

赤司のディフェンスの変化に気付いた。変わらず赤司からのプレッシャーは感じるが、今までのボールを奪う為のディフェンスではなく、抜かせない事を第一と考えるディフェンスに切り替えたのだ。

 

如何に今の空であっても、天帝の眼(エンペラー・アイ)を進化させた赤司にドライブを警戒されてしまえば抜く事は至難の業。

 

「(時間がねえ、どうする!?)」

 

逆転する為には後2本決める必要がある為、一刻も早く得点を決めたい。しかし、目の前の赤司が抜けない。シュートを打とうにも、崩しも無しにシュートを打とうすればたちまちボールを奪われてしまうだろう。

 

「(…ちぃっ、何か手は――)」

 

「…」

 

 

――バチィッ!!!

 

 

「っ!?」

 

その時、空がキープするボールが赤司の手によって叩かれる。

 

「…っと!」

 

零れたボールを慌てて抑える空。

 

「(くそっ、ボールを奪う気は無くとも、ちょっとでも隙を見せればこれだ。嫌になるぜ…)」

 

パスターゲットを探そうと意識を僅かに周囲に向けた空。その僅かに生まれた隙を赤司は狙い打ったのだ。

 

「(マジで時間がねえ、どうする。イチかバチか仕掛けるか…どうする!?)」

 

試合の残り時間が30秒を切ろうとしていて、より一層、焦りが大きくなる空。

 

「…」

 

その様子を見て、空の焦りを感じ取った大地。

 

「空!」

 

大地が中へと走り込み、ボールを要求した。

 

「させるか!」

 

すぐさま四条が空と大地のパスコースを塞ぐ。

 

 

――ピッ!!!

 

 

空はこのタイミングでノールックビハインドパスを出す。しかしボールは中へ走り込んだ大地ではなく、誰もいない真横に出した。

 

「(綾瀬へのパスではないのか!?)」

 

このパスを見て四条は意図を理解出来ず、混乱する。

 

「っ!? これは綾瀬へのパスだ!」

 

赤司が叫ぶ。

 

 

――キュッキュッ!!!

 

 

大地が急停止をし、高速バックステップで後ろへと下がった。

 

『っ!?』

 

下がった大地はドンピシャのタイミングで空の放ったボールを掴んだ。

 

「しまった!」

 

「くそっ!」

 

慌てて三村と四条が大地のチェックに向かう。

 

 

――ピッ!!!

 

 

大地はブロックに飛んだ三村と四条の手から逃れるように後ろに飛びながらジャンプショットを放った。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

ボールはリングの中心を潜り抜けた。

 

 

花月 98

洛山 100

 

 

『おぉぉぉぉー--っ!!!』

 

『残り時間29秒で花月が決めたぁっ!!!』

 

起死回生の1本を決めた大地。同時に観客が沸き上がる。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

『チャージドタイムアウト、洛山!』

 

ここで、洛山のタイムアウトがコールされた。

 

「…ちっ、さくっとボールを奪ってもう1本行きたかったが、そうはさせてくれないか」

 

このタイムアウトを受けて、空は舌打ちをしながらベンチへと下がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「妥当な判断だな」

 

このタイムアウトの判断を青峰は称賛する。

 

速くボールを奪ってもう1本決めなきゃいけない花月がオールコートディフェンスを仕掛けて来るのは自明の理。その阻止の意味も含め、ここでのタイムアウトは妥当だと青峰は見た。

 

「残り時間は30秒を切ってる。洛山はやっぱり…」

 

「まず間違いなく、24秒きっちり時間を使って攻めて来るだろうな」

 

桃井の予想に青峰は頷きながらそう断言した。

 

「…裏を掻いて早打ちしてくる可能性は?」

 

「洛山が負けてるならそれもありだろうが、リードしている今の状況ではそれはねえ。外せばみすみす花月に時間を与える事になるし、仮に決まっても、もうタイムアウトが残ってねえ洛山は神城と綾瀬の速攻で1本と、その後のオールコートで決められるリスクがあるからな」

 

「…だよね」

 

「洛山は…赤司は間違いなく、きっちり時間を使い切るまで打ってこねえだろうな」

 

24秒、きっちり使い切れば試合時間は残り5秒程しか残らない。赤司の性格を鑑みて、リスク覚悟でトドメを刺す選択より、確実に相手の勝機を潰す選択を取ると青峰は予想する。

 

「(何とか1本決めたが、依然として窮地なのは変わらねえ。…どうする? 神城)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

タイムアウト終了のブザーが鳴り、選手達がコートへと戻って来る。

 

 

OUT 生嶋

 

IN  竜崎

 

 

洛山はメンバーチェンジ無し。花月は生嶋を代え、竜崎がコートに入った。

 

「(生嶋(5番)を代えて竜崎(10番)を投入してきたか…)」

 

横目で花月のメンバーチェンジを確認する赤司。

 

目的はディフェンス力のアップ。竜崎は生嶋より身体能力も運動量も高く、ディフェンスも上手い。

 

両チームの選手達がスローワーの二宮を残してコートに散らばっていく。

 

「ナンバーコール! 赤司(4番)!」

 

二宮(5番)!」

 

三村(6番)!」

 

四条(7番)!」

 

五河(8番)!」

 

空が声を上げると、それに続いて各選手達がそれぞれ背番号をコールをし、コールした選手をマークした。

 

「(ゾーンディフェンスからマンツ―にディフェンスを変えた?)」

 

花月はこれまでの2-3ゾーンディフェンスから各選手がそれぞれマークするマンツーマンディフェンスに切り替えて来た。

 

「…」

 

審判から二宮がボールを受け取る。二宮が赤司にパスを出すと、試合が再開された。

 

 

――ダムッ…ダムッ…。

 

 

ボールを受け取った赤司はすぐにパスを出さず、ボールキープに努めた。

 

 

――24…23…。

 

 

「…っ」

 

赤司に対し、空が激しくプレッシャーをかける。

 

「…」

 

 

――ピッ!!!

 

 

プレッシャーをかけてディフェンスを空をかわしつつ、赤司は二宮にパスを出す。

 

 

――20…19…。

 

 

「おぉっ!」

 

二宮にボールが渡るのと同時に竜崎がチェックに入る。

 

「(…っと、試合に出たばかりなだけあって、気合い充分、動きにもキレがある。だが…!)」

 

 

――ピッ!!!

 

 

竜崎の頭上から二宮がハイポストに立つ四条にパスを出す。

 

 

――17…16…。

 

 

「打たせへん!」

 

ボールを持った四条の背中に張り付くように天野がディフェンスに入る。

 

「…」

 

四条はポストアップで2、3度ドリブルをした後、ボールを外の三村に渡した。

 

 

――13…12…。

 

 

「…っ!」

 

三村にボールが渡ると、大地がすぐさまチェックに入る。

 

「…っと」

 

大地が迫ってくると、三村はすかさずボールを赤司に戻した。

 

『花月のディフェンス、スゲー気合い入ってる!』

 

『……けど』

 

『ボールが奪えない!』

 

打たせる間を与えないとばかりに花月はボールを持った洛山の各選手達に激しいプレッシャーをかけていくが、刻一刻と試合時間が減っていく中、ボールを奪えないでいた。

 

 

「やっぱり時間を使ってきた!」

 

桃井が声を上げる。

 

当初の予想通り、洛山は24秒をきっちり使い切る選択をしてきた。

 

 

「(…ちっ! 簡単にはボールを奪わせてくれないか!)」

 

ボールをキープする赤司。その赤司からボールを奪おうと激しいプレッシャーをかけるが、赤司はボールをキープし続ける。

 

 

――7…6…。

 

 

シュートクロックが確実に0へと近付いていく。

 

「…っ!」

 

空は時折、赤司にドライブ、あるいはシュートを打たせるようわざと隙を作って誘い出すも…。

 

「(その挑発には乗らない。きっちり時間は使い切る)」

 

「…ちっ」

 

誘いに乗って来ない赤司に思わず舌打ちをする空。

 

 

――5…4…。

 

 

「(赤司先輩にあそこまで引かれたらいくらキャプテンでも…。もはやファールも出来ない。こうなったら…!)」

 

確実に残り時間を浪費させられているこの状況に痺れを切らした竜崎がイチかバチか、赤司にダブルチームを仕掛ける。

 

「動くな!」

 

「っ!?」

 

竜崎が1歩踏み出そうとした瞬間、空が大声で制止する。

 

「余計な事はするな! しっかりマークしていろ!」

 

「…っ」

 

咎めるように空が告げる。

 

言い方はきついが、仕方のない事である。ダブルチームを仕掛けると言う事は、1人フリーにすると言う意味でもある。今の赤司、洛山にそれをすればたちまちフリーの選手にボールを繋げられてしまう。

 

「(諦めるな! 絶対に!)」

 

決死の表情で空はディフェンスに臨んだ。

 

 

――ダムッ…ダムッ…。

 

 

その後も赤司はボールキープを続けた。空が必死にボールを奪おうとするも赤司はそれを許さなかった。そして…。

 

 

――3…2…1…。

 

 

『ビビーーーーーーー!!!』

 

 

『24秒、オーバータイム!!!』

 

シュートクロックの数字が0になり、オーバータイムがコールされた。

 

『オーバータイムだ!!!』

 

『24秒使い切られた!?』

 

観客席から頭を抱えながら絶叫が上がる。

 

得点こそ許さなかったが、これで試合時間は残り5秒となってしまった。

 

「(よし! これで残り時間は後僅か、この試合、もらった!)」

 

勝利を確信した四条が拳を握る。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

『チャージドタイムアウト、花月!』

 

その時、花月のタイムアウトがコールされた。

 

「…フゥ」

 

タイムアウトがコールされ、空がホッと一息吐いた。

 

「(っ!? そういう事か…!)」

 

それを見て、赤司は自分の失態に気付いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『きっちり時間使われちまったな』

 

『残り時間たったの5秒だぜ?』

 

『もう決まったな』

 

ベンチに戻っていく選手達を見ながら、観客達は各々話し出す。口から出る内容は試合の結末。洛山勝利を確定するものばかりである。

 

「…」

 

口に出さないが、桃井も同じ感想なのか、無言でコートを見つめている。

 

「いや、まだ分からねえ」

 

「…えっ?」

 

しかし青峰は、そう断言した。

 

「今のオーバータイムで、試合は分からなくなった」

 

「どういう事?」

 

言葉の意味が理解出来ず、桃井が聞き返す。

 

「オーバータイムになれば時計が止まる。時計が止まればタイムアウトが取れる。そうなりゃ、どうなるよ?」

 

「えっと、タイムアウトが申請されれば1分間の休憩と作戦会議の時間が取れて――あっ!?」

 

そこまで口にした桃井は、ある事に気付いた。

 

「そうだ。タイムアウト終了後は、ハーフコート(・・・・・・)から試合が再開される」

 

通常、オーバータイム直後は、自陣のゴール下から試合が再開されるのだが、タイムアウト後は、ハーフコート、つまり、コートの真ん中から試合が再開される。それはボールをフロントコートまで運ぶ時間を省略出来ると言う事だ。

 

「赤司はシュートを外した時のカウンターのリスクを考えて、シュートクロックギリギリにシュートを打つ選択を選ばなかった。この選択が仇になるかもな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

第4Q、残り時間5秒

 

 

花月 98

洛山 100

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

タイムアウト終了のブザーが鳴り、選手達が戻って来る。

 

 

OUT 竜崎

 

IN  生嶋

 

 

花月はメンバーチェンジ。竜崎を下げ、再び生嶋を投入してきた。

 

「(やはり生嶋(5番)を戻して来たか…)」

 

タイムアウト時の作戦会議の予想した通りの交代を確認する赤司。

 

花月のスローワーとなる選手が審判からボールを受け取りに向かう。

 

『…っ!?』

 

スローワーとなった選手を見て、洛山の選手達は僅かに驚く。スローワーとなったのは、空だった。

 

「…」

 

受け取ったボールを空が手元で回していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「(…予想していなかった訳ではないが、まさか神城にスローワーをやらせるとはな…)」

 

洛山のベンチの白金が花月ベンチの上杉に視線を向ける。

 

「(現役の頃から変わらんな。ここ一番でとんでもない奇策を選ぶお前の勝負師のような采配は…)」

 

かつては同じ全日本のユニフォームを着て世界と戦った2人。劣勢や窮地に立たされた時、上杉が提案をする作戦はいつも奇をてらうものばかりであった。

 

「(だが、その奇策は、何度もその苦難を打開するきっかけとなった。今回もまた思いもよらない手を打って来るはずだ)」

 

視線をコートに移し、顎に手を当てながら思案する。

 

白金が選手達に出した指示は、空か大地を徹底マーク。万が一、いずれかにボールが渡った場合、赤司以外の選手はファールで止める。であった。

 

「(間違いなく、決めに来るのは神城か綾瀬だ。仮に他の3人にボールが渡っても、シュートチャンスさえ与えなければ、少なくとも、残り時間を使い切れる…)」

 

ならば問題は、如何に空か大地にボールを掴ませ、シュートまで持って行くか…。

 

「(やれやれ、王道を好む私にとって詭道はもっとも不得手な道。私の経験では答えは出せん、か。…ならば、余計な指示は出さず、選手達に委ねる他ないか…)」

 

白金は指示を出さず、選手達を信じる選択をしたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「2点差で残り5秒…。逆転するにはスリーかファールを貰って3点プレーが必要だけど…」

 

コートを凝視しながら呟く桃井。

 

「試合終盤とは言え、ここでみすみすフリースローをくれてやるほど洛山も馬鹿じゃねえだろ」

 

この状況で致命的なミス犯さないと青峰。

 

「だよね。…2点なら同点、延長だから最悪――」

 

「ダメだな。花月は化け物染みたスタミナを持っている神城と綾瀬がいる上、第2Qの大半、天野(7番)を温存させちまってる。対して、洛山はスタメン全員、試合開始から出ずっぱりだ。まず間違いなく、延長戦を戦い抜くだけの体力は残ってねえ」

 

延長戦イコール洛山の負けだと青峰は断言。

 

「2点か3点か…、どっちを選ぶかは分からねえが、決めにくるのは間違いなく、神城か綾瀬だ」

 

青峰は残り時間、5秒を残した両校の激戦の結末に注目したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『…』

 

会場は、これまでの盛り上がりが嘘のように静まり返っている。この試合を見守る全員がその結末を固唾を飲んで見守っている。

 

「…」

 

スローワーとなった空がボールを構える。

 

 

――キュッキュッ!!!

 

 

バッシュのスキール音が会場に響き渡る。花月の選手達が動き回り、洛山の選手達がそれを追ってマークする。

 

「…」

 

「…」

 

大地をマークするのは赤司。天帝の眼(エンペラー・アイ)を使って片時も大地のマークを外さず、空からのパスを貰う隙を与えない。

 

 

『(…ゴクリ)』

 

観客の1人が唾液で喉を鳴らす。

 

 

――キュッ!!!

 

 

その時、大地が動く。ハイポストの位置から一気にスリーポイントラインの外側へと猛ダッシュで移動する。

 

 

――ピッ!!!

 

 

大地の動きに合わせ、空がパスを出す。

 

動いた大地へのパスコースを、赤司が瞬時に塞ぎにかかる。

 

『っ!?』

 

その時、花月の選手達は目を見開いて驚愕する。

 

「っ!?」

 

赤司も同様であった。

 

空が出したパスは、手を伸ばしても届かない程の高い位置に出されたからだ。

 

「…っ」

 

高く上げられたボールに対し、大地はジャンプで飛び付きながら右手を伸ばす。

 

 

――バチィッ!!!

 

 

大地の右手にボールが収まる。

 

 

――ブォン!!!

 

 

そのまま右手を振り下ろし、ボールを中へと投げ下ろした。投げ下ろされたボールの先には…。

 

『っ!?』

 

そこには、大地にパスを出した空がいた。空がハイポスト付近でボールを掴んだ。

 

「…くっ!?」

 

ここで赤司は花月の狙いに気付く。

 

空がスローワーとなれば当然、赤司は大地のマークに付く。花月で空を除けば唯一怖い存在だからだ。天帝の眼(エンペラー・アイ)を以てすれば、僅かなパスコースを開ける事も許さない。だが、如何にその赤司であっても、大地が届くギリギリに出されたパスは、例え視えていても、身長とジャンプ力で劣る赤司には取れない。

 

そうして、赤司を大地に釘付けにする事で空を赤司から引き離した状態でボールを掴ませた。

 

 

――4…。

 

 

「(ファールで止めるんだ!)」

 

四条が動く。タイムアウトで指示されたとおり、空に対し、ファールで止めにかかる。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

ファールを狙う四条。空は目線のフェイクを入れた後、切り込んで四条をかわす。

 

「(ファールがダメなら、せめて、赤司が来るまで…!)」

 

続けて五河が空に迫る。

 

 

――キュッキュッ!!!

 

 

四条をかわした直後、空はボールを掴み、ジノビリステップで五河をかわした。

 

 

――3…。

 

 

「…っ!」

 

シュート体勢に入る空。

 

 

――2…。

 

 

そんな空に、赤司が迫る。

 

四条と五河が、ボールを奪えないまでも、時間を稼いだ為、ギリギリ間に合う位置まできていた。

 

「(打つ前に追い付ける。フェイクなら見抜ける。俺の勝ちだ!!!)」

 

勝利を確信する赤司。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ピッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、空はシュートを中断し、リングに視線を向けたままパスを出した。

 

「(っ!? このパスコースは!?)」

 

赤司の自身の横を通過しようとするボールに右手を伸ばす。

 

「…っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――しかし、ボールは、赤司の伸ばして右手の指先の、僅か数㎝前を通過していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『っ!?』

 

ボールは、先程、空中で空にリターンパスを出した後、逆サイドのスリーポイントラインの外側まで移動した大地の手元に渡った。

 

 

――1…。

 

 

大地がボールを頭上へとリフトさせる。

 

「「…っ!」」

 

二宮と三村がボールを掴んだ大地の下へ一気に駆け寄り、ボールに対して手を伸ばす。

 

 

――ピッ!!!

 

 

大地は後ろへ飛び、二宮と三村のブロックの手をかわしながらボールをリリースした。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

リリースと同時に試合終了のブザーが鳴り響く。

 

 

 

 

 

審判が指を3本立てる。

 

 

 

 

 

放たれたボールの行方が、試合の勝敗を分ける。

 

 

 

 

 

『っ!?』

 

会場にいる全ての者が、このボールの行方に注目を注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

ボールは弧を描いてリングへと向かい、落下。そして…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場に、ネットを潜り抜ける快音が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この瞬間、両校の激闘の幕が、閉じたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





何とか今年中にこの試合を終わらせる事が出来ました…(;^ω^)

って言うか、この試合の執筆始めたのって、まさに去年のこの時期なんですよね。まぁ、サボったものですorz

何もともあれ、書き終えられて良かった…(>_<)

気が付けば今年も後1週間…。今年もあっという間に残り僅かに…。恐らく、これが今年最後の投稿となると思います。次の投稿は、来年の、1月中に出来たらと思っています。今年もこの二次を読んでいただき、ありがとうございました…m(_ _)m

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!


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