投稿します!
思ったより早く書きあがりました…(;^ω^)
それではどうぞ!
試合終了
誠凛 87
鳳舞 74
準々決勝第4試合、誠凛高校対鳳舞高校の試合は、誠凛高校の勝利で幕を閉じた。
「っしゃぁっ!!!」
高く拳を突き上げる池永。
「やった!」
「ああ」
ハイタッチを交わす田仲と朝日奈。
「…ふぅ」
無事、勝利で終え、ホッと一息吐く新海。
「勝った!」
「うおぉぉぉっ!!!」
「準決勝進出だ!」
この試合の立役者である3年生、降旗、河原、福田もそれぞれ肩を組み合って喜んでいた。
「よし!」
リコは胸の前で腕を組みながら笑みを浮かべながら満足気に頷いた。
「…っ」
俯きながら拳をきつく握り、悔しさを露にする三浦。
「…あぁっ! あぁっ!」
床に両膝を突け、涙を流す外園。
「ちくしょう! …ちくしょう…!」
悔しさを口にする鳴海。
「…」
腰に手を当てながら手を仰ぎ、敗北を噛みしめる大城。
「くそっ!」
ベンチの東雲は、自身の不甲斐なさを呪い、その悔しさから自身の太腿を叩き、ぶつけた。
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・・・・・・・
・・・・
「87対74で、誠凛高校の勝ち。礼!」
『ありがとうございました!!!』
センターサークル内に整列し、審判の号令で挨拶をし、その後、それぞれ握手を交わして健闘を称え合う両チームの選手達。
「…」
そんな中、灰崎は1人、その場で立ち尽くしていた。
「(…何だってんだよ)」
胸中で愚痴るように呟く灰崎。灰崎にとって、今、自分の頭を占める感情に戸惑っていた。
2年前、海常に…、黄瀬に敗北した時は、とにかく怒りが沸き上がり、どうにかなりそうだった。今年の夏の時は怒りこそなかったが、悔しさが支配していた。しかし今は…。
「(不思議と怒りはねえ。…だが、この気持ちわりぃ感情は…)」
怒りとは別の何かが込み上げており、それが何なのか分からず、ただただ戸惑っていた。
「灰崎君」
その時、灰崎に声をかける人物が現れた。
「…テツヤ」
声を掛けたのは、黒子であった。
「…へっ! 結局、お前を引きずり出せずじまいかよ」
自虐風に笑いながら黒子に返事をする灰崎。
「…すいません」
そんな灰崎に対し、申し訳なそうに謝る黒子。
「いちいち謝ってんじゃねえよ」
謝る黒子に対し、頭を掻きながら顔を顰める灰崎。
「…よう」
そんな2人に火神が歩み寄り、声を掛けた。
「…ふん、伊達にリョータ達に勝った訳じゃねえみてーだな」
「てめーこそ、思ったよりやるじゃねえかよ」
双方、口調こそ悪いが、互いに認めるような言葉を贈る。
「…」
「…」
それから暫し、無言で視線を交わした後…。
「またやろうぜ」
火神が右手を差し出した。
「…」
灰崎はその右手に一瞬、視線を向けると。
「…ハッ、嫌なこった」
そう言い、その手を握る事はしなかった。
「マジになってバスケをすんのは、これで最後だ」
「っ!?」
「…辞めんのか?」
灰崎の口から出た言葉に、黒子は目を見開き、火神はそう聞き返した。
「もともと、やるつもりはなかったんだよ。あの
そう言い、灰崎は踵を返す。
「じゃあな」
後ろ手で手を軽く振り、灰崎はベンチへと戻っていった。
「…あいつ、ホントに辞めちまうつもりなのかよ」
歩く灰崎の後姿を見ながら呟く火神。
「…分かりません。ですが、中学時代にバスケ部を辞めた時とは違うみたいです」
帝光中時代、赤司に退部を言い渡され、バスケ部を去る際、黒子が灰崎を引き留めた事があった。
「あの時は、何処か燻っていた感じがあったように見えましたが、今の彼は、とても晴れやかに見えました。恐らく、自分なりに区切りは付いたのだと思います」
今の灰崎を見て、そう感じ取った黒子。
「きっと、今後も何らかの形でバスケを続けていくと思います。だって彼は――」
「――ああ。あいつ、夏から今日まで相当練習してきたみてーだからな。…ま、機会があったら、ストリートのバスケでも付き合ってやっても良いかもな」
2人は灰崎の背中を見届けると、自分達もベンチへと戻っていった。
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・・・・・・・
・・・・
「今日は対戦、ありがとうございました」
「こちらこそ。ありがとねー」
鳳舞ベンチにて、リコが足を運び、相手監督の織田に挨拶をしていた。
「良いチームだ。さすが、2度も全国優勝に導いたリコちゃんが監督をしているだけあるよ」
「そんな事…。良い選手に恵まれただけですよ」
褒められたリコは照れながら謙遜した言葉を返す。
「今日の采配、実に見事だったよ。ベンチで選手達を信じて堂々と座っている姿は、昔の景虎君を見ているようだったよ」
リコの父親、相田景虎の監督時代の姿を知っている織田は、今日のリコの姿を景虎と重ねていた。
「織田先生こそ、噂に違わない采配でした。私だったら、たった2年足らずであのメンバーを纏め上げる事はきっと出来ません。最後まで気を抜けない、厳しい試合でした」
チームの完成度、試合での采配に感銘を受けたリコ。
「あっはっはー。長い事、監督やってるからねー」
自身の後頭部を撫でながら照れる素振りをする織田。
「明日は武内君のチーム、それに勝てば多分、上杉君のチームと戦う事になると思うけど、どっちも強いよ?」
「はい、良く分かっているつもりです」
「だよねー。なら、僕達の分まで頑張ってねー」
「はい。今日は、ありがとうございました!」
最後に挨拶と同時に頭を下げ、リコは自身のチームのベンチへと戻っていった。
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・・・・・・・
・・・・
「はいはい、皆、お疲れ様ー。負けちゃったけど、良い試合だったよー」
『…っ』
織田からの労いの言葉に、敗戦、悔しさ、悲しさを噛みしめながら耳を傾ける鳳舞の選手達。
「荷物をホテルに置いたら、残念会に行くよー。美味しい焼肉のお店知ってるから。皆でお腹いっぱい食べよう」
「焼肉!? マジかよ!!!」
焼肉と言うキーワードを聞き、先程まで敗戦で落ち込んでいた鳴海の表情が明るくなる。
「僕の奢りだから、好きなだけ食べていいよー」
「いよっしゃぁぁぁっ!!! あざーす!!!」
両拳を天に突きあげ、外園が喜びを露にした。
「…」
選手達が焼肉で盛り上がる中、灰崎は自分の荷物を肩に下げると、1人、ベンチを後にしようとしていた。
「おい灰崎、何処行くんだよ!?」
「あん?」
そんな灰崎を鳴海が呼び止めた。
「話聞いてただろ? これから皆で残念会行くって決まったんだから、てめえも来るんだよ」
「はぁ? 何で俺まで…」
「言っておくが、拒否権はないぞ」
横から呼び止めたのは大城。
「お前には兼ねてより言いたい事が山ほどある。…焼肉食いながら言わせてもらうぞ」
言葉とは裏腹に薄く笑みを浮かべながら告げる大城。
「行きましょうよ灰崎さん」
「タダ飯ッスよ!? 行かなきゃ損ですよ!」
「そうですよ!」
三浦、外園、東雲も続いて催促した。
「……ちっ、しょうがねえな、ちょうど腹減ってっから、付き合ってやるよ」
そう言って、灰崎は鳳舞の選手達の下へと戻っていった。
「それじゃ、しゅっぱーつ」
織田の音頭と共に、鳳舞の選手達は荷物を纏め、歩き出す。
「てめー、皆の肉焼けよ」
「焼く訳ねえだろ。つうかてめえが焼け。ま、勝手に奪って食うけどな」
「やれるもんならやってみろコラァ!」
「わーわー! 俺が皆の分も焼きますから!」
口喧嘩を始める灰崎と鳴海。その間に入る東雲。鳳舞の選手達は、試合の疲れも敗戦もなかったかのような明るいムードのまま、コートを後にしたのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「…」
「どうかしましたか?」
鳳舞ベンチに視線を向けていた火神。そんな火神に気付いた黒子が尋ねる。
「…いや、思ったより雰囲気明るいっつうか、てっきりギスギスしてんのかと思ってたけど…」
選手同士…灰崎も含めて、明るいムードで談笑している姿を意外に捉えた火神。かつて火神が見た、灰崎が所属していた福田総合のムードは、主に灰崎の態度のせいで最悪だったのだ。
「それはきっと、織田先生のせいね」
2人の話を聞いていたリコが話に加わる。
「パパに聞いた話だけど、織田先生は、あなた達も今日体験したと思うけど、相手の嫌がる事や、相手の弱点を的確に突いてきて、とにかく嫌らしい監督なんだけれど、味方となれば、これ以上に頼もしい存在はいないって」
「へぇー」
頷く火神。
「監督になって最初に教わるのは、バスケを楽しむ気持ち。勝っても負けても、最後には皆で笑い合える、織田先生が監督を務めると、どんなチームもあんな感じになっちゃうんだって」
「良い監督なんですね」
つい今し方、試合に負けたばかりなのに、今では監督と選手同士、明るく談笑している姿を見て心が打たれた黒子。
「…ま、監督の私からしたら、敵に回したら、勉強にはなるけれど、厄介極まりないわ」
結果こそ快勝だが、決して楽な試合ではなかった。ここまで競った試合になったのは、織田の手腕によるものが大きく、リコは肩を竦めた。
「…さ、いつまでもお喋りしてないで、あなた達も早く荷物を纏めなさい!」
「「はい!」」
そうせっつかれ、2人は身支度を整え、ベンチを後にした。
「黒子、今日は悪かったな。お前も試合に出たかっただろ?」
歩き始めると、火神が黒子に謝罪をした。
「そうですね。僕も出たかったです。火神君の事を少し、恨みます」
視線を向けず、進行方向を見ながら黒子が言う。
事の話は、第1Q終了後のインターバルの事…。
※ ※ ※
『この試合、黒子君抜きで戦いたい?』
『はい。いいスか?』
火神がリコに対し、1つの提案をした。それは、この試合に黒子は出さないでほしいというもの。
『……理由は?』
『率直に、個人的な挑戦…いや、我が儘です。夏に花月は神城抜きで鳳舞に勝った。だから俺もそれに挑戦する意味で、黒子抜きで鳳舞に勝ちたいんです』
素直な気持ちをリコに伝えた。
『…』
顎に手を当てながら考えるリコ。
『いいな、それ。花月の奴らに俺達に強さを見せつける意味も込めて、やってやろうぜ』
横で聞いていた池永が賛同する。一部、3年生から不安そうな顔も見られるが、特に異を唱える者はいない。
『…分かったわ。私としても、黒子君を出さないで済むならそれに越したことはないから。でも、もし、試合がどうにもならないようなら…』
『監督がそう判断したらその時は、出してもらって構いません。あくまで、俺個人の我が儘ッスから』
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「いやホントに悪かったって! 今度マジバでバニラシェイク奢るからよ!」
火神の方を向かず、前を見ながら淡々と返事をした黒子に慌てて手を合わせて謝る火神。
「……半分冗談です」
フッと薄く笑みを浮かべる黒子。
「試合に出たかったというのももちろん嘘ではないのですが、1度、
「…?」
「今日、出られなかった分は、明日ぶつけたいと思います」
「そうしろそうしろ。何せ、明日の相手は黄瀬だ。否が応でも出番があるだろうよ」
明日の相手は強敵、黄瀬涼太を擁する海常高校。その強さや恐ろしさは身を以て理解している為、黒子を出す事になるのは必至であろうと火神。
「それと、もう1つの目標、達成出来て良かったですね」
話題を変える黒子。
「点差、狙っていたのでしょう? 夏の花月より多く点差を付けて勝つって」
第1Q終了時にインターバルの折、火神が黒子に夏の花月対鳳舞の試合のスコアを尋ねた事で、火神がただ勝つのではなく、点差も意識していた事を察していた。
「ああ。どうせだから、黒子抜きで勝つ事ともう1つ、花月よりも点差付けて勝ってやるってな」
夏に花月は鳳舞に11点差で勝利した。今日の誠凛は87対74の13点差。つまり、目標は達成されていた。
「けどまあ、途中から、勝つのに必死で、すっかり忘れてたけどな」
ニカッと笑う火神。
「これで後2つだ。2つ勝てば、夏と冬の連覇と、先輩達の悲願も果たせる。やってやろうぜ」
そう言って、黒子に拳を突き出す火神。
「はい。もちろんです」
その出された拳に対し、黒子は笑顔で拳を突き返したのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「大ちゃんの言ったとおり、誠凛が勝ったね」
試合が終わり、桃井が青峰に声をかける。
「だから言っただろ。よっぽどの事がなけりゃ、誠凛が勝つって。…くわぁ」
欠伸をしながら返事をする青峰。
「試合も全部終わった事だし、帰るぞさつき」
そう言って立ち上がり、その場を後にする青峰。
「ちょっと、待ってよ大ちゃん!」
慌てて荷物を持って桃井は青峰を追いかけた。
「…」
歩きながら、コートのあるフロアから去ろうとする鳳舞…その中の灰崎に視線を向ける青峰。
「(もう少し早くマジになってりゃ、今日も、夏も、2年前の黄瀬との試合も、違った結果だったかもしれねえのにな…)」
青峰は、灰崎の性格は快く思っていなかったが、その実力は認めていた。それだけに、その性格故に、高校での灰崎に結果を僅かに残念に思っていた。
「(…ま、俺が言えた義理でもねえけどな)」
そう胸中でボヤくと、青峰は会場を後にしていった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「順当通り、誠凛勝利で終わったな」
試合を見守っていた花月の選手達。松永が口を開く。
「決勝は、誠凛か海常。…かー! どっちが来ても手強いで」
苦笑する天野。
「ですね。…けど、その事はとりあえず、明日勝ってから考えましょうか」
肩を竦める空。
「…そやな。俺とした事が、今の言葉は忘れてや」
油断や明日の相手の軽視とも取れる発言をした事を恥じた天野が表情を改める。
「神城の言う通りだ」
ここで上杉が口を開き、皆が注目する。
「全国の試合、それも、準決勝まで勝ち上がってきたチームに、容易い相手などいない」
『…』
「明日の試合の田加良高校も今日と同じ、勝つ為に死に物狂いで挑んで来る。まだ辿り着いてもいない決勝の事を考えている奴は考えを改めろ」
『はい!』
上杉の檄に、選手達は表情を改めて返事をする。
「帰ったらすぐにミーティングだ。行くぞ」
そう締めくくり、上杉はその場を後にする。選手達もそれに続いた。
「…」
その途中、空はコートを去ろうとする誠凛の選手達に視線を向けた。
「(あの鳳舞を黒子さん抜きで…、しかも、今日の鳳舞は夏の時より遙かに強かった…)」
チーム全体の総合力アップに加え、チーム戦術の向上、灰崎の進化。確実に夏の鳳舞より進化していた。
「(あのキセキの世代を1度は全員倒している火神さん。…ハハッ! こりゃ、何が何でも決勝に辿り着かねえとな!)」
待ち受ける強敵を前に、笑みが零れる空。
「全く。自分で言っておきながら…」
空の表情を見て、何を考えているか察した大地。
「別に良いじゃねえかよ。むしろ燃えてんだぜ? 明日絶対に勝たなきゃなって」
そんな大地に対し、唇を尖らせながら抗議する空。
「それに大地だって、同じ事考えてたんじゃねえのか? …俺には分かるぜ。身体の中がグツグツと煮えたぎってんのがよ」
不敵な笑みを浮かべながら大地の胸を右拳でコツンと叩く空。
「やれやれ…」
心の内を長年の相棒に見透かされた大地は苦笑する。
「…明日、勝ちましょう」
「たりめーだ!」
コツン、と、2人は拳を突き合わせた。
※ ※ ※
「いやー、なかなか見所ある試合だったな…」
場所は変わってアメリカ。準々決勝のネット生中継を観戦していたジャバウォックのメンバー達。全試合を見終わると、ニックが感想を漏らす。
「サイズとかフィジカルはあれだけどよ、スピードとか戦術は結構いい感じじゃねえかよ」
ザックも好評の感想を口にした。
「…ハッ! 下らねえ。こんな低レベルな試合でよ」
そんな中、ナッシュだけは相変わらずの酷評をしていた。
「ナッシュだって、途中からマジで試合見てたじゃねえかよ」
「気のせいだ」
からかうように指摘するニックに対し、視線を逸らすように返事をするナッシュ。
「…けど、ナッシュだって、ソラや、同じチームメイトの
「…」
アレンがそう指摘すると、ナッシュは返事をする事無く黙る。
「確かに、あのヨウセンだっけか? あのチームの
「その対戦相手の
ニックとザックが、口々にキセキの世代の紫原と黄瀬、火神を評価する。
「見てくれ。興味深いものが映ってるよ」
アレンがそう言ってノートパソコンの画面を指差すと、ニックとザックが画面に顔を近づける。指差したその画面には、観客席が映っていた。
「こいつ、見た事ないか?」
「……うおっ!? こいつ確か、何処かの強豪カレッジのスカウトじゃねえか!?」
その指差された者の正体に気付いたニックが驚きの声を上げる。
「その下の奴も確かそうだ。見た事あるぜ!」
他にもザックが気付き、同様に声を上げる。
「その少し離れた所にいる奴も見覚えがある。記憶通りなら、リーガACBチーム所属のスカウトだったはずだ」
アレンが更に指差した先にいた人物を説明する。
「…スペインのプロチームがわざわざこんな東洋の島国まで試合見に行ってんかよ」
頭を抱えて驚愕するニック。
アメリカでもNBA選手を多く輩出している大学のスカウトや、アメリカに次ぐバスケ強豪国にプロチームのスカウトまでもが日本の選手に興味を示していると言う事だからだ。
「満足そうに頷いてる姿を見るに、もしかしたら、誰か獲得に乗り出す可能性もあるって事だよな?」
ザックが指摘する。今挙げられた者達は、画面越しからでも分かる程に試合に満足している。
「ソラの話だと、後、あれらと同レベルの選手が後2人もいるって話だ。俺達が日本で試合した、セイヤ・ミスギやタケシ・ホッタも、アメリカのカレッジでの活躍を耳にする。…もしかしたら近い将来、NBAでこれらの日本人達が席巻する事になるかもしれないな」
アレンがそう予想する。
「…」
そのアレンの言葉を、ナッシュも否定する事無く聞いていた。
「こうしちゃいられない!」
何かを思い立ったアレンが立ち上がり、何処かへと急ぎ足で向かっていく。
「何処行くんだよ!」
「日本行きのチケットを抑える。今から抑えれば、ファイナルの試合に間に合うだろうからな」
ニックの問いに、アレンが笑顔で答える。
「マジかよ! だったら俺も行くぜ!」
「なら俺もだ!」
ニックとザックも乗り気の姿勢を示す。
「ナッシュはどうする?」
「…あっ? どうして俺がサルの試合なんざ――」
「分かった。ついでに抑えておくよ」
「――って、おい! ……ちっ」
そう言って部屋を後にしたアレン。ナッシュはただただ舌打ちをした。
「シルバーはどうする?」
「一応、確認しておこうぜ。後が怖いからな」
ニックとザックが、そんな会話をしながら続いて部屋を後にする。
「…」
未だ、日本の試合中継を映してるノートパソコンに視線を向けるナッシュ。
「(…アメリカンドリームは、そう甘くはねえぜ。…ジャパニーズ共)」
ナッシュは立ち上がると、ノートパソコンの電源を切って閉じると、部屋を後にしたのだった…。
※ ※ ※
激闘の準々決勝が終わった。
勝ち上がったのは、花月高校、田加良高校、海常高校、誠凛高校の4校。
準決勝…。
第1試合 花月高校 × 田加良高校
第2試合 海常高校 × 誠凛高校
優勝を賭けた、決勝進出への席を巡った戦いが明日、始まる……。
続く
準決勝に行く前に書いておきたかった試合後の背景。…まあ、お約束って奴です…(;^ω^)
遂に長い長い準々決勝が終わり、次話から準決勝。確か、準々決勝を書き始めたのが1年以上前だから、随分とかかりましたね…(>_<)
準決勝はそこまでかけずに書きあげます。…多分、メイビー…(´▽`*)
感想アドバイスお待ちしております。
それではまた!