黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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第2Q~招かれざる客~

 

 

――キュッキュッ!

 

――ダム!

 

 

 

 

体育館内にスキール音とドリブル音が鳴り響く。

 

「ふっ!」

 

「っ! ちっ!」

 

そこでは空と大地が壮絶な1ON1を繰り広げている。

 

大地が左右に高速で揺さぶりをかけながら抜きにかかる。空もそれに対応してピタリと付いていく。両者共に真剣な面持ちで一進一退の勝負を繰り広げている。

 

「あの2人、まだ続いてるよ…」

 

「2年間もブランクあるのに衰えるどころか、凄みが増してないか?」

 

周囲にいる部員達は思わず練習の手を止めて2人の勝負に目を奪われてしまっている。

 

3年生は過去に僅かではあるが、1年時に2人のバスケに触れていてある程度の実力は知っていたが、その時より遥かに伸びていた2人に驚愕していた。

 

その他の下級生はそのあまりの速さとテクニックに唖然としている。

 

 

 

 

――ザシュッ!

 

 

 

 

ボールがリングを潜る。この勝負は大地が制した。

 

「ちっ! くそ…、もう1度だ!」

 

「いいですよ。やりましょう」

 

攻守を切り替えて再び1ON1が始まった。

 

空と大地がバスケ部に復帰して1週間が経過し、2人は確実にバスケ部へとなじみつつあった。

 

3年生は2人の復帰に大いに喜んでいたのだが、2人のことを知らない現1年生2年生達下級生は、3年生がこの時期に入部してきたこともあり、少々戸惑いを感じていたのだが、2人の事情と実力を知ると、瞬く間に打ち解けていった。

 

2人の入部手続きも、そもそも、退部処理がされていなかったため、一応は在籍扱いなっていたので特にすることもなかった。

 

現在、3年生7名、2年生6名、新入生である1年生が8名が在籍しているバスケ部。放課後にその全員が集まって汗を流している。

 

「全員集合! これからスリーメンを始めるぞ」

 

『はい(おう)!』

 

キャプテンである田仲がそう提案すると、一斉に返事が帰ってくる。

 

「んじゃ、続きを後でな」

 

「ええ」

 

空と大地も1ON1を切り上げ、ゴール下へと向かう。

 

部員達が全員、ゴール下にそれぞれ三ヶ所へと集まろうとした時、それは突然やってきた。

 

 

 

 

 

 

――ガラッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「おー、久しぶりだなぁ! って、おいおい? なんでそいつらがバスケ部にいんだよ?」

 

体育館の入り口の扉が開かれると、突然の来訪者の声が体育館内に響いた。

 

「…ちっ」

 

「…ハァ」

 

その来訪者に空は舌打ちをし、大地は盛大に溜め息を吐いた。

 

入り口から他校の制服を着た、お世辞にもガラが良いとは言えない5人が入ってきた。5人はズコズコと体育館内へと入ってくる。

 

「神城ぉ~、綾瀬ぇ~、誰の許可を貰ってこの神聖な体育館に脚ぃ踏み入れてんだコラァ!」

 

そのうちの1人が空と大地を威嚇しながら歩み寄っていった。

 

「っ! …先輩」

 

部員の1人がポツリと呟く。

 

彼らは星南中学の卒業生であり、バスケ部のOBでもあり、…そして、空と大地をバスケ部から追い出した者達でもある。

 

その内の1人が空達に絡もうと歩み寄っていくと、田仲がその間へと立って2人を守るようにその先輩達と対峙する。

 

「…帰ってください」

 

「あん?」

 

「これから練習が始まるので、先輩達は帰ってください」

 

「…おい、それが先輩に対する言葉か? あん?」

 

頭を下げながらお願いする田仲に、そのOBは青筋を立てる。

 

「先輩達はもう卒業した人間です! もう部外者です! だから帰ってください!」

 

「ふざけた事言ってんじゃねぇぞこらぁっ!」

 

怒りを爆発させた先頭に立っていたOBが田仲の胸倉を掴みあげる。反対の手をきつく握り、殴りかかろうとしたその時…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ヒュン…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのOBと田仲の間にバスケットボールが猛スピードで通過し、OBの鼻先を僅かに掠める。

 

「誰だ!? ボールを投げやがった奴は!」

 

OBはハッとすると、ボールが飛んできた方向を睨みつける。そこには大地の姿があった。

 

「先輩方、神聖な体育館で喧嘩はやめましょう」

 

大地は特に悪びれるでもなく、薄く笑みを浮かべながら言い放つ。

 

「同意見だな。喧嘩しても俺達には何の得もねぇし」

 

ボールが通った先に立っていた空が、右手の人差し指で器用にボールを回しながらそれに同調する。

 

「っ! …てめ――あつっ!」

 

それに怒りを露わにしたOBが空に掴みかかろうとしたが、すかさず空が回転させたボールをOBの鼻先に当てた。ボールの摩擦により、OBは思わず鼻先を押さえた。

 

「おいこらぁ! てめぇ、何舐めた事――」

 

「試合しませんか?」

 

「…あん?」

 

空の提案に鼻を焦がされたOBが鼻を手で押さえながら聞き返す。

 

「バスケで試合をやって、先輩達が勝ったら俺と大地はバスケ部を辞めますよ。けど、俺達が勝ったら先輩達は金輪際このバスケ部には関わらない。これを条件で…」

 

空の提案にOB達は困惑する。

 

「先輩達は都合よく5人いるみたいだし、先輩達は5人、…こちらは、俺と大地だけで構わないですよ」

 

『っ!?』

 

これには、OBだけではなく、在校生のバスケ部の面々も驚いていた。

 

2ON5。圧倒的に不利な条件での試合。普通に考えればまず2人に勝ち目はない。OB達があまりの提案に戸惑っていると…。

 

「どうしました? ここまで有利な条件でビビりましたか?」

 

空が小馬鹿にするかのような口調で告げる。それに怒りを心頭させたOB達は…。

 

「っ! 上等だコラァ!」

 

その挑発に乗った。

 

かくして、かつて空と大地を追いだした先輩であり、バスケ部のOB達と、2人の試合が急遽、始まるのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

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