黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

久しぶりに長文です…(^-^;)

それではどうぞ!




第83Q~勝利の為に~

 

 

 

第3Q、残り3分39秒。

 

 

花月 49

桐皇 69

 

 

第3Qが開始して7分。前半戦を1点リードで終えた花月だったが、後半戦開始早々に逆転され、そのまま追加点を決められ、点差は20点まで開いていた。

 

「「…」」

 

空と大地はベンチに座ったまま頭にタオルをかけ、下を向いている。

 

「……ふぅ」

 

天野はタオルで汗を拭いながら一息吐く。

 

「ハァ…ハァ…」

 

松永は荒れている呼吸を整えている。

 

「ぜぇ…ぜぇ…」

 

生嶋は激しく呼吸を乱している。

 

『…』

 

ベンチの選手達とマネージャーの姫川と相川は一様に無言でその光景を見つめていた。

 

状況が最悪のなのは目に見えて明らか。素人同然の相川にさえ理解出来ている。だが、この状況を打開出来る作戦など思いつかない。『頑張れ』や『まだいける』等の言葉は気休めにすらならない事も分かっている為、沈黙を保つしかなかった。

 

「…」

 

それは上杉も一緒であった。敵・味方の戦力を理解している、それ故、具体的な指示が出せない。暫しの沈黙の後、上杉が口を開いた。

 

「全員顔を上げろ。こっちを見ろ」

 

『…』

 

そう指示を出すと、選手達が一斉に上杉の方へ視線を向けた。

 

「(まだ誰1人諦めていない。選手達の心は折れていない。…打てる策がないのなら…)」

 

1度深く目を瞑り、そして開いた。

 

「お前達、もう全て出し切ったか? ここで終わって満足出来るか?」

 

上杉は諭すような口調で選手達に語り掛けた。

 

「……満足出来るわけないでしょう」

 

その問いかけに最初に答えたのは空だった。

 

「俺は優勝する為にこのウィンターカップに来た。こんな所で終われねえ。終わりたくねえ!」

 

空は自身の胸の内を吐露した。

 

「私も同感です。ここで終わってしまっては、三杉さんや堀田さんに合わせる顔がありません。例え無茶でも、私はまだ諦めたくありません」

 

力のこもった視線を向けながら大地が言った。

 

「冗談きつ過ぎやで監督。たかが20点差やん。時間もまだあるのに終われるわけないやろ」

 

薄く笑みを浮かべながら天野が言った。

 

「まだ…身体は動きます。…まだやれます…!」

 

身体を疲弊させながらも生嶋は力強い声で言った。

 

「俺は足手纏いになる為にここ(花月)に来た訳ではありません。こんな所では終われません!」

 

拳をきつく握りしめながら松永が言った。

 

「……いい返事だ。試合を投げ出そうもんならここで殴り飛ばしていた所だが、杞憂だったな」

 

選手達の返事に満足したのか、上杉は笑みを浮かべた。

 

「最後まで足掻くぞ。まず、ボール運びが出来なければ話にならん。綾瀬、ここからはお前と空の2人でボールを運べ」

 

「えっ?」

 

突然の指示に大地は思わず声を上げる。

 

「練習でやってこなかった事はいきなりは出来ん。だが、付き合いの長いお前なら空との連携もこなせるだろう。いちいち調子を崩す空に発破をかける意味もある。行けるか?」

 

「…分かりました。やってみせます」

 

当初は戸惑ったものの、意図を聞いて納得し、返事をした。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

ここで、タイムアウト終了のコールが鳴る。

 

「ちっ、時間か。天野、生嶋、松永。お前達はお前達の出来る事を全力でやれ」

 

「「「はい!」」」

 

「行って来い!」

 

『おう!!!』

 

花月の選手達は力強い声で返事をし、コートへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「えらい声上げとんのう。目の前の悪い状況を振り払うのに必死なんやろなぁ」

 

花月ベンチから聞こえる声に今吉は嘲笑ような笑みを浮かべた。

 

「おい、今吉」

 

「ん? どうかしま――ぐっ!」

 

声を掛けられた今吉が振り返ると、突然胸倉を掴まれた。

 

「さっきからべらべらうるせぇんだよ。勝ち試合でしか笑えねえ雑魚がいきがってんじゃねえ」

 

イラついた表情で青峰が睨み付けた。

 

「青峰、その辺にしておけ。試合中だぞ」

 

若松が青峰の肩に手を置いて諫めた。

 

「ちっ」

 

舌打ちをして青峰はコートへ向かっていった。

 

「えらいご機嫌斜めやなあ。前半戦抑えられたんがそんなにプライドに障ったんか?」

 

首筋を摩りながら今吉は軽く表情を引き攣らせながら喋る。

 

「死に物狂いで戦ってる相手を馬鹿にしてんじゃねえ…って事だよ」

 

戸惑っている今吉に福山が声を掛ける。

 

「ましてや試合はまだ終わってねえし、何がきっかけでひっくり返るとも限らねえんだ。その事、肝に銘じておけ。代えられたくないならな」

 

そう言って今吉に後頭部を軽く叩き、福山もコートへ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

試合は桐皇ボールから再開する。

 

今吉がボールを運び、アウトサイドの桜井にボールを入れた。桜井にボールが渡ると、生嶋がすかさずチェックに入る。

 

「…っ」

 

だが、桜井はスリーは打たず、生嶋が距離を詰めたの同時に中へパスを出した。

 

「ナイスパス!」

 

そこへ走り込んできた福山がボールを受け取り、シュートを放つ。

 

 

――チッ…。

 

 

「っ!?」

 

シュートを放った瞬間、横から飛び出た1本の手の指先に僅かにボールが触れた。

 

「ちっ、神城!」

 

ボールが桜井に渡った瞬間、中へ走り込む福山が視線に入った空はすぐさま追いかけ、結果、ギリギリブロックに間に合った。

 

 

――ガン!!!

 

 

ボールはリングに弾かれる。

 

「おぉっ!!!」

 

リバウンドに松永が飛ぶ。

 

「おらぁっ!」

 

 

――ポン…。

 

 

だが、松永の後ろから若松が手を伸ばし、ボールをリングに押し込んだ。

 

「くそっ!」

 

リバウンドを取れず、悔しがる松永。

 

「ドンマイ仕方ねえ。切り替えろ」

 

「ああ、すまん」

 

ボールを拾った松永が空にボールを渡した。

 

「おっ?」

 

フロントコートまでボールを進めると、大地が空の横に並んだ。

 

「スー…フー……よし、行くか」

 

「ええ」

 

 

――ダムッ!!!

 

 

「っ!?」

 

空が声を掛け、大地が答えると、同時に動き出した。目の前の今吉をすれ違い様にパスを出し、そのまま両脇を駆け抜けていく。

 

「いいね、来いよ」

 

すると、2人の前に青峰が立ち塞がった。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

大地はスピードを落とさず、クロスオーバーで青峰に仕掛ける。青峰は難なく大地に付いていく。直後。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

ここで大地が高速バックステップで下がり、距離を取り、そのままシュート態勢に入る。

 

「ちっ」

 

すぐさま青峰がこれに対応、距離を詰め、ブロックに飛ぶ。

 

 

――ボムッ!!!

 

 

青峰がブロックに来ると、大地はシュートを中断し、足元に投げつけるように前へパスを出す。ボールは、大地が仕掛けるのと同時に前へ走り込んでいた空が受け取り、そのままリングに進み、レイアップの態勢に入る。

 

「だっ! くそっ!」

 

慌てて若松がヘルプに飛び出し、ブロックに現れる。

 

 

――スッ…。

 

 

若松がブロックに現れると、空はレイアップの態勢からボールをふわりと浮かせるように上へと放り投げる。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

ボールは若松のブロックを超え、そのままリングを潜った。

 

『キタ! 神城のティアドロップ!』

 

「くそっ、あの野郎…!」

 

ブロックをかわされ、決められた若松は悔しさを露わにする。

 

オフェンスが桐皇に切り替わり、今吉がボールを運び、早々に青峰にボールを渡す。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

ボールを小刻みに動かし、左右にボールを切り返しながら牽制し、その結果、空いた大地と天野のダブルチームの隙間を高速で駆け抜け、抜きさり、すかさずシュート態勢に入る。

 

「まだだ!」

 

そこへ、空が高速でヘルプに走り、シュートブロックに飛んだ。

 

 

――スッ…。

 

 

「っ!?」

 

だが、青峰はボールを右手に持ち替え、下げると、その態勢からボールを放り投げた。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

不安定な態勢ながらも、投げられたボールはリングの中央を的確に射抜いた。

 

『青峰のフォームレスシュート! やっぱ何度見てもスゲー!』

 

「…」

 

再びオフェンスが花月に切り替わると、空と大地が並び、ボール運びを始める。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

今吉を抜きさると、先程と同様、青峰がヘルプに現れる。

 

 

――ズッ…。

 

 

目の前に青峰が現れると、空は両足を滑らせ、背中から倒れ込んでしまう。

 

「(知ってるぜ。前に見せた倒れ込みながらのスリッピンスライドフロムチェンジだろ?)んなもん俺には――」

 

かつて見た空のトリックプレーを読み切り、対応しようとした青峰だったが、空は背中を向けて倒れ込む瞬間、肩越しにボールをリング方向へ放り投げた。咄嗟に青峰はボールに手を伸ばすが、紙一重で間に合わなかった。

 

放り投げたボールを走り込んでいた大地が空中で掴み、そのままリングに放る。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

「ちっ」

 

すかさず追いかけた青峰だったが、空が仕掛けるのと同時に走り込んだ大地に追いつけず、舌打ちをした。

 

『うおー! 桐皇もスゲーけど、花月も負けてねえ!』

 

その後も、桐皇は今吉が起点になり、そこから青峰が中心に得点を重ねていく。花月も負けじと、空と大地のコンビプレーで得点を重ね、これ以上のリードを許さない。

 

 

第3Q、残り13秒。

 

 

花月 59

桐皇 79

 

 

互いに得点を決め合い、20点~22点を行ったり来たりしながら時間は第3Q、残り僅かとなった。

 

「…」

 

現在桐皇ボール。ボールは今吉がキープし、攻め手を定めていた。

 

「(青峰はんは……あかん、マークがきついのう。確率が高いんは福山はんか桜井はんやけど…)」

 

どっちがより確率が高いか計算する今吉。

 

「今吉、こっちだ!」

 

攻め手を考えていると、若松がボールを要求する。

 

「頼んまっせ!」

 

その声を聞き、今吉は迷うことなく若松にパスを出した。

 

「どっせぇぇぇぇぇい!!!」

 

「ぐっ!」

 

ボールを受け取ると、若松は身体で松永を押し込みながらジリジリとゴール下に押し込む。松永も歯を食い縛って耐えるも少しずつ押し込まれていく。

 

「(…くそっ! やはり今の俺ではパワーに差があり過ぎる。侵入を防げない…!)」

 

全身から力を振り絞るもそれでもパワーの差は明白であった。

 

「(神城と綾瀬がギリギリの所で踏ん張ってくれているんだ。ここで俺が負けていてどうする! 俺は、勝つ為にコートに立っているんだ。足を引っ張る為じゃねえ!)」

 

同学年である空と大地が諦めずに奮闘をしている姿を目の当たりにし、自分もチームの為を勝利に導く為、貢献したいとその目に力が入る。

 

「(パワーで圧倒的な差がある。ならば…!)」

 

「おらぁっ! もらうぜ!」

 

ひとしきり押し込んだ若松がシュート態勢に入る。

 

 

――バス!!!

 

 

若松が放ったシュートがバックボードに当たってリングを潜った。

 

「っしゃぁっ!」

 

シュートが決まり、喜びを露わにする若松。その時…。

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

審判が笛を吹いた。

 

『オフェンスチャージング、黒4番!』

 

「っ!?」

 

審判にコールされ、若松は審判の方に向き直る。その後振り返ると、松永が倒れていた。

 

『あー! おしい、ファールだ!』

 

得点が無効になり、観客から溜息が漏れる。

 

「ちっ、ファールかよ」

 

「どうも」

 

舌打ち交じりで若松が倒れた松永に手を差し出し、松永は礼を言いながらその手を取り、立ち上がった。

 

松永から空がボールを受け取り、ボールをフロントコートまでボールを進め、目の前に今吉が来ると、空は大地…ではなく、ハイポストに立つ天野にパスを出した。同時に、空と大地が天野目掛けて走り出した。

 

「ちっ」

 

青峰が舌打ちを2人を追いかける。天野の右側から空、左側から大地が走り込む。

 

「(どっちだ? ……いや、関係ねえ。ボールを取った方にチェックすりゃいいだけだ)」

 

青峰は読みを放棄し、ボールの行方に注視した。天野がボールを前に出すと、空と大地が同時にボールに手を伸ばす。2人が天野の横を走り抜けると…。

 

『っ!?』

 

ボールは空、大地、どちらも手にしておらず、天野の手に乗ったままだった。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

天野はボールを胸元に引き寄せ、反転。リングに向かい合うと、そのままジャンプシュートを決めた。

 

「ええ感じや!」

 

 

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

 

ジャンプシュートが決まった所で第3Q終了のブザーが鳴った。

 

 

第3Q、終了。

 

 

花月 61

桐皇 79

 

 

「よっしゃー! 1本縮めたぞ!」

 

タイムアウト終了時よりシュート1本分点差が縮まり、喜びを露わにする空。

 

「ちっ、しぶといな」

 

突き放そうとも食らい付いてくる花月を睨み付ける若松。

 

2分間のインターバルに入り、両チームは各々のベンチに下がっていった。

 

「松永、最後の1本、よく止めた。おかげで最終Qに繋げられた」

 

上手くファールを貰い、失点を防いだ松永を上杉が労った。

 

「俺にも意地がありますからね」

 

フッと笑みを浮かべながら松永は返事をした。

 

「いいか。残りは第4Q残すのみだが、時間は充分にある。ここからは――」

 

最後の10分。上杉は選手達に指示を出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

インターバル終了のブザーが鳴り、両チームの選手達がコートへと戻ってきた。

 

「行くぞぉっ!!!」

 

『おう!!!』

 

空の号令に、花月の選手達が応えた。

 

「っしゃぁっ! トドメ刺すぞぉっ!!!」

 

『おう(はい)!!!』

 

続いて、若松の号令に桐皇の選手達が応えた。

 

空がボールを貰い、花月ボールから試合は再開された。

 

「…」

 

「…」

 

空がゆっくりドリブルを始めると、大地が横に並ぶ。

 

『…』

 

今吉が2人の目の前に立ち、他の選手達も自身のマークする選手に注視しながらポジション取りを始めた。

 

「(…監督の言ってたとおり、さっそく動いたか…)」

 

桐皇のディフェンスは、間違いなく空と大地のコンビプレーに対応する為のややゾーン気味のマンツーディフェンスである。いつでもパスコースと進路に飛び込めるポジションに各選手が立っている。

 

「(ここまでは予想。……後は…)」

 

空が周囲を見渡す。

 

「(疑ってなんかいない。ここまで来れたのは皆と力を合わせてきたからだ。俺は信じるぜ!)」

 

 

――ダムッ!!!

 

 

意を決した空が動き出す。合わせて大地も動く。ドライブで切り込むと、ワンバウンドさせながら大地にパスを出し、大地はすぐさま空にリターンパスをし、目の前の今吉をかわす。すると、それに合わせて桐皇ディフェンスが中を固めてくる。

 

「(ここまで予定通り。頼むぜ!)」

 

このタイミングで空はパスを出す。ボールの行き先は…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「(来た!)」

 

空がリターンパスを受けた直後、自身がマークしていた生嶋がスリーポイントラインの外側へと走り出した。

 

『神城君と綾瀬君のコンビプレーを止める為、中を固めます。基本はマンツーですが、ポジションをやや中気味に取ってください』

 

インターバル中、原澤が指示を出す。

 

『ですが、向こうも当然、これを読んでくるでしょう。恐らく、ディフェンスを外へと広げるさせるでしょう』

 

『…』

 

『桜井君。第4Q開始直後、花月は生嶋君で攻めてくるでしょう。警戒を怠らないようにして下さい』

 

これが、インターバル中に原澤から出された指示である。

 

「(生嶋君はもう限界に近いせいで動きは鈍い。追いつける!)」

 

桜井は生嶋の後を追う。

 

 

――ドッ!!!

 

 

だが、その瞬間、桜井は何かに接触する。

 

「(スクリーン!? 天野さんのポジションは確認していたのに…!)」

 

桃井のデータによって、天野のスクリーンのタイミングとポジションは把握していた桜井。にも関わらずスクリーンにかかってしまった事に驚愕する。

 

「(どうして……)えっ!?」

 

顔を上げると、桜井はさらに声を上げる。

 

「…っ!」

 

スクリーンをかけていたのは天野ではなく、松永だった。

 

「(試合に勝てるのなら、潰れ役でも何でもやってやる!)」

 

基本的に松永は花月のオフェンスを担う一角の為、スクリーンをやる機会はほとんどなく、天野がこなす事がほとんどだった。現状、松永は若松から点が取れず、天野も動きが読まれている為、スクリーンをかけてもかわされてしまう。その為、松永が動いた。

 

「ぜぇ…ぜぇ…!」

 

息を切らしながらノーマークとなった生嶋がボールを受け取る。

 

「(身体が重い。腕が重い…。だけど、まだ動く。リングは……そこだね)」

 

リングを視認した生嶋は不格好ながらスリーを放った。

 

「(フォームもリズムもバラバラ。…けどこれ、入る!)」

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

桜井の予想通り、ボールはリングを潜り抜けた。

 

「ナイス生嶋!」

 

「…っ」

 

スリーを決めた生嶋を空が労いながら背中を叩くと、生嶋はふらつき、そのままフラフラとしながらディフェンスへと戻っていく。

 

「(もうスタミナなんてとっくに切れてる。多分、意識だって朦朧してる。…なのに、どうして外れないんだ…)」

 

限界をとうに超えている生嶋を見て戦慄を覚える桜井。

 

「桜井! ボーっとしてんな! 取り返すぞ!」

 

「は、はい! すいません!」

 

そんな桜井に若松が声をかけると、いつもの謝罪の後、オフェンスへと向かった。

 

「…」

 

若松からボールを受け取った今吉がボールを運ぶ。

 

「(フリーだったとは言え、この局面で決めよるとはのう。大したシューターや。やが…)同じチームメイトでやりたいとは思えへんな」

 

フロントコートに到達するや否や、今吉は桜井にパスを出した。

 

「すいません!」

 

ボールを受け取った桜井はすぐさまクイックリリースでスリーを放った。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

放たれたボールはリングを潜り抜けた。

 

「いいぞ桜井!」

 

「はい!」

 

若松と桜井がハイタッチを交わす。

 

「今の時代スリーしか撃てへん、1人では何も出来んシューターじゃ全国レベルでは通用せーへんで」

 

「…っ!」

 

空に聞こえるように今吉が話しかけると、空は拳をきつく握りしめた。

 

「ぜぇ…ぜぇ…ごめん。今のは…僕の責任だ。もう1回……取り返すよ…」

 

息も絶え絶えに空にそう言い、前へフラフラと走っていった。

 

オフェンスは変わり、花月ボール。

 

「(行け!)」

 

「ぜぇ…ぜぇ…!」

 

松永が合図を出すと、生嶋がアウトサイドへと走り出す。

 

 

――ドッ!!!

 

 

追いかけようとした桜井は再び松永のスクリーンに捕まってしまう。

 

「ぜぇ! ぜぇ!」

 

必死に酸素を取り込みながらアウトサイドへと走る生嶋。

 

生嶋がバスケを始めたのは小学校5年生の時。テレビに映るバスケプレーヤーに憧れ、地元のミニバスチームの門を叩いた。だが、当時の生嶋は何も持っていない選手だった。身体能力もテクニックも高さもない、体力も碌にないバスケ選手として致命的であった。

 

『残念だけど、君はバスケに向いてない』

 

コーチにはそう投げかけられ、退部も勧められた事もあった。それでも生嶋は諦めなかった。そこから、生嶋はアウトサイドシュート練習を始めた。当初は碌にリングにすら届かず、チームメイトからは嘲笑された。それでも生嶋は毎日シュートを撃ち続けた。

 

撃ち続ける内に、ボールがリングに届くようになり、さらに撃ち続ける内に10本撃って1本入るようになった。それが2本3本4本と徐々に確率が上がっていき、遂には10本決められるようになった。その頃にはチームメイトにも生嶋の力が認められ、チームの主力となっていた。

 

「(何も持たなかった僕にはスリーしかない。スリー以外は何もない。だから…!)」

 

スリーポイントラインの外側まで走った生嶋が振り返り、空から出されたパスを受け取る。

 

「(スリーだけは、誰にも負けたくない!)」

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

不格好ながら放たれた生嶋のスリーはリングの中心を的確に捉えた。

 

『うおぉぉっ! また決めたぁっ!』

 

再び決めた生嶋のスリーを目の当たりにして観客が沸き上がった。

 

「確かに生嶋は1人じゃ何も出来ないのかもしれない。だがな、バスケは1人でやる必要はないだろ」

 

「…っ」

 

先程の異種返しとばかりに空が今吉に語り掛ける。

 

「俺は、俺の…俺達の期待に応えてスリーを決めてくれる生嶋は、俺達の最高のチームメイトだと思ってるぜ」

 

そう告げ、空はディフェンスに戻っていった。

 

「(言いたい事言いよって…。変に勢いづく前にトドメ刺したいところやけど…)」

 

チラリと今吉は青峰の方へ視線を向ける。そこには、必死に大地がディナイをかけ、パスコースを塞いでいる。それに合わせて…。

 

「(神城も、青峰はんにパス出させへんようにいやらしくディフェンスしよる。これじゃ、パス出してもカットされる確率が高い…)」

 

目の前の空も青峰だけにはパスを出させないようパスコースを塞ぎながらディフェンスをしている。

 

「(……まあええわ。うちの得点源はそこだけじゃあらへん。安牌は他にもあるで!)」

 

ここで今吉はパスを出す。ボールの行き先は…。

 

「おっしゃぁっ! ナイスパース!!!」

 

ローポストに立っていた若松にボールが渡った。

 

「おらぁっ!!!」

 

 

――ガシィィィッ!!!

 

 

「ぐっ!」

 

若松は松永に身体をぶつけ、ジリジリとゴール下へと押し込んでいく。やはり、フィジカルに差がある両者である為、徐々にゴール下まで押し込まれていく。

 

「っしゃぁっ!」

 

ゴール下まで押し込んだ若松がそのままシュート態勢に入る。

 

「(止める! 生嶋も頑張っているんだ。俺も…!)」

 

 

――バチィン!!!

 

 

「痛ぇっ!!!」

 

ブロックに飛んだ松永が若松の手ごとボールを叩くと、若松は顔を歪ませる。

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

『ディフェンス、イリーガル・ユース・オブ・ハンズ、緑10番!』

 

ボールが外れ、コートに落ちると、審判が笛を吹き、ファールをコールした。

 

「ちっ」

 

若松は舌打ちをすると、審判からボールを受け取り、フリースローラインに立った。

 

 

――ガン!!!

 

 

「ぐっ!」

 

1本目、放たれたフリースローはリングに嫌われる。

 

 

――ガン!!!

 

 

2本目もリングに弾かれ、外れてしまう。

 

「いただきやぁっ!!!」

 

リバウンドボールを天野が抑えた。天野はボールを空に渡し、フロントコートへと駆け上がっていった。

 

空がボールを運ぶ。

 

「…」

 

「…(コクリ)」

 

空が松永に視線を送ると、松永は頷いて桜井にスクリーンを掛けに向かう。同時に生嶋が動き出す。

 

「(もうそのパターンには慣れた。何度もかかるもんか!)」

 

2度のスクリーンにパターンとタイミングを覚えた桜井は松永をかわして生嶋を追いかける。

 

 

――ドッ!!!

 

 

だが、生嶋を追いかけようとした桜井が壁に阻まれてしまう。

 

「(なんで!? スクリーンは確かにかわしたはずなのに!)」

 

進行を阻まれた事に驚愕し、咄嗟に顔を上げる。

 

「残念やけどな、ここは通行止めや」

 

「えっ!? 天野さん!?」

 

松永がスクリーンをかけた直後、天野は桜井の死角にさらに二重にスクリーンに立っていた。松永を意識し過ぎたあまり、花月本来の楔役の役割をしていた天野を意識から消してしまい、桜井はスクリーンにかかってしまう。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

フリーになった生嶋がスリーを決めた。

 

『スゲー! 3本連続!』

 

「ぜぇ…ぜぇ…!」

 

息を切らしながら生嶋はそっと拳を握った。

 

「よう決めた、イク!」

 

「さすがだ、生嶋!」

 

そんな生嶋の肩を抱きながら天野と松永が労った。

 

『…っ』

 

再び三度スリーを決められ、点差を詰められた事に表情を顰める桐皇の選手達。

 

「(あかんわ。ここまで点差を詰められるとさすがに焦ってくるわ…)」

 

ボールを運ぶ今吉は表情には出さないが内心で焦りを感じながらゲームメイクを始める。

 

「(第4Q始まってそこそこで6点も詰められてもうた。落ち着いて返さんと…)」

 

ここで今吉は桜井にパスを出す。

 

「ぜぇ…ぜぇ…!」

 

「うわっ!」

 

ボールが桜井に渡ると、生嶋がすかさず距離を詰め、桜井にベッタリ張り付くようにディフェンスをする。

 

「(すごい勢いだ! 足元にいるから膝が曲げられない。これじゃ…!)」

 

シュート態勢に入れない桜井。やむを得ず、頭の上からローポストの若松にパスを出した。

 

「よぉぉし!!!」

 

ボールを貰った若松は気合を前面に出しながら再びゴール下まで押し込む。ゴール下まで侵入すると、ボールを両手で掴んでリングに向かって跳躍する。

 

「(恐れるな。身体ごとぶつかるんだ!)」

 

 

――ドガッ!!!

 

 

「がっ!」

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

『ディフェンス、プッシング、緑10番!』

 

身体ごとぶつかられた若松は思わずバランスを崩し、転倒を防ぐようようにコートに手を付いた。

 

「てめえ、今わざとぶつかってきただろ!」

 

今のファールに腹を立てた若松が怒りを露わにしながら松永に詰め寄る。

 

「キャプテン、ストップ!」

 

「やめやキャプテン! ファールして失点を塞ぐなんて昔からある作戦ですやん!」

 

詰め寄る若松に福永と今吉が間に入り、制止する。

 

「っ! ……ちっ!」

 

2人の制止を受け、多少頭が冷えたのか、舌打ちをしながらフリースローラインに向かっていった。

 

「(俺にフリースローを撃たせる為のファールだろ。だったら、ここをきっちり決めててめえの作戦をご破算にしてやる!)」

 

1度松永を睨み付け、リングに集中する。

 

 

――ガン!!!

 

 

1投目が外れ…。

 

 

――ガン!!!

 

 

2投目も外れる。

 

「がぁぁぁっ! ちっくしょぉぉっ!!!」

 

再び2本外し、絶叫する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「今のファール、さっきのもッスけど、わざとッスね」

 

一連のプレーを見て黄瀬が呟く。

 

「ああ。若松のフリースローの確率の悪さを知っての行動だろうな。試合終盤で点差が縮まっているこの状況。当然、確率はさらに下がる。あのセンター、意外に強かだな」

 

火神は今のファールを評価する。

 

「ましてや、あんなに肩に力が入ってしまっては、入るものも入らない。この場面で言えば、有効な手なのだよ」

 

緑間も松永のプレーを評価したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

フリースローが外れ、桐皇のオフェンスが失敗。リバウンドボールを天野が抑え、オフェンスが切り替わった。

 

空がボールを運び、松永がスクリーンをかけ、生嶋がアウトサイドへと走り、空がパスを出す。

 

「馬鹿の一つ覚えが。何度も同じ手にかかるかよ! 舐めんな!」

 

松永がスクリーンを掛けに走るのと同時に若松が生嶋に向かって猛ダッシュ。ヘルプに向かった。…が。

 

「んだと!?」

 

若松は目を見開きながら驚愕する。ボールはアウトサイドに走った生嶋にではなく、スクリーンを掛けた松永に渡った。

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

若松がヘルプに向かった事でフリーだった松永はそのままリングにボースハンドダンクを叩き込んだ。

 

『ここで中かよ! タイミング最高過ぎるぜ!』

 

散々生嶋に外を意識させられた為、中の意識が薄くなり、まんまと中を決められてしまう。

 

「これで10点差だ。行けるよ!」

 

「頑張れぇっ! 花月ぅっ!!!」

 

点差が詰まり、ベンチの馬場と真崎が必死に声を出す。流れは確実に花月に傾きつつある。この勢いのまま攻めれば勝機が見えてくる。少しでもコート上の選手達の力になろうとベンチの選手達は必死に声を出した。

 

 

――ガシャン!!!

 

 

その時、物凄い勢いでボールがリングを潜った。

 

『っ!?』

 

応援をしていた花月ベンチの声が止まる。

 

「いつまでも調子に乗ってんじゃねえぞ」

 

青峰が睨み付けるように言い放つ。大地のマークを振り切った青峰が今吉からボールを貰い、ブロックに飛んだ大地と天野のブロックをかわすように横っ飛びをし、そこから放り投げるようにリングに向かってボールを投げつけたボールがバックボードに当たりながらリングを潜った。

 

静まり返る会場。

 

『……お』

 

『おぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!』

 

静寂を占めた会場はすぐさま熱狂に包まれた。

 

 

「さすが青峰っち。良い所で派手なの決めてきたッスね」

 

「花月に傾きかけた勢いは一瞬で戻しやがった」

 

黄瀬と火神が今の青峰の1本を称賛する。

 

 

「たかが1本だ! 取り返すぞ!」

 

落ちかける花月の空気を一蹴するかの如く空が声を張り上げる。

 

『応!!!』

 

空の激に呼応するかのようにコート上の選手達は応えた。

 

「(流れをもう1度こっちに戻す。その為にも…頼むぜ!)」

 

願いを込めて空がパスを出す。ボールはローポストの松永に。

 

「来いよ」

 

松永の背中に付く若松。松永は1度右から反転…と見せかけて左からスピンターンで若松を抜きにかかる。リングに近づいた所でシュート態勢に入る。

 

「それで抜けたと思ってんのか!? 舐めんな1年坊!」

 

すぐさま追いついた若松がブロックに飛ぶ。

 

 

――ピタッ…。

 

 

だが、松永はシュート態勢で1度制止した。

 

 

――ドン!!!

 

 

そこからブロックに飛んだ若松にぶつかりながらシュートを放った。

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

『ディフェンス、プッシング、黒4番!』

 

審判がディフェンスファールをコールした。シュートは決まらなかったが、フリースローが2本与えられる。

 

 

「監督、キャプテン、3つ目です」

 

桐皇ベンチの桃井が原澤に告げる。

 

「ふむ、これはいけませんね」

 

神妙な表情を浮かべながら原澤は呟く。

 

 

「キャプテン、ファール抑えていきましょか」

 

「ああ、分かってるよ」

 

若干苛立ちながらも若松は今吉に返した。

 

フリースローを松永がきっちり2本決め、花月が再び10点差とした。

 

「ナイスだぜ、松永!」

 

「応!」

 

空と松永がハイタッチを交わす。

 

フリースローが決まった後、桐皇のオフェンスが切り替わる。

 

「…」

 

ボールを運ぶ今吉。先ほどの1本もあり、ひと際青峰を警戒し、ディフェンスに臨んでいる。生嶋も、疲労しきった身体に鞭を打って桜井をマークしている。

 

「…っ!」

 

ガンガンプレッシャーをかける空を相手にいつまでもボールがキープ出来ない今吉は福山にパスを出した。

 

「行かせんへんで」

 

「っ!」

 

福山にボールが渡るとすぐさま天野が福山のディフェンスに入った。

 

「……ちっ」

 

何とか抜きにかかる福山だったが、天野のディフェンスを抜けず、舌打ちをする。

 

「くっ!」

 

やむを得ず福山は若松にパスを出した。

 

「(舐めんじゃねえぞ! 去年まで中坊だった奴にパワー負けしてたまるかよ!)…おらぁっ!」

 

さらに力を入れ、ゴール下まで押し込みにかかる。

 

「ぐっ!」

 

全力でぶつかる若松の圧力に、松永はどんどん押し込まれてしまう。

 

「だらぁっ!」

 

程よく押し込んだ所でボールを掴み、強引にシュート態勢に入る。

 

「(……ここだ!)」

 

 

――バチィッ!!!

 

 

その時、若松と松永が接触する。

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

接触と同時に笛を吹かれる。

 

『オフェンス、チャージング、黒4番!』

 

「なっ!?」

 

審判は若松のファールをコールした。

 

『オフェンスファール! ということは…』

 

『若松4つ目だ!』

 

起こった事態を把握した観客が沸き上がる。

 

「ちょっと待ってくれよ! ファールはねえだろ!?」

 

ファールを不服とした若松が審判に異議を唱える。

 

「キャプテン、ストップや!」

 

「若松君、止めなさい!」

 

それに慌てた今吉とベンチの原澤が制止する。

 

「君、手を上げて」

 

審判はそんな若松に淡々と告げる。

 

「俺は普通に撃ちに行っただけだぜ! ちゃんと見てくれよ!」

 

尚も若松は審判に食い下がる。

 

「…」

 

 

『ピピーーーーーーーーー!!!』

 

 

審判は再び笛を加え、笛を吹く。

 

『テクニカルファール、黒4番!』

 

笛を口から放すと、オフィシャルテーブルに身体を向け、両手でTの形を作って宣言した。

 

「あ…」

 

事の重大さに気付いた若松が思わず声を上げる。

 

『えっ? テクニカルファールって…』

 

『確か、あいつさっきファール4つ目って言ってたよな? という事は…』

 

『若松退場だぁぁぁっ!』

 

観客も状況を理解し、どよめき始める。

 

「なんてことだ…!」

 

この状況での若松退場に表情を曇らせる原澤。まだ第4Qの半分以上を残すこの時間帯にインサイドの要である若松を失う事は桐皇のとってはかなり痛手…致命傷とも言える事態である。

 

「4ファールで引っ込むか、大人しくなってくれれば御の字と思ってけど、まさか退場するとはな」

 

空は若松のファールを誘うところまでは予想していたが、まさか退場に追い込んだ事に軽く驚く。

 

「ありがとな。チームの為に不本意な事をやらせちまって」

 

「構わん。俺のちっぽけなプライド等、試合に勝つ事に比べたら些細な事だ」

 

礼を言う空に、松永は淡々と答えた。

 

「俺は…なんてことを…!」

 

自らが犯した愚行に若松は頭を抱える。

 

「いつまでコートに突っ立ってんだよ。邪魔だからとっとと外に出ろ」

 

頭を抱える若松に青峰が視線を向けずに言い放つ。

 

「てめえ1人いなくても大した問題じゃねえ。むしろ、うるせーのがいなくなってせいせいするくれーだ。さっさとベンチに座って大人しく試合でも見てろ」

 

若松を慰める事なく青峰は非情に言い放った。

 

「……すまねえ。後は頼む」

 

一言そう告げ、若松はベンチに下がっていった。

 

「…ハッ、要は、これで試合が面白くなったって事だろ?」

 

スコアボードに視線を向けながら呟く青峰。

 

「勝てる試合に勝ったって何も面白くもねえ。やっぱバスケは、勝てるどうか分からねえ試合に勝つから面白れぇんだよ」

 

青峰は不敵な笑みを浮かべたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

第4Q、試合も残すところ最後の10分…。

 

生嶋と松永の奮闘により、点差を10点に縮まった。

 

試合の流れが花月へとまさに傾こうとしたその時、桐皇の主将、若松孝輔が5ファールで退場となった。

 

主将であり、インサイドの要である若松を失った事は桐皇にとっては最悪のアクシデント。だが、桐皇のエースである青峰大輝は不敵に笑っていたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





バスケのルールやら用語やら四苦八苦しながら何とか…(^-^;)

思えば、原作で退場した選手って、いなかったような気がしますね。霧崎第一戦では火神が危うく退場になるところでしたが…。

いやー、バスケは難しい。

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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