斎藤龍興の野望(凍結)   作:鈴木颯手

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 結構ムチャクチャです。


正徳寺の会見・下編

 「お初にお目にかかります。斎藤龍興と申します」

 

 「織田上総介信奈よ」

 

 正徳寺に入った龍興は道三の隣に座り信奈に挨拶をした。

 

 斎藤龍興は斎藤道三の息子・斎藤義龍の一人息子である。今はまだ初陣以外では戦に出ていないが初陣では少数ながら兵を見事に統率し、兜首をいくつか挙げていた。

 

 「あんたに聞くけど今の話を聞いてどう思った?」

 

 最初に信奈が聞いて来た。

 

 「(・・・解せん)」

 

 つまり今の話を理解できたか?と聞いているのである。龍興からしてみればいい印象を持たない質問であった。

 

 「・・・某には分かりません。某は信奈殿と違って美濃国より出た事がありません。他国がどのようになっているかなどはすべて報告のみでしか知りえた事がありません。故に某には答えようがありません」

 

 「そう、つまり『言っている事が分からない』と言う事ね。これなら蝮がいなくなれば美濃国簡単に取れるかもね」

 

 「・・・某から言わせてもらえれば信奈殿は現在の状況が嫌になって出来もしない夢を語っているだけにしか聞こえませぬな」

 

 これは俺からの皮肉である。実際そう捉えられてもしょうがないと思う。

 

 「・・・そうね。これだけの事で決めつけるのはよくないわね」

 

 信奈も言い過ぎたのか素直に引く。

 

 「・・・話とは関係ありませぬが先ほど信奈殿は仰っておりましたね?これからは鉄砲の時代だと」

 

 「ええ言ったわ。これからは弓、槍、刀に代わって鉄砲の時代が来る。そのために500挺もの鉄砲を集めたのだから」

 

 「・・・それではそれほどの数を持っているのですから鉄砲隊の腕前も相当素晴らしいでしょうな」

 

 それを聞いた信奈は苦虫を噛み潰したような顔になる。

 

 鉄砲は今では国内で製造できるようになっているが鉄砲に使われる硝石は日本では作れない。故に鉄砲を撃つのはかなり難しかった。

 

 「・・・それでは一つ牽制しておきましょうか」

 

 「?何かしら?」

 

 「叔父上にも聞いていただきたい」

 

 「ふむ、何じゃ?」

 

 道三と信奈が俺に視線を向ける。そこで俺は二つの書状を取り出した。

 

 「・・・これは幕府と御所からの書評である」

 

 「なんと!?」

 

 道三が驚く。それもそうだろう。俺は道三に気付かれない様に調停工作をしていたのだから。

 

 「ここには幕府より父上・斎藤義龍を飛騨守護職に任命すること、御所より父上に飛騨守の官位を授けると書かれております」

 

 飛騨国は美濃の北に位置する国で標高が高く人口が少なかった。

 

 「な、なんと。しかし姉小路家はどうなる!?」

 

 「ご心配なく。ひと月前より姉小路は幕府の意に従うと書状が来ております。勿論それだけではなく某が姉小路家を継ぐことでの条件でありますが」

 

 姉小路けには跡継ぎがいなかった。当主はすでに60を超えていて今更子作りも無理。故に幕府の意に従ったのであった。

 

 「それゆえに某はもうすぐ姉小路龍興となりますが斎藤家を捨てるつもりはありませぬ」

 

 「・・・大体のことは分かったけど何で人口の少ない貧国の飛騨を領地にしたの?」

 

 今まで黙っていた信奈が聞いて来た。合理主義者の信奈からしてみれば人口が少なく取れるものも少ない赤字国を手に入れる理由が分からなかったのだ。

 

 その問いに龍興は答える。

 

 「・・・少し話がずれますが某がもっと幼いころ、一人の旅人と話をした事があります。その旅人は日ノ本のみならず明も旅をした事があるそうです。その旅人は親切にいろいろ教えてくださった。その中の一つに硝石の作り方があった」

 

 「なっ・・・!」

 

 信奈が驚いている。日ノ本ではほぼ作り出すことが出来ない硝石を作れると言うのだから。これはつまり『弾薬を気にせず打てる』と言う事であった。

 

 「勿論日ノ本全てで取っるわけではない。極少ない地方でのみ生産が可能だ仰っていた。その一つが飛騨国である。故に朝廷に頼んでまで飛騨国を手に入れたのだ」

 

 「でもそれは鉄砲がなければ意味がないんじゃない?」

 

 信奈がそう言ってきた。確かに鉄砲は対して持っていない。しかし、それは道三が、である。

 

 「叔父上は鉄砲を持っていないようですが某は300挺を持っています」

 

 「む?どういうことだ?龍興」

 

 「つまり叔父上に渡していない鉄砲が山ほどあると言う事です」

 

 そんな!?それほどまでにワシが信用できぬか!?と騒いでいるがどうでもいい。俺は信奈に向き直る。

 

 「先程申した通り某には南蛮のことなどよく知らない。しかし某にも夢があります」

 

 「ふん、上洛するとかそんな感じでしょう?」

 

 相変わらず酷い言い方だ。それを気にせず俺は口を開く。

 

 「・・・かつて大陸で栄華を誇った元国を超える国を作る事。元国が見た景色を某が見る。それが夢にございます」

 

 初代皇帝・フビライ・ハンより始まりチンギスハンの時代にはヨーロッパの方まで勢力を持った大国である。チンギスハンの時には日ノ本へ攻め寄せたりもしたがこれには失敗している。

 

 「元国は何代もかけて勢力を広大しましたが某はそんな気はござらん。一気に日ノ本を統一し、朝鮮、明を征服する。それだけで後は勢力を伸ばすだけ。巨大な勢力は明だけですからな」

 

 「・・・確かに大きな夢ね。そこはいいわ。けどいくら衰えつつある明だって日ノ本よりをずっと大きな領地を持っているわ。そんな国を相手にどうやって戦うつもりなの?」

 

 「・・・そのための鉄砲ですよ。旅人によれば、明は鉄砲を南蛮どものおもちゃとしか認識しておらず、大陸では鉄砲はほとんど普及していない。そこへ百発百中の腕を持つ鉄砲隊が現れれば軍勢は混乱するでしょうな。混乱する軍勢はもろい。それを繰り返せば勝てますよ」

 

 「それこそ長い時間が必要よ」

 

 「唯一の大勢力といえる国です。他にも勢いのある国があれば別ですがそんな国はない。あるとすれば南蛮どもだろう。時間をかけるのは当然だ」

 

 俺は立ち上がり声を上げて言う。

 

 「織田信奈よ!良く聞け!斎藤家は叔父上が当主故同盟を結ぶがわが父斎藤義龍は織田家を滅ぼすと仰っている!この同盟は叔父上が家督を父上に譲るまたは死んだ時までと思え!残り少ない時間を有意義に過ごされるがいい」

 

 俺はそのまま「失礼する」と言って本堂より降りてそのまま軍勢のもとへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 斎藤家と織田家の同盟はなった。そして上洛を果たす為に尾張へ侵攻した今川軍を織田家は桶狭間似て打ち破った。これにより織田家は西からの脅威が去ったのであった。

 

 しかし、「桶狭間の戦い」より一週間ごある出来事が起こった。

 

 斎藤義龍が「打倒斎藤道三」を掲げて攻め入ったのであった。さらに姉小路家を継いで飛騨にいた龍興も参戦した。

 

 斎藤義龍・龍興軍3万対斎藤道三軍三千は長良川を挟んで対峙した。

 

 世に言う「長良川の戦い」の始まりであった。




 信奈の野望には姉小路が出て来ないのでめっちゃいじくりました。そして長良川の戦いを桶狭間の戦い以降にしました。

 ここで少し説明します。
 
 まず明智光秀は龍興の小姓(飛騨に行った時点で龍興の筆頭家老)なので道三にはついていません。
 そして龍興の父斎藤義龍ですが性格はそのままにしましたが病に侵されていて既に風前の灯火になっている設定にします。

 これからも「斎藤龍興の野望」をよろしくお願いします。

 勿論「三好義継の野望」もお願いします。
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