というわけで、後編。
また、相変わらずの捏造祭りですので、御注意を。
それが何なのか、誰も知らない。
少なくともシルヴァラントでは、おとぎ話の片鱗にしか残らないそれについて、言い伝えは何一つ残っていなかった。
しかし、人々は知らない。
それがつい六年前、人々を脅かしたのだということを。
知っているものは口を閉ざし、知らないものも語りたがらないために、それは誰も知らないままに、歴史の闇に消えていく。
その、筈だった。
システムが解除されるまで、ロイドは気が気でなかった。
なにせ、あっちにはリフィルとジーニアスがいるのだ。エミルも解除班だが、途中からはルインの人たちの脱走を手伝う方に回ると言っていたから、今はあの二人だけの筈だ。
しかし無事にシステムは解除された。ならばロイドがするべきことはただ一つ―――クヴァルを討つ。
ロイド、コレット、クラトスの三人は、クヴァルがいる筈の部屋に踏み込んだ。そこは他の部屋に比べて明かりが少なく、薄暗かった。
「おや、侵入者というからレネゲード共かと思えば、薄汚い劣悪種でしたか」
声が聞こえてロイドは振り返る。暗闇のなかに人影があった。しかし暗いせいで、よく見えない。
「何者だ!」
「ロイド、何時もとは逆だね~」
「あのなぁコレット……」
何時もなら『人の名前を聞くときは自分から名乗れよ』と言うところ。
クラトスが早くも腰の剣に手をかけながら答える。
「五聖刃クヴァル。ここアスカード人間牧場の主だ」
進み出た人影、クヴァルが鼻をならした。
「私の名を知っていましたか」
クヴァルは笑みを浮かべたが、ロイドはその笑みに嫌なものを感じた。細い目、柔和な物腰。しかしそれは、ヒトをヒトと思わない軽薄な笑み。
軽蔑と嘲りの込められた笑み――ロイドが一番嫌いな顔だ。
「こいつが……こいつが、エクスフィアを……ルインの人たちを!」
コリンの口から語られた、信じたくない事実。エクスフィアは、人の命を吸い上げて作られるということ。
正確には、人の苦痛や悲しみ、怒りといった感情を受けて、宿主となったヒトと共に成長、覚醒する。
成長は要の紋があると妨げられて覚醒には至らない。しかし覚醒したエクスフィアは既に宿主の一部、宿主以外は使えない。
それをディザイアンは無理矢理に引き剥がすことで――つまりは宿主を殺すことで、使えるエクスフィアを作っている。
ロイドには詳しい理屈は分からなかった。
エクスフィアは大気中のマナを取り込む窓口みたいなもので、そのマナが身体中を循環すること。マナを強制的に取り込むせいで、体はマナに耐えきれずに歪むこと。エクスフィアは宿主と共生しているから、その歪みから宿主を助けようと活性化し、さらに悪循環を生むこと。
説明されても分からないから、エクスフィアは便利だけど人の命を使っていることだけが頭に残った。……これは、母さんのいのち。
「覚悟しろよ、クヴァル!」
ロイド達は一晩考え抜いて、エクスフィアを使うかどうかを決めた。人の命を背負っても、成し遂げることがあるから。
しかし許せるわけは、決してない。
ロイドは双剣を抜き放ち構える。クヴァルはロイドの左手の甲、ロイドのエクスフィアを見つめて薄く開いていた目を細める。
「聞いていた通り、ロイド、君のエクスフィアは、私の開発したエンジェルス計画のエクスフィア。培養体A012が私のもとから盗み出したものです。返してもらいますよ」
ジーニアスのエクスフィアはマーブルさんのもの。リフィルとクラトスのものはディザイアンから奪ったもの。
そしてロイドのものは、母アンナの形見。
「なに……言ってるんだ? これは母さんの……」
「ええ、君の母、人間名アンナは、このアスカード人間牧場から脱走したのですよ、父と共に。そして………その罪は死で贖った」
ロイドの頭に血が上る。
ロイドは知らない。母がどこの人だったのか。どんな人だったのか。顔も声も、もうすっかり忘れてしまっているから。
ロイドは知らない。母がどうして、死んだのか。
知っているのはディザイアン達から逃げていたこと、命と引き換えに、ロイドとノイシュを助けてくれたこと。
「お前が母さんを……!」
「勘違いされては困りますね。アンナを殺したのは君の父親ですよ」
「うそをつくな!」
「うそではありません。君もイセリアで見たはずです。要の紋も無しにエクスフィアを引き剥がしたらどうなるか。そして君の父親に殺された」
さあっと、ロイドの血の気が引いた。
思い出すのはマーブル。化け物になって、ロイドはそれをマーブルと知らずに斬った。
ああなれば殺すしか手は無いと、ロイド達も思ったのではなかったか? それと同じことが母に起こったとしたら?
抜いた剣が迷いで揺らいだ。
「くくく、所詮は二人とも薄汚い人間、生きている価値もないウジ虫どもよ」
「死者を愚弄するのは止めろ……!」
クラトスが地の底を這うような声を出した。
クヴァルが武器を構えた。何処からか、緑色の駒のようなものも現れる。
「さあ、そのエクスフィアをよこしなさい! それがあれば私は五聖刃の長になれる!」
「知るか! お前が居なければ、母さんは死ななかったんだ!」
父が母を斬ったというのが本当だとして、そうなった原因はディザイアン。ディザイアンが、母のエクスフィアを引き剥がしたから!
「許さない!」
ロイドとクラトスが、ほぼ同時に地を蹴った。
「ぐ……」
「見てくれてたか、母さん……母さんの、仇をとったぞ!」
ロイドは左手のエクスフィアを撫でる。これはルインの人たちのための戦いであり、母のための戦いであり、母のお陰の戦いだった。
ロイドは母を覚えていない。ロイドがノイシュと共に養父ダイクに発見されたとき、ロイドはまだ三歳だった。母はその時亡くなったから、ロイドは母の顔も、声も覚えていない。
けれど母は、アンナは、十四年間、ずっと共に居た。誰よりも近くで、見守ってくれていたのだ。
満身創痍のクヴァルが呻く。
「みと、めん。誇り高きハーフエルフである、この私が、劣悪種如きに、敗れる、など……!」
普通ならその傷で死んでいる筈なのに。クヴァルはふらつきながらも立ち上がった。ゆらゆらと、覚束ない足取りでロイドに近付いていく。
「な、まだ生きてるのか?!」
「お前のエクスフィアは、ユグドラシル様への……捧げ物……私は……私は、こんなところで、死ぬわけにはっ!」
クヴァルの体が。
あり得ないほどに膨れ上がり、巨大な長い四肢が床に垂れ下がる。面差しは似ても似つかないものに変貌し、爛々と輝く眼は赤く光っている。
まるで魔物の、オーガのようなその姿。
「渡シテ貰ウゾ!」
声はもう、クヴァルのそれではなく。しゃがれた、老人のような声が混じっている。
クヴァルがロイドに肥大した腕を伸ばした。ロイドが後ずさればそれだけ、のろのろと近付いてくる。
「なんなんだ?」
「ロイド! 離れて、危ない!」
コレットはそう叫んでいるが、これがそんなに危険なのか?
体は大きいが動きは遅い。避けるのは簡単だし、何よりも危険な感じがしない。危険だと思えない。
コレットは尚も悲痛な叫び声をあげる。
「逃げてロイド! その人は……もうヒトじゃない!」
「え? 何言って……」
ロイドはその時忘れたのだ。
ここが未だ戦場であることを。それは敵であり、敵は決して侮ってはいけないことを。敵を見た目で判断することの愚かさを。
「ロイド!」
「伏せろ!」
今度叫んだのはコレットとクラトスで、動いたのはクラトスの方が早かった。
クラトスはロイドを突き飛ばし、いつの間にか振りかぶっていたクヴァルの攻撃をまともにその体で受け止めたのだ。
クヴァルの巨大な腕は、鈍く見えて攻撃を繰り出すのは一瞬だった。加えて巨大ゆえの攻撃力は凄まじく、クラトスでも吹っ飛ばされる。
「―――クラトスっ」
壁際まで吹っ飛ばされ、腹から血が滲んでいた。
――それが、ハイマでのエミルに重なって。
ロイドは思わず動きを止めた。そのロイド目掛けて、またクヴァルが腕を振りかぶる。
「避けてロイド!」
コレットの警告も間に合わない。反応できずにロイドも殴り飛ばされ、ロイドは受け身がとれなかった分派手に吹っ飛んだ。コレットはロイドとクラトスに駆け寄った。
「ロイド……クラトスさん……!」
コレットは治療の術を持たない。このメンバーの中で治癒術が使えるのはクラトスのみであり、コレットは精々グミを口に押し込んでやるくらいだ。
惜しげもなくアップルグミではなくレモングミを取りだし食べさせる。が、グミは怪我を治してはくれるが体力までは回復しない。怪我も、完治するわけではない。
どうしよう。
あれは、ヒトではない。コレットの目は天使の目だから、それを正確に写し出す。
どうしよう。
コレットは中衛で、直接攻撃を受けるのは弱い。前衛であるロイド達が――クラトスまでも吹っ飛ばされるほどの相手に、ロイド達を護りながら戦うなんて、コレットには出来ない。
どうしよう。
クヴァルは今もロイドから視線をそらさない。正確には、ロイドのエクスフィアから。このままでは冗談ではなく殺されてしまう。
どうしよう。どうしよう。どうしよう―――!
コレットは強く強く目を瞑る。
先生、ジーニアス、エミル。お願い、助けて!
「死ねぇェェエ!!」
クヴァルが腕を持ち上げた。上で拳を握って、ロイド達を叩き潰そうと―――
「降魔、穿光脚!」
「シュタインハーゲル!」
いる筈の無い人の、声がした。
エミルは光のマナを込めた蹴りを、デクスもまた自分の全力を込めて大剣を振るった。
「エ、ミル。デクスも……」
何でここに、とはコレットも言わなかった。言えなかった。
クヴァル――だったもの――は顔を歪めた。恐らくは、笑ったのだ。
「ははは! こんな所で会えるとはな! わざわざ毒溢れる人間界まで来たかいがあった!」
毒? 人間界? 意味が分からない。
ただクヴァルの声はいつの間にかしなくなっていて、混ざっていた老人の声だけが響いている。
エミルは、いつもとは何か違った。顔が険しい。温かくない。いつものエミルがどこまでも包み込んでくれる安らぎなら、いまのエミルは守るべきものを守るためなら他の全てを切り捨てる剣。
コレットには何が違うのか分からなかった。違うのはわかる。けど、何が。
「お前………契約したな?」
それに反応したのはデクスだった。驚愕に目を見開き、エミルとクヴァルを何度も見る。
「一目で見抜くか。ああ、もとは西の山村の小娘とと思ったが、あの娘は契約を断った。だから滅ぼしてやったのよ」
「じゃあ……じゃあ、六年前は……アリスちゃんが、あんなに言われてたのは……!」
おまえの。
最後は声にならなかった。コレットの耳はその音すらも聞き分ける。
ここから西の山村といえば――ハイマ。六年前の事件で人々が逃げ出したと、エミルはそう言っていた。
「何で生きてる! お前はあの時」
「そうとも。お前たちに滅されかけた。忌々しい魔物風情に! だが、こいつは気が付いた。そしてこいつは―――そうとも、こいつの方から契約を持ち掛けた。その時はそうするしかなかったが、こうなれば最早関係無い!」
魔物風情、と言うところでエミルが一瞬動いたような気がした。
クヴァルはこいつ、と自らを示して、クヴァルの得物だった杖ではなく、壁にかけてあったダブルセイバーを手に取った。ただのダブルセイバーではない。片方の刃が、ロイドと同じくらいある巨大セイバーだ。クヴァルの体が巨大化していなければ、持ち上げることすら出来ない代物。
「ここでお前を殺せば、こんなモノのなかに留まる必要もなくなる。全ては我等に満たされ、ここはあるべき世界に、力こそ全ての魔界に還る」
「はっ、マナから逃げるためにひと様の体に居座ってんじゃねえよ」
それがエミルの声だと、コレットはすぐには分からなかった。デクスかと思ったのだ。
低く、思わず体が跳ねてしまうような恐ろしい声だったから。
「その体がなければすぐにマナに喰われて死ぬくせに、その体で俺を殺すって?」
くくく、とエミルは喉の奥で笑った。そして急に一切の表情が消える。すうと目が細められて。
「身の程を知れ、魔族風情が」
クヴァル――の姿をした魔族――が、憤怒の表情を浮かべて、エミルに突っ込んでいった。
エミルとデクスはクヴァルの攻撃をを軽く躱す。すれ違い様に剣を抜き太い四肢を切りつけるが、表面に薄い傷痕を作っただけだった。
クヴァルが何度もダブルセイバーを振るう。それらは二人に当たらない。しかし二人の攻撃も巨大化した鋼鉄の如き筋肉に阻まれて通らない。通ったとしても、向こうの動きはあまり変わらなかった。
やがてエミルの方が防戦一方になる。あるいは躱し、あるいは弾き、けれどエミルと巨大化したクヴァルとでは体格差がありすぎる。
「くはは、どうした? さっきのは口だけか?!」
まともに食らってはいない。しかしこちらは向こうに決定的な攻撃を入れられず、向こうの攻撃は一撃でこちらを死に至らしめるのだから、どう考えても分が悪すぎる。
エミルが足を取られた。ダブルセイバーがせまる。やられる!
「オレを忘れてくれるなよ!」
その時、デクスがエミルに迫る凶刃を弾いた。
「悪いがお前には腹が立ってるんでね。アリスちゃんの敵はオレの敵、アリスちゃんの怒りはオレの怒りだ。手加減しないぜ?」
その間に体勢を立て直したエミルと、デクスがそれぞれに技を繰り出す。
エミルは炎をまとった蹴りを。
デクスは大剣を振り回し。
「デクス!」
「おう!」
二人が同時に構えをとる。ユニゾンアタック――これまでの旅でも、何度か使ったことのある技だった。
エミルの炎を、デクスの大剣が巻き込んでいく。やがてそれは炎の竜巻となり。
「「アークウィンド!」」
全身を包み込んで、尚も炎の刃は止まらない。
炎が収まったとき、向こうは全身が火傷と裂傷でボロボロだった。
「な、なぜ……番人は兎も角、人間などに……浄化の炎が……」
番人、というのはエミルの事だろうか。
―――その時コレットは見た。エミルの全身と、デクスの手の甲から、何かの光のようなものが立ち上っているのを。
そしてその光は、どこかで見たことがある。それはそう、例えるならトリエットで一瞬だけ見えた、紅の巨人………。
後ろから、ウィン、という転送装置独特の音がした。
「あら、もう終わってたの?」
手に鞭を軽く打ち付けながら颯爽と歩いてきたのは、ハイマで別れた筈のアリス。
「アリスちゃん!」
「小娘!」
それまで穏やかな微笑を浮かべていたのに、とたん背筋が寒くなるような満面の笑みを浮かべる。
「このアリスちゃんを小娘呼ばわりするなんて、いい度胸じゃない」
呟いた言葉は小さすぎて、クヴァルの耳には届かなかったらしい。
クヴァルはボロボロの体でアリスに近付く。すかさずデクスが間に割り込むが、それも目に入っていない。
「小娘、よい所に来た。どうだ、もう一度契約せぬか? 今度はお前に全ての力を託そう。制約も対価も要求せん。力が欲しくはないか? この世の全てを屠る力が!」
「そうね、力は欲しいわ。私は少しでも強い力が欲しい」
目を閉じたアリスの言葉に、クヴァルは喜んで両手を広げた。
「そうであろう、そうであろう。では契約を……」
「けどね」
また、にっこりと笑って。
「もうあなたの力はいらないの」
クヴァルが固まった。
「私は力を手に入れる。けどそれはこんな風に誰かに与えられる力じゃないわ。私は私の手で力を手にいれるのよ」
「力が……なければ、虐げられるぞ。お前は狭間の者。受け入れるものなど、いるわけが」
「オレがいる」
即答だった。デクスはいつもみたいにヘラヘラ笑うこともなく、至極真面目な顔で。
決して、嘘はない。
「オレの命が尽きるその時まで、オレの全てはアリスちゃんのものだ。オレはアリスちゃんを裏切らない。オレはアリスちゃんを拒絶しない。たとえ他の誰がアリスちゃんを否定しても、オレだけはアリスちゃんの全てを肯定するよ」
一息で言い切ったのは、前にも聞いたことのある台詞だった。
考えていった言葉ではない。なのに変わらないということは、間違いなく本心からの言葉。
今度は少しだけ照れ臭そうにしながら、アリスは肩をすくめた。
「……もう、デクスのくせに。―――そう言うことよ。あなたは要らない。あなたは力がないからここで死ぬのよ。それだけ」
「そ、そんな! ここまで来て……っ!」
絶望。咄嗟に浮かんだのはその表情。
それまで黙って事を見守っていたエミルは、普段からは考えられないくらい凄絶に笑んだ。
「魔界の掟は“力こそ全て”、だろ?」
そして剣を掲げる。光と、炎が入り交じったような不思議な色をした剣を。
エミルがその剣を降り下ろすと、クヴァルの全身は不思議な色の炎に包まれる。しかしその体を焦がすのではなく、包み込んでゆっくりと溶かしているようにも見えた。
炎のなかで、クヴァルが最後に天に手を伸ばした。
「申し訳……ありませぬ、王よ………先に……参ります……」
その言葉を最後にクヴァルの体は燃え尽きて、消えた。
コレットは全身の力が抜けた。
「お、わった……」
「まだよ」
そう言って、アリスは壁の機械を弄り出す。
クヴァルも倒した。捕まっていた人たちも解放した。これ以上、何があるというのか?
「アリス?」
「ここを爆破するのよ。二度と、使われないように」
「そんなこと、出来るの?」
コレットの問いに答える代わりに、アリスはふと後ろを振り返った。と、床の転送装置が光り、起動する。
「丁度来たみたいね」
今度現れたのはジーニアスとリフィル。
「あ、おーい、ロイド、コレット! エミルも、大丈夫だった?」
「ジーニアス! 先生!」
リフィルはクラトスとロイドを見て顔色を変えた。
治癒術を使おうと杖を構えるリフィルに向かって、エミルが叫ぶ。
「リフィルさん、ここを爆破できますか?」
「爆破っ?!」
「いきなりね、エミル」
リフィルは驚かなかった。代わりにアリスがいじっていた装置とロイド達を何度も見比べた。
アリスが装置から身を引いてロイド達に近付いた。近くにしゃがみこんで、マナを紡ぎ出す。
それを見てようやく、リフィルは装置の方を調べ始めた。
「……まあいいわ。自爆装置くらいついている筈です」
リフィルは幾つかのボタンを操作した。
「今から十分後にセットしたわ。早く逃げましょう」
一斉に動き出す一行のなかで、ジーニアスだけが立ち尽くす。
「ね、姉さん」
「忘れないでジーニアス。私たちは彼らとは違う。……違うのよ」
十分後。
脱出したロイド達が見守る向こうで、牧場は自爆し、壊滅した。
「これで……よかったんだよな」
ロイドは呟く。
これでこの辺りの人たちはもうディザイアンに怯えなくてもいい。もうルインは襲われない。
けれど、どうしてもスッキリとしなくて。
「良かったん、だよな」
ロイドの呟きに答えるものは、いなかった。
因みに作者は外伝小説をもっておりませんので、内容が多少異なっているかもしれませんが、ご了承下さい。
ラタトスクの参加する魔物によって変わるユニゾンアタックも好きでしたが、シンフォニアの術技の組み合わせも面白かったです。順番を入れ換えるとhit数変わったりするのが特に。
アークウィンドは本来紅蓮剣+裂旋斧系統。拙作では崩襲脚(イグニスver)+D.ラヴィーネ。
ほんとにさ、せめて一回で良いから共闘無かったの……?
《設定の違い》
・アリスが魔族と契約していない
・代わりにクヴァルが契約 …………etc.
※タイトル修正しました