テセアラ編に入ると更新速度がガタ落ちしますが、完結はさせるつもりですので、どうかお付き合いよろしくお願いいたします。
あ、でももう少しだけ隔日更新は続けます
デクスが使っている大剣はラタトスク本編で使っているものではありません。
待て。
待ってくれ。行くな。頼むから。
おいていかないでくれ―――
手を伸ばして、けれどどうしても届かなくて。
……いつもそこで、目が覚める。
はっと目を開くと、目の前には獣の顔があった。
「は? え?」
ノイシュではない。ノイシュというよりは、魔物のような―――魔物?!
「お前、もしかしてアリスの……うわっ!」
ピンク色のリボンをつけた尾を元気よく振りながら、魔物は彼の上にのし掛かった。襲っているのではない。じゃれているだけだ。
しかし魔物にとっての“じゃれる”は人間にとっては“暴れている”ことと変わらないわけで。
「―――っあ……!」
息が、詰まった。
全身が悲鳴をあげる。救いの塔での激闘が、今になって響いてきた。
彼が剣豪に値すると言っても相手は英雄に名を連ねる、しかもクルシスの天使。対して此方はまだ半分しか力を取り戻しておらず、本調子でもなかった。
痛みに彼はベッドに倒れ込んだ。流石に魔物もしょげて彼の上から降りた。そうしてベッドの脇から子犬のようにくぅ、と啼いた。
少しして何とか痛みが収まると、視線だけ動かして魔物を見やった。……魔物は獣だけでなく、ウサギに似たものもいた。やっぱり体のどこかにピンクのリボンが結んである。
それから、どうしてかハイマに置いてきたノイシュも居る。ノイシュは彼を見てくぅ、と一啼きし、彼の手を舐めた。
腕をそろそろと動かして――鈍痛が走ったが素振りも見せず――彼は魔物達を撫でてやった。
「大丈夫……お前は悪くない。心配させて、悪かったな」
魔物は嬉しそうに目を細める。
「目が覚めたか、少年」
隣の部屋から入ってくるデクスが、見えた。
「そいつら、ずっと少年から離れなかったんだぜ。感謝しろよ、そいつらが少年に治癒術かけ続けてたんだから。……あ、ノイシュはアリスちゃんが連れてきたぞ」
咄嗟に跳ね起きた。
「――っ! デクス?! なんで……いやロイド達は?! コレットはどう……!」
拍子に咳き込むと、それだけで体のあちこちに痛みが走る。
デクスが慌てて駆け寄ってきて、咳き込む彼をベッドに戻した。
「あ、おいおい、大人しくしてろよ。一応絶対安静なんだからな? 寝てろ重病人」
彼は半眼でデクスを睨めつけた。
「ふざけるな。ここは何処だ。ロイド達はどうしたんだよ。どうやって彼処に来やがった」
「自分の状態は聞かないのか?」
デクスが近くの机から椅子を引っ張ってきて、ベッドの横に座った。……手の届くところに悪趣味な大剣を立て掛けるのも忘れない。彼の剣はと言えば、入り口横の机に置いてあった。
その入り口は随分変わった扉だ。取っ手がない。手をかける場所もない。一枚の鉄の板で、継ぎ目も見当たらない―――そう、トリエット砂漠で見たような。
トリエット砂漠の、ディザイアンの基地のような。
「お前………ディザイアン、だったのか?」
デクスは頭をかいた。
「うーん……ま、しょうがないか。同じハーフエルフだしな。……確かにここはトリエット砂漠にある、俺達の基地だよ。ロイド達や神子も別の部屋にいる」
「ただ、俺達はディザイアンじゃない。――レネゲードだ」
「ディザイアンじゃ、ない……?」
ロイドが目を白黒させると、アリスが憤然として腕を組んだ。
「当然よ。どうしてアリスちゃんがあんな奴等の仲間にならなくちゃいけないの」
ロイドは混乱していた。
まず目覚めたら知らない場所。コレットが立っていたから帰ってきてくれたのかと思いきや、心を失って何を言っても反応しない。再度リフィルから説明を受けて、ようやくロイドは“世界再生”の真相を理解した。
次に隣の部屋に来るように呼ばれ、伝令に付いていったらそこにアリスと、トリエット砂漠で見た青い髪の男と、ボータが居た。
そこでロイドは知ったのだ。
「我々はディザイアンではない。似た格好はしているがな。我々はレネゲード。ディザイアンに、クルシスに対抗するための地下組織だ」
ディザイアンはマナを食い荒らすもの。かつて勇者ミトスによって封じられた厄災。
しかし真実は単なるハーフエルフに過ぎず、人間を拐い痛め付けるのも、それすらも定められた―――造られた役割であるという。
「じゃあ……やっぱり、ディザイアンとクルシスは、同じものなのか」
ボータが即答した。
「その通りだ」
何となくそうと察するのと、正面切って言われるのではやはり違う。特にマルタの衝撃はかなりのものであったろう。然り気無くしいながマルタを支えた。
「部屋に、戻ってるかい?」
「守られてきたマルタちゃんには、ちょーっとキツイ話だったかしら。何時もみたいに部屋に戻ってていいのよ?」
アリスがくすくす笑いながら茶化すと、顔色を悪くさせながらもマルタは確りと首を振った。
「ううん。ここにいる。………知らなくていいことだとは、思わないから」
旅業に付いてこなければ知るはずのないことだった。知らなければ、笑って何時ものように家族と過ごせていたかもしれない―――神子一人の命と、引き換えに。
マルタは思い出す。事あるごとにバカみたい、マーテル教なんか嫌い、と公言して憚らなかった二人のこと。パルマコスタはマーテル教の街だから、随分影では色々あったためブルートが手を回したことを、マルタはまだ知らない。
「マーテル教は……嘘、だったの? だから、アリスは皆が嫌いなの?」
「―――そうよ」
掠れた声に返答したのは、ふざけた気配が一切無いアリスだった。どこか不貞腐れたような、感情を殺したような、そんな声。
「マーテル教なんて、クルシスが作った方便だわ。マーテル様なんて嘘っぱち」
それきり、アリスは顔を背けた。言葉を継いだのは青い髪の男。
「天使も特殊なエクスフィアで進化したハーフエルフに過ぎない。クルシスもディザイアンも……そして我々も、只のハーフエルフだ」
「……クルシスは何が目的なんだ?」
「少しは自分の頭を使うんだな」
ふん、と嘲るように男が鼻をならす。それにぴくりと肩を震わせたロイドを横目で見て、リフィルはため息をこらえた。
「女神マーテルの復活かしら? マナの血族に信託を下して、婚姻を管理し器となる神子を作り上げる……かなりまだるっこしいやり方なのが気になるけれど」
「ほう、見事ですな」
男はすっと目を細めた。それから、試すように笑って語り始める。
「シルヴァラントには、互いにマナを搾取しあうもうひとつの世界がある」
「テセアラだな」
「そう。そしてその歪な関係を作り上げたのが、クルシスの指導者ユグドラシルだ」
「世界を作った? そんなことできるわけないよ」
「そう思うならここでこの話は終わりだ」
あっさりと背を向けた男は背を向けた。説明しようと言うよりも、説明はしてやるが理解させるつもりは無いらしい。
が、バカにされてもなんでも、気になることもある。確かめなければならないことが。
「待てよ。二つの世界を作ったのがユグドラシルなら、そんな奴相手にお前たちは何をしようとしてるんだ? それに俺やコレットの命を狙っておいて、どうして助けた。アリスたちもレネゲードだって言うなら、どうして俺たちに手を貸したんだ?」
ロイドだって知っている。善意だけで助けるには、限度があること。何の目的があって助けたのか――分からない内は、警戒しなければならない。
真っ直ぐ男を見つめると、やがて男はフッと笑った。面影はある、と言ったときと同じ顔で。
「……まんざらバカでもないらしい」
「リーダー、言ったでしょう? バカだけど頭の回転は早いって」
アリスの言葉はフォローしてくれているのか貶されているのか。ロイドは怒りを覚えるよりも少し悲しくなった。
「私たちが貴方達を助けたのは偶然よ。あとは貴方達を監視していたから」
「我々の目的はマーテル復活の阻止。その為には、マーテルの器となる神子が邪魔だったのだ」
「もっとも、神子は完全に天使と化してしまった。今の神子に下手なことは出来ん。が……」
一度言葉を切り、男はロイドを指差し叫ぶ。
「今我々に必要なのはお前だ、ロイド! お前がいれば、もう神子など必要ない!」
「俺?! 俺なんかに何の用があるってんだよ?」
「お前が知る必要はない。ロイドを捕らえろ!」
何処からともなくディザイアン……ではなく、レネゲード達が現れる。すかさず一行は武器を構えた。
ロイドに向かって、リーダーらしい男が手を伸ばす―――
「っ、そう簡単に……捕まってたまるか!」
剣を抜き、柄で男を思いきり殴った。そのままバックステップで距離を取り、魔神剣!
「逃げるぞ皆!」
「く……アリス、追え!」
即座に踵を返して逃げ出すと、後ろからリーダーらしい男の声と、大勢の足音が聞こえてきた。が、ロイド達の足は止まらない。
幸い一度捕まった施設。大体の構造は覚えている。
まずはエミルと合流するのだ。
「じゃあ、お前たちは始めからレネゲードの指示にしたがっていたのか」
「始めからってのは語弊があるな。少なくとも、ハイマで会ったのは偶然だ。まさか北に来るとは思ってなかったんでね」
デクスは肩をすくめながらも彼に紅茶をいれてくれた。……旨い。
「指示で動いてたのはルインからだな。牧場ぶっ壊しに行ったときはひやひやしたぜ」
彼はアリスの言葉を思い出す。
仕事だから仕方ない、と頻りにそう言っていなかったか?
「じゃあ牧場を消したのは……」
「いや、そっちは独断。ま、少年に頼まれなくても最後まで付いていくつもりではあったけど」
レネゲードは神子が天使になるのを防ぐため、殺してしまうつもりでいた。しかしクラトスが護衛についたこともあり、直接の手出しは控えた。
アリス達がハイマに居たのは全くの偶然で、その時はまだアリス達には何の命令も出されていなかった。だから純粋に術書を求めて協力出来た。後で神子を監視せよとの命が下り、そこからは仕事での同行だった。
「本当は最後……ハイマで神子を行かせるな、って命令もあったんだけど。その命令を受けとる前だったから、神子達に飛竜を貸したんだ。悪かった」
命令を受け取ったときにはもう遅く、ロイド達を行かせて時間稼ぎをする位しか出来なかった。その間にレネゲード本部に連絡し、一団となって雪崩れ込んだ、というわけである。
「成る程、な。道理で何もかも“らしくない”と思った。―――デクス、ロイド達は何処にいる?」
「違う部屋にいるけど、もう行くのか?」
「ああ」
「一応、少年は重傷者なんだが?」
彼はふん、と鼻を鳴らした。
「俺をその辺の奴等と一緒にするな」
力が戻れば、彼は単なる人間ではない。……いや、人間からかけ離れる、と言うべきだろうか。
この体は確かにただの人間と同じ。怪我もするし病気にもかかる。腹が空くことも暑さ寒さで動けなくなることもある。
しかし彼の力は“人間ではない”モノだ。器が人間でも、中身が人間ではない以上、彼は人間ではなくなっていく。
それも本当は元に戻るだけ、なのだけれど。
「あまり激しく動かなければ問題ない。ロイド達のところに行くだけだろう。……ありがとう、デクス」
腰に剣を差し、緑色の目でエミルは微笑んだ。
デクスはそれを見てあっさり引き下がった。立て掛けていた大剣――相変わらず趣味が悪い――を片手で担いで外に出ると、こっちだ、と先導し始めた。
エミルが外に出れば、ノイシュも後を追ってくる。
「……ねぇデクス、似たような部屋ばかりで迷わない?」
「そりゃあ、来たばっかりの頃はな。けど馴れれば良いぞ。砂漠だってのに暑くも寒くもないし、食い物は旨いし」
「そういえば、紅茶美味しかったよ」
「だろう! ふっふっふ、流石は少年。アリスちゃんにも『まあまあね』と誉めてもらったんだ!」
「あ、あはは……そうなんだ。よかったね……」
まあまあは誉め言葉に入るのか否か。
本人がいいなら良いだろう。……多分。
デクスは上機嫌で言葉を続ける。
「それにここならアリスちゃんが嫌な思いをしなくて済むからな。ほら見ろ少年! この素晴らしい笑顔の数々!」
どうだっ! と言わんばかりに広げて見せたのは鮮やかなアリスの姿絵。……いや、絵じゃない。小さな一枚一枚に、あらぬ方向を向いた、穏やかな微笑や年相応の子供のような表情を浮かべたアリスの顔。
「惜しむらくは目線が合わないことだな……けど撮ってるって気が付くとアリスちゃん笑ってくれないし………なあ少年、どうしたらいいと思う?」
そんなのこっちに聞くな。
本音を言うなら、アリスが気が付いたら殺されるだろう。しかしデクスなら殺しても死なないような気が、物凄くする。
「………これもレネゲードの技術?」
「ああ。少年も一枚やるよ。ふっ、俺の事は心配するな。『アリスちゃんファンクラブ』の有志たちが増刷してくれるからな!」
いらないと言ったのに、結局一枚押し付けられた。……ああ、もしもマルタに見つかりでもしたら!
エミルは厳重にそれを荷物の底の方に仕舞い込んだ。
レネゲード兵を避けながら基地のなかを走り回っていると、見慣れた黒と金が見えた。
「ああっ、エミル!」
ジーニアスが叫ぶと皆足を止め、エミルに駆け寄った。エミルも嬉しそうに顔を綻ばせる。
「ジーニアス、ロイド! ………何で走ってるの?」
「うん、ちょっとあって……ノイシュとデクスは何でいるの?」
「なんか僕を見てくれてたみたいなんだ。ノイシュはアリスが連れてきてくれたんだって。それで、ロイド達のところに行こうとしてたんだけど……」
マルタがエミルの手をとった。
「ってことは怪我はもういいんだね? 重傷だから面会謝絶って会わせてくれなかったの」
マルタやロイドだけでなく、リフィルやしいなまでもが心配そうな顔をした。
ロイドが目覚める前、マルタ達は見張りのレネゲードにエミルの事も聞いたのだ。するとここに居るけど会わせられない、の一点張り。理由を聞けば重傷だから別室で治療中だ、と言われたのである。
逃げ回る事になってもエミルを置いて逃げるつもりは、彼等には無い。しかし無理をさせる訳にも行かず、かといって十分に休めるわけでもない。
「うん。ロイドやマルタ達こそ、大きな怪我をしなくて本当によかった」
この言葉を聞いたとき、リフィルがほっと息を吐いた。これで気にするべきはただ一つ。幸いデクスは何も知らないようだ。
リフィルとしいなは一瞬で目配せし、しいながデクスに問う。
「なぁデクス、レアバードは何処だい?」
「レアバード? 何でそんなもん……ま、いいか。此方だよ」
また先導するデクスを一行は追いかける。
歩きながらエミルが小声で尋ねた。
「レアバードって何?」
「時空を越えられる機械なんだって。テセアラに行けるのは、それだけだって」
「テセアラ……? あそっか、コレットだね」
エミルは最後尾を歩くコレットを見ていた。瞳は赤く、普段は仕舞っていた桃色の天使の羽は出したまま。誰よりも早く敵に気が付いて、チャクラムを手に敵を殲滅する――普段のコレットからは考えられないその姿。
レネゲードのリーダーはこの状態を殺戮兵器と称した。
「テセアラで、コレットが助かる方法が見つかるといいね」
エミルはそう笑ったけれど。
「ねえエミル―――」
マルタが思わず足を止めて、口を開いた、その瞬間。
「おーい少年? ついたぞー」
見れば既にエミルとマルタ以外は通路の先にいて、デクスが扉の前で手を振っていた。
「うん、今行く! 行こう、マルタ」
「あ、待って、エミル!」
怪我人とはとても思えない、軽々とした身のこなしでエミルはさっさと行ってしまう。マルタは急いであとを追いかけた。
レアバードの格納庫に着くと、しいなが制御版を操作し始めた。デクスは不思議そうにしたまま、それを見ているだけ。
この中で操作出来るのがしいなとリフィル位のものなので、他は自然と暇になる。何かしていなければ落ち着かなくて、ロイドやマルタは周囲を警戒していた。
と、ロイドよりも早く、コレットが手を後ろに―――服の背中にしまったチャクラムに手を伸ばす。
ロイドが構えると同時、格納庫の戸が開いた。アリスと、何人かのレネゲードが部屋に入ってくる。
デクスが目を輝かせた。
「あ、アリスちゃん! 少年が目を……」
「バカデクス! 早くその子たち捕まえなさい!」
「捕まえ……?」
「いいよ、乗りな!」
丁度しいなが操作を終えた。ロイドがコレットの手を引いてレアバードに乗り込む。
それを見て、ようやくデクスがはっとした。
「まさかレアバードで?!」
「気が付くのが遅いっ!」
アリスが指示してレネゲードがロイド達を取り囲む。が、一定の距離を保ってそこからは近付いてこない。
コレットに敵と認識されるのを恐れてのことだろうか。何にせよ、かかってこないのはありがたい。
「ありがとうデクス! お陰で助かった!」
「あんた、ありがとね」
マルタとしいなが、それぞれデクスの肩を叩いて横をすり抜ける。
「こ、こら待て――! 卑怯だぞ!」
「卑怯も何も、案内してくれたのは貴方でしょう」
今度はリフィルとジーニアスがレアバードに乗り込んだ。
それに反応したのはアリスだ。米神をひくつかせつつ、アリスは満面の笑みで手の鞭をしならせる。
「デ・ク・ス?」
「ごめんアリスちゃんっ!」
「謝らなくていいから――――早く止めなさい!」
アリスが術を唱え出す。デクスはここで大剣を振り回すわけにも行かず、一番近くでノイシュをレアバードに乗せようとしていたエミルを止めようとした。
が、エミルの方が僅かに早い。デクスの手は宙を掻き、勢いのままにスッ転んだ。
「コリン!」
しいなが呼ぶと、コリンがしいなの肩口に現れる。体を駆け下り、先程しいなが弄っていた機械の所まで辿り着くと、一際大きな赤いボタンを踏みつけた。
どうやら起動スイッチだったらしい。直後マルタ達が乗るレアバードが機械音をあげて唸り始める。
コリンが跳躍してマルタに飛び乗るのと、アリスが術を完成させたのはほぼ同時。
「ストーンブラストっ!」
発進していたレアバードの後ろの方を、アリスの術が掠めた。
それに慌てたのがノイシュだ。元々不安定な足場に、不快な機械音。そこに揺れまで加わって、大人しくはしていられなかったのだ。
「エミル!」
「こらノイシュ暴れるな!」
エミルが何とかバランスを取るべくハンドルを握るも、ノイシュは体が大きい。傾いたバランスはそうそう簡単には戻らない。
ロイドは離れたところから呼び掛けるが、パニックを起こしたノイシュは止まれない。
そして発進したレアバードも止まらない。
エミルとノイシュが乗るそれだけが大きく傾きながら、レアバードはどんどん加速し――ロイド達からは離れて行く。
「エミル、エミル――――!」
手を伸ばしても届かない。非情にもエミル達との距離は開くばかり。
ぐにゃりとそのまま空間は歪んで、あとは転送の時に似た感覚と共に、辺りが光に包まれる。
そうして彼等は、時空を越えた。
そういえば、ノイシュ、シナリオ的にはハイマにいる筈なんですが、普通にテセアラでも乗れるしイベントにも出てくるしどーなってるの?!
そもそもあの大きさでレアバードに乗れないだろっていう突っ込みは無しの方向でお願いします。
デクスが持っていたアリスの写真は、レネゲードの技術でした。多分ファンクラブ会長はデクスで、レネゲードの大半が加入しています。だから隠し撮………げふんげふん、映像提供者は沢山いるのです。
………デクス、死ぬなよ。
《設定の違い》
・アリス達はレネゲード
・術書を探していた時はアリスの私用、その後はレネゲードの指示