入学式から一週間後、俺は久しぶりの学校生活に徐々に慣れ始めた。
クラスメートとも仲良くなり、風紀委員会にも所属するなど一般的な高校生となっていたはずだ。
その日の晩はマスターから直々に依頼がきた。
なんでも、最近依頼を確実にこなすためシルバーの名が有名になり指名依頼が何件か来ているそうだ。
そのギルドでは指名には別途指名料がかかるため、俺としては収入が増えて嬉しい限りだ。
今回の依頼は冥界の上級悪魔からのはぐれ討伐の依頼。
その悪魔は別件ではぐれの討伐に力を入れられないため、最近名を売っているシルバーの力を測る目的で依頼をしたらしいと、下調べをしたマスターから聞いた。
別に正体がバレるとも思わなかったため、俺は快く依頼を引き受け、はぐれの潜伏先と思われる採石場へ向かった。
ちなみに高校へ入学してからシルバーとして活動するときは、多少の変装をすることにした。
全体を黒のスタイリッシュな衣装に包み、体型を多少隠せるマントを身に付けている。
目は赤いカラコンをつけ、頬にはフェイスペイントを施し、髪型はオールバックに近い。
これはマスターが見繕った格好なので、すぐに違う服装を探そうと思っているが、気に入った物が見つかるまではこの格好をするつもりだ。
採石場に来たとき、一発ではぐれの気配を感じたがそこまで強いわけではなさそうだ。
「来たれ
千の絆が目の前に現れると、すぐに展開し新たに調達した英霊札を抜き取ると左のホルダーへ挿入した。
「英霊装填
投影開始」
ブローチの虎の眼が紅く輝き、俺は力が溢れてくるのを実感した。
投影したのはうちはサスケと呼ばれる絶大な能力を有する忍の英霊だ。
黒いマントを纏い、眼を変化させる。
これが噂に名高い写輪眼か………すごいな。
目の前に広がる世界が今までとは全く異なって見える。
はぐれの姿も魔力の濃度すら浮き彫りにした状態で瞳に捕らえることができる。
距離で言うと、邪魔な石もとい岩を考えないとざっと200メートルか……
「それじゃ…そろそろ任務をこなしますかね。」
投影すると同時に頭の中に知識として蓄えられた英霊の力の中からベターな戦法を考え出す。
圧倒的に早くなった速度で接近しながら、印を結んだ。
「火遁・豪火球の術!!!」
暗闇の中に人を軽く飲み込む炎弾を放出し、はぐれが潜んでいるであろう一帯を焼き尽くした。
「うがぁぁぁっっ!!あっちぃぃ!
キ……貴様なにもんだ!!??」
「フリーのはぐれ狩りをしているシルバーと名乗っている者だ。
お前の討伐要請が届いてな。
済まないが、消えてくれ。」
慈悲もなく言い捨てると、手に持つ草薙の剣に雷遁チャクラを纏わせた千鳥刀で切りかかった。
蜘蛛のような姿をした悪魔は何本もの腕から魔力弾を放出してくるが、この眼の俺には問題ない。
力の流れ、強さが全て鮮明に映るため難なくよけ斬撃を繰り出していった。
千鳥刀がやつの体に当たる度に、雷遁のチャクラが動きを縛りさらなる攻撃を可能にする。
それにしても、この英霊の力は凄まじい。
最初の移動速度もすごかったが、刀を構える速度も切りかかる動作も何一つ無駄がなく素早く動けるようになっている。
これは……もしかしたらヤバいかもな………
早めにケリをつけなくては……