世界のうねりに巻き込まれる主人公   作:ザクファントム

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少し遅れてしまいましたが、投稿します!
わかりづらいとこなどあれば、お気軽に聞いてください!


閉幕

あちこち崩壊が進んでいる廃屋内を俺は素早く駆け巡る。

ゲーシャルの気配は進むにつれて強く感じることができるようになり、気を引き締めた。

 

「やっぱり上級悪魔レベルだったなぁー

初めて使うAランクの単一投影《シングル・トレース》じゃ少し無理があったか…」

 

先ほどの反省を 元に次の手を廃屋を進みながら考えている。

徐々に強まる瘴気に空間が浸食されているのか、廃屋の荒廃がこの近辺だけ進んでいた。

 

「よしっ決まり。来たれ《アデアット》」

 

黒い手帳型の神器が出現したと同時に手に取り、カードを展開する。

 

「相手が上級なら少しレベルを上げていくか…」

 

勢いよく二つのカードを抜き取り、左側のホルダーに重ねて挿入する。

 

「二重装填《フラクタル・トレース》

 

同調開始《シンクロ・オン》………工程完了《ロール・アウト》

投影開始《トレース・オン》」

 

千の絆が俺の目の前に移動し機械音を発した後、少しの間を置いて虎のブローチが輝きだした。

千の絆の能力は英霊の自己への投影。

この能力は一回につき一人というわけではなく、一回の投影で複数人の英霊を投影することもできる。

がしかし、強力な 力には必ず反作用が存在し、複数人の英霊の力を同時に投影する場合、英霊の力を宿している英霊札を千の絆が読み込み、力を融和させるのに時間が多少かかってしまう。

よって同時に投影する英霊札が多ければ多いほど、投影までの時間がかかり、隙が大きくなってしまうのだ。

ちなみに神滅具が二つの能力を持つのがフツーなように、千の絆にも能力がもう一つ存在する。

所有者の基礎防御力と回復力の向上である。

これは神器発動に関わらず常に発動している能力であり、投影時にも持続される。

これにより、ある程度は投影していないときのダメージなどにも耐えることができる。

 

 

「準備は終わった…いくぜ ゲーシャル!!」

 

2人の英霊の力を宿した俺はすでに間近に感じているゲーシャルの方へ飛び出した。

 

ドゴォォォォンンン!!!!

 

廃屋の壁を破壊しながら俺はゲーシャルをまとめてぶっ飛ばした。

 

「なに!?

貴様さっきの一撃で死んでなかったのか!?」

 

受け身を取りながら叫ぶゲーシャルの声をかき消すように追撃する。

 

両手から赤い閃光と共に、陰陽のマークがついた姉妹剣を投影した。

これはある英霊の力で自分の知っている武器を投影する無限の剣製という能力だ。

重ねて俺はもう一人の英霊の力を発動する。

 

「騎士は徒手にて死せず《ナイト・オブ・オーナー》」

 

紅くわずかに光る血管のようなものが剣に浮かび上がった。

この能力はあらゆる武器などを自分の所有物として行使できる能力なのだが、武器のポテンシャル、及びランクを引き上げることが可能となる。

 

ゲーシャルはナイトレイドを繰り出すが、俺は全てのコウモリを容易く見切り、双剣で素早く切り裂いていく。

無数のコウモリの残骸が宙を舞うと共に、ゲーシャルの顔に焦りの色が隠せなくなってきた。

 

「くそ!

ならばっ!ブラッディ・ストリーム!!」

 

右手から放たれる先ほどと同じ赤き光線を俺は右手の剣でいなしながら尚も接近する。

ゲーシャルに剣が届く間合いまで入った瞬間、俺は左手の剣を後ろへ構えた。

 

バキィィィィィン!!

 

後ろから接近していたブラッディ・ストリームを左手の剣、干将が弾き飛ばした音だった。

 

双剣を自在にあやつりゲーシャルの体に無数の傷を作っていく。

対抗して体を硬質化しながら翼を鋭利な刃にして俺を襲おうとするが、根元から切り落としさらに腕を切り裂いた。

口から無数の牙を弾丸のように飛ばしてきたが、懐に潜り込むと同時に両足を干将、莫耶で切り落とす。

 

「悪いな…そろそろ退治も終わるようだ。」

 

「貴様っ…ブラッディ・ストリームを……

まさか気づいたのか…?」

 

「ああ。さっきは見事にやられちまって自分の用心の甘さを反省したよ。

お前の手が動いていたのを見ながらそのまま攻撃を続けちまったから、まんまと鞭のようにしなるブラッディ・ストリームを受けちまった。かなり痛かったんだぜぇ

 

フツーの人間なら即死だっただろうが、悪いが俺は神器持ちなんだ。

それにシルファリオンが少し当たっていたとしてもその場に留まったままなのは警戒不足だな。気配がダダ漏れだったおかげで準備を完璧にした後で奇襲をかけられた。

さあ…終わりだゲーシャル。」

 

とどめを刺すためじりじりとゲーシャルの側へ歩みを進める。

すると目の前にいる満身創痍の悪魔はマントから煙幕のようなものを排出した。

 

「今日のところは私の負けのようだ!!

いつかまた会おう!!はぐれ狩りの者よ!!!」

 

そういって翼を 無数のコウモリで形作ったゲーシャルは廃屋の壊れた天井部分から逃げ出そうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………が、その眼前には夥しい数の月光に光る 刀剣が浮かんでいた。

 

「だから言ったろ?

俺の任務はお前の拘束か抹殺。

最初の勧告でターゲットが同行に反抗した場合、抹殺が義務になってるんだよ。

つまり、お前はもう死ぬしかないんだ。

 

停止解凍《フリーズ・アウト》

全投影連続層写《ソードバレル・フルオープン》」

 

絶望の色に顔を染めたゲーシャルが声を発する間もなく空を覆う無限の刀剣が雨のように降り注ぎ、原型がわからなくなるほど粉砕した。

 

「投影終了《トレース・オフ》」

 

無機質な音声が無音の空間に響くと同時に、零の体が淡く光り、英霊の力が消失した。

 

「任務完了。

なめてたせいで、ケガしちまったなぁ。

後で神器で治すかー。」

 

零ははぐれ悪魔の残骸のマントと翼の一部を手にとり、その場を後にした。

 

 

 

 

 

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