冒頭の部分で時系列が合っていないと感じるかもしれませんが、あえてやっています
最終話になれば納得していただけると思います
また、このSSの垣根は生身です
暗闇の中で意識を取り戻した彼は思考を始める
…俺は…確か…
記憶を辿り、一番最近の記憶を思い出す
『もしもオマエが世界のどこかに証を望むなら、俺がその爪痕になってやる』
っつ!?
強烈な記憶を思い出しガバッと起き上がるとそこは地獄でも天国でもなく
「生きてる…?」
確か俺は一方通行に倒されて、それで…ん?
俺はアレイスターとの直接交渉権を求めた結果一方通行に負けた
さっきの記憶はその時のものか…?
どちらにせよ一方通行、テメェは殺す、絶対にな…って思うはずなんだがな
「なーんかやる気が出ねぇな」
今できることといえば、ここがどこか調べるくらいか
「つーかなんだここは、江戸時代かよ」
(床は畳だし、天井には照明の類が無ぇ、部屋全体もいかにも和風っつー感じだし)
「まさかタイムスリップでもしたってか?」
いくら自分の能力が常識の通用しない【未元物質】だとしても
別に常識がないわけではない、と自分の意見を一笑に付す
「そういや、能力は…っと」
垣根が脳内で演算を開始すると、背中から純白の翼が現れた
「未元物質は問題なく使えるな」
垣根は翼を消し布団にもう一度ドサっと体を沈め、再びここはどこかということを考え始める
(見たところ日本だっつーのは間違いない、だが京都だとか江戸村だとかそういう雰囲気じゃねぇ)
垣根自身、京都などには数回しか行ったことがないのだが
そういった観光地は旅行客を想定しているため当然、当時の生活をできるだけ再現をしている
中には実際に人が住んでいるといった場所もある
だが、見世物用に用意された場所と実際に生活している場所では【空気】が違う
それは台所に置いてある飲みかけの湯呑であったり、書きかけの巻物?だったりする
「誰かの家ってことだよな…」
そう垣根が思考を巡らせていると
「あぁ、目を覚ましたか」
襖が開き、住人らしき人物が部屋に入ってきた
(おいおい、なんだコイツ薄い青みががった白髪に青い目…コスプレって雰囲気でもねぇな)
「初めまして、だな。私は上白沢慧音、人里で寺子屋の教師をしている者だ」
(人里に寺子屋か…こりゃいよいよタイムスリップかもしれなくなってきたな)
「俺は垣根帝督、一応学生だ。よろしく頼むな」
(学校なんてロクに行ってなかったんだけどな)
「昨日寺子屋での授業を終えた後友人の家に行ったのだが、その道中で君が倒れていてな」
遅い時間であったため仕方なく家に連れ帰ったと言う慧音
「ありがとうな、にしても見ず知らずの男を連れ帰って大丈夫なのか?」
(見たところ筋力が強いわけでもなさそうだし、…イイ体ではあるけどな)
「ふむ、やはり君は外来人か」
「外来人?…そういやここはどこなんだ?見たところ日本ではあるんだろうけど」
質問をすると慧音は少し困ったような顔をした
「これから話すことは外来人の君には法螺話に聞こえるかもしれない」
そう前置きした慧音は覚悟したような目で一つ呼吸を置き、話し始めた
「ここは幻想郷。君の言う日本ではいないとされている妖怪や妖精が暮らしている
忘れられた者たちが住まう場所だ」
(異世界か…タイムスリップよりか説得力はあるな、つってもにわかには信じ難いけどな)
「…できれば証拠を見せて欲しいんだが」
垣根がそう言うと慧音は立ち上がり、障子を開ける
「これから起きることは信じ難いことかも知れない、だがこれは現実だ。どうか信じて欲しい」
そう言うと慧音は手のひらを庭の木に向け
「ハァッ!」
その声とともに木に向かって光弾が打ち出され、木に当たると表面を少しだけ削り取る
(電撃使いか?学園都市の外にも能力者はいるっつー話だったが、今のは超能力
じゃねぇな、どっちかっつーと…魔法か?)
妖怪やら妖精やらがいる世界ならば魔法くらいあっても不思議じゃない、とメルヘンな
世界に少しばかり浸る
「ど、どうだろう?これで信じてもらえたか?」
(超能力じゃねぇ方式の能力…こりゃマジで異世界に来ちまったのか…)
「あ、ああ本当にここは異世界なんだな…疑って悪かった」
信じられないのも無理はない、と前置きをするとさらに真剣な目で垣根に問う
「さて、現状の君には二つの選択肢がある」
「まずは、この幻想郷から出て君のいた世界に帰るという選択肢」
「もう一つは、この世界に残る…か?」
慧音は肩をすくめ、心配そうな顔をしている
「察しがいいな、私としては帰る方をおすすめしたいのだが」
(正直なところ学園都市に戻った所でやることがねぇんだよな、復讐もイマイチやる気
が出ねぇし…どうせならしばらくここにいてぇな、面白そうだし)
「俺としてはしばらくこの世界にいたいと思ってる」
そう答えると慧音は悲しそうな顔を浮かべた
「…妖怪の中には人間を食べる者も存在する、人間が過ごしていくには辛い環境
だぞ?」
帰らなくていいのか、と再度質問をする慧音
(妖怪か…実力がどんなもんか分からないが未元物質でどうにかなるとは思うしな)
「それなりに実力に自信もある、まぁなんとかなるだろ」
「ふむ、そう言うなら仕方あるまい…どこか住むアテはあるのか?」
(やっべぇ何も考えてなかった、丁度金はあるが…)
「日本の通貨はこの世界でも使えるのか?」
「ああ、そもそもここは日本の中にあるしな。問題なく使えるぞ」
「ならどこか適当に借りられれば大丈夫だな」
その後も色々な話をし、幻想郷についての基本知識と拠点を手に入れた垣根であった。
感想・アドバイス等あればよろしくお願い致します