とある第二位の幻想入り   作:海山拓人

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第二話です、いきなりどこかに出掛けるもの不自然だと思いこのような形となりました。


とある新聞記者のネタ探し

…あぁ朝か

 

昨日は、確か家の整理やら食料の調達に行ったんだっけか…

 

寝起きの重い体を起こし一昨日の事を思い出す

 

「ああ…そういや幻想郷に来てたんだっけな…」

 

一昨日慧音から聞いた事実を頭の中で反芻し、重い溜息をつく

 

「さて、これからどうすっかな」

 

なんとかなるとは言ったものの行動方針が見つからない

 

「適当に散策でもしてみっか」

 

布団を整え、昨日購入した和服を着て外に出てみると朝の爽やかな空気が心地よく

 

まだ人の影もまばらで登りかけの朝日が眩しい

 

「まだ大分早ぇな、そういや時計持ってなかったな。作っちまうか」

 

未元物質を発動させ腕時計を形作る、時計の針は五時すぎを指していた

 

「…暇だな、二度寝でもすっか」

 

そう言い借家に戻ろうとしたとき聞きなれない声が聞こえた

 

「そこの人ちょーっと待ってくださーい!」

 

その声に振り返ると、黒髪ショートカットの女の子がこっちに向かってきている

 

「ふぅ、やれやれこんな早朝から走るハメになるとは…」

 

(黒髪に白シャツか、慧音よか常識的な格好だな

 

ここが常識の通用する世界かは分からねぇけど)

 

彼女は垣根に顔を向け、笑顔で言う

 

「どうも初めまして、私射命丸文と申します!」

 

挨拶とともに垣根に新聞紙を差し出す射命丸

 

「お、おう俺は垣根帝督。まぁよろしくな」

 

垣根は新聞を受け取り軽く目を通す

 

(文々。新聞か…なんつーかネーミングセンス無ぇな。ま、貴重な情報源ではあるな…

 

にしてもコイツ人当たりの良さそうな感じだが只者じゃねぇ)

 

足運びや周囲への警戒といった点において射命丸に対して全くスキを見い出せない

 

垣根の暗部での経験から、射命丸が只者ではないと判断するのに

 

そう時間はかからなかった

 

「さて、いくつか質問させていただきたいのですがよろしいでしょうか?」

 

メモ帳とペンを構え準備万端といった風の射命丸

 

(さて、どうするか…馬鹿正直に喋るのは論外だ

 

けどコイツに対してごまかしが出来るかは怪しい。

 

適当にはぐらかして立ち去りてぇが、家を知られちまった以上

 

これからも絡んでくるだろうしな)

 

「いいぜ、ただし質問は一つだけな」

 

「あやや、そうきますか」

 

うむむと考えるような素振りを見せ、少し経ってから射命丸が口を開いた

 

「では、貴方の目的と能力を教えていただけますか?」

 

「…一つって言ったよな?」

 

いいじゃないですかー、と唇を尖らせ抗議をする射命丸

 

(つーか一つ目はともかく、能力を教えるっつーのはまずい

 

コイツは新聞記者、喋った事は

 

全てばらされると考えた方がいい…つーかなんでコイツ

 

俺が能力を持ってる事を知ってやがるんだ?)

 

慧音から聞いた話では幻想郷に迷い込んだ外来人は基本的に一般人であり

 

幻想郷の住人のような能力を持っていないのが普通らしい。

 

「目的つっても目が覚めた時にゃ慧音の家で

 

どうして俺がここに来たかも分からねぇ」

 

「ふむふむ、では能力についてはいかがでしょう?」

 

「能力っつーと慧音が手から光弾を出してたが、ああいうのか?」

 

学園都市の暗部に所属している垣根は初対面の相手に

 

能力を教えるのは自殺行為だということを知っている

 

しかも相手が手練なら尚更の事、故にここは誤魔化すという訳だ

 

「あやや、私の見当違いでしたか。これは申し訳ない」

 

肩をすくめてそう言うが、垣根はその動きが演技がかっていると感じた

 

(間違いねぇ、コイツは俺が能力を持っていると感づいてやがる …ったくさっきのは

 

【質問】じゃなく【確認】かよ、思ってたよりも厄介だな)

 

「まぁ、いいでしょう。これは本題ではないですし」

 

そう言って話を打ち切ると、カバンから手紙を取り出す射命丸

 

「こちらは紅魔館の主、レミリア・スカーレットからの招待状です」

 

差し出されたのは赤い封蝋で閉じられた手紙、隅には赤色の署名がある

 

(まだ幻想郷に来てから三日も経ってねぇのに情報が早すぎんだろ…

 

そんだけ外来人ってのが珍しいモンなのか?)

 

「俺がこの招待に応じなきゃならねぇ理由は?」

 

「紅魔館は幻想郷の中でも大きな影響力を持っています、下手に逆らうと

 

今後の生活に影響が出るかもしれませんよ?」

 

(しばらく幻想郷で生活するってーのに面倒を抱え込むのは避けてぇけどな…)

 

「まぁ正直なところ購読者からの頼みなので

 

もし行っていただけるなら何かサービスしますよ?」

 

話によると紅魔館は文々。新聞を購読している

 

つまるところ客と店という関係に近いものがあり

 

頼みを無碍に断ることができないのだという

 

「サービスねぇ…俺の言うこと一つだけ聞いてくれるとか?」

 

垣根がそう言うと射命丸が初めて慌てた様子を見せた

 

「あややや!?初対面の人にそこまで言うとは、なかなかのやり手ですね!」

 

(試しに言ってみただけなんだけどな)

 

「ま、流石にそれはきついよな」

 

前言を撤回しようとした垣根の言葉を遮り、射命丸が言う

 

「し、しかしこれも私の新聞を待っている購読者のため…いいでしょう

 

その条件で構いません」

 

「…提案した本人が言うのもなんだが、本当にいいのかよ?」

 

「ええ、購読者の頼みですから」

 

(新聞記者のプライドってわけか…イイじゃねぇか、気に入った

 

それに紅魔館ってのも気になる、会ったこともねぇ相手を

 

いきなり呼びつけるような主の顔も見ときてーしな)

 

「そこまで言うなら断るわけにゃいかねぇな」

 

垣根が承諾し、射命丸がありがとうございます、と頭を下げると

 

カバンから簡易的な地図を出し、差しだしてくれた

 

「こちらの地図を見れば分かると思いますが

 

紅魔館は霧の湖のほとりに建っています」

 

地図を見てみると大きな湖のほとりに赤い屋敷があるのを確認できた

 

「ありがとな。そういや、いつ行きゃいいんだ?」

 

「レミリアさんから伺った話ですと、えーと…明日ですね」

 

「そりゃまたなんとも、大分急だな」

 

あの人の行動が性急なのはいつものことですから、と肩をすくめる

 

「では、明日よろしくお願いしますね」

 

「ああ、約束だからな。ただ、そっちも約束忘れんなよ?」

 

「うっ…分かってますよ。全く、貴方も人が悪いですね」

 

「そりゃお互い様だろ」

 

射命丸は皮肉を飛ばし合うと、配達があるので。と去っていた

 

 

こうして、翌日の紅魔館行きが決定した垣根であった。




という訳で次回は紅魔館へ行きます、おそらく到着しませんが。
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