とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~   作:戯言紳士

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ご愛読ありがとうございます。

ここ数話、後書きの終わりにステータスを載せていた訳ですが、前に比べどれくらい変化したのか
分からないという事に気付いたので、今回からちょっと変えてみました。
作者の独りよがりかもしれませんが、お付き合い下さい。
無論、興味がない場合はスルーで構いません。

前回のあらすじ。
やはり、アリシアとはやての2人は他のメンバーとは違った狩りをしていた。それに触発された刻
也は、召喚モンスターと共に100体以上のモンスターを殲滅した。
しかし、これだけに止まらず、未知のイベントを引き当ててしまった。



第12話   6月14日 日曜日⑨

 意図していた訳もなく、強制戦闘イベントと思われるフラグを立ててしまった訳だが、流石に布

陣を見直さなければならないだろう。

 といっても、赤兎は単体相手では本来の力は発揮出来ないと思うので、赤兎を久遠と入れ替える

だけなのだが...。幸いな事に、襲撃を仕掛けてきた獣耳の少女はこちらの出方を待っている。

 どうやら、最初の襲撃を回避する事がイベント進行の第一条件なのだろう。あれが直撃していた

ら即死に戻りの上に、イベントフラグは初期化されるか、2度と起きないなんて事もあるかもしれ

ない。

 こんな所で、山籠もり時の常時襲撃に備えた修行の成果が思わなかった。士郎さんと恭也さんに

1週間、四六時中、いつ襲撃されるか分からない不安に見舞われた事は無駄ではなかったんだな。

 

 では、改めて戦いに備えよう。出方を待っているといったが、ずっと待っているとは限らないし

な。それに姫なら、他のメンバーに連絡を入れる事はするだろうからな。

 

 俺は、赤兎を帰還させ久遠を召喚する。相手の力は未知数。識別をして分かったのは獣耳少女の

名前だけ。他の情報は一切見えなかったのだが、それほどレベルが高いのか、それとも隠蔽スキル

を所持しているのか...。一人のプレイヤーとしては後者の方がありがたいが、剣士としては、前

者の方がそそられる。

 

 獣耳の少女の名前は"さくら"と表示されていた。現状、さくらの方が各上だという事は事実なの

で、とりあえず今掛けられるブースト魔法を全員に全て掛ける。結果、すべてのステータスをブー

ストする事になったが、果たしてこれで事足りるだろうか?

 残念ながら、守護者の称号効果は結界の中にいるためか、それとも範囲外なのか分からないがス

テータスに加算される事はなかった。

 

 武器は先の戦闘で消耗しているが、これで行くしかないな。付加魔法はとりあえず控えておく。

さて、久遠は全回復状態でやる気十分。空牙は生命力の値が削られているので回復させる。精神力

を使う攻撃方法がないから、こっちは気にしなくていい。

 

 さあ、準備は出来た。では、獣耳少女もとい、さくらと死合おうか。

 

 

「わざわざ...待っていてあげたんだから......少しは持ちなさい。」

「期待に添えるか分からないが、全力でいかせてもらうよ。」

「......上等。さあ...掛かって来なさい。」

「じゃあ...遠慮なく。」

 

 加減など一切なく現状俺が出せる最大速度でさくらの懐に入り込む。空牙を置き去りにしてしま

ったが、今はそんな事を気にする余裕はない。

 確かに、反応は遅れたがさくらは俺の動きを目で追っていた。懐に潜り込ませたのは罠なのか?

それとも、1撃くらい受けてあげるとでもいう余裕の現れか。その真偽を確かめる術はないが、余

裕だとしたら、それは慢心だったと思い知らせてやる。

 

 御神流奥義之肆"雷徹"。単純な攻撃力なら最高クラスの技だ。二刀の小太刀で御神流"徹"による

攻撃で、内部への与える衝撃を倍増させ破壊する必殺の奥義。

 それをさくらの腹部へ叩き込んだ。もちろん全力で放ったので、現実なら対象は内臓破裂により

絶命する。

 

 真正面から防御する素振りを見せずに直撃したさくらは、倒れる事はなかったが、それでも相当

なダメージを受けたらようだ。

 

「馬鹿な...なぜお前の..ステータスで、私が...この様なダメージを受ける。」

 

 どうやら、さくらには俺のステータスが見えているらしい。特殊なスキルでも持っているのか?

 

「これでも、小さい頃から鍛えているでね。俺のステータスが見えているらしいが、当てにしない

 方が今後の身のためだぞ。」

「...そうみたいだ。少々...お前の..事を甘く見ていたらしい。」

 

 こうして話をしている間にも、僅かに傷が癒えている様に見える。自動回復スキルまで持ってい

るんですか!?

 

「気付いた...みたいだな。持続して...ダメージを与えなければ...私は回復するぞ。」

「そうみたいだな。それじゃあ、続きといこうか。」

「先の1撃は...サービス..みたいなもの。そう...上手くいくと思うな。」

 

 これからが本番みたいだな。残念ながら戦闘中に久遠達に指示を出すことは難しそうだ。2匹に

は可能だったら支援して欲しいとだけ伝え、今度はこちらに向かってくるさくらに応戦する。

 

 さくらの武器は自身の爪だ。自在に長さを調節出来るようで、剣の様に使ったり、複数本伸ばし

鉤爪の様にして斬りかかってきたりと、自在に間合いが変化して戦いにくい。

 スピードは俺に分があるが、パワーが段違いで気を緩めると簡単に吹き飛ばされそうだ。運営は

なぜ、最初のエリアにこんなイベントを用意したんだ。実はぬるプしているプレイヤーへの制裁イ

ベントなんじゃないか?一定時間同じ場所に滞在すると出てくる死神さんだったり、ぶららぁぁ~

な若本ボイスの方みたいな。

 

「くっ...失礼な。私を...あのような...変態と一緒にするな。」

「せいっ..っと。テレパスも所有しているのか...っていうか分かるんだな。」

「甘い。そちらの...知識は持っている。あと...残念ながら......テレパスは所有していない。」

「すっ。本当に普通のモンスターとは違うみたいだな。すらっ!」

「...当然。私は......特別だからな。」

 

 こいつ、なんで悲しい表情をしているんだ?

 

 無論、会話をしている間もなんども剣と爪が交錯しているのだが、最初の一撃以降、大ダメージ

を与える事が出来ていない...表面上は。

 斬撃にはすべて徹を籠めているので、表面上は軽傷でも内部にはダメージが蓄積される..はず。

少なくとも現実では。

 そして、何十回も刀を交えるとさくらの戦闘傾向もなんとなくだが分かってきた。向こうも恐ら

く俺の事を把握してきているだろう。ここからは"貫"を織り交ぜながら、隙あらば奥義をぶつけて

いこう。

 

 それからは、徐々にだが確かにダメージを与える事が出来る様になった。が、それでも奥義をぶ

つける程の隙はみせない。

 久遠も魔法で注意を逸らしたりサポートをしてくれている。しかし神通力はどうやらさくらには

通じないらしい。

 空牙も懸命に飛びかかったりしてくれているのだが、ダメージを与える事は残念ながら出来てい

ない。

 

 

 そんな中、突然さくらの攻撃の手が止む。これはチャンスか?

 

「どうして...貴方の攻撃は...私の防御をすり抜けるように通るの...。」

 

 さくらが投げかけて来た言葉は予想外の事だった。

 

「それは質問か?」

「…………。」

「まあ、敵対しているモンスターに律儀に答える義理はないけどな。」

「.........さくら。」

「え?」

「モンスター...と呼ばれるのは嫌い。...なんだか、貴方には......特に。」

「...はっ?」

 

 またも、突拍子もない言葉が返ってきた。モンスターと呼ばれるのが嫌い...か。って事は、さ

っきの悲しい顔もその前のセリフのせいだったとでも言うのか?

 

「だから...さくら..と呼べ。」

「お、おう。」

 

 どんな変化だ?俺の呼び方もお前から貴方に変わっているし。これもイベントなのだろうか?

生命力の低下で態度が軟化?普通は攻撃に新たなパターンが加わったり強化されるもんじゃない

だろうか。

 

「......さあ。」

 

 今すぐなのか?っと、しばらく沈黙していたら、さくらからここ一番で凄い殺気が飛んできた。

 

「.....さくら。」

「………。」

「おい。」

「...もう一度..呼んで。」

 

 これは一体なんなんだ。なぜ敵対していた相手にこんな事をする?

 今度は、殺気などではなく、フェイトと通じる何故か断れない表情でこちらを見ている。こうな

ったらこの流れに乗っかるしかない。

 

「"さくら"。これで良いんだろ。」

「...そうか。(ここで..プレイヤーを倒す為に生み出された...私は..この人と対峙したことで。)」

「それで?この後はどうすれば良いんだ?」

「やる事は...変わらない。決着を...付けるだけ。(魅せて...貴方が..私に相応しい"主"か。)」

「結局はそうなるんだな。」

「....もちろん。」

 

 なに一つ状況が変わる事無く再びさくらと交える。いや、状況は変わっていないが、さくらの態

度に変化が現れた。あれほど放っていた殺気がなくなっている。相手からの殺気も先読みするため

の重要な要素だったので、さっきより少々やり難くなった。

 また、さっきとは違った感じで俺の力量を測っているかのような、攻撃をしてくる様にもなった

。そうやら例外なく、インターバルを通じて相手は強くなったらしい。ただ、パワーは気持ち弱ま

っている気がする。

 

 そんなさくらの変化も何度か打ち合えば順応出来る。順応は出来るが致命傷は与えられない状態

がしばらく続く。どれくらい戦っているのだろうか?

 結界の外には、いつの間にか、なのはやアリサ達も集まっていた。みんな、不安そうな眼差しで

こちらの戦闘を見ている。

 あぁ、あんな顔をさせちゃダメだな。俺もいい加減、出し惜しみせずにこの対決に決着を付けよ

う。正規サービスでやった事はないが、β版では出来たんだ。問題ないだろう。

 

「さくら。」

「...なんです。」

「俺は次の攻撃で決着を付けようと思う。」

「それを...宣言するという事は......余程の自信があるという事?」

「そう捉えてくれ。」

「私の生命力は...まだまだ..残っている。本当に...出来ると思ってるの。」

「出来る、出来ないじゃない。やるだけだ。」

「...そう。それじゃあ、貴方の..全力...を受け止めて...あげる。」

「敵じゃなければ、良い関係を築けたかもしれないな。」

「...それは。(私は...貴方の力を..認めた。後は、貴方の...裁量次第。次で私を...生かすか..

 殺すかの。)」

「たらればを言っても仕方ないか。それじゃあ、行くぞ!」

「......きて。(さあ、貴方は...どっち?)」

 

 わざわざ宣言する意味はない。ただしたかったからした。それだけの事。それに、宣言したとこ

ろで回避は不可能だ。俺の通常時に出せるトップスピードは、彼女..さくらを既に上回っている。

 

 Q:もし、それ以上のスピードで動けるのだとしたら?

 

 A:対応出来ず防御も出来ずに直撃を受ける。

 

 では、この戦いに終止符を打とう。

 以前、美由希さんとの模擬戦でも披露した、御神流奥義之歩法"神速"を使用する。ここでも問題

なく神速は使えたようで、世界がモノクロに変わる。最初と違い、さくらが俺に反応する様子はな

い。移動しながら小太刀に水・土・風・闇の4属性を付加した。耐久値など関係ない。次の攻撃分だ

け持ちこたえればいい。

 以前、神速の領域に踏み込んだまま、さくらの元まで突進しながら、一度小太刀を鞘に納める。

 これから行うのは、恭也さんが好んでいた、御神流奥義之六"薙旋"。抜刀から始まる4連撃だ。

その斬撃に徹を籠めるので、一撃は雷徹にも引きを取らない一撃にまで昇華される。

 これが、俺が現段階で出せる、最大の攻撃だ。

 

 さくらが間合いに入った所で、右の小太刀を抜刀し、左脇から薙ぎ払う様に一閃。そのまま、間

髪入れずに背後に回り込み、もう一度斬撃を叩き込む。

 その2度の攻撃により、ガードが甘くなった箇所を3度目、4度目と続けて叩き込み終えた所で

神速も解除された。

 

 その場に、残されたのは生命力の残りを示すバーの表示が1ドット程残され、地に伏せているさ

くらと、息が乱れそこらじゅうに切り傷を残し、地に伏せているさくらを見ている刻也だけだ。

 端から見ていたなのは達には、神速状態の刻也の動きを追う事が出来ず、消えて、次に現れた時

には対戦していた相手が倒れているという現状に全く理解出来ずポカンとしている。

 

「俺は...勝ったのか?」

 

《ただいまの戦闘により【短剣】スキルのレベルが5上がりました。》

《ただいまの戦闘により【蹴技】スキルのレベルが4上がりました。》

《ただいまの戦闘により【召喚魔法】スキルのレベルが2上がりました。》

《ただいまの戦闘により【水魔法】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【土魔法】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【風魔法】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【光魔法】スキルのレベルが上がりました。新たに魔法"光属性付加"を習

 得しました。》

《ただいまの戦闘により【闇魔法】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【戦闘指揮】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【識別】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【危険察知】スキルのレベルが3上がりました。》

《ただいまの戦闘により【回避】スキルのレベルが5上がりました。》

《ただいまの戦闘により【クロノス】の種族レベルが8上がりました。ボーナスポイントを16取

 得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

《ただいまの戦闘により【召喚士】の職業レベルが8上がりました。スキルポイントを16取得し

 ました。レベルアップにより、召喚枠が2増えました。レベルアップにより同時召喚数が3にな

 りました。》

《ただいまの戦闘により【盗賊】の職業レベルが8上がりました。スキルポイントを16取得しま

 した。レベルアップにより、職業専用スキル【開錠】【奪取】の習得が可能になりました。》

 

 大量のインフォが戦闘の終了を物語っている。この後にも、久遠と空牙のレベルアップのインフ

ォが残っているのだろう。今は、俺のステータスへの割り振り待ちだ。

 一気に8レベルも上がったため、ステータスの成長も著しい。少し整理しなければ。

 

 現在、レベルアップによるステータスの上昇はこんな感じだ。

 

生命力(HP)】 50 / 50 ⇒ 74 / 74(↑24)

精神力(MP)】 85 / 85 ⇒ 125 / 125(↑40)

筋力値(ATK)】 19 ⇒ 21(↑2)

耐久力(DEF)】 13 ⇒ 14(↑1)

知力値(INT)】 22 ⇒ 26(↑4)

抵抗力(MDF)】 19 ⇒ 22(↑3)

敏捷値(AGI)】 26 ⇒ 30(↑4)

器用度(DEX)】 22 ⇒ 24(↑2)

 

 これにあと16ポイントを配分しなければならない。悩み所だが、先が詰まっているので、さっ

さと割り振ってしまおう。生命力と精神力は割り振る事が出来ないので省略させてもらう。

 

筋力値(ATK)】 21 ⇒ 25(↑4)

耐久力(DEF)】 14 ⇒ 15(↑1)

知力値(INT)】 26 ⇒ 29(↑3)

抵抗力(MDF)】 22 ⇒ 23(↑1)

敏捷値(AGI)】 30 ⇒ 34(↑4)

器用度(DEX)】 24 ⇒ 27(↑3)

 

 防御を軽視している訳ではないが、俺は基本的に回避するので耐久力にはそこまで、重要視して

いない。抵抗力は今後、広範囲魔法による回避不可能な場合もある事を想定し、それなりの水準を

保つように心掛けている。それでも攻撃力を上げる方が今は優先度が高いが...。

 

 自分のステータスの割り振りが終わると、案の定久遠のレベルアップのインフォが流れた。

 

《ただいまの戦闘により召喚モンスター【久遠】のレベルが6上がりました。ボーナスポイントを

 12取得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

 

 自動で割り振られた値に、ボーナスポイントを振り分けた結果、以下のステータスになった。

 

【名前】久遠(くおん)【種族】妖狐(三尾) Lv.2 ⇒ Lv.8

生命力(HP)】 32 / 32 ⇒ 44 / 44(↑12)

精神力(MP)】 72 / 72 ⇒ 108 / 108(↑36)

筋力値(ATK)】 6 ⇒ 7(↑1)

耐久力(DEF)】 9 ⇒ 12(↑3)

知力値(INT)】 26 ⇒ 33(↑7)

抵抗力(MDF)】 21 ⇒ 26(↑5)

敏捷値(AGI)】 30 ⇒ 35(↑5)

器用度(DEX)】 19 ⇒ 22(↑3)

【所有スキル】神通力 火魔法 雷魔法 変化 暗視 魔力運用術(New!) 回避 精神力自動回復[微]

 

 新たに魔力運用術というスキルを習得し、大幅に強化されたと思う。次は空牙だ。

 

《ただいまの戦闘により召喚モンスター【空牙】のレベルが上がりました。ボーナスポイントを2

 取得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

 

 1だけなのか?っと思ったが、この後にクラスチェンジが控えている。おそらくこのクラスの上

限は8なのだろう。持ち越しという概念があるのだとりしたら、クラスチェンジ後にもレベルアッ

プのインフォが流れるだろう。

 これなら、態々ステータスを晒す必要はない。今回上昇していたのは、知力値。この戦闘で相手

が相手だが、火力不足を感じたので、ボーナスの2ポイントは筋力値に割り当てる。

 さあ、まだインフォは残っているのだろう?さっさと掛かって来なさい。

 

《召喚モンスター【空牙】がクラスチェンジの条件を満たしました。ステータス画面からクラスチ

 ェンジを行って下さい。》

 

 空牙のクラスチェンジ候補は3つもあった。

 

 1つ目は大狼。クラスチェンジボーナスは筋力値と敏捷値の底上げ。間違いなく正規ルート。参

考までにクラスチェンジ後のステータスはこの様になるらしい。

 

【名前】空牙(くうが)【種族】大狼 Lv.1

生命力(HP)】 50 / 50 【精神力(MP)】 21 / 21

筋力値(ATK)】 21(↑4)

耐久力(DEF)】 10

知力値(INT)】 9

抵抗力(MDF)】 10

敏捷値(AGI)】 29(↑4)

器用度(DEX)】 14

【所有スキル】噛付き 切り裂き 暗視 気配遮断 危険察知 連携 見切り(New!) 回避(New!)

 

 2つ目はレッサーウルフ。爪や牙が大きく鋭角になり、攻撃力が大幅に上昇するらしい。姿も狼

というより、虎やライオンに近い感じになるようだ。クラスチェンジ後はこの様になる。

 

【名前】空牙(くうが)【種族】レッサーウルフ Lv.1

生命力(HP)】 56 / 56(↑6) 【精神力(MP)】 21 / 21

筋力値(ATK)】 25(↑8)

耐久力(DEF)】 10

知力値(INT)】 9

抵抗力(MDF)】 10

敏捷値(AGI)】 25

器用度(DEX)】 14

【所有スキル】噛付き 切り裂き 暗視 気配遮断 危険察知 連携 回避(New!) 怪力(New!)

 

 そして3つ目がシルバーウルフ。毛並によって名称が変わるのか定かではないが、空牙的には、

こっちも正規ルートっぽい感じがする。ボーナスは知力値の補強と筋力値と敏捷値の僅かな強化。

クラスチェンジ後のステータスは以下の通り。

 

【名前】空牙(くうが)【種族】シルバーウルフ Lv.1

生命力(HP)】 50 / 50 【精神力(MP)】 21 / 21

筋力値(ATK)】 18(↑1)

耐久力(DEF)】 10

知力値(INT)】 15(↑6)

抵抗力(MDF)】 10

敏捷値(AGI)】 26(↑1)

器用度(DEX)】 14

【所有スキル】噛付き 切り裂き 吐息(New!) 暗視 気配遮断 危険察知 連携 氷属性(New!)

 

 上の2つは物理強化+回避スキルの追加。回避能力を重要視するか、攻撃力を重視するかの違い

はある。そして3つ目が魔法攻撃追加+属性の追加。氷魔法自体は水魔法のレベルを上げれば派生

するという情報は出ている。それぞれに魅力があり、即決し難い。

 

 

 それでも、ここで長考する事は出来ないので決めてしまおう。久遠はともかく、赤兎は正規ルー

トを選択した。だったら空牙もそうしようかとも考えたが、今すぐに氷属性の攻撃が可能になると

いう点から、シルバーウルフを選択した。

 すると以前のように、魔法陣が空牙の足元に現れ光に包まれる。短時間で2度もこの光景を見る

とはな...と思っていると、次第に光が治まりクラスチェンジを終えた空牙が姿を現す。

 

 小狼の時と比べれば、ずいぶんと大きくなった。氷属性が加わったせいか、銀髪に光沢が増し神

々しいモノを感じる。しかし、触ってみるとそこまで冷たい訳ではなく、少し冷たいかな?っと言

った程度だった。

 

《召喚モンスター【空牙】の持ち越した経験値によりレベルが5上がりました。ボーナスポイント

 を10取得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

 

 持ち越しという概念も存在していたらしい。クラスチェンジを終えた途端にレベルアップのイン

フォが流れた。2匹とも赤兎と随分レベル差が開いてしまった...。

 まあ、新たに枠が空いたので新しい召喚モンスターと一緒に鍛えていけばいいか。今は空牙のレ

ベルアップ処理を済ましてしまおう。

 

【名前】空牙(くうが)【種族】シルバーウルフ Lv.1 ⇒ Lv.6

生命力(HP)】 50 / 50 ⇒ 65 / 65(↑15)

精神力(MP)】 21 / 21 ⇒ 41 / 41(↑20)

筋力値(ATK)】 18 ⇒ 22(↑4)

耐久力(DEF)】 10 ⇒ 12(↑2)

知力値(INT)】 15 ⇒ 20(↑5)

抵抗力(MDF)】 10 ⇒ 12(↑2)

敏捷値(AGI)】 26 ⇒ 32(↑6)

器用度(DEX)】 14 ⇒ 15(↑1)

【所有スキル】噛付き 切り裂き 吐息 暗視 索敵(New!) 気配遮断 危険察知 連携 氷属性

 

 

 随分長くなってしまったが、これでこの戦闘成果の処理はとりあえず終わった。大量のスキルポ

イントや追加された召喚枠等、まだやる事はあるが、それは時間が空いている時にでも済ませれば

いい。

 

 久遠と空牙を帰還させ一息吐くと声を掛けられた。

 

「本当に...随分と掛かった。」

 

 声のした方を見ると、大分回復したさくらの姿があった。再生能力持ちだったな、そういえば。

改めて周囲を見渡すが結界が解除されている様子はない...が、戦闘は確かに俺が勝利して終結し

たはず。

 という事は、まだイベントに続きがあるという事か。

 

「そう...身構えなくて..いい。......(マスター)。」

「マスター!?」

「最初は...主を倒すため...だった。でも...次第に..変化が...起きた。」

「………。」

「私は..主に興味を持った。そして..名前を呼ばれて...私は.....たぶん変わった。」

「………。」

「その後も...主は..私に力を示した。」

「………。」

「最後に...主は私を殺さなかった。後は...主と契約を結ぶ..だけ。」

 

 契約...か。意図していた訳ではないが、イベント進行のフラグは見事に回収していたらしい。

もちろん、さくらが仲間に加わるのは願ってもいない事だ。多少の弱体化はあるだろうが構わない

だろう。一緒に強くなれば良いだけだ。

 

「わかった。それで?契約ってどうすれば良いんだ?」

「主が...私に刻む。ただ...それだけ。」

「刻むって何を?」

「主の..従者であるという証。」

「具体的には?俺はどうすれば良いんだ?」

「古来より...決まってる。証を刻むには...接吻(キス)。これが..お約束。」

 

 ......接吻!?ってあの接吻か?

 たしかに、使い魔にするためにそう言った儀式をする作品もあるが...マジか。

 

「主...契約を。」

 

 さくらは既に瞳を閉じ可愛らしい小さな口を少しだけ開き、完全な待ち状態だ。これでは他に

方法がないか?とか聞ける雰囲気ではない。

 なにより不味いのが、結界の外でなのは達が見ていること。目撃されれば何を言われるか分かっ

たものではない。唯一の救いは一ヶ所に固まっているため、正面でしなければ死角になり、なにを

したのかが、分からないという事。

 

 こんな事を考えている地点で俺の気持ちは決まっているのだろう。ここはゲームの中で、これは

契約の為の儀式なんだと言い聞かせ、なのは達には見えないように、さくらの淡い桜色の潤みを帯

びた唇に自分の唇を重ねた。

 それは...一瞬の出来事で、唇を合わせた瞬間に魔力による光の柱が俺達を中心に何本も現れる。

その柱を軸に大きな魔法陣が描かれ、膨大な魔力がさくらに注がれる。現実的な事を言ってしまえ

ば、召喚モンスターへと情報を書き換えているのだろう。

 状況に付いてこれていないなのは達の声も結界に阻まれてここには届かない。もう、このイベン

トもこれで終了だろう。追及されるのは仕方がない。俺に答えられる範囲では答えよう。さくらに

も契約の内容については伏せさせなければならない。

 

 しばらく経ち、魔法陣が消え光の柱も消滅した。

 

「契約は..問題なく完了。大分..弱体化してしまったけど..これからよろしく...私の主(マイマスター)。」

 

 こうして、さくらという強力な仲間が加わった。結界も解けた様で、なのは達がこちらに向かっ

て駆け寄って来る。後の事はひとまず、置いておいて今は、新しい仲間の加入を素直に喜ぼう。

 

 

 

その頃の某運営・開発社内

 

「ふふっ、流石ね。まさか本当にこのルートを辿るなんて。」

「あの..プレシアさん。俺こんな展開知らないんですけど...。」

「それはそうでしょ。これはあの変態が面白がって勝手に加えたイベントなんだから。」

「変態ってジェイルですよね?」

「ええ、そうよ。」

「でも、プレシアさんは知っててスルーしたんですよね?」

「もちろんよ。だってこのルートの難易度ったら有りえなかったんですもの。それこそ、誰も辿り

 着けないくらいにね。」

「でも、このプレイヤーは到達してしまったと。」

「そう、このクロノスなら有りえないくもなかった。」

「ちなみになんですが、このエンドへの条件ってなんなんですか?」

「知りたいの?」

「支障がなければ。」

「そうね。聞いて貴方もクロノスの凄さを実感なさい。」

 

殲滅鬼"さくら"の加入ルート条件

0.前提条件、職業に召喚士または調教師が含まれている。※見習いは不可

1.最初の奇襲(ファーストアタック)を無傷で回避。

2.さくらに与える初撃で最大生命力の1/5を超えるダメージを与える。

3.その後3分以上、戦闘を経過させる。

4.3をクリアした状態でキーワード"モンスター"を2回、さくらに聞こえる様に言う。

5.さくらの要望に応え、名前を呼ぶ。

6.5をクリアしてから、さらに5分以上、戦闘を継続する。

7.さくらの残り生命力を10以下の状態で、状態異常"気絶"にし戦闘に勝利する。

8.不純な気持ちを持たずに契約を執行する。

 

「これが条件よ。」

「......マジですか。ただでさえ、倒すのが困難なのに。」

「ね?こんな条件が組み込まれても普通は無理よ。だからスルーしたの。」

「狙って出来るような内容じゃないし...そもそもこんな条件知っているはずもない。」

「それをやってのけるのが、彼の凄い所なのよ。」

 

「それで...懲罰用のプログラムがなくなったんですけど、これって復活するんですか?」

「2体目のさくらが現れることはないわ。変態がこのイベントがクリアされた様に、新しいプログ

 ラムも組み込んでいたから。詳しくは知らないけど、さくらより戦闘力が上の外道神父風と言っ

 てたわね。」

「…………。」

「どうかしたの?」

「いえ。今後このプログラムが発動しないければ良いなと思っただけです。」

「そうね。」

 

「さてと...。十分堪能したし、私は仕事に戻るわ。」

「はい、お疲れ様です。」

「あっ、それから。今回は見逃すけど、いくら妹が心配だからってこちらから手を出すの(結界)はご法度

 だから。次はないわよ、ティーダ君。」

「は、はい!今後は一切手を出しません!!」

「よろしい。それじゃあ、この後もよろしくね。」

「イエス、マム!」

 




如何でしたか?

前回の予告通りには進みませんでしたね。戦後の処理がこんなに長くなるとは想定外でした。
最後に刻也の大幅強化を遂げ1章を締め括りたかったのですが、次回へと分けさせて頂きます。と
いう訳で次回で長かった日曜日は終わりを迎えます。
戦闘パートはないはずなので、字数も落ち着くと思います。忘れていたのですが1話5千字前後を心
掛けているので...。

補足:スキル解説
【スキル名】魔力運用術【分類】その他スキル
【詳細】魔法などで精神力を使用する場合、消費される精神力が軽減される。

【スキル名】吐息(ブレス)【分類】攻撃スキル(モンスター限定)
【詳細】自身の属性に応じた属性で相手にダメージを与える魔法攻撃。

※刻也のステータス

【PN】クロノス【性別】男【種族】人族 Lv.11 ⇒ Lv.19
【職業】召喚士(サモナー) Lv.2 ⇒ Lv.10 / 盗賊(シーフ) Lv.2 ⇒ Lv.10
生命力(HP)】 50 / 50 ⇒ 74 / 74(↑24)
精神力(MP)】 85 / 85 ⇒ 125 / 125(↑40)
筋力値(ATK)】 19 ⇒ 25(↑6)
耐久力(DEF)】 13 ⇒ 15(↑2)
知力値(INT)】 22 ⇒ 29(↑7)
抵抗力(MDF)】 19 ⇒ 23(↑4)
敏捷値(AGI)】 26 ⇒ 34(↑8)
器用度(DEX)】 22 ⇒ 27(↑5)
【所有スキル】残りSP 35
 ★短剣 Lv.19 投擲 Lv.8 蹴技 Lv.14
 召喚魔法 Lv.22 水魔法 Lv.11 土魔法 Lv.11 風魔法 Lv.14 光魔法 Lv.10 闇魔法 Lv.13
 戦闘指揮 Lv.14 識別 Lv.17 ★索敵 Lv.17 ★気配遮断 Lv.16 ★危険察知 Lv.9 連携 Lv.12
 回避 Lv.19 鑑定 Lv.13 騎乗 Lv.6 解体 Lv.14 採掘 Lv.11
 錬金術 Lv.58 鍛冶 Lv.52 服飾 Lv.51 装飾 Lv.51 調合 Lv.56
 彫刻 Lv.54 調理 Lv.62 建築 Lv.75
【獲得称号】
 神の手(ゴッドハンド) 娘達の守護者(ガーディアン) 召喚士の心得 盗賊の証

【召喚モンスター】3 / 3 ⇒ 4 / 5                ※同時召喚数 2 ⇒ 3
 【名前】久遠(くおん)【種族】妖狐(三尾) Lv.2 ⇒ Lv.8
 【生命力(HP)】 32 / 32 ⇒ 44 / 44(↑12)
 【精神力(MP)】 72 / 72 ⇒ 108 / 108(↑36)
 【筋力値(ATK)】 6 ⇒ 7(↑1)
 【耐久力(DEF)】 9 ⇒ 12(↑3)
 【知力値(INT)】 26 ⇒ 33(↑7)
 【抵抗力(MDF)】 21 ⇒ 26(↑5)
 【敏捷値(AGI)】 30 ⇒ 35(↑5)
 【器用度(DEX)】 19 ⇒ 22(↑3)
 【所有スキル】神通力 火魔法 雷魔法 変化 暗視 魔力運用術 回避 精神力自動回復[微]

 【名前】赤兎(せきと)【種族】デュエルホース Lv.1
 【生命力(HP)】 63 / 63
 【精神力(MP)】 20 / 20
 【筋力値(ATK)】 21
 【耐久力(DEF)】 18
 【知力値(INT)】 4
 【抵抗力(MDF)】 12
 【敏捷値(AGI)】 40
 【器用度(DEX)】 9
 【所有スキル】突進 蹴技 威圧 疾走 一騎当千 連携

 【名前】空牙(くうが)【種族】小狼 Lv.7 ⇒ シルバーウルフ Lv.6
 【生命力(HP)】 47 / 47 ⇒ 65 / 65(↑18)
 【精神力(MP)】 19 / 19 ⇒ 41 / 41(↑22)
 【筋力値(ATK)】 15 ⇒ 22(↑7)
 【耐久力(DEF)】 10 ⇒ 12(↑2)
 【知力値(INT)】 8 ⇒ 20(↑12)
 【抵抗力(MDF)】 10 ⇒ 12(↑2)
 【敏捷値(AGI)】 25 ⇒ 32(↑7)
 【器用度(DEX)】 14 ⇒ 15(↑1)
 【所有スキル】噛付き 切り裂き 吐息 暗視 索敵 気配遮断 危険察知 連携 氷属性

 【名前】さくら【種族】下級吸血鬼 Lv.1 / 人狼 Lv.1
 【生命力(HP)】 54 / 54
 【精神力(MP)】 29 / 29
 【筋力値(ATK)】 26
 【耐久力(DEF)】 20
 【知力値(INT)】 12
 【抵抗力(MDF)】 16
 【敏捷値(AGI)】 21
 【器用度(DEX)】 19
 【所有スキル】剣 鉤爪 魔眼 暗視 誘引 受け 怪力 自己再生[微]
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