とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~   作:戯言紳士

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ご愛読ありがとうございます。

テレビのCMで知ったのですが、10月から忘却探偵シリーズ実写ドラマ化するんですね。
ホムペ見る限り、今日子さんのパートナーが一人だけぽいので、推薦状の内容はなしと見ていいの
かな。備忘録の内容だけで1クール無理だと思います。
そもそも脚本が西尾維新先生じゃないので、まったくの別物。コスプレ作品になるだけかな?
ドラマは相棒14と、一応備忘録も1話は見てみようと思います。他は興味ないですね。

前回のあらすじ。
みんな成長してましたね。なのは達6人に至ってはクラスチェンジしていた!これで、イベントの
準備もばっちりだ!!(完)



第3章 初イベント開催 "21個の宝石を集めよ!"
第37話   6月22日 月曜日①


 朝目覚めて、何時ものように鍛錬と朝食を終え学校に向かっているのだが、2日ぶりだと言うの

に久しく学校に来ていない感じがした。

 確かに、金曜日の放課後に楠葉先輩と手合せをして、土曜日にフィアッセを迎えに空港へ行って

その後も色々あり、日曜日はそのフィアッセの買い物に付き合った。

 SLOでも平日よりも濃厚な時間を過ごしたので、こんな風に感じてしまうのは仕方がない。

 

 でも...、何か忘れているような気もする。

 

 それが何なのか思い出せないまま自分の教室へと入ると、別のクラスの女子も入り混じり小恋の

席は大変賑わっていた。

 俺の席はそのすぐ後ろなので、騒がしいのは御免なのだが荷物くらい置きたいので、そのまま自

分の席へ向かって歩き出した。

 

 すると、その集団の一人が俺の存在に気付き、周りの女子達に何かを伝えると、今までの集まり

は何だったのか一瞬で散開し、朝から疲れ切った様子の小恋だけが残されていた。

 

 俺を見た途端に解散するとか...普通にショックなんだが。

 

「おっす。月曜の朝から疲れてんな。」

(...あんたのせいよ。)

「悪い、何て言ってるか聞こえない。」

「あんたのせいよ!って言ってるの!あぁ、もう。これ以上疲れさせないで...。」

 

「おいおい。今日会ったばっかりなのに、俺が何したって言うんだよ。」

「はぁ。なに?金曜日の事忘れたの?」

「金曜日は楠葉先輩と手合せしただろ?ちゃんと覚えてるぞ。」

「その前よ!先輩が教室に刻也を呼びに来て、クラス中ざわついたじゃない。」

「.....あぁ!あったなそんな事も。」

「はぁ...。何であたしだけがこんな目に。」

 

「でも、土日挟んだのに態々小恋に聞きに来るなんて、女子は物好きだな。」

「刻也には聞けないし、先輩にはもっと聞きづらいからでしょ。」

「まあ、俺は避けられてるみたいだからな。」

「………。」

「いや、だって、さっきも俺が来たから散った訳だろ?」

 

「...まあいいわ。私も刻也に聞きたい事あるし。」

「聞きたい事ってなんだ?」

「あまり声は大きくしたくないけど、光の歌姫の事よ。」

「あぁ、フィアッセの事か。お前好きだったもんな。」

「今更、あんたが歌姫をどう呼んでいようが突っ込まないけど、嘘じゃないのよね?」

「写真も送っただろ。信じたんじゃなかったのかよ。」

「刻也に写真を加工してまで、私を騙そうとしないとは思っているけど、そっくりさんとかだった

 りするかもしれないじゃない。」

 

「本人がそう言ってるんだから、俺は信じるだけだ。今日も律儀に朝の挨拶をメッセージで送って

 くれたし。そんな人とは考えられないけどな。」

「ちょっと待て。流石に突っ込むわ。えっ?なにあんた。既に連絡先も交換してフラグ建築したの

 か?相手は光の歌姫だぞ?分かってんのか?あぁ!!」

「疑ってたんじゃなかったのかよ。てか、何言ってるか分かんねぇし、顔が怖いぞ。」

「あんたが間違いないって言うならそうなんでしょうね。そういう事に関しては信頼してるから。

 でもね、呼び捨てに加えて朝から歌姫にメッセージ貰うとか、あんた何様よ!」

 

「刻也様?」

「そういう事を言ってるんじゃないの!もぅ、ホントに朝から疲れるわね。」

「俺も小恋のテンションの高さに驚いている。」

「はぁ...。わかったわ。とりあえず、この土日で刻也と歌姫に何があったのか話なさい。」

「かしこまりました。小恋お嬢様。」

「そういうのは要らないから。」

 

 担任が来るまでの時間潰しも兼ねて、小恋にフィアッセを迎えに行くところから、買い物に付き

合った事までを話した。

 

「――――――という訳で、俺は家に帰った。」

「まあ、刻也の主観が混じってるからアレなんだけど、時間もそんなにないし一言だけ。」

「何だ?」

 

「もげろ!!」

 

「意味話よく分からないが、恐ろしい言葉だな。」

「...どうして、アニメやゲームの知識はあるくせに、この言葉が分からないのよ。」

「なんだ?なんかのネタだったのか、悪い事をしたな。」

 

「もういいわ。それよりも私にも、ちゃんと紹介しなさいよ。」

「分かってる。約束だからな。」

「そうよ!私が断腸の思いで決断したんだから。」

「ただ、なのは達と会うだけなんだけどな。」

 

 その後すぐにチャイムがなり、今日もまた退屈な授業が始まった。

 

 そういえば、今日の昼休みから生徒会室で楠葉先輩に霊気について教えてもらう事になったんだ

よな。金曜日の再現にならないように、授業が終わり次第、自分から生徒会室に出向かないとな。

 

 

 

 

 さて、待ちに待ったという感じではないが、意識せざる負えなかった昼休みになった。

 

 懸念事項の楠葉先輩襲来だが、4時限目中にグラウンドを見たら楠葉先輩のクラスは体育の時間

のようでソフトボールをしていた。

 なので、着替えもあるはずなのでゆとりを持って行動する事が出来る。自作で弁当は作って来て

いるので、購買戦争に参加する事はない。

 

ざわざわ.. ざわざわ... ざわざわ..

 

 しかし、主に運動部の男子がいなくなった教室がざわめいているのは何故だろう?

 

「あっ、いました。刻也くんが購買に行っていなくて良かったです。」

「ん?雪那か。ウチのクラスに用事か?」

「何を言ってるんですか?刻也くんを迎えに来たに決まっているじゃないですか。会長から刻也く

 んが生徒会室の場所を知らないかもしれないから迎えに行ってほしいと頼まれているので。」

「俺でも生徒会室の場所くらい知ってるぞ。」

「私もそう言ったのですが、押し切られてしまったので諦めて私と来てください。」

「はいはい。言われなくても行きますよ。」

 

 俺は自分の弁当を出し、雪那に引っ張られる様に教室を出た。しかし、最近の女性は腕を組む事

に抵抗はないのだろうか。柔らかいモノが当たってるんだが。

 

「分かってませんね、こr「ちょっと待ちなさい!」そう言えば、もう一人忘れていましたね。」

「白々しいわよ、雪那。あんた、私の方も見てたじゃない。それにあんな出て行き方したら、また

 朝の二の舞になるじゃない!」

「朝に小恋さんが面白い事になっていたとは知りませんでしたが、こうして合流したのでいいじゃ

 ありませんか。それでは3人で行きましょう。小恋さん、刻也くんの右腕が空いてますよ?」

「そ、そんな目立つ事しないわよ!」

「残念です。では、改めて行きましょう。生徒会室は4階になります。」

 

 雪那がそう言って歩き出した所で、右腕にも小恋がくっ付いて来た。

 

「小恋さんは、素直じゃありませんね。」

「うっさい。もうこれ以上ないってくらい目立ってんだから、何しても一緒でしょ。」

「そういう事にしてあげましょうか。良かったですね、刻也くん。両手に花ですよ?」

 

「そういえば、なんで刻也はずっと黙ってんのよ。いつもなら軽く振り払う癖に。」

「今、さりげなく、何時も腕を組んでるんですアピールを私にした訳ですか。黒いですね。」

「違うわよ!っで?実は体調不良で、無理して学校来てる訳じゃないわよね?」

「そうなんですか?」

 

「至って健康体だ。ただ、俺はこの学校の女子に避けられてるみたいだから、こうして分け隔てな

 く接してくれるお前らを...それが小恋でも無下にしない様にしようと決めただけだ。」

 

「小恋さん。一体刻也くんに何があったのでしょうか?」

「たぶん、朝の事を柄にもなく気にしてるんでしょ。明日になれば戻るわよ。」

「柄にもなくってなんだ。流石に俺でも、俺が来ただけで集まってた10人以上の女子があからさ

 まに逃げていく様子を見ればショックを受けるんだからな。」

「そんな事があったんですね。大丈夫ですよ。私は刻也くんを避ける事なんてしませんから。」

「そうか、雪那は優しいな。」

 

「もちろんです。私の身体の半分は刻也くんに対する優しさで出来ています。」

「じゃあ、もう半分は?」

「小恋さんに対する悪戯心でしょうか?」

「雪那は実にシンプルに出来ているんだな。」

「はい。私ほどシンプルな女性は滅多にいませんよ。」

「いや、あんたほど面倒な女なんて滅多にいないから。」

 

 結局この後、生徒会室に着くまでの間、俺を挟んで小恋と雪那が口論を続け(ほとんど雪那が小

恋をからかう感じ)、生徒会室の扉を開けると、生徒会長である神咲楠葉先輩が着替えを既に終え

て、雪那が俺達を連れてくるのを待っていた。

 

 

「いらっしゃい。雪ちゃんは、ここに連れてくるまでに刻也くんや小恋ちゃんと一段と親しくなっ

 たみたいね。廊下の声がここまで響いていたよ。」

「はい。やはり同学年の友人とは親しくありたいと思います。」

 

「私もそう思うけど、その腕はやり過ぎじゃないかな?」

「これも親睦を深める為には重要な行為だと教わっています。」

「でも、これから食事にするから、それだと刻也くんに迷惑でしょ?」

「そうですね。バランスの取れた柔軟性のある筋肉を堪能させて頂きありがとうございました。」

 

「「おい!」」

 

「会長の命に従い、鏡刻也ならび陣内小恋の両名を連れてまいりました。」

「はい。ご苦労様でした。雪ちゃんは放課後に感想を聞かせてもらうからね。」

 

「「そっちもか!!」」

 

「それじゃあ、お昼ご飯を食べようか。席はどこでもいいから、2人とも遠慮とかしないでリラッ

 クスしてね。」

 

「どうしよう。この生徒会のノリに付いて行けないんだけど。」

「安心しろ、俺もだ。マジなのか、ネタなのかの判断がつかない。」

 

 その後もしばらく、金曜日とは違った掛け合いを続ける、楠葉先輩と雪那に小恋と一緒に呆然と

眺めてしまったが、腹の虫が鳴き始めたので、促されるまま席に座り4人で昼食を食べ始めた。

 その昼食も俺を含め全員が弁当持参組だったため、楠葉先輩の発言からおかずの交換という、高

校生になると、恥ずかしく感じるネーミングのイベントが開催された。

 小学校以来、こういう事をやっていなかったので、なんか新鮮だった。小恋と昼食を摂る事は

あってもおかずの交換なんてやる事はなかったしな。

 俺の弁当は基本的に朝食を多めに作って、そこから弁当箱に詰め込んでいくだけなので、朝食と

ラインナップは変わらないので、単純に違った料理が味わえるのは有り難かった。

 

 ちなみに、3人とも味付けの違いはあったが、どれも美味しかったとだけ言っておく。

 

 俺の料理も基本は桃子さんに叩き込まれているので、不味い事はないはずなのだが、楠葉先輩が

目に見えて落胆していた。味の好みの問題なのだろうか?

 小恋は「今更でしょ。普通に美味しいわよ。」と言って食べていたし、雪那も一言「美味しいで

す。」と言って食べていた。

 

 

 そんなこんなで、昼食を食べ終えた俺は、メインイベントである霊力の扱い方について学んでい

る。

 初めは、霊力とは何か、何が源になっていてどんな事が出来る様になるかなどの講義から始まり

昼休みの時間が半分くらいになった所で、実践へと移った。

 

「...どうかな。刻也くんなら、私の.....感じられると思うんだけど。」

「はい。こう...優しく包んでる感じで、少し暖かいですね。」

「そう...良かった。やっぱり刻也くんは感度が良いみたい。これならすぐに...。」

「それは...難しいと思います。やっぱり使うとなると、また違ってくるんじゃないですか?」

「それじゃあ、もうちょっとだけ、強くするからね。」

「お願いします。でも、楠葉先輩は平気ですか?何だか辛そうですけど。」

「平気だよ。初めてだけど...これも刻也くんのためだから。」

「してもらってる側ですけど、無理はしないで下さい。」

「分かってる。でも...ここまで大きいなんて想像以上だったよ。」

 

 

「ストーーーップ!!聞いてる側が誤解するわ。廊下に先生が通って、今の声を聞いたらどうなる

 と思ってるのよ!!」

 

「なんだよ、小恋。もうちょっとでなんか掴めそうだったのに。」

「そうなの?...もう、小恋ちゃんは仕方ないね。」

「小恋さんは想像力が豊かですね。ただ、会長は刻也くんの手を握って、霊力というモノを纏わせ

 ているだけではありませんか。」

「でも、あんなのこの状況を知らないし人が聞いたら...。」

「端から見ても、手を握っているだけなので、何とでも言えます。」

「そうだけど...。」

 

「まあまあ、そこまでにして上げて。小恋ちゃんも心配して止めてくれたみたいだし。」

「そ、そうなんです。」

「会長がそういうのであればこれ以上は言いません。」

「なんで、あんたは楠葉先輩には従順なのよ。」

「それは、この方が会長だからです。生徒会は階級社会なので、上からの指令は絶対です。」

「そんな現実的な事を聞きたくはなかったよ。」

 

「それじゃあ時間もあまりないし、次で最後にしようか。」

「あの2人、そのままでいいんですか?」

「良いんじゃないかな。楽しそうだし。」

「...そうですね。それじゃあ、お願いします。」

 

 小恋の大声で離してしまった手を再び握り、お互い向き合って俺は先輩の霊力を目ではなく全身

で感じる事だけに集中する。

 

 

―――ガラッ!!

 

「こんにちは~、暇なんで来ちゃいました!何か仕事t...って、うわ!会長さんが男の人連れ込

 んでる!」

「...姉さん、五月蠅いですよ。邪魔なので、とりあえず中に入って下さい。」

 

 集中しこれからというタイミングで、俺の知らない第三者が生徒会室に入って来た。楠葉先輩、

ここには自分達以外、昼休みに来ないって言ってませんでしたか?

 

「あれ?奈々ちゃんに桃ちゃん。どうしたの?昼休みに生徒会室に来るなんて初めてじゃない?」

 

「は、はい。お取込み中に乱入してしまい申し訳ありませんでした。まさか、会長に彼氏さんがい

 て、お昼休みにこうして生徒会室に連れ込んでいるとは、思ってもいなかったので。」

「姉さんは落ち着いて下さい。それに周りも良く見て。副会長さんと、もう一人先輩もこの場には

 いらっしゃいます。会長さんは自分の彼氏を見せつける様な方ではないでしょう?」

「.....あれ、本当だ。ごめんなさい。でも、向き合って手を握っていた様に見えたけど?」

「きっと何かされていたのでしょう。姉さんはすぐそっちの方向へ持っていくのが悪い癖です。」

「相変わらず桃はクールだよ。」

 

 突然現れた、似た背格好で、似た顔立ちをして、同じような髪型をした双子姉妹?は一体なんな

んだろうか?

 

「それでは、ご存知ない刻也くんと小恋さんの為に、あのお二人についてお話しましょう。」

 

 俺の心境を的確に捉えた雪那の説明では、あの双子姉妹は同じく生徒会に所属する役員らしい。

 

 俺と会長の姿を目撃した騒がしい感じの方が、姉の国見奈々で、その姉とは正反対に落ち着きを

見せている方が妹の国見桃花。2人とも1年生で姉が書記。妹が会計を担当しているとの事。

 しかし、身近な所に双子っているもんだな。テスタロッサ姉妹に国見姉妹。どちらも姉に落ち着

きがなく、妹がしっかりしている感じ。偶々だよな?しっかりしてる姉もいるよな?

 

「それで、会長さん。そちらのお二人はどちら様ですか?生徒会の関係者じゃありませんよね?」

「うん。そうだね。こっちの男の子が鏡刻也くんで、こっちの女の子が陣内小恋ちゃん。2人とも

 二年生だから奈々ちゃんや桃ちゃんの先輩だね。

 あと2人にも紹介するね。生徒会で書記をしてくれてる国見奈々ちゃんと会計の桃花ちゃん。双

 子で2人とも1年生だよ。」

「会長。2人には私から先ほどお話しました。」

「あれ?そうだったの。」

 

 改めて楠葉先輩からの紹介があったのだが、何故か国見姉妹の視線は俺に集中している。初対面

のはずなんだが、見ず知らずの後輩からも敬遠されているのだろうか?

 

 

「先輩があの鏡刻也さんなの?」

「失礼でしょ。まずは自分の身分を明かしなさい。すみませんでした。私はこの愚姉の妹で国見桃

 花と申します。」

「...姉の国見奈々です。無礼な態度をとってすみませんでした。」

「いや、気にするな。先輩面する気もないしな。国見姉の指す鏡刻也かどうかは知らないが、俺の

 名前は鏡刻也だ。」

 

「そ、それじゃあ、前髪をかき上げてもらっても良いですか?」

「構わないが、それで判別出来るのか?」

「たぶん...いや、絶対出来ます!」

「それじゃあ、行くぞ?」

 

 それで判別が出来ると言うので、学校では普段目元まで覆っている前髪をかき上げて国見姉妹に

見せた。俺にはこれで何が判別出来るのかがさっぱり分からない。

 

「「………。」」

 

「これでいいだろ?それで俺は国見姉の言ってた鏡刻也だったか?」

「.....はい、ありがとうございました。先輩で間違いないと思います。」

 

「そうか、それで俺はどこかで国見姉と会っているのか?悪いが心当たりがなんだが。」

「いえ、その...初対面です。でも、先輩の話は私達の学年にも届くので...。」

「へぇ、特に部活とか委員会もやってない俺の話も、下級生には届くんだな。」

「はい。それはもう...。嘘かホントか分からないモノから、絶対に作り話だって話まで。」

「まあ、背びれ尾ひれは少なからず付くものだからな。」

 

「それで?例えばどんな話があるだ?」

「えっとd「ストップです。」何でですか。雪那先輩。」

「そうだぞ。何で止めたんだ?」

「人の噂と言うモノは少なからず、人の悪意を孕むケースがあります。例え奈々さんがその類の話

 をしなくても、刻也くんが傷付く場合があるので。」

「それが、朝の事にも繋がってるのか?」

「多少は含んでいると言っても間違いないかと思います。」

「じゃあいいや。」

「という事ですので、奈々さんもこれ以上話す必要はありませんよ。」

「あっ、はい。」

 

「しかし、そういう話を聞いているにしても国見姉は普通にしてるんだな。国見妹はさっきから動

 かなくなってるぞ?」

「えっ!...ホントだ。ちょっと桃、しっかりしなよ!」

 

 放心状態に陥っている様子の国見妹。一体どんな話が飛び交っているのか恐ろしくてもう聞けな

いが、学校では今まで以上に目立たないように過ごそうと心に決めた。

 

 そんな国見妹が復活したのは、昼休み終了の5分前だった。

 

「その...すみませんでした。私が一番失礼な態度を取ってしまって。」

「気にすんな。色々俺の話を聞いてるんだろ。だったら仕方ないさ。俺が悪いんだ...俺が。」

「えっと...何のことでしょうか?」

「大丈夫だよ。刻也くんの事は、放課後にちゃんと教えるから。後の事は私に任せて。」

「お願いします。」

 

「それでは、もう5時限目の準備もしないといけないし、俺は戻ります。」

「うん。明日も続けるから、ちゃんと来てね。」

「分かってます。楠葉先輩の好意でしてもらってる事ですから。」

 

「それじゃあ、私も刻也と一緒に戻ります。今日はなんかほっとけない感じがするので。」

 

 

 時間も時間なので国見妹が目を覚ましたのを確認してから、楠葉先輩に挨拶をして生徒会室を後

にした。

 その後すぐに小恋も生徒会室から出て来て一緒に教室まで戻ったのだが、何故か普段よりも綺麗

に輝いて見えた。

 

「やばいな。小恋が聖母のみたいに見える。俺も、もう終わりかな。」

「はぁ?私は常に母性に満ち溢れているでしょ。なにを今更。」

「自分で言ってて恥ずかしくないのか。私は常に母性に満ち溢れているとか。」

「あんたがいつもと調子が違うから、乗って上げたんじゃない。それくらい分かりなさいよ!」

「おっと、暴力はいけないな。聖母様なら決して手は上げないぞ。」

 

「実はあんた、めちゃくちゃ余裕あるでしょ。さっきまでのは演技か!そうなのか!!」

「んなわけないじゃん。実際ショックだったし。」

「だったら、なんでさっきまでと態度が違うのよ。いつもと変わらないじゃない。」

 

「なんでかなぁ。小恋と2人だと、なんか落ち着くっていうか...。」

 

「...っえ。それって。」

 

「もしかして、清涼剤とか持ってたりするか?」

「んなモン持ってるか!あんたは私を何だと思ってんのよ!」

「ん~。付き合いは短いけど幼馴染的な感じ?」

 

「まぁ、そんなもんよね。むしろ想定していたよりマシだったわ。」

「お前こそ俺を何だと思ってんだよ。」

「一級フラグ建築士。」

「即答かよ。しかも俺は旗なんて建てた覚えはないし。」

「そういう所が正にその証だって分かりなさい。」

 

 

 こんなやり取りもあり、午後の授業からはいつもの調子を取り戻した?俺は、放課後を迎えいつ

もの様に、速攻で家に帰り日課を熟して、SLOにログインする事にした。

 

 何と言っても、今日からはレイドボス巡りが始まる。ショックな出来事なんてあっという間に、

忘れ去られるに決まっている。

 エリオとキャロが加わってから、初めて全員で行動する事にもなるし、ステータスは見たが実際

に戦ってる姿をみて、なのは達の成長を確かめたいな。

 

 

『クロノス様がログインしました。』

 

 

おまけ ~ 本日の生徒会 ~

 

「事情は分かりましたけど、雪那先輩。」

「なんですか?」

「鏡先輩の噂話って、誰かを助けたとか、綺麗な人と一緒にいる姿を見たとか、実は超イケメンと

 か、身内に被害を加えようとした犯罪組織を潰したとかで、悪い噂はないのになんで止めたんで

 すか?」

 

「それはですね、今日くらいしか刻也くん弄れそうになかったので。」

「鏡先輩が可愛そうです。」

「刻也くんの顔を間近で見ただけで放心した桃花さんに言われたくないですね。あれで、刻也くん

 は少なからず傷付いたんですから。」

「...私は後日、しっかりとお詫びします。鏡先輩は明日もここでお昼を摂られるのですよね?」

「そうだよ。」

 

「桃ちゃん達も一緒に食べる?」

「私は一緒に食べたい!噂話じゃない鏡先輩の事、知りたいもん!」

「しかし、先輩に伺いを立てずに決める事ではありません。姉さん、ちゃんと鏡先輩の許可を取っ

 てからにしましょう。」

「あっ、そうだよね。それじゃあ、早速明日聞いてみよう!」

「それと鏡先輩と一緒に帰った陣内先輩の許可も必要でしょうか?」

「小恋ちゃんなら、刻也くんが許可すれば問題ないと思うよ。」

「小恋さんは文句を言いながらも、刻也くんの言う事は受け入れますからね。」

 

「あの2人はどういう関係なんですか?」

「さあ?でも、仲良いよね。2人だけで漫才みたいな会話してるし。」

「私の知る限りでは、学校内で一番刻也くんに詳しい人物です。関係と聞かれると、主人と忠犬と

 言った所じゃないですか?」

 

「分かってないね、雪ちゃん。小恋ちゃんは犬じゃなくて猫だよ。私なんて最初はすっごく警戒さ

 れてたんだから。」

「その点、私は最初からタメ口に加え呼び捨てからスタートしました。」

「あれは雪ちゃんが小恋ちゃんを弄り倒すからでしょ。半分以上ヤケだったじゃない。」

「今は普通に接しているので、結果オーライというやつです。」

 

「結局、陣内先輩ってどういう人なの?」

「人見知りの激しい忠犬です。あと同学年の男子からは、宝の持ち腐れと思われています。」

「軽い化粧くらいなら校則違反でもないのに、素であれだもんね。」

「加えて、この教室内で誰よりも大きいです。何処とはあえて言いませんが。」

「そういえば、大きかった。」

「姉さん、大きければ良いというモノではありません。張りや柔らかさも重要です。」

「だよね!桃ちゃん良い事言ったよ。」

 

「まあ、刻也くんを攻略したいなら、先に小恋さんを攻略しなければならないと言っておきます。

 その小恋さんの先にはお姫様方が控えている訳ですが。」

「やっぱり、お姫様の騎士って噂は本当だったんだ。」

「目撃情報が多数ありますからね。それにお姫様方の存在に小恋さんが怯えています。」

 

「それにしても、私達が攻略する側なんだね。」

「何気に私を含めないで下さい、会長。」

「だって、今日腕組んで生徒会室に入って来たじゃない。」

「それは傷心している刻也くんを慰めるためです。それに小恋さんも一緒にやってました。」

「誰かを巻き込んで、話題を逸らそうとするのが雪ちゃんの良くやる手口だよね♪」

 

「そんな事言っていいんですか?実は小恋さんが止める前までのやり取りをこのボイスレコーダー

 に録音s「没収!」...ってあれ?」

「ホントに油断ならないよね。明日からは禁止だよ。」

「仕方ありませんね。」

 

「では、そんな昼休みという限られた時間だけ刻也くんと過ごせる事に満足気味の会長に最新情報

 を教えて上げましょう。」

「突っかかる言い方だけど聞いてあげる。」

「雪那先輩の最新情報って事はどこにも漏れてないって事だよね。」

「御剣先輩の諜報能力に関しては本物ですからね。間違いないと思います。」

 

「いきますよ。土曜日に翠屋にて、新米メイドの教育をする執事様の姿が合ったらしいです。」

「それって、新入りさんに刻也くんが指導してただけじゃないの?」

「本題はここからです。なんとその新米メイドは、あの光の歌姫だったという噂があります。」

「光の歌姫ってあの?」

「1,2年前に凄い勢いで有名になったのに、事故で喉を痛めて今は休業中って話ですけど。」

「そっくりさんとかじゃないの?」

 

「こちらをご覧下さい。刻也君が小恋さんに歌姫を紹介してくれる事になったらしく、舞い上がっ

 た小恋さんが私に自慢してきたメッセージです。」

 

「刻也くん、この手の嘘や冗談は言わないよね。」

「はい。加えて、日曜日の午後に美しい女性をエスコートする、普段とは違った雰囲気の服を着た

 刻也くんの姿が目撃されています。」

「学校を一歩でも出ると周りの目とか気にしないんだね。」

「騒がれるのが嫌いですからね。学校外に出れば、同じ学校の生徒でも個人的な接点がなければ、

 ただの他人と同じなのでしょう。

 更に、学校で刻也くんに真相を確かめようと...いえ、そもそも以前までは小恋さんしか話が出

 来る相手がいなかったので、仕方ありません。」

「いつの間にか、本人には知られちゃいけない、みたいになっちゃったからね。」

 

「要するに皆さん意気地なしという事ですね。そのせいで今回、鏡先輩は傷付いてしまったと。」

「これは私達が先輩を癒して上げないといけないね!」

「その辺りは、小恋さんがもう役目を果たしているはずなので、騒ぎ立てず普通に接して上げて

 下さい。年下に気を使われては、ただ刻也くんの負担になるだけでしょう。」

「そういう気遣いとか、すぐに気が付くタイプだしね。」

 

「じゃあ、どうすれば先輩の負担にならずに済むの?」

「そうですね。先ほども言いましたが普段通り、もしくは甘えて上げればいいと思います。」

「甘えればいいの?だったら得意だよ!」

「ちょっと待ってください。本当にそんな事で鏡先輩は気が安らぐのですか?」

「そうですね。クールぶってる桃花さんにはハードルが高いですよね?」

「じょ、上等です。誰が甘え下手ですか。私だってそれくらい余裕です。えぇ余裕ですとも!」

「桃、キャラ崩れてるよ。」

 

 

「雪ちゃん良いの?あんな事言って?」

「面白くなりそうじゃないですか。それに一般的に男の人は、年下の女の子には頼って欲しい、甘

 えて欲しいと思うものです。」

「じゃあ、年上の女の子には?」

「人にもよりますが、母性や包容力を求めるんじゃないですか?」

「...そうなんだ。」

 

「会長?もs「はーい。雑談お終い。今からみんな仕事に集中するよ!」..仕方ありませんね。」

 

 

「それでは、本日の議題です。議題は"どうすれば会長に母性が溢れるのか!"です。」

 

「もう!いい加減にしなさい!!」

「ちょ...。会長!なにか、なにか会長から出てます!!あっ...これが霊気ってやt......。」

 

 

 ………………。

 

 

「それじゃあ、奈々ちゃんと桃ちゃんは、ちゃんと自分のお仕事しましょうね?」

 

「「イ、イエス!マム!!」」

 




如何でしたか?

書いている内に、これ刻也じゃなくね?と思う所が多々ありましたが、どんな人間にも気が滅入る
日はあると言う事で、お許しを。

新章突入で日常パート、主に学校編でオリキャラ登場。もう少し、がっつり絡む事になったら、
キャラ紹介に追記しようと思います。国見...とらハ2でこんな苗字のマスターいましたよね?
あと、一存ネタやろうと思ったけど、書いている内に出来る感じではなくなったので、また別の機
会にでも、ぶち込んでみようかな。
おまけはその衝動が抑えられなくてつい書いてしまったものです。軽く流して下さい。

次回は、SLO編。散々振っていたので分かると思いますが、ジュエルシードネタ。まあ、3章に
して無印編みたいな感じです。

※日常パートのため、ステータス更新などはありません。
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