とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~   作:戯言紳士

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ご愛読ありがとうございます。

マイナンバー制度。本当に導入されるんですね。
行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤とか言われてます
が番号で管理されるって、刑務所と同じなんですよね。
まあ、それはもう決定事項なので、この事でどう生きやすくなるのか分かりませんが、この情報を
管理しているデータバンクから情報漏えいにでもあったら、もうどう責任を取るんですかね。
それに、全国民のデータを打ち込むわけですから、そこで入力ミスがあったら、同様にどう責任を
取るのでしょうか?
その辺りの話って、会見されてますか?

前回のあらすじ。
ジュエルシードを新たに5個確保し合計8個に!レベルもそれなりに上がったよ!結構時間もある
し出掛けようかな?(完)



第43話   6月23日 火曜日③

『イベント"土精霊の集落を守れ!"を受領しました。クリア条件は襲ってくるモンスターの討伐で

 す。それでは、ご健闘お祈り申し上げます。』

 

 

 アリシア、フェイト、チワワに、召喚モンスターの久遠・空牙・さくら・アグネア・瀬織を加え

て、西の砂漠地帯の探索を開始した俺達は、アグネアと瀬織の先導により土精霊が多数集まる集落

へと辿り着いた。

 

 その集落とアグネアと瀬織以外の精霊を目の当たりにし、3人とも個性豊かな表情で感動してい

たのだが、この集落の守衛を務めているという土精霊が俺達の前までやって来て、深刻な表情で

「冒険者の方達ですね。着いて来てください。」と言われ、言葉が通じない3人にも、この守衛が

言った事を伝えて、言われるがまま集落でも結構立派な家の中に案内された。

 

 その家の中には集落の長だと名乗る土精霊が俺達を待っていて、最近頻繁にこの集落を襲いに来

る"サンドウォーム"というモンスターを倒して欲しいという話を聞いた所で、イベント"土精霊の

集落を守れ!"が発生した。

 

 アリシア、フェイト、チワワの3人にも、この話をする前に長を名乗った土精霊から精霊の指輪

を渡され装備していたので、話は理解出来る様になり、同様にイベントが発生し受注した。

 

 イベントを受注した俺達は、長から集落を襲う以外での目撃場所を記した砂漠の地図を受け取り

サンドウォームを討伐すべく家を出た。

 

 

「これでアタシ達も精霊の言葉が分かるんだね。」

「でも、イベントが終わったら返さないといけないんじゃない?」

 

「まずは、サンドウォームを討伐しないといけないけどね。」

「イベントをクリアすれば、きっと頂けますよ。」

 

「おぉー。アグネアと瀬織の言ってる事が分かるよ!」

「こんな喋り方だったんだ!」

 

「姉さん。スバルも少し落ち着こうよ。この辺りはもう、普通の敵も出るんだから。」

 

 受け取った地図を頼りに集落を後にした俺達だが、精霊の指輪を受け取り、精霊の言葉が分かる

ようになり、興奮気味で浮ついていたアリシアとチワワにフェイトが指摘を入れた。

 

 この砂漠、それほど脅威となるモンスターは未だ出現していないのだが、そろそろ目撃情報が

あった場所に近いので、少しは警戒心を持っておかないと奇襲に合いかねないので、フェイトの指

摘はもっともだ。

 

「はーい。」

「そうだね。いきなり地面からパクってされたらお終いだもんね。」

「流石にそんな事態になったら、事前に分かるよ。」

「そうだよね。何かしらの兆候もあるだろうし。」

 

 

「...残念ながら、2人共。...足元に注意をした方が良いですね。」

 

「「えっ!?」」

 

「確かに、索敵すれば分かるぞ。アリシアとチワワの足元の敵がいるっぽいな。」

 

「「げっ!?」」

 

「姉さん!スバル!早くその場から離れて!!」

 

「「は、はい!」」

 

 フェイトの叫びと共に、その場からアリシアとチワワが離れようとした直後、砂漠の底から、巨

大なミミズにムカデの様に無数の足を生やし、巨大な口から生えている鋭い牙から毒性を持ってい

そうな唾液を垂らす、不気味なモンスターが出現した。

 

 あと数秒離れるのが遅ければ、2人とも飲み込まれていたかもしれない...。それくらいの事が

可能なほどのサイズだ。

 

 長の土精霊が言っていた特徴とも一致するし、これがサンドウォームで間違いないだろう。

 

「「あ、危なかった...。」」

 

「2人とも無事だな。どうやらこいつが討伐対象のサンドウォームみたいだ。」

 

「うわー。想像よりグロテスクな見た目だね。」

「確かに。こんなのが足元に潜んでいたと思うと、ぞっとするね。」

 

「呑気な事言ってないで早く構えてよ。一足遅かったら2人とも、アレに飲み込まれてたかもしれ

 ないんだよ!」

「くぅ!」

「どうでしょう?一度...飲み込まれてみては?」

 

「やだよ!」

「真面目に戦うから、そんな怖い事言わないで!」

 

「では、早く行動で示して下さい。」

 

「「はい!」」

 

 さくらの言い方はちょっと厳しいが、アリシアとチワワも意識がサンドウォームへと移り集中し

てきたので、まあ良いだろう。

 

そして、これがサンドウォームを識別した結果である。

 

【名前】サンドウォーム Lv.34 【状態】アクティブ

【弱点属性】風属性 【耐性属性】無効:雷属性 半減:土属性

【備考】砂漠に潜む巨大な環形生物。毒・暗闇・遅延の状態異常を発生させる攻撃をしてくる。

    また、地中に潜り視覚外から攻撃をしてくる事もあるので、潜られたら要注意。

 

 とまあ、識別の精度が上がり、弱点の属性と耐性がある属性を知らせる欄が新たに加わったのだ

が、雷属性が無効か...。久遠じゃあ、厳しいかもしれないな。

 

 とは言え、まずはファーストアタックをした後に交代するかどうかを判断しよう。

 サンドウォームに襲撃された地点で、戦闘開始と判定されて鼓舞が発動してしまっている。些細

な事かもしれないが、少しでもパワーアップされている状態で、戦闘を開始したい。

 

 

 

「うわっ!なにこれ!身体が凄く重くて、上手く動けないよ!」

 

 あの後すぐに戦闘を開始し、鼓舞の強化時間が終了したので、久遠を下げ、風魔法と治療を行え

るリニスを召喚し、戦闘を再開した。

 久遠の火魔法でもダメージは与えられるのだが、やはりどこか雷魔法と比較してしまい物足りな

さを感じてしまった。

 代わりに風属性持ちのシグルズも候補に挙がったのだが、今回は状態異常攻撃もあるとの事なの

で、リニスをチョイスした。

 

 そして、早速サンドウォームの尾から繰り出される衝撃波の様な攻撃を、アリシアが掠めてしま

い、遅延の状態異常に掛かったみたいだ。

 

「これは、遅延の状態異常ですね。待ってて下さいね。すぐに直しますから。」

 

 こちらの布陣は、リニスと瀬織を後方で回復やサポート役に専念させ、アリシアとチワワ、それ

に空牙とアグネアが最前線で攻撃に徹し、俺とフェイトとさくらは近中距離で臨機応変に事態に対

応している感じだ。

 

「ありがとう、リニス。やっぱりちゃんとした回復役がいると違うね。」

「それだと、なのはが回復役として、ちゃんとしてないみたいに聞こえるぞ?」

「なのはも、ちゃんと回復はしてくれますよ。でも...。」

「魔法で攻撃してる方が多いんだよね。それにイキイキしてるし。」

 

「何のために...僧侶の職を選択したのでしょうね?」

「攻撃魔法から回復魔法まで熟せる魔法使いに成りたいって最初に言ってたよ。」

「つまり、全ての元凶はあのバスターって魔法か。」

「それもあるかもしれないけど、刻也が渡した杖もそうだよ?」

「なに?」

「そういえば、あの辺りから攻撃する時にイキイキする様になってきた気がします。」

「...まあ、回復もしてるんなら問題ないだろ。」

 

「ほら、アリシアも回復し終わったんだったら、前線に戻ったらどうだ?」

 

「あからさまに話題反らしたけど、確かにスバルにも悪いから戻るね。また、状態異常受けたらよ

 ろしくね。」

「受ける事が前提の様に聞こえますが、かしこまりました。」

「気を付けて下さいね。」

 

「はーい!」

 

 多少強引ではあったが、アリシアが前線に戻った事で、会話により緩んでいた俺達の攻撃は、再

び過激とも言える攻撃に移った。

 

 こう言ってしまうのは何だが、今回の運営主催のイベントボスと比較すると、今一つ物足りなさ

があり、状態異常と地中からの攻撃に注意していれば、致命的に戦闘が荒れる事はないと思う。

 

 サンドウォームの攻撃は今見ている限り、当たれば強制ノックバック効果のある体当たりと、ア

リシアが遅延の状態異常を受けた、尾による衝撃波。

 それと、自身を中心に砂嵐を発生させ、範囲攻撃によるダメージと共に暗闇の状態異常を発生さ

せる攻撃と、唾液を周囲にまき散らし毒状態にする攻撃。

 これに最初の地中からの攻撃と、地に足が着いている相手をターゲットにした地震による対象の

攻撃中断と一時的な拘束を与える攻撃だけだ。

 

 

 

 その後も、徹底した風属性の攻撃でサンドウォームにダメージを与えていき、残り生命力は2割

を下回った。

 

 要注意と書かれていた地中からの攻撃も、潜られたら常に索敵を繰り返し行い、どの当たりに潜

んでいるのかを把握する事で、問題なく対処出来た。

 どちらかと言えば、遅延効果のある衝撃波と暗闇効果のある砂嵐の方が注意が必要だと思う。

 巨体の割りに、素早く動く方なので、強制ノックバック効果のある体当たりも、それなりにダ

メージを受けるみたいで、注意が必要だった。

 

 そして、生命力が3割を下回った所で、俺達のブースト魔法や属性付加魔法の効果を打ち消す、

砂塵攻撃が追加された。

 それからはブースト魔法による強化はなしで、物理攻撃をメインで戦っている、チワワとアグネ

アには、効果が打ち消されてもエンチャント・ウィンドで風属性を付加して戦闘を継続してきた。

 

 残り生命力は2割を下回った今。後は全力で削りきるだけなので、ここでエクストラ召喚でシグ

ルズを加えた所で、激励を発動させ一気に勝負を決めにかかった。

 

 

 

 

『勝利条件達成を確認。イベント"土精霊の集落を守れ!"をクリアしました。クリア報酬として、

 土精霊"ユイチリ"が召喚リストに加わりました。1体のみ召喚可能です。』

 

 

 はい。倒しました。最後の方はちょっと悪ノリした感じだったが、サンドウォームの討伐は完了

した。

 

では、実際に何をしたのか、ざっと振り返ってみる。

 

 まずは、シグルズが加わってから5人...、いや正確には3人と2匹で同時にウィンドストーム

の同時発動をしてみた所、これまで浮くことのなかった、サンドウォームの巨体が浮いた。

 

 そして、ここから悪ノリが始まった。

 

 サンドウォームが浮き、多少の溜め時間が出来た事を良しとし、どこで仕入れたネタなのか、拳

のスキルを有し、拳闘士の職に就いているアリシアとチワワ、それに基本的な戦闘方法が殴る蹴る

と拳闘士と言っても過言ではないアグネアを含めた3人が―――。

 

「「「アタシのこの手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶ!」」」

 

 ...と、何の合図もなく、一言一句その通りに叫びだし、手にはそれぞれの属性によるエフェク

トの違いはあれど、利き手が発光し輝きだした。

 

「「「必殺!シャァァァイニングゥ フィンガァァァー!!!」」」

 

 その後、溜めが完了したのだろう。落下してきたサンドウォームを3人とも別々の方向から、発

光している方の手で取り押さえ、同時に爆発が起きた。

 

 結果的に、3人のこの攻撃でサンドウォームの生命力が尽き討伐は完了したのだが、3人はその

まま悪ノリを続け―――。

 

「流派!東方不敗は!」

「王者の風よ!」

「全新!」

「系列!」

 

「「「天破!侠乱!」」」

 

「「「見よ、東方は、赤く燃えている!!」」」

 

 と、まあ端から見たら意味不明な事を言いながら仲間割れをしているかの如く、拳をぶつけ合っ

ているだけなのだが、ネタを知っている人にとっては、やってみたい事ではあるんだろう。

 

 そもそも、流派東方不敗ではないのだが、酷似した技を取り入れていると言う事は、制作側にこ

のアニメが好きな人がいたんだろう。

 

 本来、2人でやることなのだが、無双ゲーで3人でやっている場面もあるし気にする事はない。

ただ疑問なのは、3人がこれをやり終えるまで、イベントクリアのインフォが流れなかった事だ。

 

 偶々か? 偶々ですよね? 偶々だと言って下さい!!

 

 条件的にはアリサも出来るんだよな...。やるのか?

 

 

 ふと、やっている姿を思い浮かべてしまったが、事の結末はこの通りだ。何であれイベントはク

リアされ、新たに土精霊の召喚も可能になったので、これ以上は良いだろう。

 

それでは、放置していたレベルアップのインフォを見てみよう。

 

《ただいまの戦闘により【槍】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【風魔法】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【索敵】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【怪力】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【隠蔽】スキルのレベルが上がりました。》

《ただいまの戦闘により【耐遅延】スキルのレベルが3上がりました。》

《ただいまの戦闘により召喚モンスター【空牙】のレベルが上がりました。ボーナスポイントを2

 取得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

 

【名前】 空牙(くうが) 【種族】 シルバーファング Lv.13 ⇒ 14

生命力(HP)】 144 / 144 ⇒ 148 / 148(↑4)

精神力(MP)】 120 / 120 ⇒ 124 / 124(↑4)

筋力値(ATK)】 41 ⇒ 42(↑1)

耐久力(DEF)】 22 ⇒ 23(↑1)

知力値(INT)】 35

抵抗力(MDF)】 21

敏捷値(AGI)】 55 ⇒ 56(↑1)

器用度(DEX)】 23 ⇒ 24(↑1)

【所有スキル】

  噛付き 切り裂き 叩き落とす 吐息 暗視 跳躍 索敵 気配遮断 危険察知

  連携 見切り 回避 怪力 身軽 捕食 風属性 氷属性

 

《ただいまの戦闘により召喚モンスター【アグネア】のレベルが上がりました。ボーナスポイント

 を2取得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

 

【名前】アグネア【種族】ファラ・ヌイ Lv.12 ⇒ 13

生命力(HP)】 160 / 160 ⇒ 164 / 164(↑4)

精神力(MP)】 130 / 130 ⇒ 134 / 134(↑4)

筋力値(ATK)】 50 ⇒ 51(↑1)

耐久力(DEF)】 20

知力値(INT)】 34 ⇒ 35(↑1)

抵抗力(MDF)】 22 ⇒ 23(↑1)

敏捷値(AGI)】 43

器用度(DEX)】 24 ⇒ 25(↑1)

【所有スキル】

  拳 蹴技 投技 関節技 火魔法 飛行 顕現 反撃 決死 不屈の闘志 連携

  見切り 受け 回避 怪力 身軽 火属性 火神の加護

 

 スキルレベルを除けば、空牙とアグネアのみレベルアップした。

 

 これも今回のイベントボスで感覚がちょっとズレ始めていたのだろう。物足りなく感じてしまう

のだが、本来はこんな感じだったはずだ。

 一般の敵でも、相当な数を倒さないとレベルアップなどはしないので、これに慣れてしまうのは

まずいな。

 1週間後には、今よりも強くなって探索できる範囲も広がると思うので、まだ見ぬ強敵と新天地

目指して頑張っていこう。

 

 

 これでイベント自体はクリアだが、報告の為に再び土精霊の集落へ赴き、長に討伐を知らせなけ

ればならない。

 

 俺よりも一足早くレベルアップ処理を済ませ、先ほどの攻撃の熱が冷めない様子のアリシアとチ

ワワ。それに巻き込まれているフェイトの下へと向かった。

 

「ほら、戦闘も終わったんだから集落まで戻るぞ!」

 

「「「はーい。」」」

 

 思いの外素直に従い、集落へと戻る事になったのだが、道中の話題はやはり、最後の締めの話に

なった。

 

「ねぇ、さっきのどうだった?」

「どうって、結構なクオリティで再現出来てたんじゃないか?」

「だよね!一度やってみたかったんだ!」

 

「でも、今までそんな余裕もなかったんだよね。」

「そうそう。それに物理が効き難い相手ばっかりだったし。」

「ようやく、念願が叶ったって感じだね。」

 

「良いけどな。見た目通りに威力も高いみたいだし、吼破より溜めも短いんだろ?」

「そうなんですけど、やっぱり威力は溜め時間次第じゃ、吼破の方が上なんですよね。」

「あと、消費精神力もこっちの方が多いんだよね。」

「そう簡単に完全な上位互換の技は覚えないって事か。」

「そうですね。」

 

 

「そういえば、俺は土精霊が召喚リストに加わったけど、そっちのクリア報酬ってどうなっていた

 んだ?」

「えっとですね。精霊の加護(土)って称号が加わりました。」

「へぇ、称号が加わったのか。」

 

「効果は何だったんだ?」

「常時、生命力(HP)が+10。それに耐久力(DEF)が+5だって。」

「アタシは元々耐久値が高めだったから、これでもっと硬くなりました。」

「私達は、これで少しは耐久値がマシになったと思います。」

「なるほどな。」

 

「その感じだと、他のイベントでも称号が増えてステータスが強化されていく感じみたいだな。」

「そうですね。常時ステータス+5は結構大きいと思います。」

 

「これはみんなにも教えないとだね。」

「再挑戦出来る感じのイベントだったら良いけど...。」

「これ以上は、みんなでやった方が良いかもしれないね。」

 

「俺も今日は時間的にもう一ヶ所は無理そうだから、それで良いけどな。」

 

「刻也さんの場合は、もう火精霊と水精霊もクリアしてますから。」

「別に単独で風精霊のイベントもクリアしちゃって問題ないと思いますよ?」

「そうだね。内容さえ教えてもらえれば、アタシ達でどうにかなると思うし。」

 

「...信頼されてるって事で納得しよう。」

 

 少々単独で先行しすぎた様で少し疎外感はあるが、この手のイベントが再挑戦出来るとは思えな

いので仕方がない。明日以降に、残りの北方向にあるはずの精霊イベントを回収しに行こう。

 無論、他のメンバーが付いてくると言うのであれば、止める事はない。これまで3回とも何かし

らモンスターを倒してきたので、人数は多い方が良い。

 

 

 その後も、雑談をしながら、モンスターと遭遇すれば戦い、集落まで戻り、集落の長にサンド

ウォームを討伐したと報告を済ませ、行きに瀬織が言った通り、精霊の指輪をそのままお礼という

事で、受け取り家を後にした。

 

「それじゃあ、ギルドホームに戻るか。」

 

「えー、折角ここまで来たんだし、もうちょっとここら辺の探索しようよ。」

「姉さん。あと1時間もすれば、いつもログアウトするくらいの時間になるよ。」

「でも...。」

 

「それに、刻也は土精霊召喚出来る様になったんでしょ?どんな子が出てくるか見てみたいよ!」

「それはアタシも見てみたいかも。実際に新しく召喚される場面って見た事ないし。」

「確かに見てみたいけど、刻也さんにだって召喚するタイミングもあるだろうし...。」

 

「まあ、30分くらいなら問題ないだろ。正し、時間厳守だけどな。」

「わーい!」

「それじゃあ、早速召喚ですね!あそこに見える、ちっちゃい子かな?」

「もう...。なのは達には私が連絡しておくね。」

「悪いな、フェイト。」

「いえ、私も興味がありますから。(それに、刻也さんと一緒に居られる...。)

「そうか。」

 

 

「それじゃあ、召喚してちょっと探索してみるか。」

 

 これで10体目となる召喚モンスター。召喚リストから、今回追加された土精霊のユイチリと言

う種族を選択した。

 俺はもう見慣れた光景ではあるのだが、初召喚時は少々長めのエフェクトで登場するので、初見

の3人からは、ちょっとした期待感を感じる。

 

 

『新しく召喚モンスター"プチユイチリ"を召喚しました。名前を入力して下さい。』

 

 

 召喚用の魔法陣からゆっくりと姿を現したのは、5,6歳の幼い外見に緑色の肩まで伸びた髪を

した少女だった。

 この集落にも同じくらいの背格好の土精霊がいたので、その子達と同じなのだろう。もはや、種

族名が選択した名と違うのは気にしない。

 ただ他の子と違う所がある。上半身は耳がエルフ的な事を除けば人と大差ないのだが、下半身は

何本もの木が触手の様に絡まり構成されていた。

 

 これが本来の姿なのか、成長する過程で周りの土精霊の様に人と変わりなく見える術を身に付け

るのか定かではないが、まずは名前を付けないとな。

 

―――"ヘカテー"っと。

 

 これで良いだろう。

 

 土と言う事で、古代ギリシアで豊穣を司る女神とも言われ、このプチユイチリは弓スキルを有し

ている事だし、遠くへ矢を射る者と呼ばれるヘカトスの女性形の事をヘカテーと呼ぶことから、こ

の名前にした。

 

ちなみに、初期ステータスはこんな感じだ。

 

【名前】ヘカテー【種族】プチユイチリ Lv.1

生命力(HP)】 22 / 22

精神力(MP)】 18 / 18

筋力値(ATK)】 11

耐久力(DEF)】 9

知力値(INT)】 12

抵抗力(MDF)】 11

敏捷値(AGI)】 10

器用度(DEX)】 11

【所有スキル】弓 土魔法 顕現 土属性 自己再生[微]

 

 初期から再生能力持ちではあるが、ここら一帯の敵に一撃でも喰らえば一溜まりもないので、何

とも言い難いが、初期ステータスを見る限り、バランス型なのだろう。

 ヘカテーの今後は俺のボーナスポイントの振り分けで、大きく変わってくるかもしれない。もち

ろん、自動で上昇するステータスやクラスチェンジ次第では、また変わってくるかもしれないが。

 

 

 ヘカテー召喚前に、サンドウォーム戦でレベルアップした空牙を下げていたので、現在俺のPT

には3種類の精霊が揃っている。だからと言って、どうもしないが仲良くして上げて欲しい。

 

 あと、ヘカテーのキャラクターだが無口系だった。召喚されたヘカテーの姿に呆気に取られてい

た、3人だが、名付けて紹介した所、何時もと変わりなく...寧ろ、フェイトもちょっとテンショ

ン高めで自己紹介をしていた。

 そして、それを聞いたヘカテーの返答が「......よろしくお願いします。」と何とも薄い反応で

声量もそれほど大きくなかったので、たぶん無口系だと思う。

 

 と言う事で、もう少しだけこのメンバーで探索を続ける事にした。

 

 

 

 

 

《ただいまの戦闘により召喚モンスター【ヘカテー】のレベルが2上がりました。ボーナスポイン

 トを4取得しました。ステータスにボーナスポイントを振り分けて下さい。》

 

 時間的に、これが本日最後のレベルアップインフォとなるだろう。

 

 ヘカテーは一度目のクラスチェンジでユイチリへとなり、このレベルアップで、10レベルに

なった所だ。

 

【名前】ヘカテー【種族】プチユイチリ Lv.8 ⇒ ユイチリ Lv.1

生命力(HP)】 50 / 50 ⇒ 55 / 55(↑5)

精神力(MP)】 46 / 46

筋力値(ATK)】 16 ⇒ 17(↑1)

耐久力(DEF)】 12

知力値(INT)】 14 ⇒ 16(↑2)

抵抗力(MDF)】 14 ⇒ 17(↑3)

敏捷値(AGI)】 13

器用度(DEX)】 16 ⇒ 18(↑2)

【所有スキル】

  弓 土魔法 絡み付く 顕現 擬態 治療(New!) 土属性 土吸収(New!) 自己再生[微]

 

【名前】ヘカテー【種族】ユイチリ Lv.8 ⇒ 10

生命力(HP)】 83 / 83 ⇒ 91 / 91(↑8)

精神力(MP)】 74 / 74 ⇒ 82 / 82(↑8)

筋力値(ATK)】 23 ⇒ 25(↑2)

耐久力(DEF)】 16 ⇒ 17(↑1)

知力値(INT)】 20 ⇒ 22(↑2)

抵抗力(MDF)】 23 ⇒ 25(↑2)

敏捷値(AGI)】 16

器用度(DEX)】 23 ⇒ 24(↑1)

【所有スキル】

  弓 土魔法 絡み付く 顕現 擬態 千里眼 治療 受け 土属性 土吸収

  自己再生[小](New!) 精神力自動回復[微](New!)

 

 一応、上はクラスチェンジ時のステータス変動を記録しておいたモノだ。

 

 下半身の木の触手だが、レベル5で擬態というスキルを習得してから、人の足に見えるようにも

なった。その状態では無理だが、触手状態なら戦闘で敵を絡めとる事が出来、同じ攻撃方法を持つ

クティーラともまた違った感じだ。

 

 後は武器の弓だが、戦闘の度に自作で作り出しているみたいで、俺が用意する必要がなかった。

それらしいスキルも無いのだが、気付いた時には自分で用意していたので、そういう仕様なのだと

判断するしかない。

 

 立ち位置的には後衛からのサポート役。リニスとも瀬織ともまた違った動きをするので、3体同

時に召喚したとしても、役割が被る事はないだろう。

 

 何気に、今回のレベルアップで精神力を自動回復するスキルを習得したので、現メンバーで唯一

時間経過で生命力と精神力の両方を回復出来るキャラでもある。

 

 ステータスは敏捷値捨て気味で、筋力と抵抗力を意識的に上げてきたのだが、この調子なら固定

砲台にしても良いかもしれない。絶対に倒れない大木的な感じで。

 

 何にせよ、まだまだレベルが他のメンバーとは程遠いので、ジュエルシードイベントでの参加は

厳しいかもしれない。せめて、2度目のクラスチェンジを遂げるまでは慎重に行こうと思う。

 

 

 

「よし。帰るぞ!」

 

「「「はーい。」」」

 

 時間厳守と事前に言ったこともあり、全員渋る事無くギルドホームに帰って来た。

 

 そして、そのエントランスには俺達を除いた全員が集まっていて、早速事情聴取ではなく、召喚

士以外が精霊イベントをクリアすると、と言う議題で報告会が開かれた。

 

 その時に、ユイチリとなり12,3歳の外見へと成長し、若干伸びた髪を後ろで2つに結わいて

いる髪型になった、ヘカテーの紹介もした。

 無口なのは変わらないが、そもそも言葉を発しても、この中で理解できるのは今回俺と行動を共

にして精霊の指輪を手に入れた3人だけなので、大して変わらないけどな。

 

 後は戻って来た時間も遅かったので、明日巡るゲート決めたり、戦闘で消耗した装備品の修復を

したり、僅かに減った空腹値を満たすために食事を摂ったりしている間に、普段ログアウトをする

時間になった。

 

 

「こんな所で良いわね。今日の反省を明日に生かして、頑張りましょう!」

 

「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」

 

「それから、刻也。」

「ん?どうした?」

「止めはしないけど、残りの精霊イベントに行くときは、全員に連絡入れてからにしてよね。」

「了解。一言掛けてからにするよ。」

 

「よろしい。それじゃあ、今日はこれで解散ね。」

 

「「「「「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」」」」

 

 

 もはやアリサが完璧に仕切っているが、これで締め括られ各自ログアウトしていった。

 

 今日も結構濃厚で楽しいやり応えのある時間を過ごすことが出来た。ヘカテーという仲間も加

わったし、何より結構な頻度でレベルが上がるので、ボス戦を行う度になのは達、ギルドメンバー

の成長を目の当たりに出来る事が、何よりも楽しかったと言える。

 

 明日もこんな時間が過ごせたらいいなと思いながら、俺も誰もいなくなったSLOからログアウ

トし就寝した。

 

 

『クロノス様がログアウトしました。』

 

 




如何でしたか?

土精霊と言う事で、候補にトリャーユとユイチリがあがった訳ですが、本作品ではユイチリを採用
しました。トリャーユって結局メイン武器は拳になるので、アグネアと被るかな?と思ったので、
弓なら召喚モンスターの中でも被りはいないので、丁度良かったです。
ユイチリは木精霊のイメージがあるのですが、木魔法・木属性はないので土属性と言う事で、何と
ぞ元ネタを知ってる人はご了承下さい。

あとは、やっておきたかった、Gガンネタ。今はシャイニング。いずれはゴッド?
Gジェネでも一番キャラクター毎に専用台詞が用意されてる武器ですからね。
Gジェネ...Vitaで新作出ませんかね?

さて次回は、どうしましょうか。水曜日は日常編を冒頭でさらっと流して、SLO編を進めていこ
うかな。木曜日はそれなりにネタが思い浮かんではいるので、そうしましょうか。

※スキル解説&ステータス更新(クロノスはスキルレベル変動のみなので割愛。現ステにて。)

【スキル名】擬態   【効果】自分の姿を別のモノに見える様に変えられる。
【スキル名】土吸収  【効果】土属性攻撃を吸収し生命力が回復する。

【名前】 空牙(くうが) 【種族】 シルバーファング Lv.13 ⇒ 14
生命力(HP)】 144 / 144 ⇒ 148 / 148(↑4)
精神力(MP)】 120 / 120 ⇒ 124 / 124(↑4)
筋力値(ATK)】 41 ⇒ 42(↑1)
耐久力(DEF)】 22 ⇒ 23(↑1)
知力値(INT)】 35
抵抗力(MDF)】 21
敏捷値(AGI)】 55 ⇒ 56(↑1)
器用度(DEX)】 23 ⇒ 24(↑1)
【所有スキル】
  噛付き 切り裂き 叩き落とす 吐息 暗視 跳躍 索敵 気配遮断 危険察知
  連携 見切り 回避 怪力 身軽 捕食 風属性 氷属性

【名前】アグネア【種族】ファラ・ヌイ Lv.12 ⇒ 13
生命力(HP)】 160 / 160 ⇒ 164 / 164(↑4)
精神力(MP)】 130 / 130 ⇒ 134 / 134(↑4)
筋力値(ATK)】 50 ⇒ 51(↑1)
耐久力(DEF)】 20
知力値(INT)】 34 ⇒ 35(↑1)
抵抗力(MDF)】 22 ⇒ 23(↑1)
敏捷値(AGI)】 43
器用度(DEX)】 24 ⇒ 25(↑1)
【所有スキル】
  拳 蹴技 投技 関節技 火魔法 飛行 顕現 反撃 決死 不屈の闘志 連携
  見切り 受け 回避 怪力 身軽 火属性 火神の加護

【名前】ヘカテー【種族】プチユイチリ Lv.1 ⇒ ユイチリ Lv.10
生命力(HP)】 22 / 22 ⇒ 91 / 91(↑69)
精神力(MP)】 18 / 18 ⇒ 82 / 82(↑64)
筋力値(ATK)】 11 ⇒ 25(↑14)
耐久力(DEF)】 9 ⇒ 17(↑8)
知力値(INT)】 12 ⇒ 22(↑10)
抵抗力(MDF)】 11 ⇒ 25(↑14)
敏捷値(AGI)】 10 ⇒ 16(↑6)
器用度(DEX)】 11 ⇒ 24(↑13)
【所有スキル】
  弓 土魔法 絡み付く(New!) 顕現 擬態(New!) 千里眼(New!) 治療(New!) 受け(New!)
  土属性 土吸収(New!) 自己再生[小](New!) 精神力自動回復[微](New!)

※観覧注意(フィアッセ:翠屋の制服ってどんなんでしたっけ?)

【挿絵表示】

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