とらなのVRMMO ~魔法はゲームの中だけなの~ 作:戯言紳士
FF13-2の奇襲100連続がようやく終わり、トロコンしました。次はLRですね。
最後にプレイしたのは結構前なので、まずは操作方法から思い出さないとなりません。
それと、パワプロ2014を久々に起動した所、サクセスにオフパッチなるチートが今月末に配信さ
れる事を知りました。これで、オンラインサービスは終了らしいです。ショックでした。
パッチ配信されれば、これまでのパワチャレが無意味になるので、しばらくサクセスする事はない
でしょう。......時間を返して下さい。
前回のあらすじ。
小恋の特殊能力発動!霊気を足に纏えたよ!レイガンだけじゃなく、烈蹴紅球波も出せるのかな?
ボスも苦戦しながらも5体討伐!ジュエルシードは計13個になったよ!!(完)
「ねぇ、見て!見て!」
「もう何度も見たわよ!!」
「ホンマに、なんであそこまではしゃげるんやろな。」
「それだけ嬉しかったんじゃないかな?」
「あの様子だけ見ると、エリオとキャロの方が年上に思えるわね。精神的に。」
「でも、アリシアさんが急に大人しくなったら怖いですよ。」
「...それもそうね。」
今日の予定であった5ヶ所のゲートを攻略し終えて、ギルドホームで食事などを済ませたメン
バーは、自室に戻る訳でも、どこかに出掛ける訳でもなく、しばらくの間、エントランスで談笑を
続けていた。
中でも、雷魔法の習得方法が判明してから絶対取る!と意気込んでいたアリシアが、今回の戦闘
で条件を満たし、実際に雷魔法を習得した事で、めちゃくちゃはしゃいでいた。
そして、その犠牲者となっているのは、食事中に席が隣になったアリサだ。かれこれ数回はス
テータスを見させられていた。
俺もこの安らぎの空間を堪能していても良かったのだが、時間のある時に行っておきたい所があ
るので、椅子から立ち上がり、あらかじめ言ってからと言われていたので、その行先をアリシアの
話題が途切れた所できり出した。
「今から、風精霊のイベント当たってみるつもりだけど、誰か一緒に来るか?」
「私、一緒にいくの!」
「アタシも!折角覚えたんだもん、どんどん鍛えていくよ!」
「私も付いて行きます。」
「ほなら、ウチも行くで。アグネア達とコミュニケーション取れる様になるんやったら、戦闘でも
また違った連携が出来る様になるかもしれへんし。」
「はやてが真面目な事を言うなんてね。私も行くわ。ちょっと鬱憤溜まってるし。」
「みんなで行くみたいだし、私も行きます。」
「もう少しゆっくりしてても、良いと思ったんですけど、丁度良い機会ですしね。」
「アタシも、もちろん行くよ!折角なら称号もコンプリートしたいもん!」
「ボクもお供させて頂きます。」
「わ、私も行きます。精霊さんが仲間になるかもしれないんですよね?」
「全員参加だな。
という訳で、全員で風精霊のイベントを挑む事になった。
転移可能な最も北側のポータルへ転移してきた俺達は、精霊イベントに関しては、もうナビゲー
ターと呼んでも過言ではない、アグネアと瀬織。そこに土精霊のヘカテーを加えた3人の案内の元
キングスライムと戦闘をしたゲートの更に奥のエリアに訪れていた。
「ゲートが設置されたエリアも大して探索した訳じゃないけど、ここのモンスターって結構レベル
高いのね。」
「言われてみれば、確かにそうなの。」
「ゲート巡ってボス倒しとる間に、大分レベルが上がったから、気にもならんかったけど、ウチら
が先週の土日に戦こうとった相手に比べれば相当やな。」
「慣れって怖いね。」
道中は雪道でそれなりに吹雪いている中、探索しているのでバトルメンバーにモンスターとの遭
遇を遠ざける威嚇スキル持ちの赤兎とシグルズはいないので、ここでも普通にモンスターは出現し
戦闘になっている。
その中には、キャロが使役している白黒ウサギと同じ種族のモンスターをいた。
レベルも30~35とほとんど南の荒野エリアと変わりない範囲に設定されていて、こんな環境
じゃなければ、気分転換に北と南を行き来してレベリングをしても良かった。
「この辺りまで来ると結構寒くなってきますね。」
「そうだね。気温の変化も再現されてるのは良いけど、この先のエリアはもっと寒いだろうね。」
「寒さとか暑さを防ぐスキルとかないんですか?」
「防暑や防寒ってスキルがあるよ。」
「へぇ、そんなスキルもあったんやな。」
「暑さや寒さを和らげるって所かな?」
「比較的攻略が進んでる北側の情報板を見た感じだと、あるエリアから急激に寒くなって、持続的
にダメージを負うようになったって書いてあってね、」
「私も見たわ。そこら辺の領域に踏み込むとこの防寒ってスキルが必須になるみたいよ。習得した
プレイヤーはそれで持続ダメージを受けなくなったって書いてあったから。」
「防暑もそんな感じじゃないかな?」
「ワイバーンの存在で攻略が一時断念されてたみたいだから、他のエリアに比べると開拓されてい
るエリアが少ないけど、暑さって言ったらやっぱり火山地帯だもんね。」
「刻也は結構開拓してるんじゃないの?」
「俺か?それなりに探索はしてはいるが、そんな奥のエリアにはまだ行ってないから、暑さによる
ダメージとかは受けた事がないな。」
「そうなんですね。」
「あっ、でも。今日は危ない時があったな。危うく間欠泉を直に浴びそうになった。死にはしない
だろうが熱湯を浴びる様なモノだから、何かしらダメージを負う可能性はあったな。」
「どんな所で戦闘してるんですか!」
「私達がログインする前に、そんな危ない場所にいたんですか?」
「危ないって言っても、それにさえ気を付けていれば良いだけだしな。出てくるモンスターのレベ
ルも、ここよりちょっと高い位だし。さっき言ったのは、たまたま足元で間欠泉が噴き出したか
らで、常に危険に晒されている訳じゃないぞ。」
「十分、危ないと思いますよ?」
「そうね。そんな罠みたいなのが湧いて出てくるんなら、なかなか攻略されないはずだわ。」
「でもさ、間欠泉って要は温泉でしょ?何でそんなに危険なの?」
「こういう場合、激熱の...が頭に付くんじゃないかな?」
「火山に近い場所やしな。」
「90~100℃。もしかしたら、それ以上かもしれないよ?」
「ゲームだし、200℃なんて事もありえそうだよね。」
「あ、危ないじゃん。ダメだよ、刻也!そんな所に行っちゃ!!」
「いや、先に進むためには、そこを通る必要があるからな。」
「盛り上がってるみたいだけど着いたよ!この暴風の先に風精霊がいるはずだよ!」
その後もしばらくの間、アグネア達の先導で探索を続けていたら、突如目の前に巨大な竜巻が現
れた。アグネア曰く、この先に風精霊がいるのだと言う。
「この先って...、これどうやって抜けるの?」
「定番だと、近くに解除する装置があったり、どっか遺跡みたいな所にヒントみたいなんがあるも
んやけど...。」
「こんなに吹雪いてると、」
「見つけるのも大変ですね。」
どうやってこの暴風の先に行けばいいのか。その攻略の糸口を知っているのではないかと、全員
が期待する目でアグネア達、精霊組を見つめた。
「そんな目で見られても分からないよ。」
「そうですね。私達はどこに居るかは、何となく分かりますが、この様な現象に対する対処法は、
分かりません。」
「.........知らない。」
まあ、精霊の居場所が分かるというだけでも、凄いアドバンテージなので、これ以上求めるのは
酷で身勝手な事だろう。
「これだけ吹雪いていると、飛ぶのも困難だし、どうするかな。」
「とりあえず、もう少し近づいてみたら?」
「ここで話し合っても、まだ糸口も見えてない段階だし。」
「それに、先輩なら何が起きても不思議じゃないです。」
「俺ならって...。まあ、こうしていても何も起きそうにないし近づいてみるか。」
みんなが俺に何を期待しているのか分からないが、暴風が吹き荒れる領域に一歩ずつ踏み込んで
行ったのだが、気が付いたらダメージを負っていたので、一旦戻って来た。
そもそも、この中に突っ込んで行ったのは、俺だけだったみたいで、なのは達は暴風の影響のな
い範囲でその様子を見ているだけだった。
いや、今回は付いてこなくて正解だったのだが、せめて「待ってます。」の一言は欲しかった。
「どうしたんですか?」
「いや、踏み込んだらダメージ負ったからな、最低でもこの先は防寒スキルがいるみたいだ。」
「それで一度戻って来たんですね。」
「まあな。習得したら、また行ってみるが、お前達はここにいて正解だったな。」
「にゃはは...。減った分は回復するから頑張ってね。」
「良いけどな。何にもなかったら無駄骨だし。」
防寒スキルを習得した俺は、あらためて暴風の中に踏み込んで行った。スキルを習得した効果だ
ろう、なのはに全快まで回復した生命力に変動はなく、ダメージを負わなくなった。
しかし、踏み込む度に防寒スキルのレベルアップを告げるインフォが流れるのが、鬱陶しくてし
方がない。その内治まるだろうが、どれだけ過酷な環境なんだ。
「これは...。この障壁を諸ともせずにやって来る者が訪れるとは。」
どれくらい暴風の中を歩いたのか分からないが、どうやら直接的に突き進むのが正解だったらし
い。正直途中から視界が限りなく遮られる程の猛吹雪になり、方向感覚が麻痺していたのだが、
真っすぐに進んで来られたみたいだ。
そして暴風から抜け出した俺に声を掛けて来たのが、おそらくこの暴風を巻き起こし、これから
何かしらのイベントを発生させる風精霊なんだろう。
見た目が成人に近いので、結構ランクの高い精霊なのが感じられる。これまで、精霊種はクラス
チェンジを行う度に、見た目が成長して来たので、それは間違いない。
この風精霊と絡む前に、なのは達に無事に抜けて精霊に遭遇した事を告げる為に、メッセージを
送る事にしたのだが...。
「無駄ですよ。この障壁には外部との連絡を遮断する効果もありますから。外に人と連絡が取りた
いのであれば、この中をまた戻るしかありません。」
俺が使用とした事が分かったのか、外部との連絡は取れないと告げられた。明らかに展開が他の
イベントと違うのだが...。
「だったら、少しだけでもこの暴風何とかして頂けませんか?」
「残念ながら、この障壁を作り出したのは私ではないので、解除する事は不可能です。」
真偽のほどは定かではないが、拒絶された事は間違いない。
「それよりもどうでしょう?ここに訪れた人間は貴方が初めてです。少しばかり私と戯れて頂けな
いでしょうか?」
『イベント"孤高な風精霊の遊び相手"が発生しました。受領しますか?』
続けて、風精霊から告げられた言葉の後に、イベントの受領を問うウィンドウが出現した。
いや、いきなりイベントを提示されても、この暴風の向こうには、なのは達が待っている。
連絡を取るためには一度戻る必要があり二度手間になる...なるが、召喚モンスター諸共、この
外にいるので、今は本当に俺一人しかいない。
そして、イベント名から、この精霊の遊び相手を務めると言う事で間違いないだろう。精霊は戯
れると言ったが、雰囲気的にもこれまでの傾向的にも、この発言は私と戦いましょうと言っている
様に感じる。
「外に待たせている仲間が気がかりで決断出来ませんか?」
なんだろうね。本当にテレパシーみたいなスキル持ってるんじゃないだろうか?
「仕方ありませんね。私と戯れて頂けるのであれば、一時的に解除しますよ?」
「ちょっと待て、さっき自分で作り出した訳じゃないから、解除は出来ないって言ってたろ。」
「ですが、貴方はその言葉を鵜呑みにはしてませんよね。」
「それはそうだが...。」
「言った事は守りますよ。ですが、合流しても、相手は貴方1人です。」
「それは、今回俺1人だけが、イベントを発生させたからか?」
「えぇ、その解釈で問題ありません。」
「それじゃあ、その後に合流してきたメンバーとも、また何かやるという事で良いんだよな?」
「それはこの目で、見てから判断させて頂きます。」
「断言は出来ないって事か。」
「はい。この障壁はふるい落しの様なモノですから。」
「なるほどな。それなら大丈夫だろ。」
「それでは?」
「あぁ。承諾する。言った事は守れよ。」
「勿論です。ですが、初回限定の特別サービスですからね。」
『イベント"孤高な風精霊の遊び相手"を受領しました。クリア条件は制限時間内に相手よりも多く
の生命力を残す。それでは、ご健闘お祈り申し上げます。』
俺がイベントの受領をすると、受領をした事とクリア条件が記されたインフォが流れた。今回は
PvPみたいな感じか?
相手はNPCなので言い回しが変わるだろうが、要は1対1の決闘だ。
対戦相手となった風精霊は公言通りに、暴風による障壁を消したので、ここまでの出来事をざっ
と書いたメッセージを送り、なのは達が合流するまでお互い黙って待っていた。
「まさか本当に何とかするなんてね。」
「いきなり目の前の暴風が止んだ時は、やっぱり刻也さんやな、と思うたけど。」
「NPCから交渉を仕掛けられるなんて、予想外過ぎます。」
「それじゃあ、お前達はどういう事態を予想してたんだよ。」
「それは...。」
「こう、暴風の中心地で武器を天高く構えたら治まったとか?」
「元凶だったモンスターをサクっと倒してたりみたいな?」
「チワワの言う通りの事を、これからやるんだけどな。てか、アリシアのそれは何なんだ。」
合流するなり、なのは達は風精霊に見向きもせず、それぞれの思いをぶちまけてきた。
「中々に面白い方達ですね。まさか私が無視されるとは。」
「刻也さん。この人が風精霊なんですか?」
「あぁ。あと書いた通り、先にイベント発生させちゃったから、これからこの精霊と1対1で対戦
する事になった。」
「それが、このイベントの内容なの?」
「いいえ。今回は初めてあった人間の力を見てみたいと思ったので、この様な内容になっただけで
すよ。」
なのはの質問に風精霊が答えたのだが、生憎とこの場に居る大半のメンバーが精霊の指輪を所有
していないので、代わりに答えた。
「なるほど、これは中々不便ですね。精霊の指輪ですか...数は7個でいいみたいですね。」
その事にもすぐに察した風精霊は何処から出したのか、ついさっきまで何も持っていなかったは
ずの手から、精霊の指輪を所有していないメンバー分取り出し、俺に付けさせるように言って渡し
てきた。これで全員に指輪が装着する事になり、全員が精霊の言葉を理解出来る様になった。
そして、いよいよ俺と風精霊の一騎打ちが始まろうとしていた。クリア条件にあった制限時間は
10分。この10分の間に俺が風精霊よりも生命力を残していれば、イベントクリアとなる訳だ。
「それでは、始めましょう。私の生命力は人間より遥かに多いので、手加減も無用ですよ。」
「まあ、そうだろうな。」
そもそも、このイベントのボスの様な相手が、プレイヤーと同様の数値の訳がない。
「後はそうですね、制限時間内でも、残り生命力が最大値の20%を切った場合は、試合終了とし
ましょう。何も私は殺し合いがしたい訳ではありませんから。」
「分かった。しかし、余裕だな。」
「これでも自分が高位に位置づけられていると自負していますから。」
「そうかい。だったらそう思ったまま、敗北するといい。」
前口上はここまでとし、俺から仕掛けていく所から一騎打ちが始まった。
『勝利条件達成を確認。イベント"孤高な風精霊の遊び相手"をクリアしました。クリア報酬として
風精霊"シルフィ"が召喚リストに加わりました。1体のみ召喚可能です。』
結果はこの通り。俺が慢心している相手に負けるわけがない...と、これもまた慢心か。
戦闘時間は3分。一般的なカップ麺が丁度出来上がる時間で一騎打ちは終了した事になる。
それでは、この3分の間に何が起きたのかを振り返ってみよう。
一騎打ちと言う事で、俺は一番得意とする武器、小太刀型デバイスのレイヴンを装備して、風精
霊へ向かっていった訳だが、開始地点はお互いに少々距離が離れていたので、接近するまでに、筋
力値・知力値・敏捷値のみをブースト魔法で強化し、そこにアクセラレートまでを付加させる事が
出来た。
前までなら、この状態で御神流の奥義を放っていたのだが、短剣スキルもレベルが上がり面白そ
うな武技を習得したので、それを使ってみる事にした。
強化された敏捷性とこの技の効果も加わり、時属性の加速魔法を掛けたような超高速で風精霊の
下まで一瞬で駆け、1本の小太刀で切り上げ若干打ち上げる。
その後、姿を一度消し、消し間髪入れずに打ち上げた相手の上空に現れ、今度は叩きつける様に
斬り付ける2連撃"
2連撃の技であるため、2撃ともアクセラレートの効果が乗るので、高い確率でクリティカルダ
メージが発生するはず。
それに、御神の基礎である斬と徹は通常の戦闘でも使っているので、他プレイヤーが使う技より
は威力が高いと思う。
神速を使えば素の状態でも繰り出せそうではあるが、それでは2撃目にアクセラレートの効果が
乗らないし、折角技として用意されているので有効活用していこうと思う。
という具合に、開幕から僅か10秒足らずの時間に、こちらの先制攻撃を受けた風精霊の残り生
命力は7割を下回るという展開になった。
そうそう。この風精霊、隠蔽スキル所有者で、今の俺の看破スキルよりもレベルが高いらしく、
識別しようとしたら何もわからなかった。
まあ、2撃であれだけダメージを受けるのであれば、生命力はプレイヤーよりも遥かに高いかも
しれないが、ボスとしては結構低い値だと推測出来る。
「やってくれましたね。」
「慢心してるからだ。」
「...なるほど。それでは、私も少々本気でお相手しましょう。私の障壁を抜けてやってきた、貴
方の力をより長く見るために。」
それなら最初から本気で来いと言いたかったのだが、対立する風精霊の雰囲気はガラっと変わり
そんな事を言える感じではなくなった。
制限時間や勝敗条件の関係で、様子見にそれほど時間を割けない上に、相手の攻撃でどれくらい
ダメージを負うのかさえ分からない状況だったので、あえて受ける事も出来ないので、相手の出方
を伺うなんて悠長な事はせずに、この後も終始攻め続けた。
終始攻め続けたと言ったが、当然の様に風精霊も攻撃はしてくる。
その攻撃だが、いつぞや俺が魔力で武器を作った様に、この精霊は魔力で槍の形状を作り、そこ
に風属性と雷属性を付加して攻撃してきた。
風属性と雷属性の付加効果は知っている。俺も武器で槍を使うので、何をしようとしてくるかは
間の取り方や初動から読み取れた。
他にも槍を振るいながら、同時に魔法を行使して攻撃してきた。
攻撃が読めると言っても、読み違える事もあれば、想定外の攻撃を仕掛けて来る事もあり、一瞬
足りとも気を抜く瞬間がなかった。
そんな相手の攻撃を掻い潜りながら、2分近く激戦を繰り広げていたと思う。
直撃は受ける事はなかったのだが、自分の生命力を見てみると、
【
所々、避けきれず掠めはしたが、短時間で5割近く削られていた。どれか一つでも直撃してたら
負けていたな。
一方の風精霊も残り生命力を3割近くまで削ったので有利ではあるが、この状況では一瞬のミス
で負けてしまう状況でもある。
今のままでもミスや風精霊側に何らかの変化がなければ、相手の生命力を2割以下にし勝つ事が
出来ると思うが、未知な部分が多い相手に絶対などありえない。
戦闘前、なのは達が合流する前の会話からも、何かしらの特殊能力を有している事は明らかなの
で、俺としては次の一撃で決着をつける気持ちで、今まで以上に集中し、この前の交錯で空いた距
離を埋め駆け出した。
どうやら、俺がここで特攻して来たことが、風精霊にとって想定外の事だったらしく、ほんの僅
かに出来た隙に、大技でもなんでもない、渾身の力を籠めた一撃を放った結果、イベントクリアを
告げるインフォが流れたという経緯だ。
しかし、戦闘中に風精霊が飛ぶ事はなかった。翼はあるし、暴風域の中心だからだろうか、一切
天候は荒れていないので、飛ぶには支障はないと思うのだが、俺に合わせたのだろうか?
「負けてしまいましたね。久しぶりに本気を出せる相手に出会えたのに。」
「だったら、何で飛ばなかったんですか?」
「空を飛べない種族相手に、自分だけが飛ぶなんて、私のスタイルじゃありません。」
「なるほど。でも、その結果負けましたよ?」
「仕方のない事ですね。」
「ですが、元々は貴方の力量が知りたかっただけですから、私の目的は達成されました。」
「そうですか。俺もイベントをクリアした事で、目的は達成したので、これ以上は特に言う事もな
いです。」
「そのようですね。」
「それでは、次にあなた達のお相手を務めましょうか。」
俺も風精霊もこれ以上言う事がなくなったので、矛先がなのは達に向かった。
あの時は見てから判断すると言っていたのだが、こうして相手にすると言っている以上、風精霊
の眼鏡にかなったみたいだな。
「えっと...、私達に刻也さんと同じことを求められても無理なの。」
「それに、あんな戦闘を見せつけられた後じゃ、」
「喜んで!とは言えへんで。」
後ろでうんうんと頷く一同。確かに、一騎打ちじゃ無理だろうが、戦闘前に風精霊が言った事を
思い出してほしい。
「大丈夫ですよ。貴方達へ依頼するのは私との戦闘ではありませんから。」
そう人によって内容を変えると言っていたのだ。俺は何故か戦闘になったが...。
「それじゃあ、何をすればいいんですか?」
「そうですね。貴方達には、この先に自生している、植物を採って来て頂きましょうか。その植物
の周りには、少々獰猛なモンスターが出現すると言われています。それを、倒して採取するか、
倒さずに採取するかはお任せしますが、最低でも1つは採取して、ここに戻って来て下さい。」
風精霊がそう言うと、なのは達の手元にイベントを受領を問うウィンドウが表示された。
「俺にはイベントの通知がないが、そこに同行していいのか?」
「いえ、貴方の動向は認められません。」
「マジか...。その間、俺は待ってないといけないわけか。」
「そうですね...。相手を用意するので、それを相手に召喚出来る様になったという風精霊を鍛え
てみてはいかがですか?」
「どうして知ってるんだよ。」
「企業秘密です。その子も、鍛えてみれば出来る様になるかもしれませんよ?」
「つくづく、他の精霊イベントとは違った事になってるな。」
「製作者がそれぞれ違いますから。」
「......そうか。」
どうやら、猫又さんイベントのリニス並みに自由な存在の様だ。
「まあ、ただ待っているよりも時間が有効に使えそうだし、お願いするよ。」
「了解しました。貴方の召喚モンスターも同様に同行は出来ませんので、そちらの皆さんはご理解
下さい。」
「まあ、刻也が来れないって地点で察しはついていたけどね。」
「一緒に行きたかったけど仕方ないですね。」
「待って下さい。すぐに目的の植物採って戻って来ますから!」
「先輩は新しい子を鍛えてながら待ってて下さい!」
俺が風精霊と話している間に、全員がイベントを受領し、風精霊からの補足事項を聞いて、俺に
一声ずつ掛けてから、先ほど示された方角に見える森を目指し移動していった。
「それでは、私も少し用意があるので、その間に召喚しておいて下さい。」
そう言って、姿を消しどこかへ行った風精霊。
すぐ戻って来るだろうと思う事にし、言われるまでもないが新しくシルフィという種族の風精霊
を召喚した。
『新しく召喚モンスター"シルフィ"を召喚しました。名前を入力して下さい。』
その風精霊の名前こそが"アウラ"。
由来は、ギリシャ神話で登場するそよ風の女神の名前。アウラはギリシャ神話において、双生児
とされているアポロとアルテミスの妹と言われていたり、アルテミスと争う事になり、狂ってしま
い、可愛そうに思った父ゼウスに、泉に変えられたと言われている女神である。
書籍によって様々な言い方をされているが、俺はこういた認識をしている。
アウラと名付けた、この風精霊は狂う事なく共に歩んでいってもらいたい。
【名前】 アウラ 【種族】 シルフィ Lv.1
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】
短剣 風魔法 飛行 顕現 風属性
ステータスは見ての通り。飛行能力を持つ魔導師タイプの様だ。一応、武器スキルもあるので、
接近されても対処出来る様に育てた方が良いかもしれない。
召喚したばかりの見た目は、他の精霊同様幼く、短めの空色の髪に、髪の色と同じ瞳で目じりが
ちょっと垂れている。
服装はフィギュアスケート選手がリンク上で纏うような感じ。緑色が基調で所々青色で模様が描
かれている。
そして特徴的なのは、やはり純白の翼だ。まだ小さいがそれをゆっくりと動かし、常時浮いてい
る感じで、今も俺の周りを旋回している。
性格は甘えん坊で好奇心が旺盛みたいだな。先に召喚された先輩の精霊達の周りもクルクルみな
がら人懐っこい笑顔を浮かべ、俺に名付けられた名前を連呼していた。語尾にやたらと「の」を付
ける辺り、姿こそ違うが昔のなのはを見ている感じがした。
「その子ですか。ちゃんと召喚出来たみたいですね。」
アウラを召喚し終えると、どこかに消えていった風精霊が手に杖を持って戻って来ていた。
「これですか?これで対戦相手を呼び出すんですよ。」
聞いてもいないのに、先読みして抱いた疑問に対する回答をしてきた。その能力を使えばもっと
戦闘を続けられ、俺は窮地に立たされていたと思うのだが。
「そんな事をしては、つまらなくなるじゃないですか。」
それなら今も控えてもらいたいと頭の中で思ったが、口にする事はしなかった。どうせ言わなく
ても伝わるのだから。
しかし、その後は向こうも余計な事を口にするのは止めて、どういう付加スキルが掛かっている
のか鑑定も出来ない杖から、モンスターを出現させ、なのは達が戻ってくるまで、アウラを含めた
精霊組+俺&赤兎でレベリングが開始された。
なぜ赤兎がいるのかと言うと、暴風による障壁を抜けてきた現在地には、雪が積もっていないス
ペースが広がっていたから、アウラを呼び出す前に精霊組以外を帰還させ、空いた1枠に赤兎を呼
んでいたという訳だ。
さあ、これからどんなモンスターが呼び出されるのか分からないが、この機会にどんどん経験値
を溜めて、あわよくばレベルアップさせていくぞ!!
如何でしたか?
前半で何だかんだとありしたが、刻也の風精霊イベントは一騎打ちの決闘。
その開幕直後に放ったのは、八穿。分かる人には伝わると思いますが、メルブラで七夜が使うアレ
です。七夜暗殺術で検索すれば出ると思います。
初動から、水月 ⇒ 七夜(打ち上げ) ⇒ 八穿、という感じです。
後、女神アウラですが、諸説色々あると思いますが、本作品においてはこの設定と言う事で、全然
違うという指摘はご遠慮下さい。
次回は、この続きとなりますが、言ってみればアウラのレベリング回なので、イベント進行ともな
んら関係ありません。アウラの成長を暖かく見守って下さい。
※スキル解説&ステ更新者なし。新規加入のアウラのみ掲載。
【名前】 アウラ 【種族】 シルフィ Lv.1
【
【
【
【
【
【
【
【
【所有スキル】
短剣 風魔法 飛行 顕現 風属性
※観覧注意(エリキャロ:似ても似つかない。服装の雰囲気だけどうぞ。)
【挿絵表示】