インフィニット・ストラトス ~獄炎の覇者~   作:六甲山のココア

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あらすじの通りです。


1話

「IS学園、ねぇ…」

 

 

飛行型パワードスーツ、IS。

本来は宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツのハズだった。少なくとも、開発者である篠ノ之束はそのつもりで作っていた。

 

だが、「ある事件」を境に、従来の兵器を圧倒的に凌駕する性能を持つことが知れわたり、宇宙進出よりも軍事利用へと着眼点を置かれ、今にいたる。

 

そのISを扱えるようになるための訓練校、それがIS学園なんだと。

そして今、俺はそのIS学園の校門の前にいる。

かつての恩師、織斑千冬の直々の招集であるため、無視する訳にもいかない。

…が、正直あまり気乗りしない。というのも、ISが扱えるのは女性だけ。つまりそのIS学園には女生徒しかいないことになる。

女性にあまり免疫のない俺からすれば、こういうのはハッキリ言って嫌だ。

唯一の救いは千冬さんの弟である、織斑一夏がいることだ。……彼にかけるしかないな…。

 

 

「グダグダしてても仕方ない、か…」

 

 

そうして、IS学園へと足を踏み出した。

 

 

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自己紹介。

そう言えば聞こえは良いが俺からすればあんなものは公開処刑にも等しい。

小学校、中学校とこれをやってきたが、それはもう盛大にスベるのだ。そう、まるでスケートリンクのように。

何か気のきいた面白いことを言おうと思い、自分の順番まで必死に考える。

そしていざ前に立って言うのだ。

 

……思い出したくもない。あの時の記憶。できることなら俺の存在と共に消してしまいたい…!

 

それはそうとして、問題は今だ。

たった今織斑が終わったところだ。つまり、桐谷の…俺の番がすぐそこまで来ているということ。

さぁどうする! 織斑のような無難な自己紹介でいくか、一発狙ってみるか……っ。

その時はもう目前に―――。

 

 

「じゃあ次の人、お願いします」

 

 

「桐谷馨です。よろしく」

 

 

逃げたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!

否、逃げざるを得なかったんだッ! 女子だらけのこの学校で一度やらかしてしまった以上、最早イメージを立て直すことなど不可能ッ…!

故に選択肢などなかった…ッ。 

大丈夫。大丈夫だ。

小学校の頃から「顔は」良いと言われてきた。ならここは下手なことをせず、クール系のキャラを装っていこう。うんそうしよう。

 

 

「ねぇねぇ、織斑くんと桐谷くん。どっちが好き?」

「えー、どっちもいいなぁ…」

「私織斑くんかなぁ。なんか可愛いし」

 

 

よし。好感触かは知らんが、少なくともマイナスではないな。

それはそうとして、俺の番が終わってから教室内がざわめいてしまっている。前にいる山田先生が何度か注意をしているのも関わらず。まぁあのタイプの先生だと仕方ないっちゃあ仕方ないが…。

にしても、山田先生ってけっこう可愛いよな…。残念なのは胸が大きいことかなぁ。ロリ巨乳なんてのは認められない。

見た目に見合った胸が一番だな。うん。

 

などと下らないことを考えていると、一瞬で教室内が静まりかえった。

周りを見ると、生徒達の視線はある一か所へ集中していた。

視線をやると、そこには…

 

 

「なんだ? 今年は例年以上に馬鹿が多いな。それともアレか? 私のクラスに集中させたのか?」

 

 

織斑千冬だ。

ほとほと呆れた、という表情で彼女は立っていた。

そして織斑千冬といえばISを扱う者なら誰でも知っているほどの有名人だ。そしてそんな彼女に憧れてこの学園に入ってきた生徒達が、いざ彼女を目の当たりにした時……

 

 

「「「きゃーーーーーーーーーーーーー!!」」」

 

 

それみたことか。

興奮のボルテージが最高潮まで達した彼女らが、それを抑えられるハズもない。

 

 

「千冬様! 千冬様よ!」

「千冬様に優しく手ほどきされたい!」

「そしてつけあがらないように厳しく躾して!」

 

 

などと供述しており…。

見てみろよ。あの千冬さんの顔。

なんかもう憐れみとか通りこして保健所の犬を見るような顔になってる。

 

しかしまぁ、注意というか注目がそっちいってくれたおかげで俺の自己紹介のことなど忘れてしまったろう。

 

 

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一時間目が終わり、休み時間。

特にやることもなくボケッとしていた。

すると、千冬さんが教室に入ってきた。

 

 

「桐谷、ちょっとこい」

 

 

クラス中の視線が俺に集まってしまった。

…そして逃げるように千冬さんのもとへ行った。

 

 

「なんですか千冬さん」

 

「いやなに。お前がここに馴染めるか気になってな。……それにしても」

 

 

千冬さんがマジマジと俺の顔を見る。

 

 

「昔は泣き虫だったお前が、よくもまぁここまで成長したもんだ」

 

「やめてくださいよ。昔の話は」

 

「フフッ。なに。少し嬉しいんだ、私は」

 

 

千冬さんの笑った顔なんて久しぶりだ。

千冬さんに会ったこと自体久しいが。こうして笑顔を見るのは本当に珍しい。

 

 

「…まさか、僕に会うためにここへ連れてきた訳じゃないですよね」

 

「半分正解だ」

 

「……帰っていいですか」

 

 

嬉しいような腹立たしいような。

千冬さんじゃなかったら本当にキレてただろう。

 

 

「まぁ落ち着け。お前を呼んだのはいろいろあるんだ」

 

「納得できる理由なんでしょうね」

 

「主な理由としてはお前の保護だ」

 

「必要ありません」

 

「………。私個人の頼みだ」

 

「それなら仕方ないですね。あなたには大きな恩がありますから」

 

 

それこそ一生をかけても返せないような。

 

 

「助かる。何かあったらいつでも言ってくれ」

 

 

しかし、どうしてこの人がここまで俺をこの学園に入れたがるのかわからない。

国の上層部の連中に言われたのだろうか…。俺のことは千冬さんだってよく知っているハズだ。

なんにせよ、また振り回されるのか。大人の事情ってヤツに…。

 

 

「話はそれだけですか? ならもう戻りますけど」

 

「本当にお前は…。まぁいい、話したかったのはそれだけだ」

 

「そうですか、失礼します」

 

 

そうして踵を返し、教室へ向かう。

が、途中で一度足を止め、千冬さんに背を向けたまま

 

 

「けど、会えて嬉しかったですよ。千冬さん」

 

 

そう言った。

顔を合わせてじゃ絶対に言えないなこれは。

 

 

 

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「まぁ!なんですのその態度は! イギリス代表候補生であるこのセシリア・オルコットへむかって!」

 

 

どうやらお取り込み中のようだ。

面倒事に巻き込まれる前に出直すとしよう。

 

 

「き、桐谷! 俺は桐谷の方が良いと思うぞ!」

 

糞ッ! 逃げ遅れた!

一夏め、千冬さんの弟でなければ今すぐにでも灰にしてやったものを…!

 

というより、一体何の話でこんなに盛り上がっているんだ。

代表候補生がどうとか聞こえたが。

 

 

「何の話を?」

 

 

たまたま近くにいた、のほほんとした雰囲気の女子に聞いた。

 

 

「今ね~ クラスの代表を決めてるんだ~」

 

「代表?」

 

「そうですわ! クラス代表は見世物じゃありませんの。それ相応の実力がなければいけないのですわ!」

 

 

なんなんだこの縦ロールは。キーキーと喧しい女だ。

 

にしても、代表ねぇ…。

ここの学校はどうなのかは知らないが、クラスの代表なんて押しつけ合いが大半だろう。

やはりここはやる気のある生徒にやってもらうべきだと思うんだよ。

 

 

「俺はやる気のあるそこの…えーと、彼女にやってもらうべきだと思うけど」

 

「セシリアですわ! セシリア・オルコット! これだから島国のお猿さんは…」

 

 

・・・キレた。

キレてしまった。ここまでキレたのは久しぶりだ。

 

 

「っざっけんな! 猿はどっちだ! このメシマズ国の差し金め!」

 

「ぎゃっ!」

 

「桐谷がセシリアを蹴りにかかった! ほ、箒!…いない」

 

「ええい! 何をやってる!」

 

「千冬姉!」

 

「離せ! 言っていいことと悪いことがある!」

 

「やって良いことと悪いこともある! いいから落ち着……けっ!」

 

 

千冬さんの延髄切りが見事に決まり、俺の意識はそこで消えた。

 




キリがいいのでこの辺で。
更新速度はテキトーですが、最悪週1でいこうと思います。
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