ゲッターロボ―A EoD―   作:はならむ

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第三十九話「アラスカでの決戦、後編」①

一方、ベルクラスは西、東側に部隊の各支援を行うために中央部に滞空して近くのメカザウルスへ攻撃を行っていたが護衛の味方機すらいない一隻だけの状況下でドラグーン・タートルの射程内にいたために艦砲射撃の格好の的になっていた。

 

「バカめ、護衛すらいない浮遊艦などただのデカい的にしかならん。撃沈させろ!」

 

ドラグーン・タートルからマグマ弾、大量のミサイルが発射されて全弾がベルクラスへ向かっていく。

 

「タートルより無数のマグマ弾、ミサイルが飛来!」

 

「各砲門を開き、迎撃しろ」

 

右の主翼上、下部の装甲が縦に開くと中から追加装備された迎撃用対空ミサイル計五十発が一斉に発射されてこちらへ向かってくる各弾に直撃させて撃ち落とす。

 

「旋回して動き回れ」

 

右にゆっくりと向けて前進するベルクラスだがジャテーゴは逃がすハズがなかった。

 

「逃がすものか、追撃しろ」

 

再びタートルから無数の弾頭が一斉にベルクラスへ追尾していく。

 

「こちらへさらに来ます!」

 

「左側の迎撃ミサイルを使え!」

 

今度は左主翼部のミサイル全てを発射して同じく迎撃させるが何発かは外れて、当たらなかった弾頭はベルクラスに到達してシールドに当たり、かき消された。

「ミサイル残量は?」

 

「まだありますが自動装填に時間がかかります」

 

「構わん、しかし出来るだけ早く行ってくれ」

 

「せっかく大金はたいて大量装備した迎撃ミサイルを贅沢に使いやがって、少しは節約しろよ」

 

 

「こんな時に節約する余裕がないですから」

 

「また次弾、来るがどうするんだ?」

 

タートルから休みなく艦載砲の嵐が再びベルクラスに襲いかかる。シールドによって何とか耐え忍んでいるもやはりシールドのエネルギー残量が心配になってくる。

 

「シールドのエネルギーがレッドゾーンになってます、もう持ちません!」

 

「さて、どうするんじゃこれからは?」

 

こんな危ない状況にも関わらず、全く余裕そうな態度のニールセン。

 

「博士、あなたもただ傍観してないでどうすればいいか協力してくれませんか?」

 

「ワシはエンジニアじゃ。戦術家でもなければ指揮官でも艦長でもない」

「……………」

 

万事休すの彼らだが、一方でドラグーン・タートルも先ほどの弾頭の使いすぎのツケが回ってきたいた。

 

「今攻撃すれば次弾の再装填にはかなり時間がかかりますがどうしますか?」

 

「もはや迎撃するような力は残ってなさそうだ。この機を逃すハズはない、次で落とせ」

 

タートルの艦砲の射角がベルクラスに向けられ、とどめの攻撃を浴びせんとしていた。

 

「全弾発射だ!」

ジャテーゴの命令後、タートルから全弾掃射されてベルクラスへ怒涛の勢いで向かっていく。

 

「再びタートルから無数の弾頭がこちらへ飛来します、間違いなく持ちこたえられません!」

「ふん。ついにワシらの最期か」

 

「く…………っ!」

 

この攻撃で間違いなくシールドが破られて、直撃を受ければ撃沈してしまう。

流石の早乙女も苦虫を噛み潰した顔をした――だがその時、ベルクラスの後方から無数のミサイルが空を舞うような軌道を描きながら飛び向かっていきタートルからの弾頭へ当たり、撃ち落としていく。

プラズマビームや弾がスコールのように降り注ぎ、残りの弾を消し飛ばしていく。

その光景にベルクラスとタートル側の陣営は唖然となった。

 

「な、何が起こった!」

 

「ジャテーゴ様、敵浮遊艦の後方から謎の敵影の反応が――!」

 

そして早乙女達もその謎の反応を持つ機体のパイロットから通信を受信していた。

 

「君はまさかっ」

 

“ヘイ、ジャストミートゥでやっと到着した、今からミー達も参戦するネ”

 

と、どこかで聞いたことのある、おかしな日本語で喋る男性であった――。

 

「各機、次々に着陸して陽動隊を援護しろ!」

 

そして東側では空爆してメカザウルスを吹き飛ばし、降りられるスペースが出来次第、マウラーは人型に変形して地面に着陸を試みるが、それぞれ着地した瞬間、まるで地雷を踏んだかのように地面ごと大爆発して吹き飛ばされていく。何も知らない陽動隊以外の各人は困惑した。

「地雷があるのか!」

 

「いやそれはおかしい、それなら地上で各機があんなに動き回れんはずだが」

 

地雷があるかどうか分からないがこれでは着地するのを躊躇してしまい結局降下できず空中に留まったままだ。

 

「通信できないと何がどうなってるか分からん、一刻も早くジャミング装置を探しだすんだ!」

 

妨害電波の届かない高度へ上昇した各マウラーはさらに爆弾を落としていく。

 

「一体どこにいるのよ!」

 

ジャンヌ・ダルクに吊り下げられて空中移動するアズレイはエリダヌスX―01を持ち構えているが、流石に透視は出来てもジャミング装置を探し出すような機能を持たないのでただ銃身を振り回し、二機がギシギシ揺れる。

「ちょ、そんな乱暴じゃウインチが切れて落ちるよアンタ、少し落ち着いてっ!」

 

「くう、こんな時にエミリアと通信出来ればっ!」

 

今の愛美から苛立ちの隠せず落ち着かない様子である。

 

「お前達の位置、行動は全て手に取るように分かるぜ、フフっ」

 

後方の谷間で隠密している電子戦に特化したメカザウルス、メルフォリ。

コックピットには、他のメカザウルスとは違い、操縦桿以外は沢山のシンジケーターとモニター、タッチパネル式のキーボードで埋め尽くされた、まるでメインコンピューターのような内装であり、それをまるでピアノ演奏するかのように巧みに操るパイロットのシルジェ。

それに連動して、メルフォリから離れた場所で飛び回る四つの金属球体『ソンマ・ガオルウ』が沢山の情報を取り入れ、それらが全てメルフォリのコンピューターに次々に送信される。

それらを彼の卓越した情報解析、空間認識、そして演算能力が遺憾なく発揮され、素早く頭の中で整理し前線のメカザウルス、恐竜兵士とキャプテン、そして地中に待機する魚雷発射機、モグロゥへ膨大且つ分かりやすい情報を送っていた。

そのおかげか前線のメカザウルス達は非常に効率の良い行動が行えており、エミリア達はいつもより戦いにくいと思っていることだろうし、マウラーが着陸した瞬間で地中魚雷が着弾するように全て計算されていたのだ。

「果たしてお前達は王手を取ることはできるかな?」

 

シルジェはまるで『敵を自分の手の平に転がすような、まるで神』にでもなったかのような傲慢な態度である。

 

地上に着陸できずに空爆を続ける空中の部隊。だがそのおかげでエミリア達が自由に動き回れるスペースも増えてきておりその機動力が生かせてきている。

だが、地中魚雷による攻撃に激しさが増し、次々に地上にいる機体が吹き飛ばされ結局一長一短な状況だ。

 

「シールドのエネルギーが切れかかってもう持たないっ!」

 

「未だに通信不能で魚雷のせいで味方機も着陸できない、このままじゃ私達は全滅するぞ!」

エミリアとリーゲンは神経をすり減らして何とか生き残っているも、状況の苛烈さにいつ魚雷か、はたまた大量のメカザウルスに押しつぶされて餌食になるかは時間の問題だった。

沢山の味方が駆けつけ、もうそこにいるのに物凄く遠くにいるように感じていた――だが、ついにシヴァアレスのいる位置に魚雷が着弾して大爆発、機体が吹き飛ばされて宙を舞う。

 

「大尉!」

 

後方約四十メートル離れた地面に裏返しのまま叩きつけられてしまい、雪に埋まるルイナスはすぐに引き返して助けようとする。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「く、来るなエミリア君、君まで魚雷の餌食になるぞ!」

 

彼の言うとおり、すでにモグロゥはシルジェから送られてきた指示で彼らをロックオンしていた。

 

「やっと捕まえたぞ。消し飛べ、我らが天敵ゲッター線を使用する機体――」

 

その時だった、長方形の箱のようなモグロゥの胴体にとてつもない大穴の開き、地中で大爆発した。さらに次々と至る所に配置されたモグロゥの胴体に大穴が開き、大爆発。その影響で地上が地響きを鳴らして揺れた。

 

「な、何があった!?」

 

地中であるにも関わらず、モグロゥが撃破されていく様に、想定外だと仰天するシルジェはすぐさまソンマ・ガオルウからの情報を受信する。

それによると空中にいるもう一つのゲッター線を使用する機体が対物ライフルのような兵器で地中へ直接攻撃しているとの情報だった。

「やっと原因を見つけたわよっ!」

 

愛美はエリダヌスX―01のファーサイトシステムを最大限に活用して地中深くを透視しモグロゥを発見。すぐさま狙撃して撃ち抜いていたのだ。

 

「なんてヤツだ、まさか地面を無視して攻撃できるとはっ!」

 

シルジェもすぐさまメカザウルス達に空中で狙撃するアズレイを撃ち落とすように指示し、すぐさま各武装を上空に向けて対空砲火を浴びせようとかかる。

だがその時、空中部隊の遙か後方から無数のミサイル、そしてプラズマ弾のありとあらゆる弾丸が地上へ降り注ぎ、地上のメカザウルスが爆発に飲み込まれていった。

 

「なんだあれは!」

 

「あれはまさかっ!」

 

敵、味方が注目する、その方向にいたのは……。

 

「ミー達もパーティーに途中参加させてもらうネ!」

 

ポンチョを着込んだカウボーイのような姿をした異質のフォルムを持つ機体、そしてその後ろにドッキングした巨大な武器弾薬庫の役目を持つサポートマシン。

キングの息子、娘であるジャック、メリーのそれぞれ乗るテキサスマック、そしてケツアルコアトルの満を期しての登場である。

 

「おおっ、君達は確かキング博士の!」

 

「途中ながら私達もこれから参戦します、地上のメカザウルスは任せてください!」

 

ケツアルコアトルとドッキングしたテキサスマックはすぐさま迷いなく前線に飛び出していく。

「兄さん、今回は予備弾薬をちゃんと積んであるから派手に撃っていいわよ!」

 

「グッジョブだメリー!」

 

機体の角度を斜め下に向けて、テキサスマックとケツアルコアトルの全武装、火線砲門を一斉に開門した。

 

「フルバーストするぞメリー!」

 

「了解。各機は直ちに退避してください」

 

「了解、だがジャミングされていて地上の味方には通信できない」

 

「オーケイ、俺達がフォローする!」

 

空中にいる機体はすぐさま彼らから遠ざかっていく。そしてエミリア達が巻き添えを受けない距離まで前に飛び出す。

 

「ターゲットインサイト。目標、地上のメカザウルス軍団っ!」

メリーの操作で照準を地上全てを囲んだ時、ジャックは勢いに身を任せてレバー横の赤いボタンを押した。

 

「ファイアッ!!」

次の瞬間、彼らから発せられた全砲撃、全てを破壊する七色の光に地上全てのメカザウルスが包まれて飲み込まれていく。

核爆発のような想像を絶する凄まじい衝撃波が起こり、四方八方に広がり全てを吹き飛ばしていった――光が治まった後、砲撃を地上の広範囲にはとてつもない大穴が開いており、そして何千ものメカザウルスが一撃の元に消し飛んでおり、無事のメカザウルスも先ほどまでと比べたらもはや数える程しかいないほどである。

 

「ワオ……なんて威力なの……」

 

「うむ……っ、アメリカ人のやることは派手すぎてついていけんな……」

 

何とか巻き添えを受けずに助かったエミリア達はその異様と化した光景に唖然となっていた。

 

「どこかにジャミング装置があるはずなんだが見当たらないんだ」

 

「ならそれも俺達に任せてくれ」

 

と、自信満々な彼だがその方法とは。

 

「さて、第二射行きますか。メリー、行くぞ!」

 

「え、またメカザウルスに?もう敵数が少ないのにもったいないわよ」

 

「ノオノオ、ジャミング装置を破壊するために前方全てを消し飛ばすんだ、いいな」

 

「なーるほどね♪」

すぐに理解して再装填する今度は機体の方向と角度を水平にして全砲門を再展開した。

 

「おい、アイツらまさかっ!」

 

「ウソだろ……っ」

 

「直ちに全機、そこから退避せよ」

 

敵味方それぞれ、彼らが再び全弾を放つことに驚き一斉に退避を始める。

 

「行くぞメリー!」

 

「オーケイ。ミサイルパーティー、レッツゴゥ!!」

 

やりたい放題の二人からの二度目の一斉砲火。

前方全てに火線が隙間なく埋め尽くされ、崖や岩などの障害物、逃げ遅れたメカザウルス、そして飛び交っていた四機のジャミング装置、ソンマ・ガオルウも巻き込んで消し飛ばした。

 

「バカな……っ」

 

突然現れた謎の機体によって、一瞬で形成が傾いたことに対する想定外なことに流石のシルジェも口を開けたまま茫然自失している。

 

一方でジャミング装置がなくなったために地上の部隊と通信が出来るようになり、それぞれ情報を交換しあう。

 

「愛美君のおかげで魚雷発射機が破壊できた。これより地上へ降下するぞ!」

 

マウラー、ジャンヌ・ダルク、そしてアズレイは地上に降りていきやっとのことで陽動隊と合流することが出来た。

 

「ミズキやっと来てくれて助かったよお!」

 

二人も再開して無事を喜び合う。

 

「よく頑張ったわねエミリア!」

 

「ホント、もう死ぬかと思ったよお……」

 

涙目の彼女を慰めるようにルイナスの頭を優しく撫でるアズレイだった。

 

「ゲッターチーム、こんにちは!」

 

二人の元にメリーから通信が入り、彼女達は大いに喜んだ。

 

「ジャックさんにメリーさん、助けてくれてありがとうございますっ!」

 

「味方なんだから気にしないで。これからはあたし達が今までの分、反撃する番よ!」

 

「はいっ!」

 

「エミリアを泣かせたこの罪を償わせてもらうわよ、覚悟しなさいメカザウルス!」

 

戦力差が逆転し、残り少なくなったメカザウルスを片付けていき制圧する勢いの東側の部隊。

そして西側の状況も思わしくなく流石に思ってもなかったことにドラグーン・タートル側の陣営は、ここまでやられると思ってもみずにもはや唖然となっていた。

 

「私達に勝利の女神は微笑み出した。このまま一気に押し上げるぞ!」

 

「おおーーっ!!」

 

このまま行けば本当に勝てるかもしれない、その少しだけの思いを希望に変えて彼らはさらに士気を上げて勢いを上げて押し上げていった――。

 

「西側、東側とも好調に押し上げてます!」

 

「では我々テキサス艦はこれより浮上し、アラスカへ発進する。各員配置につけ!」

 

……時は来た。ついにテキサス艦が発進態勢に入り、巨大ゲートがゆっくり開き、満天の夜空を仰ぐと轟音を上げて全長四キロメートルの巨大な戦艦がゆっくりと上空へ浮上していく。

「各員、我々は人類の未来を賭けた戦いの中に飛び込もうとしている。

艦内、そして向こうアラスカの地にすでに赴き今も死線をくぐっている皆について人類の勝利のために沢山貢献してくれたことに私は感謝している。

そして、それら全てを集約されるがこの時であり、私は必ず皆が報われることを信じているし、そのために最後まで戦う。諸君の健闘を祈る!」

 

どんどん飛翔していくテキサス艦は約三千メートル付近に到達した時、後方部に搭載したいくつもの特大ジェットノズルを噴出して、アラスカ方向へ前進を始めた。

 

「今から私達もアラスカへ向かう、全員無事で待っていてくれよ――」

 

 

もはや後戻りはできない、ならば敵拠点タートル撃破に一点集中するのみ――リンク含め各クルーは全てをこの時にかけて気を張り詰めた。

 

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