ゲッターロボ―A EoD―   作:はならむ

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最終話「アダムとイヴ」③

この地球のありとあらゆるもの全てが白色光の中に呑み込まれて消えていった。人、動物、自然、建造物、世界各地で長い時をかけて築き上げてきた文明全てが地球の創造主たるゼオ・ランディーグの右手の一振りによって全てが消されていく、何もかも……まるでソドムとゴモラを滅ぼしたような天の光のように。

竜斗達はその光の前に茫然自失しており、そして地上では何が起こっているか分からない。

 

「ああ…………」

 

「な、何が起こったの……」

 

「え、えっ……?」

しばらくして地上の光が収まった後、地上を見ると何もかもがなくなっておりただの荒野と化してしたのだ。

 

『これで地球上のありとあらゆるものはリセットされた――』

 

「な、なんだって……?」

 

そうテレパシーを通じて伝え、三人は理解できるはずなどなかった。

 

『今、この地球上にいるのは貴様らと我々となってしまったワケだ、残念だったな』

 

彼らはすぐにテキサス基地に、何度も連絡を取ろうとするもノイズばかりで全く応答せず……。

 

「うそだ……そんなの嘘だァァァ!!」

なりふり構まず三人は酷く狼狽しながら通信をかけるも全く応答せず……。

竜斗達は慌ててすぐさま地上に降下していくも、段々とその地上が見えてくるがその光景から感じるのはもはや絶望でしかなかった。

 

「ない……何もない、基地も、建物も、街も、人も、動物も……何もない、ない!!」

 

テキサス基地の真上にいたのは三人も理解していた。しかし地上にはただの焦土しかなく全てが消し去っていた。

それでも信じられない三人は、すぐにそこから離れてエクセレクター1に変形、世界各地を飛び回り、無事な場所があるかどうか探し回るがどこもかしこも全ての大陸は焦土と化しており、完全なる退廃的な空気で誰も生きているような感じがしなかった。

 

「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ嘘だうそだうそだうそだああああああ!!!」

 

竜斗は『嘘だ』という言葉をひたすら喚きたらし、エミリアと愛美からはもはややる気などなくなっており、凍りついたように固まっていた。だがそこにゼオ・ランディーグが姿を現し竜斗達の前に立ちふさがる。

『まだ信じられないか?我々は仮にも惑星を創造できるように造られたんだぞ、なら惑星の全てをリセットすることも可能なわけだ』

 

話が本当なら間違いなく、事実上世界は滅んだことになる。だがそんな惨いことをやっておきながら平然とそう言ってのけるゼオ・ランディーグに理解できなかった。

 

「……な、なぜ……なぜだあ!!?」

 

『創造主だからだ。これまで地球上に存在した全ての命は我々が造り上げたものだ、なら生かすも殺すも我々が決めること』

 

……静寂しきったこの地球上の空で竜斗、エミリア、愛美はどうしようもできず途方に暮れる。今までなんの為に戦ってきたのか……爬虫人類と共存し、そして平和な世界で生きていくことを願い、そのために信じて戦ってきたのに待っていたのは完全なる地球の終焉、最悪の結末であった。

『心配するな、我々がまたこの地球に新たな生命を生み出してやる。もうあのような失敗作やお前達のようなイレギュラーな生物を生まんためにな』

 

失敗作、イレギュラー……まるで自分達を物扱いのように軽く扱うその言葉は彼らの逆鱗に触れた。

 

「うあああああああっっっ!!!」

 

激昂した竜斗はトマホークを取り出して、この傲慢の極致の存在へ振りかざしながら突撃した。

 

「許さない、今俺がお前をぶっ倒してやる!!!」

 

暴走して突撃してくるエクセレクター1にゼオ・ランディーグは避ける、防ごうどこれか、全く動こうとしなかった――果たして、その結果は。

 

 

 

 

「がっ…はあ………っ」

 

急接近したエクセレクター1へ背中の残った残りの触手が瞬時に前へ突き刺し……エミリアのコックピット付近を貫いたのだ。

 

「エ、エミリアァァ!!」

 

彼女の痛みのこもった声を聞いた二人はすぐさまモニターを覗いた。

 

「大丈夫かエミリア!!?」

 

「アンタ大丈夫!!?」

 

二人の問いかけに彼女はヘルメットをつけた顔をゆっくりと上げて小刻みに頷いた。

 

「う、うん。あ、アタシ、大丈夫だからっ」

 

「本当か?」

 

「う、うん……っ」

 

だが、彼女の下腹部横が酷く抉られており、おびただしい血が流れ出ていた――そして世界を滅亡させた右手をエクセレクターの方へ向けるゼオ・ランディーグはまさに勝者の如く振る舞うのであった。

 

『次はお前達の番だ、このまま大人しく諦めれば、痛みや苦しみを感じさせずに消してやる。

我々もまたお前達の痛手を被ったが今のお前達を如きを消し去ることは容易い、その後でまた新たな地球そのものを創造開始する。

フフ、我々はついに長い時を経てゲッター線に勝てるのだ、あれほど悲劇と苦痛に苛まれてきた我々が強大な力を持つゲッターを相手についに!!』

 

勝利を確信して高笑いするゼオ・ランディーグ。だが――。

 

「ふ、ふざけるなあ……お前達なんかにこの地球を……俺達の好き勝手にさせるもんかああ!!」

 

「はああああああっ!!」

 

「うああああああ!!!」

突如、スイッチが入ったのように雄叫びを上げる竜斗達、それに呼応してエクセレクター1の出力がリミッターを解除していないにも関わらず突然と最大、いやそれ以上に振り切れた。

 

『なに……っ』

 

その天使の翼を高らかに広げて、過剰となったエネルギーが噴き出して白光に包まれた。

 

『な、何だと……これもゲッターの成せることなのか……』

 

まるで、解いてはいけない封印を解いてしまったかのような、突然と再び力が漲っているエクセレクター1。

 

「二人とも、全力でいくよ!」

 

「うん、いいよ」

 

「ええっ!」

 

もう守るべきものがないはずなのに、絶望しきっていたのに、再び発起する三人――それは彼らが捨ててはならない最後の最後の意地のようなものであった。

「オープン・ゲット!」

 

ゲットマシンに分離して、三機は散開しながら空を高速に飛び交いゼオ・ランディーグを翻弄する。

 

「先にマナから行くわ!」

 

アーバンダー、バミーロ、メリオスの順で並んだ、そして。

 

《チェンジっ!エクセレクタースリィッ!!!》

 

合体してエクセレクター3になった途端にエリダヌスX―02、メガ・ドーヴァー砲、そして車体部に搭載した二十発の核ミサイルが飛び出して、ゼオ・ランディーグに照準を合わせた。

 

「行くわよ、全弾一斉発射!!」

 

エクセレクター3の内蔵火器、ミサイルによる史上最大の花火が打ち上げられた。メガ・ドーヴァー砲の弾頭、エリダヌスX―02からの複合エネルギー弾、そして『戦略核』級のミサイル二十発をゼオ・ランディーグに撃ち込まれて、この一帯は全てに火に染まり宇宙空間からでも簡単に確認できるほどの広がりを見せた。

『ぐお!?』

 

全てを焼き尽くし破壊するほどの火力をマトモに受けて呑み込まれていくゼオ・ランディーグ。だがこれで終わりではなかった。

 

「オープン・ゲット!!」

 

すぐさま分離して、核の光から離れていくゲットマシンは遥か空に上昇していく。

 

「次はアタシの番よ!」

 

ゲットマシンはすぐさまメリオス、アーバンダー、バミーロの順に並んだ。

 

《チェインジ!エクセレクタートゥッ!》

 

エクセレクター2に変形し、エミリアはすぐさま今形態のみが使用できる強化システム『MFS(ミラージュ・フォーミュラ・システム』発動のパスワードを打ちこんだ。

 

「ドリル・ビームシーカー、行くよ!!」

 

過剰な出力によるエネルギーが噴き出して、同じく真っ白に発光した全シーカーが飛び出し、ゼオ・ランディーグへ飛び交っていき神速でビーム、ドリルによるハリネズミの針のような四方八方、隙間のない飽和攻撃を繰り出した。

 

『ぐああっ!!』

 

絶え間ない攻撃でついに悲鳴を上げたゼオ・ランディーグにエクセレクター2が左手から巨大な複合エネルギーの剣刃を発振、全速力で突っ込んできた。

 

「はああああっ!!」

 

白光の刃は見事、ゼオ・ランディーグの身体を貫く。

だがそれでは終わらず、エクセレクター2はそのまま勢いに乗って、ゼオ・ランディーグを貫いたまま遥か上空へ飛翔していく。

 

「オープン・ゲットゥ!」

 

再び分離したゲットマシンはさらに上空へ上がっていく――。

 

「竜斗、トリはアンタに任せたわよ!」

 

「うん!」

 

そしてバミーロ、メリオス、アーバンダーの順に縦に並び、次々と合体していく。

 

《チェェェンジ!エクセレクタァァァッ、ワン!!》

 

竜斗の気合いの入った雄叫びと共に合体成功したエクセレクター1は間を置かずリバエスターランチャーを展開し右手ぐっと握りしめると、なんとゼオ・ランディーグへそのまま全力投射した後、瞬間移動でどこかへ移動した。

 

『なにいっ!』

 

多大なダメージを被り、怯んでいたゼオ・ランディーグに投げ槍のように勢いよく飛んできたリバエスターランチャーの砲口が身体に突き刺さり、さらにランチャー内に溜まったエネルギーがビームとなって放射、ゼオ・ランディーグを後方へ押しとばしていくが、その後ろにエクセレクター1が腹を抱え込み、エクセレクタービームの発射態勢に入っていた。

 

「これが俺達の力だ!!」

 

腹を突き出すと、レンズを通して炉心直結から出力最大と化した光線が発射された。空間を歪むような過剰のエネルギーの塊が見事ゼオ・ランディーグを捉えたが向こうも右手を突き出してビームの直撃を防ぎに入った。

 

『ぐ、ぐお……!!』

「はあああっ!!』

 

竜斗とゼオ・ランディーグ、倒そうとする力、食い止めようとする力が対峙する。

 

「更に出力を上げてくれみんな!」

 

「も、もう……上がらない……っ」

 

「あと一息なのに!」

 

あともうすぐで撃破できると確信した三人は何とか出力を上げたい。だがエミリアは抉られた腹からの出血多量でもはや目が虚ろになっており、意識が消えかかるもそれでも最後まで気を抜かなかった。

 

(リュウト……マナミ……アタシもうダメみたい……けど最後まで頑張るからね――)

 

そしてリミッターなしによる炉心の出力が最大状態が機体に無理を言わせており、ガタガタと揺れはじめて内部には小規模の爆発が起こり始めている。

 

 

「頼むエクセレクター、力を出してくれ!」

 

もう少しだから、最後のお願いだからと一心に頼み込む竜斗達。その時、

 

『力が欲しいか?』

 

「!?」

 

竜斗の元にとある声が響き渡る。

 

『力が欲しいのか?』

 

ゼオ・ランディーグとは違う別の何かの声が彼の脳内に囁かれる。

 

「だっ、誰だ?」

 

『私はお前達の一番身近にあり、そして遠い存在。太古の昔、この星に降り立ち霊長類、つまりお前達に期待を寄せて力を貸してやったというのに何というザマか』

 

「何だと……、だから一体誰なんだアンタは!」

 

頭ごなしに語りかけるこの謎の存在に苛立つ竜斗。

 

『お前達の言葉で言えばゲッター線、といえばいいのか?』

 

「げ、ゲッター線……だと……?」

 

突如、あのゲッター線からなどと、ふざけているのかどうかも解らない謎の主の声に困惑する。

 

『石川竜斗、お前は選ばれないながらによくやったよ。

あの時に警告をしたはずだったんだがな、「適応しないお前に……この力を扱う資格はない」とな』

 

「!?」

 

竜斗はその言葉にハッとなる。エリア51の夜間戦闘中に聞こえたあの謎の声からの言葉、その声質に聞き覚えのあった竜斗はに思い出していき、そしてついに確信した……。

 

『お前達には酷く失望した、一番適応すると言うことで期待を込めて、そして信用して高度な進化という輝かしい力を与えさせた結果が、結局破滅の道へ進んだことがな――私の力を弄んで複合エネルギーなどとふざけたことを……やはりこちらも失敗作だったというワケか』

 

「なんだと……?!」

 

ゼオ・ランディーグ同様に傲慢さを表すこのゲッター線に竜斗は嫌悪感を示した。

 

『だが、これまでのお前達の努力を評して私から再び力を与えよう――目の前にいる私の力に耐えられず逃げ出した負け犬を倒して、そしてお前達が、この地球において新たな始祖として繁栄するのだ』

 

そう上から目線で指示するゲッター線に竜斗は顔を真っ赤にして怒り狂う。

 

「ふ、ふざけるな!!考えてみれば、こんなことになったのは……元はと言えば全てお前のせいじゃないか!!

何が目的か知らないけど地上人類も爬虫人類も、そして他の星々の運命や命を、全てを弄んだお前を、俺達は絶対に認めない、許さないからな!!!」

 

拒絶する意志を示した竜斗にゲッター線は呆れたようにため息をつくようだった。

 

『――どうやら、私はお前達に力を与えたのが間違いだったようだ、とんだ時間の無駄だったな。

仕方ない、私の力に適応する新たな生命を見つけにいくとするか――』

 

それを境にもう声がしなくなり、現実に帰される竜斗。気づいた頃には目の前には爆発の煙が広がっており、ゼオ・ランディーグの姿がどこに見えない。

 

 

「竜斗、ついにアイツをやったよ!!」

 

どうやら自分達の力が勝り、ゼオ・ランディーグをビームが貫いて爆発したと、愛美が喜びを伝えるが彼は複雑な表情を浮かべている。

 

「う、うん……」

 

「どうしたの?」

 

「い、いやなんでもないよ……」

 

後味の悪い会話だった。果たしてあれは現実だったのかそれともただの自分の幻覚だったのか……。

「あれ、エミリア?」

 

そう言えば彼女だけは全く乗ってこない、気になった竜斗はモニターを見ると……。

 

「え、エミリア……?」

 

彼女はレバーを握り締めたまま首を落として俯いている……。

 

「エミリア……エミリア!!」

 

心配になった竜斗は慌てて彼女を呼びかけるが全く返事をせず、まるでただの人形のように力無く俯いている。

 

「アンタどうしたの!!」

 

愛美は慌ててモニターを切り替えて生体反応を見るが全くない。彼女は一気に顔が真っ青となった。

 

「エミリア……まさかアンタ……死んだの……っ」

 

と、口走ると竜斗は自身を忘れて、泣きじゃくりながら彼女の名を呼び続けるが、彼女はもはや彼の呼びに答えることはもうなかったのだ……。

 

「エミリア……なんで……なんで……お前まで……っ」

 

彼女の亡骸を見つめながら涙と鼻水で顔面がグシャグシャとなる竜斗。

 

「……マナ達が何か悪いことしたっての……いくらなんでも酷すぎじゃない……っ」

 

地球が滅び、さらには仲間であり家族であり、そして竜斗と相思相愛だったエミリアまでも失い、絶望の底にたたき落とされた二人はもはや顔をうずめて途方に暮れている……だがその時、彼らの目の前にもはや見る影目もないほどにボロボロと化したゼオ・ランディーグが化して現れたのだ。

 

『き、貴様らだけでも道連れにしてくれる!』

 

下半身と左腕がなく、完全に醜態な化け物と化したゼオ・ランディーグはもはや創造主とは言いがたい形容だが執念の塊と化して再びエクセレクター1に立ちはだかった。

 

「り、竜斗、アイツが、アイツが!」

 

彼女は慌てて彼を呼ぶがもはや彼は自失しており、動こうとする気配はおろか返事をする気配もない。だがこうしている間にゼオ・ランディーグが迫ってきており、なんとエクセレクター1の右足を右手で掴んだ。

 

「きゃあああっ!」

 

残りの触手までも絡みついてきて地上へ引きずり落とそうとするゼオ・ランディーグと共に落下を始めるエクセレクター。

 

「うわあっ、まだ生きてる!」

 

流石の竜斗も我に帰り、墜落していることに気づき、直ちにレバーを握り込み、振り払おうとするが機体の出力がほとんど入らなず最低になっている――。

 

「なんで動かないんだよお!」

 

 

「それがマナのアーバンダーのゲッター炉心が全停止してしまってるの、どうしてよ!」

 

ゲッター炉心……もしかして自分があのゲッター線のなんやらと会話した時、拒絶したからか……だが、今はそんなことを考えている時間はなく、この状況を脱するか考えるかだが、どうやら向こうの方が力が強く、レバーをガチャガチャ押し込んでも離れない。このままじゃ、ゼオ・ランディーグと共に地面に叩きつけられてしまう。すると愛美は突然何かを閃いて彼にこう言った。

 

「……竜斗、よく聞いて。今からエクセレクターをマナから合体解除するからアンタだけ逃げなさい!」

「何だって……愛美はどうするんだ!?」

 

「アーバンダーの炉心が全く動かないから内蔵の予備電源じゃもう逃げれないし墜落だけじゃこいつを倒せると思えない。

だからメリオスを自爆させてこいつにトドメを刺す、エミリアには悪いけどね――」

 

「は、はあ!?」

 

「ごめんね、どうやらマナも終わりの時が来たみたい……」

 

自分が犠牲になって倒すから逃げ延びてくれという発言に仰天する竜斗は当然、それを拒否する。

 

「そんなの嫌だ、だったら俺も一緒に!」

 

「竜斗まで一緒に来たらダメ!もしかしたらまだ地球上に生きてる人がいるかもしれない、だからアンタは生きて人を探すの!」

 

「そんな…………っ」

 

「もうそれをできるのはアンタだけしかいない、だからもし生きてる人が困ってたら助けてあげて!」

 

愛美は内蔵の予備電力が無くならない内に緊急合体解除、そしてメリオスの自爆装置を発動させた。

 

「竜斗、アンタは本当に強くなった。マナ達がいなくても絶対にやっていける。だから少しでもチャンスがある限り――竜斗にはこれからも生きててほしい、それがマナ達ゲッターチームの願いよ!」

 

次の瞬間、エクセレクターからバミーロだけが分離されてメリオス、アーバンダーは合体したままゼオ・ランディーグと共に地表へ落ちていった。

 

「マナミィィィィィっ!!」

 

数十秒後、落ちていった位置に爆発が起こり、ついに愛美のとゼオ・ランディーグの生体反応も消えてしまった――。

「なんで……俺だけ……なんで、俺だけ……なんで――生かされるんだ……っ」

 

……本当に残酷であった。自分達はこれまで何をしていたのだろうか、なぜこうにも自分だけ生き残らされるんだ……こうなるのなら、こんな結末なら自分はあの時死んでおけばよかったと、ある意味『呪い』とも言える自身の運命を凄く恨んだ――。

 

 

……あれからどれだけの時間が立ったのだろう。墜落現場付近に降りた竜斗はバミーロから外に出て、荒野と化した大地にただ一人倒れ込んでいた。

 

(もう疲れた……二度と俺に明日などこないでくれ)

 

全てを失い、心身共ズタズタにされた竜斗にはもはや生気がほとんどなく、今すぐにでも死にたいとばかり考えていた。

当たり前である、竜斗達の頑張りや犠牲が全てが無駄になったのだから――誰がこんな結末を望んだ、自分達はなんのために苦労をしてきたのか……その時、墜落現場付近から何か人間の形をしたモノが現れて竜斗へ走るように近づいてくる。次第に姿が見えるに連れて、それが誰なのかがよく分かった。

 

「リュウトさん……リュウトさぁん!!」

 

何と、ジャテーゴと共にゼオ・ランディーグに呑み込まれたゴーラであった。

どうして助かったのかは分からないが、ボロボロの囚人服姿の彼女はバミーロに近づいていくとその付近に竜斗が倒れ込んでいるのが分かり、すぐに駆け寄り抱き起こした。

 

「リュウトさん、リュウトさん!」

彼女は必死に揺さぶり、声をかけると彼も反応してついにその疲れきった瞳を開けた。疲れ切り、老けたような酷い顔に虚ろな瞳だが次第に視界がはっきりするとゴーラの姿が入り、彼もやっと彼女だと認識した。

 

「ゴーラちゃん……ゴーラちゃん!?」

 

「目覚めてくれたのですねリュウトさんっ!」

 

すると竜斗に生気が戻り、飛び上がるように起き上がると、彼女を強く抱きしめて嗚咽した。

 

「ゴーラちゃん……エミリアも、愛美も……みんな……みんな……死んでしまったよお……」

 

「リュウトさん……っ」

 

彼からゾッとするほどの哀しみ、痛みが伝わり十分理解した彼女も涙を流し、そして互いに分かち合ったのだった。

二人はもう誰もいなくなった広大な大地に立ち、地平線の彼方を分けもなくずっと見つめている。

この全て滅び去った地球上に唯一残された、種族の違う二人の男女が世界の終末に立ち会っている。それはまるで神が最初に想像したアダムとイヴのように――。

 

 

――僕は出会った。あのおとぎ話に登場する鬼のような姿をした、強大な力を持つ機械仕掛けの巨人『ゲッターロボ』に。

僕の日常が一変した。

あの時、死んだ方が楽になれたのかもしれない。ゲッターロボとの出会いは……まさに後の僕らにとって生き地獄になりうるモノだった――。

 

 

~Fin~

 

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