ダンジョンに出会いを求めるのはどう考えても間違ってるだろJK 作:Lepa
俺、
そんな、モブAのような俺が
「まじで何処だよここ……」
気づいたら見知らぬ場所に立っていたのである。
そう、俺は現在進行形で迷子になっているのだ。迷子とは言ったが俺はここに自分で移動してきたわけではない。本当に気づいたらここに居たのだ。しかも俺は家で《ダンジョンに出会いを求めるのは間違ってるだろうか》を読んでいた筈である。決して、こんな中世のヨーロッパ?のような建物が沢山ある場所には来ていない。正直、ここがどこでどう来たのかも分からずお手上げ状態だ。
とはいえ、行動しなければ現状を変えることは出来ない。俺はこれからどうするか考えることにする。
まず、普通に考えて迷子になった場合は交番に聞くのが一番良いだろう。警察は国民の味方である。だがそもそもの話、当然俺はここの地理を知らないのだから当然交番の位置も分からないし、ここが日本なのかも俺は知らない。その上、中世のヨーロッパみたいな建物ばかりのなか交番があるとも思えない。もし、有ったとしても気づいたらここにいたなんて話は信じてくれないだろう。このような理由により、交番は却下。
では、人に聞くのはどうだろうか。この方法は聞く相手によって、リスクが変わるだろう。例えば、怖いお兄さんに聞けば、当然、怖い想いをする。優しい人に聞ければ簡単にここがどこか分かるだろう。これだけ聞くと優しそうな人に聞けよ、となるだろうが、俺は人は見た目で判断出来るようなものではないと思う。人間には優しそうな怖い人だっているし、怖そうな優しい人もいる。しかも俺は人を見た目で判断するなと散々言われてるし、怖いのは嫌だから迂闊には動けない。このような理由から人に聞くというのも「あの……すいません」
ずっと立ち止まって考え事をしていたためか、人に話し掛けられてしまった。
「ん?なんすか?」
俺は若干目を逸らしつつ声を掛けてくれた人に答える。初対面の人を真正面から見れるほど俺のコミュ力は高くはない。
「いえ、なんか困ってたようなので……」
しかし、それにしてもなかなかの美人さんである。服装は白いブラウスと膝下まで丈のある若葉色のジャンパースカートに、その上から長めのサロンエプロンを着ていて、髪型はポニーテールの亜種みたいである。しかし、自分で言ってなんだが、ポニーテールの亜種とは何だろうか。ポニーテールに亜種があるなら希少種もあるかもしれない。なんなら侵食種までありそう。そしたら、狩場がうはうはである。何がとは言わないけど。
「あ、あの……」
「あ、すいません。少し考え事を……」
「はあ……そうですか」
ポニーテールの種類について考えてたなんて言えない。
そう言えば彼女は優しそうだし、彼女に話を聞くのも良いのでは無いだろうか。彼女なら俺の質問に嘘を交えず答えてくれそうだ。
「聞きたいことがあるのですがいいですか?」
「ええ、何でも言ってください」
「ありがとうございます、ここってどこか分かりますか?」
「ここは迷宮都市オラリオですよ。ここがどこか知らないなんて……田舎からいらっしゃったんですか?」
ふむふむ、迷宮都市オラリオというのか……何と言うか、なんとなく普通な感じの場所ではないとは思ったけど、もう気にしない方が良さそうだ。
それにしても……オラリオってどっかで聞いたことあるんだけどな……なんだっけな……。
「ええ、まあそんなところです。俺、あんまりここについて知らないんですけど……」
「あ、それならギルドに行ってみたらどうでしょう?」
ギルド?……あ、
「ああ!」
「ど、どうかしたんですか?」
迷宮都市オラリオとかギルドとかって完全にダンまちじゃん!なんでもっと早く気づかなかったんだよ!そうか……なんか妙に高い塔とかもあるな……と思ってたらアレは《バベル》だったのか……。
しかし、二次元の世界にこれたのは嬉しいし、何個か疑問が解消したがそれはそれで良く分からない事が何個かあるんだよな……。多分これは、二次創作とかである神様転生的なあれと言っていいだろうが、それのきっかけとなる行為に俺は全くと言っていい程心当たりが無い。普通、神様転生とかだと車に轢かれて死んだ後、神様に会って色々と話した後いざ転生って感じだろ。俺の場合、本当に家に帰ってダンまちを読んでいただけなんだけど。
小説読むだけで転生を体験出来るならとっくの昔に有名になってるはずだし、そもそもこれはどうやったら戻れるのだろう。全く元の世界に帰れないというのも困るし「もしも〜し?」……そう言えば今は会話をしてるんだった。考えるのは後にしよう。
「すいません……取り乱してしまいました」
「大丈夫ですか?」
「ええ、ありがとうございます。えっと……俺の名前は、マサヤ・タナカといいます。あの……貴方は?」
しかし、思ったんだが俺の名前をこっち風にすると恐ろしくかっこ悪いな。これもう偽名とか作った方がいいレベルだろ。
「シル・フローヴァです。マサヤさん」
彼女の名前を聞き、俺は背を向けてダンジョンに向かって歩いていく。ダンまちに来たなら普通に考えてダンジョンに行かなければならないだろう。情報をくれた彼女には感謝だな…………シル・フローヴァ?
♠️
まさか原作キャラといきなり会っていたとは……。しかもダンジョンに行くとか考えてたけど、良く考えたら俺って、ファミリアも入ってないし、武器も持ってないじゃん……。どうすんだこれ……。
「うおっ……」
「あ、すいません」
武器やファミリアについての解決方法を考えていたら人にぶつかってしまった。しかも、相手の方が走ったりでもしたのか大分速く動いていたみたいで尻餅までついてしまう始末である。
「あの、大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございまっ……!」
その誰かさんは、俺に手を差し伸べてくれた。この時点で大分いい人だと分かるが、そんな事はどうでもいい。その少年は、
「あ、あの……」
「貴方のファミリアに入れてくれ!」
「……は?」
_____彼のファミリアに入れてもらうことにした。
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