東方地心録   作:妖希

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地上の生活9

事の顛末を姉ちゃんに話したら、コッテリ絞られるかと思っていたら、姉ちゃんはとても冷静に明日のことについて話し始めた。俺が不思議そうに首を傾げて得ると、姉ちゃんは、

「今回はどう足掻いても避けられそうもない問題だもの、しょうが無いことだわ。」

と言ってくれた。本心は、天狗達の態度が気にくわないらしい。共存できるかもしれないとは、俺でも考えられたことだ。姉ちゃんなら真っ先に思いつくだろう。けれどその先は俺では知ることが出来ない、なので姉ちゃんの苛立ちの原因は今の俺には理解できなかったが、姉ちゃんは全力で向かい撃てと言ってくれたので、今後怒られる心配はないだろう。

 

 

 

 

時は流れ、決戦当日。

天魔と2匹の天狗が洞窟の前に来た。

「それじゃ、この前の戦闘でいい感じに開けた場所があるからそこでやるとしよう。」

そこに向かうまでに、俺達は簡単な自己紹介をすました。天魔以外の天狗は、犬走椛と、射命丸文というらしい、白狼天狗と烏天狗のようだ。術に長けた烏天狗と、近接物理の白狼天狗か。天魔の奴盤石な布陣をひいてきたな、しかし、それは常套手段の様なものだ。こちらもある程度対策はしてある。ようやく目的地についた。

「そんじゃあ、一回戦目を始めるか。」

「まってましたァ。」

「おて柔らかに頼むぞ、星熊勇義殿。」

そういうと天魔は将棋を取り出した。

「ハッ?喧嘩じゃないのか?」

「鬼と喧嘩なぞしたら、こちらも唯ではすまんのでな。長が寝込むなんて事はなるべく避けたい。」

此のオッサンやっぱり油断ならないな。確実に相手の弱点をついて来る。

 

一回戦目は天魔の勝利に終わった。

それはもう早かった。勇義は頭が悪い訳じゃないが、如何せん素直すぎた。戦闘であればその我は、勇義自身の強さにより貫き通すこともできるが、天魔の方が何枚も上手だ。不完全燃焼で帰ってきた勇義を慰める事が出来たので天魔に少し感謝しよう。勇義を慰めるのなんてこの先あまり無いだろうし、貴重な体験だ。

「じゃあ二回戦目を始めるか。

一回戦目はそっちが決めたんだから、二回戦目はこちらで決めさせてもらおう。」

「構わんよ。

コチラからは犬走椛が出る。」

その言葉を革切りに、犬走椛が剣を抜き自信満々に一歩前へ出た。

「こっちからは俺の妹を出そう。」

俺の背中から不思議そうに首を伸ばしてその姿を出した。

「?私?何すればいいの?」

不思議そうに首を傾げるこいしちゃんも可愛いな。

「こいしちゃんはあのワンちゃんと何をして遊びたい?」

しばらく悩んで満面の笑みで、

「かくれんぼがしたい!!」

「じゃあ二回戦目はかくれんぼね。」

俺がしたり顔であちらさんに目を向けると、天魔以外は驚きの表情、天魔は、笑っていた。あちらさんも予想していなかったようだ。

「犬走がこいしちゃんを見つける事ができたらそっちの勝ちでいい。今から百秒後から開始で。」

百秒数えてる間こいしちゃんは、一度森に隠れるふりをしたが、直ぐに俺の背中にしがみついてきた。犬走の方も数え終わったようで、森の中に消えていった。

「どうやらコチラの勝ちのようですね。」

得意げに、射命丸文が言い放ってくれた。

「椛は、千里先まで見通す程度の能力を持ってるんです、勝負は見えたも同然です。」

その言葉を聞いて俺の背中でクスクスと笑っているこいしちゃんがいる。こいしちゃんでなければ、簡単に見つかっていた事だろうと俺は安堵した。こいしちゃんは無意識にまで干渉して来る、いくら犬走がこいしちゃんを見ようが意識できないのだから見つけられない。暫くたってから犬走りが森の中から出てきて、降参を告げてきた。その言葉と共に、俺の背中からいつもどおりの満面の笑みで現れたこいしちゃんにこの場の全員が驚いていたので、俺も驚いた。どうやら、勇義は疎か、姉ちゃんにも見えていなかったようだ。どうやら、こいしちゃんはの能力はそこにいるだけで周りの無意識に干渉してしまうくらい強くなってしまったのだろう。

俺は今後共こいしちゃんのそばで良い兄をやっていく決心を新たに固めた。俺だけはこいしちゃんを常に見つけられるように。その想いを胸に、こいしちゃんを抱きしめ、全力で褒めた。




どうにか、10話まで書き続けることが出来ました。それも一重に皆様方が読んでくれたおかげです。有難うございます。
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