「あ、貴方はなんで次々にこんな問題を持ち帰ってくるの!」
そんな事言わないでくれよ姉ちゃん。俺だって好きで問題持ち込んでるんじゃないんだよ。
「言い訳しないの!」
「ごめんなさい。」
「よろしい。」
隣で爆笑しているこいしちゃんには後でなんか仕返しでもしよう。
「とりあえず、私とこいしもその場に行くわ。貴方との約束をしっかり守ってくれるのか確認しないといけないしね。」
起きてしまった物はしょうが無いと毒づきながらも俺のことを心配してくれている姉ちゃんはやっぱり優しい。
「大丈夫だよ姉ちゃん。俺だけじゃないさ、バクやテリーだって今回の事には力を貸してくれるって言ってるし。」
「そうっすよ。兄貴のことは任してください。」
「そうですよさとりさん。私達では力もとないかもしれませんが、こおりさんと私達二人の命は一蓮托生ですので、全力でサポートしていきます。」
姉ちゃんは考えても仕方ないわね。と思い奥に引っ込んでしまった。最近姉ちゃんはこの洞窟を奥へ奥へと掘り続けているようだけどよく疲れないな。思ったよりタフなんだろうか。
俺もゆっくりしてられないし、体調でも整えておきますか。
〜日暮れ〜
「ごめんよ。勇義家族に話したら見に来たいっていうもんでさ連れて来ちゃった。」
「構わないよ。寧ろ見物人が増えて燃えてきたね。」
「そういえば、勝った時のことを決めていなかったね。勇義、君は俺に勝ったらどうする?」
「あんたに勝ったらこの山は私が貰おうかね。
私は放浪の身だったんだが疲れてしまってね。この山は餌が豊富にあるし。」
「いいよ。その代わり俺が勝ったら
勇義、君を貰う」
俺の代わりに山を管理してもらうにはピッタリだろう。村の方でも俺が鬼である事を信じている奴もいる。調度いい身代わりだ。
「フフッ…あんた気に入ったよ。
まだ名前を聞いていなかったと思うんだが聞いてもいいかい?」
「俺は、古明地こおりだ。気まぐれな鬼神古明地こおり。」
「私は、星熊勇義。鬼の四天王力の勇義だ。」
お互いに構えに入った。流石鬼の四天王ってだけあって構えが様になっている。構えるだけでこの凛とした佇まい。鬼ってかっこいいな。どうやら考えてる暇は与えられないようだ。勇義は、力強く地面を蹴って殴りかかってきた。
その拳をどうにか避けて、追撃の拳も勇義の殴り抜いた腕を支えにして延髄に回し蹴りを入れた。コレで多少なりとも響いてくれれば良いんだけどな。
「ずいぶんと変わった動きをするねぇ。
けど、いつまでよけ続けることができるかな。」
勇義の言うとおりだった。俺はいつまでもこの攻撃を避け続けることは出来ない。しかし、勇義は気づけていない。又は気づいていても大したことはないと高をくくっているんだろう。良いねぇこういうの。自分の強さに胡座をかいて、慢心してるやつを叩き潰すのは。もうコチラの集中力も切れる辺りでようやく勇義は自分の体に糸が巻いてあることに気づいたようだ。
「残念だが、勇義。お前はもう動けはしない、その糸は俺の想いを紡いだ糸だそう簡単には切れはしない。」
「漢なら拳で語ってみせろよ。こおり!」
「女の君に言われたら俺もおしまいだな。」
俺の言葉に苛ついたのかしれないが、勇義の妖力が膨れ上がった。そう思っていると勇義は妖力を解放し、俺の糸を切ってしまった。
その糸の呪縛からは逃れられないだろうと高をくくっていた俺は勇義の接近を許してしまっていた。ヤバイ。
「目が3つも有るなら1つくらい良いよな。」
そう言われた時俺の左の視界が暗くなり暖かくなった。それと同時に、痛みが遅れてやってきた。
「ヴワァァァァァァ!!」