問題児たちと世界最強の神殺しが異世界から来るそうですよ? 作:銀@暇人
黒ウサギは、相変わらず大事そうに水樹の苗を抱き上げている
「そろそろ行きましょか。本当は皆さんを歓迎する為に素敵なお店を予約して色々とセッティングしていたのですけれども……不慮の事故続きで、今日はお流れとなってしまいました。また後日、きちんと歓迎を」
「いいわよ、無理しなくて。私達のコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょう?」
驚いた黒ウサギはすかさずジンを見る。彼は申し訳なさそうな顔を見て、自分達の事情を知られたのだと悟る。ウサ耳まで赤くした黒ウサギ恥ずかしそうに頭を下げた。
「も、申し訳ございません。皆さんを騙すのは気が引けたのですが……
黒ウサギ達も必死だったのです」
「もういいよ。それよりも私はただ毎日三食お風呂付きのが寝床があればいいから」
ジンの表情が固まった。この箱庭で水を得るには買うか、近くの川から水を汲むしかない。当然黒ウサギ達のコミュニティには、買うお金がない。
しかも近くに川がないので数km離れたところまで歩かなければならない
その苦労を察した春日部は慌てて取り消そうとしたが、黒ウサギが嬉々とした顔で水樹を持ち上げる。
「それなら大丈夫です!十六夜さんと優人さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから!これで水を買う必要もなくなりますし、水路を復活させることもできます♪」
一転して明るい表情に変わる。黒ウサギはわかりやすいなぁ。
「まぁ何はともあれ、こんな手荒い招待受けて風呂なしだったら本気でブチギレてたかもな…ハハ」
「あう……そ、それは黒ウサギの責任外の事ですよ…」
俺ら四人の責めるような視線に怖気づく黒ウサギ。ジンも隣で苦笑する。
ジンくーん君もだからなー。今度はジンに視線をおくる。
「あはは……それじゃあ今日はコミュニティに帰る?」
「あ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら“サウザンドアイズ,,に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹の事も。ありますし」
「サウザンドアイズ?コミュニティの名前か?」
「Yes。“サウザンドアイズ,,は特殊な“瞳,,のギフトを持つ者達の群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上層下層全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」
「ギフトの鑑定というのは?」
「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事デス。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう」
「まあ確かに気になるけど、今って夏じゃない?」
「真夏だわ」
「いやまだ初夏になったばかりだぞ」
「…?今は秋だったと思うけど」
ん?っと噛み合わない四人は見合わせて首を傾げる。
「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのデスヨ。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですよ」
「パラレルワールドってやつか?」
「確かに、パラレルワールドってんなら全て説明がつく」
「近しいですね。正しくは立体交差平行世界論というものなんですけども……今から説明を始めると一日二日では説明できないので、またの機会に」
とまぁ、こうして雑談しているそう間に着いた。正面に旗が見える。
あれが、サウザンドアイズか。
日が暮れて看板を下げる割烹着の女性店員に滑り込みでストップを
「まっ」
「待ったなしです御客様。うちは時間外営業はやっていません」
流石は超大手コミュニティ。隙がない。
「まったく商売っけのない店なのかしら」
「俺らを舐めてんのか?」
「文句があるなら他所へ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます」
「これだけで出禁!御客様舐めすぎでございますよ!?」
「なるほど、“箱庭の貴族,,であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティのが名前をよろしいですか?」
「う……」
「俺たちは“ノーネーム,,ってコミュニティなんだか」
十六夜がなんの躊躇いもなく名乗る。
「ほほう。ではどこの“ノーネーム,,様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
この店員ないのわかって聞いているな。ふむ旗印がないとこうなるのか。
ニヤリと笑いながら
「悪趣味だな」
女性店員に悪寒が全身に走る。
「な、なんなんですかあなた…!?」
少しビビってるな、これは使える。店に入れるように交渉しようとしたそのとき
「ぃぃぃぃぃやほおぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギぃぃぃぃ!」
場違いな銀髪和風ロリが黒ウサギに抱きつき、浅い水路まで吹き飛んだ。
「…おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
「じゃあ俺はオプション追加で水着ね」
「やりません!!」
真剣な表情の十六夜と優人に、真剣な表情でキッパリ断る女性店員。
なかなかのボディーアタックで黒ウサギを強襲した銀髪和風ロリは黒ウサギに頭を捕まえられて、こちらに投げ飛ばされてきた。
「てい」
「とりゃ」
息のあった連携でいきよいよく蹴飛ばされ、またまた水路へドボン。
「ゴバァ!お、おんしら、飛んできた初対面の美少女を足で蹴飛ばすとは何様だ!」
「十六夜様だぜ。以後よろしくな和風ロリ」
「お前にはチビがお似合いだよ。銀髪和風ロリ」
これから楽しくなりそうだ♪
誤字、脱字、待ってます!