燃え尽き症候群になりそう。
何をするでもなくただこの命を保つためだけに生活することはとてもつまらないことだ。せっかくこの世に生まれてきたんだ。少しくらい楽しんだっていいじゃないか。いくらこの世がつまらなくても、ただ生きるために生きるのはもったいない。何も立派に生きろといっているんじゃない。死ぬまで生きるなら、たとえ周りに冷たい視線を向けられようと、好きに勝手に楽しく生きたほうが得なんじゃないかといっているのだ。死を望まれる人間も望まれぬ人間も、いづれ死ぬときがくる。それならいっそ自分本位に生きたほうがよっぽどお得というものだ。
だから俺はこうして好きに生きている。学校に行くのはつまらないからさぼるし、周りからの視線をきにして上辺だけの友達を作るきもない。まあ、そのせいで他人とのかかわり方を知らないが、興味のない話で無理に笑顔をつくる生活とは無縁でいられる。もちろん働く気もない。金がなくなればホームレスになる。食い物はコンビニで廃棄された弁当があるし、飲み物は公園の水で十分だ。自販機の下をあされば百円くらい出てくるだろう。それでたまに炭酸飲料が飲めればいい。それでいいのさ。
そうして俺は、ここで一生寝て暮らせれば十分だ。
「あなた、ちゃんと体洗ってるの?生ごみが腐ったにおいがするわ」
そう、こいつさえいなければな・・。こいつさいなければ俺は毎日が楽しくてたまらないというのに・・。
この女はいつものごとく俺の席にふんぞりかえりケータイをいじっている。ここは俺の特等席なんだ。山の上から下でせかせかと働く大人や学校に向かう学生どもを見下ろしながら昼寝できるここは俺のための席なんだ。それをこの女、我が物顔で使いやがるから気に入らない。
「洗っとるわ!!お前こそこんな汚ねえとこに住み着いて不潔じゃねえのかよ」
「住んでなんかいないわ。夜には帰るもの」
お決まりの会話だ。何十回と繰り返した。
「今日はあなたにプレゼントがあるの」
「なんだよ」
「あなたの体から放たれる異臭に耐えかねた私があなたにこれを送るわ」
「臭くねえって言ってんだろ!!」
「ちゃんとプレゼント用に包装したから」
「無駄にガチガチにくるみやがって・・。で、なんだ?香水かなんかか?」
「まあ、そんなようなものよ。開けてみて」
「ったくよぉ」
こいつが俺に物を渡してくるとは珍しい。渡してくるとしたらそれこそ生ごみかと思ったが、どうやらそうではないらしい。しっかりと包装もしてあるし意外と律儀なやつなのかもしれない。
「まあ、ありがとうとは言っておく」
「どういたしまして」
「で、プレゼントはっと・・え~っと・・・これは・・」
「そう、トイレの消臭力」
「てめえさっきからやりたい放題だな!?」
「それを体にふれば少しはましなにおいになるんじゃないかしら」
「誰がそんなことするか!!!」
「冗談よ。まあ、あなたの家の肥溜めで活用して」
「俺は家畜か・・」
この女今日は絶好調で口が悪い。どうも女の扱いかたが分からない俺はこいつのペースに乗せられてしまう。
「しかし今日は機嫌がいいなお前」
「そう?分かる?髪を切ってきたのだけれど、とてもいい感じになったと思わない?」
「お、そういや髪切ったんだな。まあそこまでいい感じになったとは思わないが、前ほどうっとおしくないからいいと思うぜ」
「褒めてるの?」
「一応」
「まあ、あなたが私のことを好きになるのは勝手だけれど、その恋はきっと叶わないわ」
「腹が立つフリかたをするな。あと俺はお前のことは大嫌いだ」
「そう、私はあなたのこと好きよ。とても扱いやすいから」
だめだ。またこいつのペースだ。この上げて落とすやりかたもこいつのお得意の話術だ。
「今日はお前何時までここにいるつもりだよ」
「今日は22時までいるつもり」
「ちぇっ・・ってことは今日は一日いるのかよ」
「うれしい?」
「悲しい」
「私も今日一日生ごみといっしょにすごさなければならないのかと思うと涙が出るわ」
「てめえなぁ・・・」
「イヤなら、もう少し私の髪を褒めて」
こいつはいつも無表情だ。機嫌がいいときも悪いときも。そしてこんなこっぱずかしいことも平然と言ってのけるのだ。いつも自分の思っていることははっきり言い、嘘をつくことはない。相手に気をつかわず、自分に正直な生き方は嫌いじゃない。
「まあ、なんだ。お前、髪型似合ってると思うよ」
「そう?」
「それに・・前よりぐっと短くなったから俺は好きだ」
「そう。まあ、許してあげるわ。ゴミ」
「生が取れただけじゃねえか!」
「そうだ。前言ったとおりバリカンと脱毛剤を買ってきたわ。あなたが寝てる間に素敵な髪型にしてあげるから早く寝なさい」
「やめろ!!」
無価値会話族
第二話 終
ほんとにダラダラかいてるだけだけど、書いてるときはすっごく楽しい。
小説って言うかSSみたい。