外伝:あの子がフランドール・スカーレットになっていた件   作:冷水

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【番外】フランとアリス

あの子がアリス・マーガトロイドの所へ逃げ込んだら。

 

第6話:日光と吸血鬼より分岐+設定の改変

 

==アリス・マーガトロイド編==

 

「あら?」

 

アリス・マーガトロイドは起床すると自宅の中に一人の妖怪が倒れているのに気付いた。

 

全身に火傷したような跡があり、衣服は所々やぶけている金髪の少女。

 

 

 

アリスの家に森で迷った人間や妖怪が訪れることは、珍しいことではない。

 

その為に扉の鍵はしてないし、入ってきても特に追い返したりしない。

 

お茶や食事を振る舞ったりもする。

 

 

 

 

ただ、今回のように全身火傷し、ぼろぼろの姿で入ってくるというのも珍しい。

 

「これは・・・大変な怪我ね・・・」

 

金髪で奇妙な翼を持つ少女。

 

おそらく、怪我が無ければ人形のように可愛らしい少女だと思える。

 

それが顔にまで火傷の後が走り、傷でも残ったら大変じゃないと、アリスは少し焦る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ん・・・」

 

少女、フランドール・スカーレットは目を覚ます。

 

495年間閉じこもっていた紅魔館から逃げ出し、朝日の中を死にそうになりがら必死に走って来た。

 

夜が明ける前に妖精のチルノと会い、そのあたりまでは弾幕ごっこして遊ぶ余裕があったのだが、

 

朝になり日光に焼かれ灰になっていく痛みに耐えられず、

 

錯乱するように森の中を走っていた。

 

 

 

地下に495年居たせいで昼間の明るさに目が追い付かず、

 

目が全く見えないとう状況が混乱に拍車をかけていた。

 

 

 

 

 

 

「目が覚めたのね」

 

そう言って声をかけてくるのは、アリス・マーガトロイド。

 

「よかったわ、怪我はもう治っているみたいね」

 

 

 

----

 

様々な人形が置かれている部屋。

 

アリスはあまり表情が豊かでなく、部屋の様子とも相まって、人によっては少し不気味に感じて逃げ出す人もいる。

 

 

 

 

「私はフランドール、お姉ちゃんはだれ・・・?」

 

 

「私はアリス・マーガトロイド。人形使いの魔法使いよ」

 

 

気づくと右腕の指先には七色に輝く糸が絡まっていて、

 

その糸の先にはアリスを模して造られたと思われる人形が手を振っていた。

 

フランドールは、それを見て少し微笑んだ。

 

 

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カチャっと、フランドールの前に紅茶が差し出される。

 

お茶請けにはパンケーキに、はちみつをかけたお菓子。

 

 

「少し、お話しをしましょう?」

 

 

アリスがそう言って、優しい微笑みで見つめてくる。

 

フランドールは頷いた。

 

 

 

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「貴女は何で私の家で倒れていたの?」

 

真剣な表情になり、若干剣呑な雰囲気のアリス。

 

フランドールの怪我の様子を見て、このまま放り出すには少々看過できない心境のアリス。

 

 

 

「・・・」

 

自らの内で、考えをまとめているように黙り込むフランドール。

 

答えをただじっと待つアリス。

 

 

「私は・・・生まれてから495年間、ずっと地下にいたの」

 

フランは呟く。

 

「ずっと一人で、寂しくて、でも怖くて地上にはでられなかった」

 

悲しい顔をして呟く。

 

 

「お姉さまも、門番の美鈴、魔法使いのパチェリーも、たまにしかフランに会いに来てくれなかった」

 

今にも泣きそうな表情のフランドール。

 

「だから、家出してきたの」

 

 

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フランドールは言う。

 

私は吸血鬼であると。

 

しかし、もうあの場所に居るくらいなら日光に焼かれても良いと思えた。

 

そして外に出て、迷っている時にアリスの家に流れ着いた。

 

そう言って、ここに来るまでの顛末を語る。

 

 

 

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「そう・・・」

 

持っていたティーカップを置き、アリスは少し考えるように目を伏せている。

 

 

 

 

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アリスは、外の世界から最近やってきた魔法使いだった。

 

外の世界では、自分が何故か魔法を使えることや、

 

人形遊びの延長として人形を作っていること。

 

それらは周囲には理解されなかった。

 

 

実の親からは奇異な目で見られ、

 

周囲の同年代の子たちには気味悪がられた。

 

 

 

 

孤独を抱えるフランドール。

 

種族こそ違えど、なんだか孤独を抱える者同士、放っておけない気持ちになった。

 

 

 

椅子から立ち上がる。

 

 

 

 

そっと、椅子の後ろからフランドール抱きしめた。

 

 

「・・・え」

 

 

 

アリスの温もりがフランドールに伝わる。

 

 

「ねえ、フランって呼んでいいかしら?」

 

 

耳に吐息がかかる距離でささやくアリス。

 

 

緊張して、フランドールは頷くことしかできなかった。

 

 

 

 

「ねえ、貴女の方が年上なのはわかっているのだけど」

 

 

そう言って一拍置いて言う。

 

 

「フラン、貴女私の妹にならない?」

 

 

 

驚いたように、フランは首を動かしてアリスの顔を見る。

 

近くで見るアリスの顔は、慈愛に満ちていた。

 

 

「なんで・・・?」

 

フランドールは、唐突すぎて少し状況が呑み込めていない。

 

 

そして、アリスは自らの過去を語りだす。

 

境遇は違えど、寂しさを抱える者同士、放っておけなかったと呟きながら。

 

そして、少しはにかむように微笑んだ後に言う。

 

「最初に『お姉ちゃん』って呼んでくれたじゃない?」

 

 

 

 

 

 

「アリス・・・お姉ちゃん?」

 

上目使いに、目にはうっすらと涙を浮かべながら。

 

 

フランドールはそのままアリスに抱き着いた。

 

 

子供が母親に泣きつくように。

 

 

アリスは妹を見るように。

 

 

 

 

 

End.疑似姉妹エンディング

 

 

 

 

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