外伝:あの子がフランドール・スカーレットになっていた件   作:冷水

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この話は、魔理沙がフランドールへ昔話をするお話です。
というか、書きたいのは魔理沙です。
ごめんなさい、小説の趣旨からは外れますが。

主役は魔理沙です。


【番外】私が空を飛ぶ理由 

魔理沙の過去語りです。

冒頭のフランドールの衣装は、前回の白+赤の服装に、白くて長いマント姿です。

白いとんがり帽子も忘れてはいけませんね。

あと、商人(古道具屋)の娘時代の魔理沙も「魔理沙」と表記します。

 

 

 

 

 

==良く晴れた日の丘==

 

風が通り抜ける。

 

帽子を押さえ、その先の光景を見て魔理沙は静かに佇んでいる。

 

フランドールはちょこんと帽子をつまんでやり過ごす。

 

 

 

「フラン」

 

魔理沙は少し上を向き、青く澄みきった空を眺めながら独白するようにつぶやく。

 

「この空を飛べるってのは、とても素晴らしいことだと思わないか?」

 

 

そう言って振り返る、魔理沙の横顔は少し寂しそうだった。

 

なんとなくフランドールは思った。

 

きっと、魔理沙が魔法使いになったきっかけが、そこにあるのだろうと。

 

 

----

 

「ねえ、魔理沙」

 

「ん?」と魔理沙は返事をする。

 

 

「魔理沙はなんで魔法使いになろうと思ったの?」

 

少し苦笑したように、聞きたいか?と問い返してくる魔理沙。

 

そこで風がひときわ強く吹き、魔理沙から視線を離してしまうも、目を見ながら肯定する。

 

 

 

 

魔理沙は語りだす。

 

「あれは、私が人里で商人の娘をしていた頃の話か」

 

ぽつり、ぽつりと悲しみを吐き出すようにつぶやき始める。

 

 

 

----

 

魔理沙は聡い子供だった。

 

算術は寺子屋に通っている子供よりはるかに優れていたし、

 

人付き合いも同年代から大人まで幅広く、大商人の娘として恥じる所はなかった。

 

頭の良さこそ人に誇ることはなかったが、子供ながらに自尊心というには少し大きいものを持っていた。

 

 

そんな時に出合った、一人の少女と。

 

人間にとっての心強い味方でありながら、当時は里の多くの者に忌み嫌われていた博麗の巫女に会った。

 

彼女は、巫女が里の者にどういう風に思われているかを知りつつも、

 

同い年で一人で無表情にしている様を見て、一方的ではあるがよく構っていた。

 

でも巫女が彼女を気にすることもなければ、見向きさえしてくれなかった。

 

 

 

 

来る日も、来る日も話かけた。

 

時には博麗神社にお参りもした。

 

お賽銭を入れた時だけは少し頬が緩んでいたのだが、魔理沙はその表情を見るのが好きで、露骨にならない程度に時々お賽銭を入れていた。

 

 

 

 

ある日、博麗神社で長くたむろしていたせいで夜も遅くなってしまった。

 

「あ、まずい・・・」

 

そう呟き、霊夢に別れを告げる。

 

何か、引き留めるような霊夢の声を聴いた気がするが、魔理沙には届かなかった。

 

 

 

 

----

 

夜の森林は魑魅魍魎の住処となる。

 

博麗神社の周囲は昼間こそ妖怪たちが息を潜めているが、夜になれば気ままに出歩いている。

 

 

「そこのお嬢さん」

 

魔理沙は誰かに声を掛けられた。

 

振り返ると、誰もいない。

 

 

 

「そこのお嬢さん」

 

さっきより近くで声が聞こえた。

 

ぞわっと、魔理沙は全身に鳥肌が立った。

 

 

目の前には、黒い顔、黒い髪、黒い影の、何か得体のしれない何かがいた。

 

 

「そこの、お嬢さん?」

 

影が深く、なのに口元が”漆黒”の形に笑みを形作る。

 

その瞬間に、魔理沙は”畏れ”を感じた。

 

これは妖怪だと本能が告げている。

 

全身の鳥肌と、魂の奥底からくるような寒気が魔理沙を支配する。

 

 

目の前にある”死”の気配。

 

妖怪にとって、魔理沙が抱く”畏れ”こそ至上のごちそうであり、

 

”畏れ”を抱いた生き血と肝は何よりも好物であった。

 

 

「あ・・・・」

 

目を閉じられない。

 

ただ恐怖のみがおのれの全てを支配する。

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

距離感を無視したように、目の前の遠くには巫女の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

-----

 

手には符を携えている。

 

青く透き通る力の奔流が巫女の体からあふれ出でている。

 

 

それは浄化の光。

 

魔理沙はそこで”畏れ”の呪縛から解放される。

 

その場にへたり込む。

 

 

だけど、視線だけは目の前の巫女に釘付けになっていた。

 

 

巫女は宙に浮く。

 

 

妖怪は飛ぶ。

 

 

 

 

 

巫女の周りを、大量の符が漂っていた。

 

 

そこから先は、ただの蹂躙であった。

 

 

 

 

----

 

魔理沙は、そこで気を失った。

 

 

翌朝起きると、巫女が自らの傍で寝ていた。

 

 

魔理沙が布団を占領してしまったみたいで、

 

巫女は座布団を枕に寝ていた。

 

 

「ん・・・・」

 

 

巫女が目を開ける。

 

 

 

 

 

----

 

朝日が差し込むにはまだ早い時間。

 

しかし、霊夢は魔理沙が起きたことを確認すると、今から人里へ送り届けると言う。

 

魔理沙の腰を抱き、お姫様抱っこのように抱きかかえられた。

 

「え・・・あ・・・」

 

何も言えなかった魔理沙は、己の体が霊夢に抱えられながら体が宙に浮いているのを自覚した。

 

 

 

 

 

 

----

 

魔理沙は落ちないように、霊夢の首に手を回す。

 

相変わらず、博麗の巫女は無表情で、ただ進む先のみを見ていた。

 

 

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差し込む光、日の光が柱になって地上を照らし始める時間になった。

 

「ああ・・・きれい・・・」

 

魔理沙はその美しさに、今まで己が見たことのないほど心を奪われていた。

 

湖には日の光が反射してまるで宝石のように輝いている。

 

家で時々扱っている宝石とも違う。

 

高名な画家の書く地上から描いた日の出とも違う。

 

空から浮く景色というのは、魔理沙の心を打ち奪うだけの”魔力”があった。

 

 

 

 

 

 

 

「この時間、私の一番好きな景色なの」

 

気づくと、魔理沙は初めて彼女に話しかけられた気がする。

 

「博麗神社から見える景色と、空を飛ぶ景色」

 

それが、霊夢という少女の数少ない宝物なのだという。

 

 

「私がこの世界を・・・この景色を守っていると思ったら、何を言われても気にならない」

 

前に、魔理沙がした質問、里の人間に避けられて辛くないかという問いかけ。

 

 

「だから私は博麗の巫女で、幻想郷の管理者なのよ」

 

凛々しく見える霊夢の顔は、一人の幼い少女の顔でない、何かを守る強い女性の表情をしていた。

 

 

 

 

----

 

魔理沙は、己が人間のまま空を飛ぶ為の術を探した。

 

少女と同じ視点に立って居たい。

 

例え全てを捨てることになろうとも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

End.魔法使いへの志

 

 




==作者のつぶやき==
この話は、フランじゃないよ、魔理沙だよ。

この話は、3週間くらい前に書きました。
これ書いた後、匿名設定で、この話を一つのストーリーとして小説を書きはじめたのですが、なんか気分が乗らなくて削除はしてないけど、非公開にしちゃいました。
どちらかというと、読み切り小説ですね。

それと、私って、なんかダメですね。
読者を大切にできてないのかな。

自分が読みたいものを書きたいけどさ、そこまでのクオリティを求めてないから、少し甘く書いてるけどさ・・・。
もう、色々と分からないや。


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