外伝:あの子がフランドール・スカーレットになっていた件 作:冷水
「フランと咲夜」からの続きです。
この話は、続くかは分かりません。
これは、書き始める前の没プロットが出てきたので、書いてみようと思います。
色々と省略しているので、いつの間にか、アリスとか出てくるのですが、気にならない方はどうぞ。
==紅魔館:地下室==
薄暗い室内と、冷たい床。
「こんなところに、私は495年間も閉じこもっていたのね」
『そうよ、貴女はこんなところに閉じこもっていたのよ』
己の分身を作り出した覚えもないのに、もう一人のフランドールが語りかけてくる。
それは己の心が見せる幻影であり、幻覚であった。
「魔理沙、元気にしているのかな・・・」
『もうこの先、出会うことなんてないんだもの。関係ないことでしょ?』
忌々しげに見つめるも、それは己の顔であり、己の影である。
「もう、出れないのかしら」
『無理ね、今度逃げ出したら何されるか分からないでしょ』
咲夜に体の芯まで、恐怖が刻み込まれている。
ナイフと杭で身動きを封じられ、鎖で引きずられていく感覚が背筋を駆け上がる。
今は存在しない傷を撫でながら、恐怖に体をすくませる。
『そんな力が、魔理沙へ向いたら・・・』
己の内心を吐露するかのように、影は語ってくる。
「それは、考えたくない事だわ・・・」
本体もそれに同意する。
「貴女は私の影」
『貴女は私の本体』
打てば返る鐘の音のように、フランは退屈しのぎに幻覚と話をする。
「今思うと、この部屋はなんだか・・・」
『ええ、まるで地下牢のようね』
誰もいない場所で、ただ独りぶつぶつと言い続けるのは、金髪の少女。
悪魔の妹、フランドール・スカーレット。
長い時を経て、孤独に苛まれ、いつのまにか気がふれてしまった狂気の少女。
外へ出て、それも収まったかに思えた。
しかし、人の温かさを知ってしまった。
495年間耐えたはずの孤独ですら、もう耐えられなくなっていた。
涙を流しながら、それにすら気づかずに、己の心が見せる幻覚と、ひたすらに話を続けていた。
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「そこを、通しやがれ・・・」
魔理沙は門番と相対している。
三回目の「マスタースパーク」を食らわせると、美鈴は膝を着き、地に手のひらをつける。
服はぼろぼろで、所々に火傷の後があり、血を流している。
それでも、美鈴は門の前を動こうとしない。
「私は門番。門を守るのが仕事だ」
異変の時に見た美鈴とは、覚悟も何もかもが違う眼光。
それでも美鈴は、弾幕勝負でも負け、実力勝負でも負けようとしている。
意地だけは残し、必死に立ち上がるも、すぐに膝が砕けてしまう美鈴。
魔理沙はアリス・マーガトロイドを伴い、紅魔館へ乗り込みにやってきていた。
フランドールという共通の友人が、紅魔館へ拉致されてしまったから。
アリスは知らないが、魔理沙が見た最後のフランの姿は血まみれで、十六夜咲夜によって鎖に繋がれて引きずられていったのだという。
それにはアリスも激怒した。
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ふと、門が開く気配がした。
出てくるのは十六夜咲夜、その人だった。
「あら美鈴、ずいぶんと手こずっているようね」
そういって顔を出すのは、紅魔館に居る瀟洒なメイド長。
今日は普段の青と白のメイド服を着ている。
「っ・・・!」
魔理沙は今にも咲夜へ飛び掛りたい衝動に駆られた。
しかし、理性がそれを押しとどめる。
咲夜はナイフを構える。
「私も加勢するわ」
そういって、魔理沙のほうへ向き直る。
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「貴女の相手は、この私よ」
しかし、それを遮るのは、アリス・マーガトロイド。
魔理沙の方は消耗が激しい状態で、とてもじゃないが、十六夜咲夜には対応できそうにない。
咲夜の登場から幾分か時間が経ったことで、美鈴の方は傷が癒え、体力が戻ってきているが、それでも魔理沙が負けることは無いだろうと算段をつけるアリス。
人形遣いと瀟洒なメイド。
紅美鈴と霧雨魔理沙。
この両名の決闘が、ここに開かれた。
To be continue ? つづく(かもしれない)
==作者のつぶやき==
没プロットの一場面なんて、あんまり表に出すものではないのですが、短編ならいいかな・・・って思ってつい。
『書き始める前』の没なので、物語の大筋とか、色々違うんですよね。
というか、もう既に別物語ですね。