外伝:あの子がフランドール・スカーレットになっていた件   作:冷水

5 / 6
【外伝1-2】地下牢とフラン

「フランと咲夜」からの続きです。

この話は、続くかは分かりません。

これは、書き始める前の没プロットが出てきたので、書いてみようと思います。

 

色々と省略しているので、いつの間にか、アリスとか出てくるのですが、気にならない方はどうぞ。

 

 

 

==紅魔館:地下室==

 

薄暗い室内と、冷たい床。

 

「こんなところに、私は495年間も閉じこもっていたのね」

 

『そうよ、貴女はこんなところに閉じこもっていたのよ』

 

 

己の分身を作り出した覚えもないのに、もう一人のフランドールが語りかけてくる。

それは己の心が見せる幻影であり、幻覚であった。

 

 

「魔理沙、元気にしているのかな・・・」

 

『もうこの先、出会うことなんてないんだもの。関係ないことでしょ?』

 

 

忌々しげに見つめるも、それは己の顔であり、己の影である。

 

 

「もう、出れないのかしら」

 

『無理ね、今度逃げ出したら何されるか分からないでしょ』

 

 

咲夜に体の芯まで、恐怖が刻み込まれている。

 

ナイフと杭で身動きを封じられ、鎖で引きずられていく感覚が背筋を駆け上がる。

 

今は存在しない傷を撫でながら、恐怖に体をすくませる。

 

 

『そんな力が、魔理沙へ向いたら・・・』

 

己の内心を吐露するかのように、影は語ってくる。

 

「それは、考えたくない事だわ・・・」

 

本体もそれに同意する。

 

「貴女は私の影」

 

『貴女は私の本体』

 

打てば返る鐘の音のように、フランは退屈しのぎに幻覚と話をする。

 

「今思うと、この部屋はなんだか・・・」

 

『ええ、まるで地下牢のようね』

 

 

 

誰もいない場所で、ただ独りぶつぶつと言い続けるのは、金髪の少女。

悪魔の妹、フランドール・スカーレット。

 

長い時を経て、孤独に苛まれ、いつのまにか気がふれてしまった狂気の少女。

 

 

外へ出て、それも収まったかに思えた。

しかし、人の温かさを知ってしまった。

 

495年間耐えたはずの孤独ですら、もう耐えられなくなっていた。

 

涙を流しながら、それにすら気づかずに、己の心が見せる幻覚と、ひたすらに話を続けていた。

 

 

 

----

 

「そこを、通しやがれ・・・」

 

 

魔理沙は門番と相対している。

 

三回目の「マスタースパーク」を食らわせると、美鈴は膝を着き、地に手のひらをつける。

服はぼろぼろで、所々に火傷の後があり、血を流している。

それでも、美鈴は門の前を動こうとしない。

 

 

「私は門番。門を守るのが仕事だ」

 

異変の時に見た美鈴とは、覚悟も何もかもが違う眼光。

 

それでも美鈴は、弾幕勝負でも負け、実力勝負でも負けようとしている。

 

意地だけは残し、必死に立ち上がるも、すぐに膝が砕けてしまう美鈴。

 

 

 

魔理沙はアリス・マーガトロイドを伴い、紅魔館へ乗り込みにやってきていた。

 

フランドールという共通の友人が、紅魔館へ拉致されてしまったから。

 

アリスは知らないが、魔理沙が見た最後のフランの姿は血まみれで、十六夜咲夜によって鎖に繋がれて引きずられていったのだという。

 

それにはアリスも激怒した。

 

 

 

 

-----

 

ふと、門が開く気配がした。

 

出てくるのは十六夜咲夜、その人だった。

 

「あら美鈴、ずいぶんと手こずっているようね」

 

そういって顔を出すのは、紅魔館に居る瀟洒なメイド長。

 

今日は普段の青と白のメイド服を着ている。

 

 

 

「っ・・・!」

 

魔理沙は今にも咲夜へ飛び掛りたい衝動に駆られた。

 

しかし、理性がそれを押しとどめる。

 

 

 

咲夜はナイフを構える。

 

「私も加勢するわ」

 

そういって、魔理沙のほうへ向き直る。

 

 

 

 

----

 

 

「貴女の相手は、この私よ」

 

しかし、それを遮るのは、アリス・マーガトロイド。

 

魔理沙の方は消耗が激しい状態で、とてもじゃないが、十六夜咲夜には対応できそうにない。

 

咲夜の登場から幾分か時間が経ったことで、美鈴の方は傷が癒え、体力が戻ってきているが、それでも魔理沙が負けることは無いだろうと算段をつけるアリス。

 

 

人形遣いと瀟洒なメイド。

 

紅美鈴と霧雨魔理沙。

 

この両名の決闘が、ここに開かれた。

 

 

 

 

 

To be continue ? つづく(かもしれない)

 

 

 

 

 

 




==作者のつぶやき==

没プロットの一場面なんて、あんまり表に出すものではないのですが、短編ならいいかな・・・って思ってつい。

『書き始める前』の没なので、物語の大筋とか、色々違うんですよね。

というか、もう既に別物語ですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。