ベルの大冒険   作:通りすがりの中二病

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狂狼

 

「…魔王、だぁ?」

ベートはオウム返しで呟く。

ベート自身、その予想しなかった返答に少々驚いたからだ。

「ウム、其方も幼少の頃に一度は目にした事はないかな?

童話や御伽噺に英雄譚、それ等の物語にとって必要不可欠な存在、即ち魔王…それと同じ意味で受け取って貰って構わぬよ」

「で、その絵本から飛び出した魔王さまが、こんな寂れた路地裏でゴロツキの真似事か?

魔王サマってのも随分安っぽいもんなんだなぁ?」

「ハハハ、これは手厳しい。しかし安っぽいと言うのは少々語弊があるな。狙う獲物によっては、安い行いにも相応の価値が出てくると思わないかな? ロキ・ファミリアが誇る第一級冒険者、『狂狼』ベート・ローガよ」

バーンがベートの素性を口にして、ベートは改めてバーンを見る。

別に相手が自分の素性を知っていた事に、思う所があった訳ではない。

自分はこのオラリオではそこそこ顔と名前と素性が知られている、相手が知っていてもおかしい事はない。

 

(……この爺の顔、確か…どこかで……)

 

ベートが気になる点、それは相手の顔に自分が見覚えあるという事だ。

それがいつ、どこで、なのかは分からないが…ベートはその顔に覚えがあった。

その心の引っ掛かりこそが、ベートがバーンの言葉に耳を傾ける理由の一つだった。

その他大勢や有象無象の類ではなく、その老人の存在はベートの心の何かに引っ掛かっていたからだ。

そこまでベートは考えて、改めてバーンに尋ねる。

 

「物は言い様だな。まあ正直、そこはどうでも良いんだ…問題は、爺さんが俺に喧嘩を売ったっつぅ事だ」

「ウム、事実に相違ない。余が奴らを其方に差し向けた」

「…吐いた唾は飲み込めねえぞ、魔王さま?」

「ならば其方はどうする? 野良犬の様に背を向けるか?負け犬の様に平伏すか?飼い犬の様にお仲間を呼ぶか? 個人的には三番目をお勧めする。余の楽しみが増える」

バーンのその言葉で、ベートの表情が変わる。

先程までの疑いの表情が完全に消えて、目を鋭く細め、唇を一文字に締める。

相手の思惑こそ分からないが、目の前の相手は『そういうつもり』で自分と相対している。

ここまで言われた以上、ベートに引くと言う選択肢は最早無かった。

(……ヤっべえな、この爺……)

そして、それ以上にベートは興味が沸いていた。

目の前の老人から漂い感じる、その異質すぎる空気。

全てを飲む込み喰らい尽くす洪水の様な、あるいは全てを受け入れる大海の様な、個の枠を超える様な存在感。

 

(……この前『ウダイオス』の討伐があったが…この爺さんは、明らかにアレ以上だ……)

数週間前に、ロキ・ファミリア総出で討伐した魔物を思い出す。

ダンジョンの下層域にその根城がある、『階層主・ウダイオス』

その討伐レベルは『Lv.6』に相当し、高レベル冒険者が数十人掛かりでやっと対等に戦える階層主

その桁外れの戦闘力は、ベートの記憶に鮮明に焼き付いている。

そして目の前の老人から感じる迫力と威圧感は、明らかにウダイオスより上だ。

魔王というのも、もしかしたら冗談ではないのかもしれない。

何せ自分のファミリアの団長が『勇者』と名乗るくらいだ。

それと似た様な発想をする者が他にいても、何の不思議でもないだろう。

 

――しかし、ベートにとってそんな事は二の次になっていた。

 

既に戦気が体中に滾り、闘志が脳を染め上げていた。

重要なのは、この老人が強者である事。

自分は強者とやり合える機会に恵まれた事。この事実こそが、ベートにとって何より重要だった。

「そういや、その手の話は魔王サマの結末は大体決まってるよな?」

「フム、どの様な結末かな?」

「散々偉そうな事を言っておきながら、最後には負ける」

「ならば其方はなれるかな? 魔王を討ち滅ぼす勇者に」

「フハっ!俺が勇者サマって柄かよ!?」

そう言って、ベートの顔は戦気に歪む。

口の端をこれ以上ない程に釣り上げて、野獣の様な笑みを浮かべる。

そして腰に携える、もう一本の剣を抜いて構える。

双剣による二刀流こそが、ベート本来の戦闘スタイル。

夜闇の中に双剣の白銀光が瞬いて、ベートは前傾姿勢に双剣を構える。

「ほら、得物を出せよ。そんぐれえは待ってやるよ」

「気遣い無用、この肉体こそが我が刃であり我が鎧よ」

「そうかい、なら遠慮はいらねえよなぁ!」

 

狂狼が吼えて、大魔王は歓迎する様に両手を軽く広げる。

次の瞬間には、白い残光を残してベートは一気に大魔王の元へと翔る様に駆ける。

踏み込まれた路地が陥没する程の爆発的な脚力、それによって生まれる超速。

 

一瞬にして、ベートは大魔王を己の間合いの内に捉えて

その双剣を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にすいませんでしたあぁ!」

 

『豊饒の女主人』の休憩室にて、ベルは頭を勢いよく深く下げて謝罪していた。

ベルに対面する位置に、仕事用のメイド服に着替えたリューがいた。

 

「気にしなくて結構です、どの道仕事に戻らなくてはならなかったので」

「じゃあ、せめて服代だけでも。もし染みが取れなかったら」

「それも大丈夫です。大量購入した安物ですから、お気になさらずに」

 

ベルは尚も謝罪を続けるが、リューは特に気にする事無く会話を続けていた。

そもそも、何故ベルがこんな下手に謝罪をしているのか? それはほんの数分前の事だった。

 

ベルはがちがちに緊張した状態から、リューのアシストもあって徐々に緊張が解けてきた。

最初は隣の リューの言葉すらまともに聞けなかったが、たどたどしくも会話が出来る様になった。

そんな時だった、ベル達の隣のテーブルからその声が聞こえてきたのは。

 

「あ、そういえばさ。二人は『フレイヤ・ファミリア』の話は聞いた?」

 

響いてきた声に、ベルの興味が刺激される。

フレイヤ・ファミリアと言えば、その勇名は都市外にも響くオラリオ最強のファミリアだ。

特にフレイヤ・ファミリアの団長である猛者オッタルには、師のバーンも興味を示していた程だ。

 

「いやね、私もさっきの店で少し聞いただけなんだけどさ。昨日の夜、フレイヤ・ファミリアに喧嘩売った人がいるらしいよ」

 

その言葉に、ベルの興味はより一層に刺激される。

オラリオに来たばかりのベルにとって、それは正に聞き逃せない情報だ。

迷宮都市最強に挑んだ相手がいる、コレを聞いて興味を示さない者などいないだろう。

ベルの密かに聞き耳を立てる。

 

「その喧嘩を売った人の事なんだけどね」

 

ついに噂の核心へと話が移る。

一体どんな輩がそんな命知らずの真似をしたのか、そんな風にベルは思いながら聞き耳を立てて

 

 

「――髪と髭がすっごく長い、エルフのお爺さんだったらしいよ――」

 

 

その言葉は、正に雷鳴の如くベルの脳髄に響き渡った。

髪と髭が長いエルフの老人であり

最強のファミリアに喧嘩を売る様な、ぶっ飛んだ行動と発想を持つ人物

 

ベルは瞬時にその答えに行き着き

 

(――なにやってんのバーン様ああああぁぁぁ!!?――)

 

口に含んでいたジュースを思いっきり噴出す。

そして、それはベルの隣に居たリューの全身に、思いっきりぶっかかった。

誇張表現なしに、リューの頭から腹部にかけて、これでもかという位にジュースが掛かった。

 

――ちなみにこの時、濡れて透けたブラウス越しに

リューのボディラインや浮かび上がった下着等の禁断の光景が、至近距離でベルの視界に飛び込んできたのは完全に余談である。

 

そして、時は現在に戻る。

 

「アレは事故の様なものですから、私としてはもう気にしていませんよ。それでも気に病むのでしたら、是非お店の方に売り上げという形でお願いします」

「はい!これからもご贔屓にさせて頂きます!」

 

改めて頭を下げて精一杯の謝罪をして、ベルは休憩室を後にする。

 

「――ヘルメス様。僕って、何年投獄になりますか?」

「うん、とりあえず落ち着こうか」

 

テーブルに着いて早々、ガックリと項垂れながら呟くベルにヘルメスは思わず苦笑する。

 

「それで、どうしたんだい? 平手打ちの一つでもされちゃった?」

「いいえ。そんな事は一切無く、許してくれました。せめて服の弁償だけでも、思ったのですが…それも叶わず」

「成程ねー。まあ本人がそれで良いって言うなら、良いんじゃないかな」

「…そういうものでしょうか?」

「過度に謝り過ぎるのも逆効果だよ。ベルくんだって気にしてない事にいつまでも謝られてたら、あまり良い気はしないでしょ?」

「あー。そう言われれば、そうかもしれないです」

 

ヘルメスに指摘されて、ベルもとりあえず納得する。

確かに自分とリューはまだ知り合って間もない間柄だ、そんな人間にいつまでも同じ事で謝られてもあまり良い気はしないだろう。

 

「まあ、生きてればそんな経験もあるもんさ。よし!そういう時は飲んで忘れよう!」

「あー、すいません。エールや葡萄酒は苦手で」

「大丈夫大丈夫。ジュースをアルコールで割るヤツだから、甘くて美味しいよ」

 

ヘルメスはそう言って、ジュースとアルコールを瓶ごと注文する。

程なくして瓶二本とグラスが運ばれて、二人のテーブルに置かれる。

 

「最初はジュースだけ注いで、アルコールは好みに合わせて足していった方が失敗しないよ」

 

ヘルメスのアドバイスに従って、ベルはグラスの半ば程までオレンジジュースを注いで少量のアルコールを混ぜて一口飲む。

 

「…おぉー、ジュースなのにお酒だ」

「混合酒みたいに、自分の好みで味を作れるのが良いよね。少し値が張るけど専門のお店もあるし、自分で色々と試す人もいるからね」

「成程ー、お酒って言っても色々あるんですね。お酒は苦いってイメージが強かったですけど、こういうジュースみたいなお酒なら大丈夫です」

「故郷ではこういうのは無かったのかい?」

「そうですね。酒は酒でジュースはジュースで、っていう考えの人が殆どでした。祖父や師匠はお酒が大好きですけど、こういうジュースと混ぜたりはしていなかったです。お陰で祖父や師匠からは、未だに『お子様舌』って言われてます」

「そこら辺は好みで分かれるね。人によっては全く飲めなかったり、一口だけで潰れちゃう人もいるからね」

「まあ、ジュースと混ぜてやっと飲めるくらいですから。お子様舌はまだ卒業できなさそうです」

「大丈夫じゃない?お酒は楽しく飲む、そして飲んでも呑まれない。これが万国共通のルールってものさ」

 

そう言って二人は改めて乾杯し、杯を交わしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロキ・ファミリアが誇る第一級冒険者、『狂狼』ベート・ローガ。

オラリオ最強のファミリアと名高いロキ・ファミリアにおいて、ベートは他の団員の追随を許さない武器を一つ持っている。

 

それはスピード。

 

彼の両足から生まれる速度は、『Lv.6』の冒険者である『勇者』『九魔姫』『重傑』をも上回る俊足。

オラリオ最強のロキ・ファミリアにおいて、『最速』の冒険者。

これは即ち迷宮都市オラリオにおいて、最速のレベルを意味する。

 

彼が全速で相手を殲滅せんとすれば、同じ第一級冒険者を持ってしても苦戦は避けられない。

――故に、それは異常な光景だった。

 

(……な、に……)

 

両手の剣を相手目掛けて振り下ろす。

上から振り下ろし、下から斬り上げ、左右の薙ぎ払い。

ある時は蹴撃を交えて、ある時はフェイントを織り交ぜて、大魔王に襲い掛かる。

 

一度剣が振るわれれば、そこに白銀の閃光が軌道を描き、大気ごと切り裂いた。

一度蹴撃が繰り出されれば、それは正に断頭台の様な唸りを上げて、相手に襲い掛かった。

その一つ一つの威力は正に必殺、鋼鉄や業物すらも瞬断する超速の剣技。

 

――そして、その悉くを大魔王は避けきっていた。

 

「おぉっと、危ない危ない。もう少しで大事な髭が剃り落とされる所だったわ」

「ヤロオォ!!」

 

バーンの言葉に、ベートは怒声と共に剣を振り下ろす。

階層主の肉体すら切り裂くベートの斬撃を、大魔王は足を軽く数歩動かして、体勢を半身に切り替えるだけでソレを避ける。

しかし、ベートは尚も喰らい付く。返しの横薙ぎを大魔王に放つが、それを大魔王は後ろに軽く跳んでやり過ごす。

更にベートが追撃を掛ける、一気に踏み込んで蹴り掛かる。

大魔王の腹に蹴りが減り込む瞬間に、その体は風に舞う木の葉の様にするりと避ける。

 

「ウム。実に若さ溢れる力強い攻撃よ、まるで余の若い頃を見ている様だ」

「クソがっ!」

 

バーンが口の端を吊り上げて、愉快と笑う。

ベートが吼えて更にラッシュを掛けるが、先程の焼き直しとなる。

ベートが繰り出す全ての攻撃が、大魔王には届かない。

その切っ先が服の一部に擦る事すらなく、髪や髭に触れる事無く、何十という攻撃全てが空を切る。

 

(……何でだ、何で当たらねえ!?……)

 

野獣の様に吼えて、ベートは更に双剣を振り続ける。

それは正に烈火の如く激しさを持ち、旋風の様に鋭く速く絶え間ない、怒涛の斬撃。

最大速度で脚を駆けて、腕を振るい、二振りの剣を走らせるが、その悉くが大魔王に届かない。

 

(……確かにこのジジイは速えが、俺の方が速い…この程度の相手なら、今まで何匹も狩ってきた筈だ!?……)

 

仮にもベートは第一級冒険者、ファミリアの遠征で下層・深層に出現する難敵・強敵を幾度と無く討ち取ってきた。

その中には当然自分よりも早く動く敵もいた、自分よりも強い敵もいた。

今まで戦ってきた魔物の種類の豊富さは、このオラリオでもトップクラスというのが事実だ。

しかしそんなベートをしても、未だ目の前の大魔王に自分の攻撃が当たる気配すらなかった。

 

「――テメェ、マジで何者だ?」

「通りすがりの大魔王だ、別に忘れて構わんぞ?」

 

至近距離で睨みつけながらベートが問うが、バーンは軽く返す。

冗談なのか挑発なのか、それとも両方なのか、ベートは舌打ちをしつつ更にバーンへと肉薄し攻撃を仕掛ける。

 

後半歩もあれば届くのに、後一歩あれば大魔王を討ち取れるのに

その半歩が遠かった、その一歩がベートには絶望的に遠かった。

 

「其方はこう思っているだろう?何故自分の攻撃が当たらない…とな」

 

猛攻を避けながら、大魔王が語りかける。

 

「相手の動きは決して速い訳ではない、速度自体は自分の方が上の筈…ならば何故?とな」

 

ベートの頭上を飛び越える様に跳躍し、その背後に着地する。

 

「確かに其方は速い、確かに其方は強い。類稀なる天賦の才、それに驕る事無く己を磨き続けた修練。『神の恩恵』に依存し縋るのではなく、己の手足として、己の得物として、己の一部として使いこなしている…噂に違わぬと言った所かな」

「ハッ!遠回しの自慢か!?」

「そう噛み付くでない、褒めておるのだぞ?

かの『陸戦騎』にこそ及ばぬが、其方の領域に至れる者は万人に一人もいないだろう」

 

背中越しに大魔王が語り掛け、ベートは振り向きざまに斬り掛かるがソレは空を切る。

 

「しかし、其方は聊か感情の制御が不得手と見える」

 

大魔王はベートの直ぐ近くに居る、手を伸ばせば届く、一歩足を進めれば届く

そんな直ぐ傍に居ながら、ベートの攻撃は当たらない。

 

「感情とは、実に多くの情報を有している。感情の変化は心の変化、殺気や戦気の変化はそれ即ち行動の予兆。どんなに速い者でも、動く予兆さえ分かればそれに対して心構えが出来る、心構えが出来れば冷静に対処できる

其方の場合は特に酒の席には気をつけておくが良い、酒に飲まれて意中の相手に行き過ぎた言動をせぬ様にとな」

「ふざけた事をゴチャゴチャと…!」

「そしてもう一つは視線、目は口程に物を語るものだ。

故に視線から相手の狙いを見極めるのも、戦いの基本。如何に目線を用いたフェイント等の小細工を用いても、ここ一番で本命を見てしまうのが人の性よ

故に自分では隠しているつもりでも、意中の相手が周りには知れ渡っている…何て事になりかねんぞ?」

「さっきからおちょくってんのかクソジジイ!」

「おや? 思い当たる事でもあったかな?」

「ブっ殺す!!!」

 

ククっと悪戯っぽくバーンは笑い、そんなバーンにベートはより苛烈に攻める。

双剣が白銀の閃光となって夜闇に瞬き、暴風の様に大魔王に襲い掛かる。

 

「ウム、少々話が逸れたな」

 

だが、大魔王には決して届かない。

数多の魔物を屠った斬撃が、幾多の強敵を仕留めた一撃が、竜の首をも飛ばした剣が

大魔王バーンに、一度も届かない。

 

「余の様な枯れ木の如き老い耄れを捉えられない理由、それは其方の心の未熟さよ

感情の動きが攻撃の質と予兆を、視線の動きが攻撃箇所を、如実に語ってくれる

それでは折角の剣技と速度も威力半減。逆を言えば、ソレさえ治せば相手にとっての効果は倍になる」

 

悠然と構え、流麗に動き、気品すらも漂わせる体裁きで、バーンはベートの攻撃全てを避けていく。

 

「そして決定的な理由、言うまでも無いが余の力量だ」

 

迫る一撃を避けて、今度はバーンがベートに対して踏み込む。

ベートの脚に自分の足を引っ掛けて、その体勢を大きく崩す。

 

「チィっ!」

 

地面に転倒する直前に、瞬時に重心移動と体重移動を用いて踏み止まる。

即座に攻撃に転じようとするが、ベートの額にコツリと何かが当たる。

その正体はバーンの指先、バーンはベートの額を指先で征して

 

 

 

「――狂狼よ、世界は広いぞ――」

 

 

 

相対するベートの視線を大魔王は真正面から受け止めて

バーンは更にその言葉を続ける。

 

「余は見ての通り、他者よりも少々永く生きている。

故に人生経験において、余は他者よりも頭一つ抜きん出ていると自負している

そして、世界の広さというのも人一倍理解しておるつもりだ」

 

瞬間、額に衝撃が走ってベートの体は後方に弾かれた様に飛ぶ。

痛みとダメージはなく、額からは血の一滴すらも流れなかったが、大魔王の力の片鱗を感じさせるには充分すぎた。

 

「故に、不思議と転がっているのだ。余の積み重ねた経験の中に、余の魂に刻まれた闘いの歴史の中に、ソレはある

余は知っている、覚えがある。其方よりも更に速い者を、其方よりも遥かに強い者達を、余は直に戦い知っている

要は慣れているのだ、其方程度のレベルならな。老いたこの身でも、其方の一手一手を見極める程度は出来るのだ」

 

ベートは体勢を立て直すが、直ぐに飛び掛ったりはしなかった。

一度呼吸と体勢を整えて、仕切り直しする事を優先させた様だ。

そのベートの行動に、バーンは楽しげに笑い

 

「これも一つの縁、才能溢れる若者に道を示すのもまた一興

喜ぶが良いベート・ローガ。今宵の冒険譚の主役は、其方とこの大魔王だ」

「……」

 

「――世界の広さ、その一端を知っていけ狂狼よ」

「――上等だあぁ! 地べたに這い蹲らせてやるよクソ大魔王おぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それれれすねー…きーてますかーヘルメスさまー」

「ああ、うん。聞いてるよ」

 

あれからどれ程の時間が経過しただろう?

ベルは頬を紅潮させて、瞼が力なく半分ほど垂れ下がり、その目もやや焦点が合ってなく呂律も回らなくなってきていた。

意味も無く楽しげに笑い、アルコール交じりのジュースを飲む様は完全に「酔っ払い」そのものである。

初めて飲む酒にベルも杯が進んでいき、酔いが回った事で加減も効かず…完全にベルは呑まれていた。

 

「ほんっとうに、バーンさまはすげーんれすよ。指いっぽんれ、どんな相手もやっつけるし、てのひら一つれ建物や魔物がばーんってなるんですよ!バーンさまなだけに」

「ベルくん、完全に呑まれてるね」

 

初めて自分が飲める酒に、ベルもついつい酒が進んでしまい…気が付けばこの様な状態になっていた。

苦笑しながらヘルメスは言う。泣き上戸や愚痴を言うタイプに比べれば可愛い方だが、ここまで酔ってしまうと一人で帰れるのかと心配になってしまう。

 

(……まあ最悪、ウチのホームまで連れ帰ればいいか……)

 

ここで一つ、かの大魔王との繋がりを強くしておくのも悪くない…と、ヘルメスは考える。

店員を呼び止めて、酔い覚ましになりそうな物を幾つか注文する。

頃合を見計らって、今日はこの辺でお開きにしておこう…ヘルメスがそう思っている時だった。

 

 

「テメェ!今なんつったあぁ!」

 

 

その声が店内に響き渡る。

ベルとヘルメスを含む、店にいる多くの客の視線が声の発信源へと向けられる。

そこには皮装備を纏った冒険者らしき二人の男がテーブルから立ち上がって、睨み合い罵り合っていた。

 

「テメェ如きが随分調子に乗ってくれてんじゃねえか!あぁ!?」

「なんならヤるかあぁ!モンスターの糞になる前に豚の餌にでもしてやろうかぁ!」

 

二人の男は遠目で解る程に酒気を帯びていて、かなり酔いが回っているのが分かった。

直ぐにでも得物を抜きそうな二人に対し、二人の連れらしき者がウンザリした様な表情をして

 

「おい、お前ら止めとけって。ここミア母さんの店だぞ?」

「その辺にしとかねえと、とっちめられるぞ?」

 

そう言って二人を止めるが二人は止まる気配がなく、より一層雰囲気は物々しくなっている。

そしてその空気の変化に、周囲の従業員やミアの気配も鋭く尖ったものになっている。

やはり冒険者御用達の酒場なだけあって、この手のトラブルには慣れているらしく大事になる前に事の鎮圧を行うつもりだろう。

 

「上等だぁ!今の内に胴体とサヨナラしておけ!!」

「テメェこそ、最後の月にお別れでもしとけ!」

 

酔いを通り越して、薄く殺気すら放ちつつ二人は睨み合い、その手は得物を掴もうと伸ばしている。

ミアは疲れた様に溜息を吐く、この辺りで仲裁に入ろうと動こうとして…そのミアよりも、早く動いた者がいた。

 

「…うん?」

「…あん?」

 

二人の声が重なり、思わずその動作が止まる。自分達の間に割って入った、その白い影を見る。

見ず知らずの少年が急に自分達の間に入った事に、如何に酔っているとはいえ二人の動きは止まる。

そして間に入った少年…ベル・クラネルは、二人の顔を交互に見て両腕を大きく広げて

 

「ケンカ、良くない!」

 

やや呂律が回らない調子で、大声で言い

 

「お酒はぁー!楽しくぅー!飲み!ま!しょう!!」

 

なんとも気の抜けた調子で、そんな風に声を響かせる。

ムフっと軽く鼻から息を吐いて、酔いのせいで頬が紅潮しているがその表情は堂々としたモノである。

 

「…ガキが」

 

しかし気性が荒く酔いが回った冒険者にとって、今のベルがどの様に映ったのかは言うまでもないだろう。

そして酔いが回れば人は正常な判断が出来なくなり、また行動も短絡になる。

酔っていた冒険者の片割れ、その男の腕がテーブルの上にある酒瓶を掴む。

 

「ちょ!おまっ!ゲド!?」

「おい馬鹿!やめっ!」

「ガキが調子にのってんじゃねえぇ!!」

 

周りの制止の声が響くが、それでもゲドと呼ばれた冒険者は止まらない。

そのまま酒瓶を振り上げて、ベルに向けて振り下ろした。

ガラスの瓶とは言え、振り回せば人間相手には十分凶器になる。

怪我は勿論、打ち所によっては十分に致命傷になり得る。

 

その一瞬の光景に、周囲は息を呑む。

次の瞬間に起こるであろうその光景を想像して、その瞳が縫い付けられる。

振り下ろされた酒瓶が白髪の頭に直撃し、粉々に砕け散る――そうなるよりも早く、ソレが動いた。

 

 

 

意識と体がフワフワと浮遊している様だった。

視界は時折ぼやけ、ときおり乱視の様に線がブレる。

酒場の空気と喧騒は耳に響いているが、それは何処か遠いモノに聞こえる。

だがそんな意識の中、気分は悪くなかった。

もしもこの場で誰かが鼻歌でも口ずさめば、自分はその音頭に合わせて陽気に踊りの一つでも披露していただろう。

 

 

――そんな朧気な意識の中で、ベルは眼前で動くソレを見つめていた。

 

 

酔いの回った思考の中で、朧気な意識の中で、自分に迫るソレを見ていた。

本能的に、当たれば痛いと思った。

痛いのは嫌だとベルは思った。

今までの経験で、ソレは良くない事だと判断した。

 

――故にベルは、ソレを振り払った。

 

 

 

「……え……?」

 

間の抜けた声が響く。

ゲドは目に映るソレを、信じられない様に見る。

振り下ろした酒瓶、それは少年の頭に当たることは無く空を切る…なぜなら、その酒瓶は半ばから消失していたからだ。

 

「…へ、ぇ?」

 

そして、数瞬の間を置いてゲドは状況を理解する。

自分が殴ろうとした少年…ベルが宙を漂っていたソレを、キャッチするのを見て現状を把握する。

 

「…素手で、きった…?」

 

己で確認する様に呟く。

理解が追いついた瞬間に、ゲドの脳裏で先の光景がフラッシュバックする。

自分が振り上げた酒瓶に対して、ベルもまたそれに対して手刀を切り上げる様に放ち、酒瓶を瞬断したその光景を。

 

次いで、ベルは切上げられて宙に浮いた酒瓶が床に落ちて割れる前にキャッチする

そしてキャッチした酒瓶の底に残った酒を、ベルはグビグビっと飲み干して

 

「お酒はー楽しく、れすよ。おにーさん」

「…ぁ、あぁ…」

 

微笑みながら言うベルに、ゲドは思わず頷く。

次いで二人の間に、ヘルメスが割って入る。

 

「いやーすまない。自分の連れが迷惑をかけたね」

「…んぁれー?ヘルメスさま、いつから三人になったんれすかー?」

「この通り、少々酔いが回ってしまった様だ。元より酒の席での出来事だ、この場はこれで収めてくれないかな?」

 

ヘルメスの言葉に、ゲドもこくこくと頷いて席につく。

ヘルメスは足元が覚束なくなっているベルを連れて、店の会計を済ませて店から出て行く。

店内の客の視線を集めていたが、肝心のベルが店から出ていき客は再び各々の酒と宴に戻っていく。

 

当事者であったゲドも、先まで争っていた者も、既にお互い一触即発寸前だった事も忘れて酒を飲んでいる。

二人が店を出て十分も経つ頃には、既に客達の記憶からベル達の事は殆ど消え去っていた。

 

――何人かの、例外を除いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、若い者が情けない。よもや余の様な年寄りも先に膝をつくとはな」

「…う、るっせえ…!」

それから、どれだけ時間が流れただろうか?

滝の様に汗を流し、荒く呼吸を乱し、路地に座り込みながら睨みつけるベートに、大魔王は意地悪げな笑みを浮かべて見下ろしていた。

その大魔王の顔には汗一つなく、まだまだ体力に余裕がある事を物語っていた。

その事実を確認すると、ベートの顔は更に不機嫌に歪んでいき

「クソ、が…なめや、がって…何で、碌に攻撃、してこなかった?」

愚痴る様にベートは言う。

目の前の大魔王はただ自分の攻撃を避け続け、自分が手を止めれば体を謎の衝撃で吹き飛ばされた。

だがそれだけだった。

自分がダメージを傷を負う様な攻撃は一切せず、一貫して体力を削ってきたのだ。

そして先にベートの体力が尽きた、ただそれだけの話だった。

「フム、そうだな。例えばの話だが、道を歩いている時に仔犬がじゃれついて来たら、其方はどうする?」

「誰が!仔犬っだ!」

「言う必要があるかね? まあ余の様な年寄りから見れば、其方等は悪戯盛りの仔犬に過ぎんよ。ホレ、頭でも撫でてやろう」

「なっ! ジジイ!離しやがれ!!」

「む、中々良い艶をしているな。悪くない手触りだ、癖毛な様だがそれがまた心地よい」

「っるせえ! 良いから離せ!」

 

バーンはベートの頭を髪ごと掴む様に、わしゃわしゃクシャクシャと乱雑に撫でていく。

ベートはその事に激高するが、体力切れの体では思う様に手が動かず、バーンもベートの手を器用に避けながら楽しげに頭を撫でて品評する。

一通りベートの頭を撫で回して満足したのか、バーンはベートの頭から手を離して

 

「まあ、今宵の出会いはあくまで偶然の産物。言ってしまえば端役のアドリブから始まった寸劇の様なモノだ。

寸劇は所詮寸劇、劇の本筋を変えてはならんのだ。この様に寂れた舞台というのも減点だな」

 

バーンは懐から酒瓶を取り出して、一口飲む。

酒で舌と喉を潤した後に、再び言葉を続ける。

 

「其方と本当の意味で相見えるとすれば…それは然るべき舞台を整え、然るべき持成しを用意した、然るべき時だ。

断じてこの様な寂れた舞台での、おまけの様な寸劇であってはならんのだ」

「はっ、随分くだらねえ事を気にするんだな。やれりゃあ何所だって同じだろうが?」

「若者らしい意見だな。だがこの遊び心というのも、中々馬鹿に出来ぬぞ?

遊びとは即ち心と精神の余裕よ。余裕のない心、張り詰めきった精神は、硝子細工の様に呆気なく粉々になるものよ。

余裕をなくせば冷静ではいられない、冷静さを失った戦士の結末など例え世界が変わろうとも似通ったものだ」

「………」

「生命ある者、何時かは死ぬ。老若男女問わず、職業の貴賎問わず、奴隷であろうと王であろうと、勇者であっても大魔王であっても、死ぬ時は死ぬ。

終わりは必定、死は必ず訪れる。たった一度きりの人生だ、ならばトコトン楽しんだ方が得だと思わぬか?」

「は! 棺桶に片足つっ込んでるジジイが、まだ遊び足りねえってか?」

「無論、まだまだ遊び足りぬわ。余もそれなりに永く生きているが、余の人生はまだまだこれからだと思っているぞ?

誰もが恐れ平伏す魔王軍、難攻不落にして絢爛豪華な魔王城、一騎当千に値する大魔王直属の最強の軍団長、そして来るべき宿敵の決着。それ等を為すまでは、死んでも死にきれぬよ」

「…少しは歳考えて物を言えよ。その歳でまだガキ向けの絵本から卒業できてねえのかよ」

「どこぞの助平爺曰く、男というモノは生涯乳離れすら出来ない子供らしいぞ?」

 

不敵な笑みを浮べて、大魔王は心底楽しそうに己の野望を語る。

老人でありながら悪戯小僧を思わせるその笑みは、ベートが初めて目にする類のものであった。

 

「さて、そろそろ閉幕の時間だな。今宵の演目はこれまでだ…中々に楽しめた、愉快な一時であったぞ狂狼よ」

「…おい、クソ大魔王。最後に一つ答えろ」

「良い、申してみろ」

「テメェ、さっきの一戦…まるで本気を出しちゃいなかっただろ?」

「ウム、まるで本気を出していなかったぞ」

 

睨み付ける様にベートは尋ね、バーンはあっさりと肯定する。

その答えを聞いてベートは眉間に皺を寄せて、あからさまに舌打ちをする。その悔しさが滲み出る様なベートの所作にバーンは楽しげに笑い、更に言葉を続ける。

 

「悔しいか?ならば強くなれ。情けないか?ならばもっと強くなれ。惨めに思うか?ならば誰よりも強くなれ。

力をつけ、技を磨き、更なる高みへと昇り続けろ。いずれ然るべき時がくれば、余と其方達は再び相見えよう」

 

夜空を見上げながらバーンは語り、再びベートの頭に掌を置いて

 

 

 

「そしてその時こそ、其方を完膚なきまでに叩きのめしてやろう」

 

 

 

その言葉が夜闇に響いて、バーンはベートの頭を軽く数度叩いて帰路に着く。

ベートは離れていく大魔王の背を見つめる、徐々に遠ざかり小さくなっていくその背中をじっと見つめる。

 

言いたい事は、たくさんあった。

 

――ふざけるな――

――本気を出せ――

――全力でやれ――

 

あの大魔王に向かって、そう言いたかった。

だが出来なかった。

 

遠かった、大魔王の背中は…絶望的に遠かった。

天高く昇る太陽の様に、夜空を照らす星や月の様に。

ベートとバーンの間には絶対的な力の差があり、ベートはその事を痛感していたからだ。

 

ベート・ローガは、間違いなく強者に属する冒険者だ。

迷宮都市オラリオや冒険者という枠に限らず、この世界全体においても間違う事なき強者であり、それは自他共に認める事実だ。

だがこの日のこの夜、ベートの中でソレは崩れ去る。

 

ベート・ローガは大魔王に完敗した敗者であり、負け犬だった。

そして、ベートは弱者が大嫌いだった。

 

「…終わら、ねえ…」

 

小さく呟き、勢い良く顔を上げる、飛び上がる様に立ち上がる。

遠く夜闇に消えつつある、その背中に向かってベートは吠える。

 

「このままじゃ、終わらねえ!絶対に終わらねえからなああああああぁぁぁ!!」

 

大魔王の背中に向かって、ベートは吠える。

『負け犬の遠吠え』今の自分を表すのに、これ程適した言葉は無い…ベートはそんな風に思った。

だが、吠えずにはいられなかった。吠える事すら出来なかったら、それこそ負け犬以下に成り下がる。

どんなに惨めでも、どんなに情けなくても

一人の冒険者として、一人の男として、一匹の雄として、ベートは吠えずにはいられなかった。

 

大魔王の背中が夜闇に消える。その背中が消える直前、大魔王が小さく笑った様な気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…アレが『狂狼』、ベート・ローガか…」

 

バーンは月夜と星空を眺めながら、先程まで対峙していた狼人について考える。

偶然であったが、オッタル以外の第一級冒険者を知る事ができるまたと無い機会。

この機に便乗して、少々戯れに手合わせをしてみた。

 

(……素質・才覚共に一級品。実力は流石に『猛者』と比べると落ちるだろうが、アレはまだまだ伸び代がある……)

 

バーンが思い返すのは、あの鋭すぎる程の眼光を帯びた両目。

嘗ての魔剣戦士や若き日の己がそうであった様に、愚直に力を求める目だ。

 

(……随分と小生意気な目つきをしておったからな、叩き様によっては化けるかもしれん……)

 

出会ってまだ数時間程度だが、バーンはベートの事が手に取る様に解った。

弱さを憎み強さを望み、力に餓え力を望む、嘗て若き自分も通った道だ。

あの手の輩はちょっとした刺激で、思いがけない変貌をする時がある。今日のこの一件も、ベートにとっての糧となるだろう。

 

(……だがしかし、面白い偶然もあったものだ……)

 

バーンが考えるのは、ベートの戦闘スタイルについてだ。

ベートの長所、扱う得物、それは自分が良く知る少年と奇妙に重なる。

実力で言えばベートの方が完全に格上だが、中々に興味深い巡り会わせだ。

 

(……己の上位互換となる存在、アレにとっても刺激になるだろう……)

 

折角この世界で一番強者と実力者が集まる場所に来ているのだ、利用できる者は全て利用させて貰おう。

 

(……さて、武器と魔法薬、そしてファミリア…大体の案件は片付いたな……)

 

下準備として、大体の事は片付いた。

しかしそれとは逆に資金面の方に不安が出てくるのも事実、やはり先立つ物が無くてはこの先の事に支障をきたす。

ヘファイストス・ファミリアとミアハ・ファミリア、この二つのファミリアへの出費を考えると、今の自分の資産では数ヶ月もすれば底をついてしまう。

そろそろ資金調達の方にも手をつけなければならないだろう。

 

 

「――となると、そろそろ頃合か――」

 

 

前菜は楽しませて貰った、そろそろメインディッシュを頂くとしよう。

その思いを胸に燈して、大魔王の背中は闇夜の中に消えていった。

 

 

 

 

 




後書き
バーン様のナデポ炸裂!だがベートくんは何とか耐えた!
流石はベートくんだ!頭を撫でられただけで股を濡らす様な尻軽共とは違うのだよ!!?

…と言う訳で、最初からテンションがおかしい作者です。今回も更新まで一ヶ月以上かかってしまった。
GWは本当に魔境やで…ちなみに作者はGW中は友人達とコナンの映画を見に行きました。面白かったです!

さて、話は本編。今回で大魔王師弟のオラリオ二日目は終了です。
まずはベルくん、今回はベルくんはお酒にチャレンジ。作中ではベルくんの酒の耐性については明記されていなかったので、酒の強さは人並設定です。
ぶっちゃけベルくんサイドは今後の仕込みだけで展開としてはあまり動いてないです。ただ一部の方々に妙なフラグが立った程度です。

そしてバーン様サイドは、対ベートくんです。
ベートくんの、『バーン様のナデポに耐えた』というのは果たして偉業にカウントされるでしょうかね?
ちなみにベートくんはオラトリア2巻の時点ではロキ・ファミリア最速であるのが明記されております。
ベートくんは速さ強化のスキルを持っているので、元々の素質もあって速さに限って言えばレベル6以上なのだと思います。

そしてそんなベートくんの攻撃を、終始避けきったバーン様。
バーン様は老人形態でも双竜紋ダイと互角
ミストはラーハルトとヒムの同時攻撃をほぼ避けていました(クリーンヒットは数回程度)
万全に準備するならまだしも、今回は完全に突発的なイベントだったので本編の様な感じになりました。

ちなみに、バーン様の作中における戦闘相手
竜魔人ダイ、双竜紋ダイ、大魔道師ポップ
大勇者アバン、昇格ヒム、ラーハルト(竜の血)
超魔ハドラー、勇者パーティー

…化け物しかいないじゃないか(絶望)
そんなこんなで、作中でのベートくんに対するバーン様の評価と好感度は中々に高いです。
バーン様はヒュンケルが一番尖ってた時期や超魔ハドラーがお気に入りだったので、ベートくんは結構好みのタイプ(意味深)だと思います。
次回は大魔王師弟のオラリオ三日目以降に突入。
これからも更新は不定期になるかと思いますが、これからもシコシコとやっていく予定です。

それでは今回はこのあたりで。作者はこれからダンまち最新刊を読むと言う重要クエストをこなす予定です。
良い子のみんな!ネタバレは厳禁だぜ!それでは次回に続きます。

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