真・恋姫✝無双 狐来々   作:teymy

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閑話だよ!

「スペースコロニーってラピュタだよね」という友人の発言に数瞬考え込んでしまう作者です。
葵の幼少期(?)を書きたくなって急遽出来上がった話です。
次は本編の予定。

目次の一番上にある主人公紹介に葵の紹介をこっそり追加してあります。
宜しければご覧ください。


閑話 時には武器を置いて 其の三

○18.5話 育児日記○

 

芙陽が生んだ眷属である葵は、不完全な儀式によって不完全な眷属であった。

 

芙陽が葵を生んだ次の日、芙陽と葵は狐の姿で中庭で過ごしていた。

金色に輝く芙陽の尾がユラユラと揺れ、白い子狐は楽しそうにじゃれついている。

 

身体は幼く、神通力も妖力も微々たるものしか持たず、精神も未熟だった。

眷属ならば本来は『主のために』という行動理念を持ち、見返りも求めず絶対の忠誠を誓う。しかし、葵はその忠誠心が何故か中途半端に作用しているらしく、芙陽にじゃれては楽しそうに遊び、褒められれば喜んだ。その姿は親に甘える普通の子供であった。

 

「芙陽さーんっ」

 

中庭に面する廊下から桃香が呼ぶ声がする。今日は一日政務の予定だったはずだが、桃香の周りには星や桂花、愛紗、鈴々、朱里、雛里もいる。朱里と雛里の手に茶器や菓子があることから、休憩なのだろう。

 

芙陽が四本の足で立ち上がると、葵はその足の間を走り回って遊びだす。

 

「ほれ、行くぞ」

 

そう言いながら葵の首を咥え、そのまま桃香たちの近くへ歩いて行く。どの動物の子供もそうだが、咥えると何故か大人しくなるのは便利である。

芙陽が近くまで行き葵を降ろすと、人が大勢いるからだろう、芙陽の傍で大人しく座った。

 

「葵ちゃん!元気かな~?」

 

桃香が目線を合わせる様にしゃがんで笑顔でそう言うが、葵は少し怯えたように身を引いた。

 

「まだ少し他の生き物が怖いらしくてな」

 

「そっかぁ…早く友達になれたらいいなぁ」

 

「芙陽殿、我等は今からお茶にしようと思っていたのですが、お…お二人はどうでしょうか?」

 

努めて冷静に話す愛紗だがその目線は葵に固定されており、どうやら目的は葵を愛でることのようだ。

 

「フム、まぁいつまでも怖がってはいられんからの。呼ばれるとしよう」

 

軽い音を立てて芙陽が男性姿になる。

それを見ていた葵もプルプルと震えると更に軽い音で少女の姿に変身した。

 

「おや、昨日よりも早く変身できたの」

 

葵の白い髪を撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。

が、嬉しさを抑えきれなかったのか背中から白い尻尾が飛び出してしまう。

 

「……(喜)」バタバタッ

 

「………」

 

それに気付かない葵はずっと尻尾を振っていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おや、この饅頭は?」

 

「あ、これは大通りにあるお店のお饅頭ですっ」

 

「あわ…前々から『食べたいね』って話をしてたので、最近は政務も落ち着いてきましたし…」

 

東屋で揃って座り、お茶の準備を朱里と雛里がしている。

芙陽の両脇は桂花と星が座り、葵は芙陽の膝の上で物珍しそうに卓の上を見ていた。

 

「桂花、星。仕事の方は順調かの?」

 

「はい。雛里も言った様に最近は落ち着いてきましたし、これからは街の整備や改革に乗り出せそうですね」

 

「はぁ~…」

 

「私も順調ですな。義勇軍の殆どは伯珪殿にお返ししましたが、それでも桃香様に着いてきた者は多い。平原の兵も士気は高いので鍛錬のし甲斐がありますな」

 

「二人ともすっごく頼りになるんだよ!」

 

「はぁ~…」

 

「にゃー!星も強いから鈴々楽しいのだ!」

 

「はわわっ、桂花さんも新たな政策を次々と考えてくれるので大助かりですっ」

 

「あわわ…芙陽さんの知識もとても面白いものばかりでしゅ…」

 

「はぁ~…」

 

『………』

 

一同は先程から妙な溜息しかついていない愛紗を見た。

頬は上気し、目線はずっと芙陽の膝に座る葵のままだ。その葵は卓上のお茶やお菓子に気を取られて集中を乱したのか狐の耳がピコピコと動いていた。

 

「煩いぞMISIA」

 

「ふぁっ!?……ゴホンッ、愛紗です」

 

「愛紗ちゃん…」

 

桃香から複雑な視線を向けられる愛紗だが、恥ずかしさから用意されたお茶に口を付けるだけだった。

 

「葵、これは饅頭と言う。食べるか?」

 

その間にも饅頭に興味津々だった葵に、星が一つとって差し出した。

 

「……おいしい?」

 

「あぁ」

 

恐る恐ると言った様子で差し出された饅頭を受け取り、小さくかじる。甘いものを食べたのは初めてなのだろう、少し目を見開いた後、夢中で食べだした。

 

「あぁもう、芙陽様のお膝でそんなにこぼすんじゃないわよ」

 

ポロポロと不器用な食べ方をする葵に文句を言いながら、落ちた食べかすを拾う桂花。

 

「葵ちゃん、たくさんありますからゆっくり食べて下さいね」

 

「芙陽様もどうぞ、お茶もありますよ」

 

葵を皮切りに皆、思い思いに菓子やお茶に手を付け始める。

穏やかな午後の出来事であった。

 

この日を境に、葵が人を怖がることは無くなっていった。芙陽が武術や知識、技術を教え、立派な隠密として成長していくこととなる。

 

 

 

 

「最初の頃は可愛かったんじゃがなぁ…」

 

「…今の私は可愛くないと…」グスッ

 

「あぁほれ、そんな事言っとらんじゃろ」

 

「……はいっ」

 

「…こういうところはまぁ、可愛いんじゃがな」

 




無表情系忠犬忍者ガールの話でした。

感想にてなんだか作者をロリコン扱いする読者の皆さんですが、言っておきますけど同類の匂いプンプンしてますよ!
作者の性癖で執筆中のハイスクールのヒロイン当てるのやめてもらえませんか(笑)

…はい、執筆中です。ハイスクールD×D。出来ちゃいました、設定。
でもまぁ、恋姫の合間の暇つぶし程度にしか書いてないので、これからチョコチョコ書いては見直してって感じでまだ投稿はしないと思います。
プロローグだけはもうできてるんですけど(笑)

バイトの面接で「サボり癖がある」と発言したため落ちた友人を殴りました。


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