真・恋姫✝無双 狐来々   作:teymy

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むせる!(確立250億分の1)

またまた閑話だよ!
ピカチュウが「ピカチュー!」と鳴くことに憤慨し兄に相談して「でもしまじろうだって喋
るじゃん」と言われ納得してしまったあの頃。

今回は完全な日常回です。オチナシヤマナシです。


閑話 時には武器を置いて 其の五

○25.75話 井戸端○

 

城の中庭で、高い金属音が鳴り響く。

そこでは星と鈴々が模擬戦を行っていた。木陰になったところでは葵が座ってそれを眺めている。

 

ここは武官たちのちょっとした訓練場のような扱いとなっている。本来は東屋の傍で庭を楽しんだり茣蓙を敷いてお茶をしたりと、憩いの場として利用されるのだが、武官たちが訓練場まで行くことを面倒臭がった結果、いつの間にか短時間の鍛錬はここで行われるようになったのだ。

 

「にゃっ、にゃっ、にゃー!」

 

「ふん、はっ、ほいっと」

 

鈴々の蛇矛が素早く振るわれるが、星はそれを軽々と避けていく。

鈴々の実力は高い。劉備陣営の武官筆頭は関羽だが、実力で言えば鈴々が最強と言われる。

 

しかし、それは『芙陽陣営』を除けば、の話だ。

 

当然ながら劉備陣営に『雇われている』芙陽達を含めれば、最強の名には十人中十人が「芙陽」と答えるだろう。

そして、その芙陽の一番弟子である星もまた高い実力を持つ。

 

まだ星が公孫賛の下にいた頃、そして劉備たち三姉妹が客将として幽州で働いていた頃。

当然ながら星と鈴々、そして愛紗はそれぞれ模擬戦で優劣を競っている。

その頃は最も勝率が高かったのが鈴々であり、星と愛紗は一進一退で互いを高め合っていた。

今となっては愛紗は書簡に向かう事も多く、なかなか時間を取ることが出来ないのだが、星は毎日のように芙陽に鍛錬をつけられ、的確な指導と強者と相対する経験値を養って来た。

その結果鈴々と並ぶほどの実力を身に着けたのだ。

 

「にゃー!!当たらないのだー!」

 

「お主の槍は当たれば痛いからな。必死で避けるに決まっておろう」

 

「一回当たってみるのだ」

 

「お主阿保だろう」

 

言い合いながらも鈴々の槍は星に襲い掛かり、星はそれをいなしながら隙を見て反撃に移る。

 

「せいっ!」

 

「見えたのだ!」

 

「お主こそ一回当たってみたらどうだ?」

 

「当たったら痛いのだ。鈴々は痛いのは好きじゃないのだ」

 

「なら避けるしかないな」

 

「でも星には当てたいのだ!」

 

「鬼畜の所業だな」

 

鈴々の槍は更に早くなり、星は避けるだけでなく槍を合わせて弾くようになった。

その様子をボーっと眺めていた葵だったが、ふとこちらに近づく気配に目を配る。

 

「葵ちゃーん」

 

その視線の先には傍らに朱里と雛里を伴った桃香の姿。手を振りながら近づいて来る彼女等に、葵はぺこりと頭を下げて答えた。

桃香たちは葵の傍まで近づくと、星と鈴々を見た後その場に腰を下ろした。

朱里と雛里は近くの東屋へ向かい、手に持った茶器や菓子を準備していく。

 

「今日は鍛錬の日?」

 

「はい……桃香様は…?」

 

「私達はお仕事かなー。一段落したから休憩しに来たの。一緒にどう?」

 

「そうですね…」

 

「お菓子もあるよ?」

 

「ご一緒します」

 

ぴょこん、と葵の片方だけ縛った一房の髪が動いた気がした。桃香は気のせいだよねと思いつつ未だ戦っている二人にも声を掛ける。

 

「おーい、星ちゃんに鈴々ちゃんも!一緒に休憩しよーっ」

 

「にゃ!」

 

「おっと」

 

桃香の声に反応した鈴々は大きく槍を振った。急に予想外の動きをした鈴々の槍に星が一瞬目を見開くが、冷静にそれを避ける。

二人はそれを最後に槍を止め、桃香の方へと歩き出す。と言っても鈴々は駆け足であったが。

 

「休憩なのだ!」

 

「もうそんな時間ですかな」

 

二人が布で汗を拭い、揃って東屋に行くとそこには既にお茶や菓子の準備が整っていた。

 

「皆さんもどうぞ。このお菓子、私と雛里ちゃんで作ったんです」

 

「あわわ…お口に合えば…」

 

「美味しいのだ!」

 

「フム、良くできているな…」

 

「だよねー。私が作ってもこうはならないんだよ…何が違うんだろう…」

 

「はわわ…桃香様はその…ご自分で手を加えることが多いですし…」

 

「余計なことをして失敗するんですね」

 

「あわっ、葵ちゃん、言っちゃだめだよ…桃香様も頑張ってるんだから…」

 

「うん、朱里ちゃんも、雛里ちゃんも…もっと厳しく教えてくれていいからね…?

 その気遣い結構胸が痛むから…」

 

それぞれが菓子や茶を手に取り、思い思いに楽しむ。

 

「そういえば今日は愛紗ちゃんと月ちゃんはお休みだけど、芙陽さんは?」

 

「今日は酒屋で目星をつけた品を取って来ると言っていました」

 

「おや、それはご一緒したかったな。葵は行かなかったのか?」

 

「今日は…好きに過ごせと」

 

「置いて行かれたからと拗ねなくても良かろう」

 

「拗ねていません」

 

「暇そうだったから誘ったのだ!」

 

「あーそれで三人で模擬戦してたんだ。……そういえば桂花ちゃんと詠ちゃんは今日は…?」

 

「あわ…あの二人は書庫に籠ってますよ?」

 

「桂花さんが詠さんに資料を見せてます。なんか喧嘩してるみたいな声が聞こえましたけど…」

 

「あの二人は似た者同士だからな。言い合いながらも仲は悪くないと思うぞ?」

 

「あ、わかるかも。政務室で二人の言い合い見たことあるけど、喧嘩してるのにいつの間にか意見が纏まってるの。何が起きたかわからなかったもん」

 

「はわわ、それ見たことないです…」

 

「私見たことありましゅ…言ってることは喧嘩腰なのに言葉の中身はちゃんとした意見でビックリしました…」

 

「間になんか無駄な物挟んで会話してるみたいでモヤモヤしますね」

 

「葵ちゃんなんかやさぐれてない?」

 

「まだ少し拗ねておるのでしょう」

 

「拗ねてないです。……万里と出かけてこようかな…」

 

「万里って桂花さんのお馬さんですか?」

 

「あわ…時々芙陽様が話しかけてるのをみましゅ…」

 

「優しいお姉さんですよ」

 

「あ、やっぱ会話してるんだね。なんとなく皆気が付いてたけど…」

 

「鈴々も話してみたいのだ!」

 

「鈴々、あとで一緒に行きますか?翻訳してあげますけど」

 

「頼むのだ!」

 

「鈴々ちゃん、行くのは良いけどお仕事は終わらせてね?」

 

「もう終わったのだ!」

 

「え、うそ!?」

 

「はわ!?」「あわ!?」

 

「いや、お主等その反応はどうかと…」

 

「だって書簡の仕事だよ!?簡単なものだけど後で一緒にやろうと思ってたのに!」

 

「私が手伝って終わらせました」

 

「字も教えてもらったのだ!芙陽が『仕事を終わらせた方が格好いい女になれる』って言ったのだ!」

 

「はわわ…流石です」

 

「芙陽様…教え方と言うか、人をその気にさせるのが上手ですから…」

 

「確かに、街の子供たちにも何かと教えてるのを何度も見たな」

 

「うーん…敵わないなぁ。愛紗ちゃんも芙陽さんに叱られてから雰囲気変わったし」

 

「あ、賊退治に言った時ですよね」

 

「あれから考え方が変わったというか、柔軟に物事を見る様になりました…」

 

「そうなんですか?」

 

「あぁ、葵はまだ生まれてなかったというか…眷属になってない頃だからな」

 

「はい。愛紗は最初からあのような…なんというか、こう…ねっとりとした視線を…」

 

「多分ソレ葵ちゃんに対してだけだよ」

 

「あれ結構怖いです」

 

「またぶっちゃけたな」

 

「あはは…愛紗ちゃん可愛いの好きだから…」

 

とりとめもない話をしていると、そこにやって来た二つの気配。

桂花と詠がいくつかの書簡を手に歩いてきた。

 

「あら、アンタたちここに居たの?」

 

「随分と余裕ね。まぁ政務が落ち着いてきたのはわかるけど」

 

「あ、桂花ちゃんに詠ちゃんもどう?」

 

「お菓子もまだありますよ」

 

「そう?なら頂くわ……ところでなんで葵は拗ねてるの?」

 

「拗ねてません」

 

「芙陽様に置いて行かれたのが寂しかったようでな」

 

「だから拗ねてません」

 

「芙陽?アイツなら城壁の上で酒飲んでるわよ?」

 

「そうなの?もう帰ってきてるんだ」

 

「月と愛紗も一緒に飲んでたから珍しいと思ったわ」

 

「確かに珍しい顔ぶれですね」

 

「詠は参加しなかったのか?」

 

「最近の月は芙陽が絡むと手が付けられないのよ…そこに酒が入るのよ?」

 

「……怖いね」

 

「はわ…何が起きるんでしょうか…」

 

「あわわ…月さん結構大胆でしゅから…」

 

「……ちょっと行ってきます」

 

「待ちなさい、私も行くわ」

 

「落ち着け信者共」

 

「あ、そうだ!今日の夜皆でお月見しない?」

 

「お月見でしゅか?」

 

「うん。月ちゃんと詠ちゃんの歓迎会もしてないし」

 

「今の私の話聞いてた?月にこれ以上酒を飲ませるつもり?」

 

「詠ちゃんも飲めばいいと思うよ?」

 

「解決になってないわよ」

 

「しかし歓迎会は賛成ですな」

 

「御馳走なのだ!」

 

「……お菓子も出ますか?」

 

「勿論!」

 

「はわわっ、では政務の後すぐに準備しましょうか」

 

「あわわ…今日はもうそれほど残ってないのですぐに終わらせてしまいましょう」

 

「葵!万里の所に行くのだ!」

 

「え、どうしたんですか?」

 

「万里にも御馳走食べさせてあげるのだ!」

 

「……そうですね、行きましょうか」

 

「全く、急に決めないでよね。私は芙陽様に伝えてくるわ」

 

「あ、桂花。書簡はボクが持っていくわ。やることはもうわかったから」

 

「それじゃあ皆夜になったらまたここに集合で!」

 




現在いるメンバーの交流を書いてみました。
実はこういうほのぼの過ぎる話が好きだったりします。

一応気を付けてはいますが、誰が何を言ってるのか分からないことは…ないと思いたい。
朱里と雛里が難しい。そして一人称が無いと桂花と詠が難しいことを知りました。
朱里と雛里はどっちが喋ってても違和感ないんですよね。若干雛里の方がどもったりすることが多いのかな?あとは朱里の方が声が大きめだったり。…中の人かな。
葵が若干口数が多いです。会話回なので(笑)
そして何故か鈴々の影が薄くなりがち…嫌いじゃないのに何故だ…。なんていうか、どうやって会話に入って来るのかが掴めません。

閑話のタイトルを変えようか悩んでます。其の○じゃなくて本文頭にしようかと。
閑話も多くなってきたので目次で分かりやすくした方が良いのかと思って。

次回はどうなるか不明です。閑話で書きたいことがあれば閑話になります。
まだ何も書けてないのでどうなるかなぁ…明後日?そんな先の事は分からない。


「死ぬ間際に言いたい言葉は?」
「ちくしょう」
恐ろしいな。

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