やはり俺がプロデューサーになるのはまちがっている。 作:小木終英
ただの落書きみたいなもんですので生暖かい目で見守っていただけると幸いです。
やはり俺のアイドルプロデュースは前途多難である。
言霊。
言葉には不思議な力があって、実際に口に出した言葉が現実になるというなんとも迷信めいた言い伝えである。
そもそもそんなものがあるのならば、厨二病は総じて能力者になるし、ツンデレ娘のフラグは立たないし、リア充はとっくに爆発してる。
小学校に入学する前にともだちひゃくにんできるかな♪と歌っていた無邪気な比企谷少年にも100人の友達ができているはずなのだ。
しかし、古来からの言い伝えというものはなかなか馬鹿にできないものがある。例えば男女七歳にして席を同じうせずとか。
七歳で席を違えていたならば、勘違いで告白して黒歴史を作ることもなかったのだ。くそっ!教育基本法め!
...つーか俺のモテなさが言い伝えの根拠とかなにそれ悲しすぎる...
まぁそれはともかくとして、同じ言い伝えである言霊も一概には嘘とは言い切れないのかもしれない。
実際、今の俺は言霊の存在を信じかけている。
なぜなら、高校時代絶対に働かないと言っていた俺が50社連続で就職試験に落ちているからである。しかもほとんど書類審査で。
そのうえ奇跡的に書類審査を通過しても面接試験で落とされてしまう。
いや、これは主に俺の目が腐ってるせいですね。言霊関係ねぇ...
しかも働かないところだけ叶えて養ってくれる人は見つけてくれないとか言霊さん鬼畜過ぎィ!
うちの両親は俺が大学卒業したら追い出す気マンマンなので、このまま職が見つからなかったら最悪ホームレスである。
こいつはヤバイ、といつもより目を腐らせながら歩いていると、某松崎さんのように真っ黒なオッサンから声をかけられた。
高木「ほう!なんといい面構えだ!ティンときた!君のような人材を求めていたんだ!」
なんだこのオッサン、俺を見ていい面構えなんて言うやつは海老名さんしか見たことがない。(誘い受け的な意味で)
まさか、こいつソッチ系の人か!
こんなときは無視するに限る。
高木「ああっ!ちょっと君、待ちたまえ!」
八幡「何なんですかあなた、俺にソッチ系の趣味ないので無理ですごめんなさい」
思わず一色のように断ってしまった。
似てねえけどな。
高木「そんなこと言わずにまずは話を聞きたまえよ」
八幡「はぁ」
話を聞いてみたところ、そのオッサンはソッチ系の人ではなく、売れないアイドル事務所の社長さんらしい。
なんでも、アイドルのプロデューサーを探していたらしいのだが、俺を見て何かを感じたらしく、こうしてスカウトにきたのだとか。
俺を見てピンときちゃうとかアイドル事務所の社長として大丈夫なのかよ...
八幡「俺、アイドルとかあんまり詳しくないんですけど大丈夫なんですか?」
正直なんでもいいから職を見つけたかった俺としては願ったり叶ったりなんだが、俺は芸能界に関しては完全な素人だ。テレビもアニメと特撮とニュースくらいしか見ていない。
担当するアイドルに迷惑をかける訳にはいかんしな。
高木「その点は心配ない。こう見えても私は長年アイドル業界に携わってきたんだ。アイドルの専門知識なら私だけでも充分だよ。
私が今求めているのは、私には見つけられないようなものを見抜く『本物』の眼を持った人材なんだ。
その点、君はいい眼をしている。物事の本質を見抜く眼だ。
と言っても私の勘だがね」
勘なのかよ。今めちゃめちゃいいこと言ってたのに。
それにしても『本物』か...
今になってその言葉を聞くことになるとはな。
高木「まあ、心配するな。私の勘はよく当たるからね。私のティンと来た人なら間違いない。それで、どうする?」
八幡「分かりました。その話、お受けします」
こうして、俺のプロデューサーへの道が幕を開けた。
高木「それじゃあ、早速明日から来てくれたまえ。これがアイドルの資料と事務所の地図だ」
八幡「え、マジすか」
高木「もちろんマジさ。君には期待しているよ。ハッハッハ」
い、行きやがった...
なんつー自由な社長だ。
やはり俺のアイドルプロデュースは前途多難なものになりそうだ。
めちゃめちゃ短くなっちゃいました。もっと長く書けるように頑張ります。
アイドルは第3話から登場する予定です。