やはり俺がプロデューサーになるのはまちがっている。   作:小木終英

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第4話です。どうぞ。


やはり彼女たちの準備はまちがっている。
やはり社長のセンスはまちがっている。


ようやく自己紹介は終わったが、これ思ってたよりかなりしんどいな...

あの水瀬伊織は初対面なのになんであんなに罵倒してくんだよ。マジなにノ下さんだっつーの。

 

ていうかそれ以前にこれ以上女子と会話したら俺の寿命がストレスでマッハだな。ここは大人しく資料でも見とくか。

 

ガサガサ

ペラッペラッ

 

音無「なにしてるんですか?」

 

八幡「ひえっ!」

 

ってなんだ音無さんか。この人俺の隙を突くの上手すぎだろ。

 

八幡「いえ、ちょっと資料の確認でもしようかと思いまして」

 

音無「あぁ、社長の作ったアイドルたちの資料ですか。でも、そんなの見なくてもアイドルたちと直接お話しすればいいじゃないですか」

 

八幡「いや、これ以上女子と会話するのは俺にはハードル高いんで。」

 

音無「もう、そんなことじゃアイドルのプロデューサーなんて務まりませんよ?それに私とは話せてるじゃないですか」

 

八幡「いや、音無さんは女子って年齢じゃな...」

 

音無「どうかしましたか?」ニコッ

 

八幡「い、いえ」

 

こわいこわい!目が笑ってないよ!この事務所笑顔が怖い人多すぎるだろ!

やっぱりアイドルの武器は笑顔ってやつか。まぁプロデューサーと事務員だけどな。

音無「そんなことより、どうです?うちのアイドルたち。みんないい子たちばかりでしょ?」

 

八幡「まぁみんな思ってたよりまともでホッとしましたよ。資料の写真だけじゃどこの変人集団だよって感じでしたから。あの人写真選ぶセンスなさすぎだろ...」

 

 

音無「え?どんな写真ですか?」

 

俺は音無さんにもらっていた資料を見せた。

つーか見れば見るほど変な写真だな。おサルの2人組に半目開きの幼女、極めつけにはデコフラッシュだ。最後のはアイドルとしてアウトだろ...

 

音無「あー、これみんなの宣材写真ですね」

 

八幡「せんざい?なんすかそれ?」

 

音無「宣材写真っていうのはですね、アイドルの売り込みなんかに使われる写真のことです。それを見てその子を採用するかどうかを決めるんですよ」

 

八幡「え、これ使ってるんですか?」

 

音無「えーと、はい...写真選びは社長に一任してまして...」

 

おいマジかよあの社長。アイドル業界のプロじゃなかったの?芸人事務所でも採用しないくらい滑ってんじゃねえか。

 

八幡「これ、撮り直すことって出来ますかね?」

 

音無「律子さんに相談してみないことには、なんとも...」

 

律子「私がどうかしましたか?」

 

八幡「おお、秋月。ちょうどいいところにきた。実はかくかくしかじかでな。」

 

律子「宣材写真の撮り直し、ですか?」

 

八幡「ああ、出来そうか?」

 

律子「正直厳しいですね。実は最近新しい衣装を新調したばかりで、お金があんまりないんですよ。」

 

音無「やっぱりそうですよねぇ...」

 

律子「まぁこれがベストとは言えませんけど、このままでも出来ないことはないですし、あとはみんなの頑張りでなんとか...」

 

八幡「甘いな、甘すぎる。マックスコーヒーよりも甘いぞ秋月!」

 

律子「な、なんですか急に」

 

八幡「お前に一つ質問だ。就職活動をする上で1番大切なものはなんだと思う?」

 

律子「就職活動ですか?うーん、やっぱり学歴とかですかね。」

 

八幡「違うな。就職活動において1番大切なことは『見た目の印象』だ。」

 

律子「見た目の印象、ですか?」

 

八幡「そうだ。面接試験なんかでも見るのは態度よりも見た目と言われてるくらいだしな。なにより、高学歴なのにこの目のせいで50社連続で入社試験に落ちたこの俺が言うんだから間違いない。」

 

律子「うーん、実感がこもってるだけに説得力がありますね」

 

八幡「それを踏まえたうえで聞くが、お前はこの写真を見て、こいつらをアイドルとして採用したいと思うか?」

 

律子「それは、思わないかもしれませんけど。」

 

八幡「だろ?」

 

律子「そうは言っても、お金が...」

 

音無「律子さん、これも長い目で見れば先行投資ですよ」

 

八幡「まぁ上手くいけば仕事が増えるわけだしな。撮影代くらいは補填できるだろ」

 

律子「うーーーーーん、よし!じゃあいっちょやりましょうか!」

 

音・八「「よし!」」

 

律子「じゃあ業者さんには私が連絡するので、プロデューサーはみんなに言ってきてください」

 

八幡「え」

 

音無「プロデューサーさん、頑張ってください!」

 

だから女子との会話は苦手なんだけど。

なにこれ、いやがらせ?やっぱやる気出すんじゃなかった...

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「あー、突然で悪いんだが、宣材写真の撮り直しをすることになった」

 

真美「洗剤?兄ちゃん洗濯するの?」

 

八幡「ばか違えよ。宣材っていうのはな、アイドルの売り込みに使う写真のことだよ。」

 

真美「へぇー!」

 

響「あ!プロデューサーさっきピヨ子に教わったことそのまましゃべってる!自分ちゃんと見てたんだからな!」

 

八幡「おっふ...」

 

見られてたのかよ!恥ずかし!俺恥ずかし!

 

亜美「うわー、兄ちゃんかっこわるーい」

 

もうやめて!八幡のライフはゼロよ!

双海姉妹と我那覇響め、絶対に許さないノートに追加しておこう。

 

真「そんなことより、撮り直しってどういうことですか?」

 

貴音「前のではいけなかったのでしょうか?」

 

八幡「いや、いけないってわけではないんだが、ちょっと奇をてらいすぎだな。正直言ってアイドルの宣材とは思えない」

 

伊織「なによ!社長が個性的にアピールしていこうって言ったからじゃないの!」

 

やよい「その写真、社長にすっごく褒めてもらいましたー!」

 

やっぱりあの人が元凶かよ...

 

八幡「とにかく撮り直すから、どんな服で撮るか決めておいてくれ」

 

全員「はーい!」

 

ドンナノガイイカナ-?

ガヤガヤ

 

ふぅ、ようやく終わった。

とりあえずあとはあいつらに任せとけばいいだろ。

なんかステーキとか不穏な言葉が聞こえた気がするけど、たぶん気のせいだ。

 

律子「3日後に予約取れましたよ!」

 

八幡「おう、お疲れ。意外と早く取れたな」

 

律子「はい、ちょうどカメラマンさんが空いてたみたいで」

 

八幡「そうか。俺的にはもうちょっと遅くても良かったんだが」

 

律子「え、どうしてですか?」

 

八幡「だって、宣材写真が出来るまでは働かなくていいだろ?前の宣材で売り込んでも逆効果だしな」

 

律子「はぁ、まったくこの人は...宣材写真が出来てなくても働いてもらいますよ。写真じゃなくて本人を連れて行けばいいことですし」

 

なん...だと...

俺の完璧な計画が...

まあ常識的に考えて休めるわけはないんだけどな。

 

律子「とりあえず今日は初日ですから、明日から行きましょうか。」

 

八幡「分かった」

 

売り込みってことはお偉いさん方に頭下げて回る仕事か。

はぁ、明日からが憂鬱だ...

 

 

 

 




今回はアニメの内容に入ろうと思ったのですが次回やりたいことがあったので一回切りました。
次回オリジナルを挟んでその次から本編に入っていきます。
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