東京レイヴンズ~英霊を従えし陰陽師~   作:スペル

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三作目です
書いてみたくて書き出しましたが、メインはあくまでも一作目ですので更新はかなり遅いと思います

楽しんでくれたら嬉しいです


原作一巻
プロローグ


美しい満月が夜空を屋敷を照らしている。夜を照らすその美しい満月を、屋敷のテラスから一人の男が見ている。

男の表情は何処か寂しげでありながらも、とても嬉しそうにも映っている。

そんな男がいるのは自分の西洋屋敷。しかし、それはとてもおかしなことだ。いま日本は、西洋と戦争をしている。

西洋のモノを扱うだけで、死刑は待逃れないにも関わらず、男はその屋敷にいる。それが既におかしい。

 

「やはり此処にいました」

 

ふと、男の背後から凛とした声がかけられる。男は視線を月に見せたまま 「よくわかったな」 と声の主に向かって言葉をかける。

影のせいで姿が見えない声の主は、男の言葉に

 

「当然です。貴方の事は誰よりも知っている。この世の誰よりも」

 

何処か自慢げに発した言葉を聞いた男は、クスと小さく笑みをこぼす。

そして、もう一度月を見た後 「今までありがとう」 声の主に向かって礼を述べる。

「お前のお蔭で、俺はここまで来れた」 だからと男は一度言葉を止め、部屋の方に視線を向ける。

 

「俺の事を()()。知っての通りの未熟者だ。お前が導いてやってくれ」と告げた。

 

男の言葉を聞いた声の主は、男の方へ一歩踏み込む。瞬間、今まで影で見えなかった姿が月明かりに照らされた。

 

声の主は少女だった。

その少女を一言で表すならば、美しいとしか言えない。月明かりに照らされた金色の髪がキラキラと輝いている。

凛とした目など整った顔立ち、そして青いドレスの様な服の上から騎士の甲冑が所々に見受けられた。

その姿は間違いなく『騎士』と言う言葉が相応しい姿。

 

少女は男の言葉に対して

 

「当然です。貴方はまだ未熟だ。私が必ずや立派に鍛え上げて見せます」

 

任せて下さいと告げる。少女のセリフを聞いた男は「お手柔らかに頼むぞ」と若干、苦笑しながらも少女の言葉に応える。

 

しばしの沈黙が部屋を支配したその時

 

「おっ!集まってるね~」

 

第三者の声が響く。

しかし、二人は驚いた様子も見せず

 

槍兵(ランサー)、今までどこに行ってたのですか?」

 

「何だよ剣士(セイバー)。俺はただ、マスターの命令で酒を買ってただけだぜ」

 

ランサーと呼ばれた男の言葉を聞いたセイバーと呼ばれた少女は、男に視線で「本当ですか?」と問う。

その視線に気が付いた男が笑みを浮かべながら頷く。

 

「ほらな」

 

「ええ、どうやら本当の様ですね」

 

勝ち誇った笑みを見せたランサーは、男の方に歩んで持っていた酒を手渡す。

「ありがとうな、ランサー」男の言葉にランサーは「気にすんな」と両手を頭の後ろで組みながら笑う。

 

ランサーと呼ばれた男は、青い髪を後ろで一本に括っており、その顔つきは何処か獰猛な(いぬ)を思わせる『騎士』。

青いタイツの様なスーツの上に軽装な鎧に身を包んでいる。纏う雰囲気は、正しく兄貴分と言った感じだ。

酒を受け取った男は、壁際に置いてあった盃を三つ取り出して酒を注ぎ、セイバーとランサーに手渡した。

 

「ありがとうございます」

 

「さんきゅーな」

 

手渡された盃を見つめながら礼を述べるセイバーと満面の笑みを浮かべながら友に話しかけるように礼を述べたランサー。

そのセリフにセイバーの眉が若干上がるが、男も笑みを浮かべたので渋々と言った感じで堪える。

男も最後の一つの盃を手に取り、三人は静かに盃をぶつけた。

 

「ぷふぁー。うまい」

 

一気に飲み干したランサーに続くように

 

「ええ、確かに美味しいですね」

 

両手を使って酒を飲んだセイバーが同意する。二人のその顔は何処か満足そうにほころんでいた。

二人の反応を見た男は、何処かおかしそうに笑った後、静かに盃を置き二人を見た。

 

「今度お前達と酒を飲めるのは、一体何時になるだろうな」

 

その言葉にランサーは

 

「なに、すぐにまた飲めるさ」

 

笑みでそう答えた。

そしてセイバーもまた

 

「ランサーの言う通りです。また直ぐに飲めます」

 

同意の言葉を述べる。二人の言葉を受けた男は「それもそうだ」と返し、背にある月に視線を向ける。

その姿を見たセイバーとランサーは、頷き合いながら立ち上がる。

「どうした?」と問う男に向かって二人は

 

「私は貴方の剣であり盾だ。そして私の人生は貴方と共にある。故に幾たびの時が経とうと、私は貴方の()だ」

 

「俺はアンタを大将と決めている。我が必殺の槍は大将の敵を滅ぼすためのモノだ。たとえどれだけ時が過ぎようが、俺のアンタに対する忠誠の契約は消えない。だから、此処でもう一度誓いを立てよう。俺はアンタを裏切らない。ただアンタと共に歩む()と化すと誓う」

 

己の覚悟を男へと告げる。二人の宣言にポカンとしていた男だが、直ぐに笑みを浮かべると立ち上がる。

セイバーとランサーの二人は、男が立ち上がると同時に膝をつく。

その姿を確認した男は静かに告げた。

 

「ああ、俺達三人の絆は此処にて不滅だ」

 

その光景は、窓から差し込む月明かりと相まって、一つの絵画の様に美しい。

 

これが、本当に意味で物語が始まる六十年以上昔の話

 

そして時は現代に戻る。




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