東京レイヴンズ~英霊を従えし陰陽師~   作:スペル

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お待たせしました!!

主人公達との会合です
上手くレイヴンズらしさを出せてるか心配ですが、頑張ってみました

楽しんでくれら、嬉しいです!!


第四夜 土御門 その2

二人の転校生の登場と小競り合いを終え、昼休みの時間帯。四季は、カバンから二つの弁当を取り出すと、隣に座っている凛に手渡す。

 

「ありがと」

 

弁当を受け取った凛は、簡潔に礼を述べる。これもまた東京に来た二人の変わらない日常だった。互いに交互に昼ご飯を用意する。最初にそう告げたのは、凛の方だった。四季自身、母親である桜から料理を習っていたから了承したわけだ。

 

「今日は一人で食べるのか」

 

「ええ、少し考えたい事もあるしね」

 

「了解」

 

このやり取りもまた、東京に来てからの変わらないやり取り。互いに一緒に食べるときもあれば、別々に食べるときもある。理由としては、お互いに何かを考えたいときは一人になりたいタイプだからというの挙げられる。

恐らく、凛は転校してきた二人について何か考えたいところがあるのだろう。

 

淡白に告げて教室から出ていく凛。四季は、ゆったりと立ちあがり天馬の方に歩いて行く。自分と同じ弁当組であり、四季の少ない学友の一人。こう言った状況では二人で食べるのが通例となっている。

 

しかし今日はどうやら先客が居るらしい。天馬の隣に座っている話題の転校生の一人冬児がいる。そして天馬の前の席には春虎が座っている。

もう仲良くなったのか。と考えた四季だが、何となくそれは違うと感じる。

 

―――偵察って所か?

 

全く別の世界に放り込まれたのだ。少しでも塾内のことを知ろうとするのは当然かもしれない。そしてそう言った役目に天馬はバッチリあっている。

 

―――まあ、俺も興味あったしいっか

 

果たして、土御門の人間が自分の名を聞いてどんな反応を取るのか。少し興味がある。夏目の時は、全く関わろうとしない彼の性格上何もなかったが、見るからに活発そうな彼ならどうなのか、反応を見て土御門の反応に探りを入れるのも面白いと思っている。

だからこそ

 

「悪い。隣いいか?」

 

いつも通りの口調で輪の中に入っていく。最初に反応したのは天馬だった。人の良さそうな笑みを浮かべながら、冬児がいる場所とは逆の場所を指してくれる。

一言入れてから席に座った四季。次に話しかけてきたのは、冬児だった。

 

「俺の名前は…」

 

「阿刀冬児だろ。さっき自己紹介してたらから覚えてるよ。俺の名前は、衛宮(・・)四季だ。まあよろしく」

 

話しの主導権を握ろうとした冬児の言葉を遮る様に四季が名前を告げる。一瞬、驚いたような顔をした冬児だが、次の瞬間にはニヤリという効果音が付き様なほどの笑みを浮かべる。

 

「でそっちが、土御門春虎だよな。よろしく」

 

「ああ、此方こそ。えっと…」

 

「四季でいいよ」

 

「ああ、よろしくな!!」

 

次に四季が話しかけたのは春虎だった。話を振られた春虎は少し驚いた様子を見せながらも嬉しそうに答える。しかしその反応が逆に四季を困惑させる。

 

――――俺の家のことを知らないのか?

 

そんな考えが頭をよぎる。しかしこの世界で自分の家の名を知らないのは少し可笑しいと感じる。

意外にもその疑問を解消させたのは冬児だった。

 

「良かったな春虎。早速、つるんでくれそうな友人候補が出来てよ」

 

「それってどう言う事?」

 

「いやなに。こいつも戸惑ってんだよ。土御門って言っても分家筋の人間で、陰陽術のことなんて全く知らないド素人だからな。俺もそうだが、この夏まで一般の高校に通ってぐらいなんだ」

 

「へ~。土御門って言ってもいろいろあるんだね」

 

「確かに意外だな」

 

冬児の言葉に天馬と四季は純粋に驚いたような声を漏らす。それだけに意外だったのだが、二人の反応を見た冬児は笑みを噛み殺し、春虎はうっ!とした反応を見せる。

 

「そう言う事なんだよ。それに陰陽塾(ここ)に入れたのだって、褒めらてた事情があった訳じゃないんだぜ?。ほら、さっき女子が言ってたろ?実はな、この前の陰陽師が起こした事件があっただろ?」

 

「お、おい、冬児」

 

突然の話題の変化に天馬は驚き、春虎は焦ったような声を出す。対して四季は、感心するふりをしながら、凛と自分の予想がある程度的を得ていたことを悟る。

 

「その犯人が実は陰陽庁の幹部の関係者(スジ)でな、それに巻き込まれた一般人の俺らはいっそ『業界の人間』にして丸め込めって感じなんだよ」

 

「あの事件に、そんな事情があったんだ」

 

「というか、その事俺らに話してよかったのか?極秘じゃねえのか」

 

「いやなに。さっきの女子の言葉から察するに、何人かにばれてるなら、下手に隠すよりは話した方がいいと思ってよ。まあ、ある程度覚悟して来たんだが、まさか初っ端に堂々と弾劾(だんがい)されるとは思わなかったぜ。それのせいで、春虎(こいつ)なんて午前はへこみぱなっしだったんだぜ」

 

「へえ、そんな事が」

 

冬児の話を聞いた天馬は、同情した様な目で春虎を見る。その反応を見て四季は改めて天馬がの人の良さを再確認する。何と言うか、騙し合いの世界であるこの世界では、大分浮いている様に思える。

対する、四季は冬児の話を聞きながら、語られたのがあらかた真実であると推測する。

 

「あの事件をきっかけに、陰陽師を目指す事を決めたんだ。勿論、さっきの女子が言ったように、望むところだって覚悟して来たんだけど‥‥ちょっと戸惑ってな」

 

春虎の言葉に当然だと四季は思う。誰だってあそこまで露骨に言われたら、覚悟していようが戸惑うに決まっている。自分がそれに近かったのだから。

 

「で、だな。知っている範囲で構わないんで、『クラスの事情』的なモノを教えて欲しい。‥‥今朝の『倉橋』なんだっけ?」

 

漸く本題に入ってきたのか。身を乗り出し、他の塾生には聞こえない様にしている。言わんとしたことを理解した二人は話始める。

 

「彼女、倉橋家の令嬢なんだ。でも令嬢って言っても、お高くとまった子じゃないよ。僕なんかとも…それに四季君とも気取らないで話してくれるし」

 

「でもまあ、土御‥夏目が絡むと、な。ライバル視してるみたいだしな」

 

二人の話す最中、春虎がある意味での問題発言をかます。

 

「さっきからずっと気になってたんだけど、『倉橋』ってなに?。そんなにも有名なの?」

 

この発言には流石の四季も驚かずにはいられない。ふと見れば、天馬も驚いたような顔をしている。

二人の反応を見て面白そうにしている冬児が茶々を入れる。

 

「な?この業界のことなんて全く知らないド素人なのさ」

 

冬児の言葉に四季は、本当に春虎があの事件に関わったのか、疑いたくなってきた。『倉橋』の説明を受けた春虎は、純粋に反応を見せている。

 

「ただね。現在の権威がどうであれ、やっぱり『土御門』の名前は歴史的とかで『家格』として、圧倒的なんだ」

 

「だから、倉橋の奴がつ‥夏目を一方的に敵対しているってのが、このクラスの大体の相違だな」

 

夏目の奴がまったく相手にしてないから余計にそう見える。と告げる四季。

 

「そうだね。一回生は座学が中心だけど、偶にある実技じゃ、遠坂さんを含めて三人がトップだね。でもやっぱり、護法式(ごほうしき)を持ってるのは二人だけだし、二人が上に見えちゃうね」

 

天馬の発言に若干イラッときた四季だが、此処で怒っても筋違いだし天馬に悪気がないと理解しているため何も言わない。

 

「遠坂って誰だ?」

 

「ああ、ほら今朝、二人を論破した子がいたでしょ?あの子が遠坂さん」

 

天馬の言葉に二人は、先ほど堂々と凛としながら夏目を言いくるめた少女を思い浮かべる。そして納得と言った表情を見せる。

その後、春虎が再び唖然とする発言をするのだが、ある意味で慣れた二人は無視し、冬児が「少し黙ってくれ」と釘をさした。

 

「でも今日のことは驚いたよ‥‥夏目君があそこまで熱くなるなんて」

 

「確かにな」

 

二人の言葉に冬児は「どう言う事だ?」と聞いてくる。

 

「さっきも言ったけど、夏目って基本的に倉橋の挑発も冷静に受け流してたんだよ。しかもクラスメイトとあまり関わろうとしないからな、何時も淡々と講義を受けてる印象なんだよ。だから、今日みたいに反論した事なかったからな」

 

「だから、倉橋さんも余計に驚いたんだと思うよ」

 

二人の言葉に春虎と冬児は顔を見合わせる。

 

「きっとそれだけ、君のことが大切なんだね夏目君は」

 

「確かに、俺もそう思うな」

 

「‥‥」

 

二人の指摘に春虎は照れた様にそっぽを向く。

 

「‥‥‥ま、これから『一緒に頑張ろう』ぜ」

 

冬児のその言葉と共に話し合いはお開きとなった。




どうでしたでしょうか?
いよいよ次回は、凛も交えての春虎達との会話と思ってます

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