夜、白の事前情報とネトゲ経験からの知識でその日のうちに次の町まで来ることができた。やっぱり知ってるとはいえ白の飲み込みの良さが半端ない。最初の数発で槍に慣れ、しばらくすると相手が攻撃する前に範囲外から仕留める。流石白だぜ。少しの隙もないな。一方チノだがこちらも意外に善戦していた。だがまだモンスターに慣れてないのかハウリングなどの威嚇にビビってる面もあった。まあ画面越しに吠えられるのと目の前でとじゃ違うし仕方ないか。
「お疲れさん、二人とも平気か?」
「まだよゆー」
「わたしは、少し休憩したいです……」
「もう夜遅い時間だし、これ以上の続行はこっちが不利になるだけだから今日はこれくらいにしておくか」
「おにい疲れた。連れてって」
「さっきまで余裕かましてたのにか?」
「おんぶー……」
「はいはい、チノは大丈夫か?」
「わたしは疲れてますがまだ歩けます」
「助かる、もうちょいで宿だから我慢してくれ」
白のおかげでまだ殆ど誰もきてない速度でたどり着けたため宿もすっからかん状態だった。とりあえずそこそこの部屋を取りベッドに白を寝かせた。その隣にチノも潜り込むとすぐに寝息を立て始めた。
「やっぱり少し無理してたんだな」
この中では一番チノがこういったことに慣れていないだろう。知識では白が勝っていて、実際に起こることを俺は知っている。だからこそ初心者であるチノは足を引っ張らないようにと頑張ったんだろう。そこまでチノに考えさせちゃったのは失敗だな。浮かれるだけじゃなくてちゃんと見てやらないとな。中身は同年代に比べれば成熟してるかもしれないがそれでも二人とも小学生なんだしな。
「兄貴の俺が頑張らないとな」
明日からの決意を固めながら俺も反対側のベットに入った。
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次の日の朝、宿の外で軽く体を動かしてから戻るとチノが慌てて駆け寄ってきた。
「に、兄さん大変です!早く来てください!」
「なんだなんだ、何が起きた?!」
慌てるチノに引っ張られて自室にたどり着くと
「……おにい……どこ……?白……一人だよ……」
割と白がヤバイ状態になってた。えっ?数十分外しただけなのに目のハイライト消えてるってマジか。これはちょっとどうにかしないとまずいんじゃないか?今後ダンジョンのトラップかなんかではぐれた時このままだとひどいことになるぞ。
「白、俺はここにいるぞ」
「おにい!」
白が泣きながら飛びついてきた。そのままお腹に顔を埋めてしばらく泣いていた。白も楽しみにしていたり、余裕な様子を見せてたけど結局はまだ子供なんだ。今回でそのことがよくわかった。
「平気だ、俺はずっと一緒にいるからな」
「……うん」
「…………兄さん」
「ん、どうした」
「その……わたしも寂しかったんですよ?」
「ああもういちいち可愛いな!」
「ひゃ?!」
「大丈夫だ!俺が付いていてやるから。安心しとけ!」
せっかく願いが叶ったんだ。ならせめてこの二人だけは絶対に守ってみせる。