Chinzyuhu produced Waiting Bar Avanti   作:Pubの親父

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いつも元気な金剛さん

「紅茶が飲みたいネ!!」やら
「バーニング・ラァァブ!!」
などと絶叫していますが、そんな金剛さんにも変化が・・・

あれ?


「金剛さんの回」

紳士「やぁ、これから行く店を口外しないでくださいね。私が困りますから。北海道は

余市町、その片隅にある小さな役所、余市警備府。その一角にあるWaiting Bar Avanti。週末の夕方ともなると鎮守府にいる艦娘・妖精さん・勤務のスタッフで賑わうレストランのウェイティングバーがお目当ての場所です。おや、着きました。私がドアをお開けしましょう。」

 

Chinzyuhu produced Waiting Bar Avanti「金剛さんの回」

 

紳士「やぁ、ベル。いつものを」

ベル「かしこまりました。」

そういって店内にいるバーテンダーのベルが作るいつものファーストドリンク。

この一杯がたまりませんね。

ベル「お待ちどうさまです。」

紳士「ありがとう。」

そういって、私はそれを飲み干します。

店内を見渡すと、いつもの週末らしく店内は警備府所属の艦娘、技術や整備、総務関係などの妖精さん、さらには鎮守府のhumanスタッフなどがめいめいに分かれて歓談しつつドリンクや軽いつまみを楽しんでいます。

 

紳士「そういえばベル、この間の合同演習のこと聞きました?」

ベル「ええ、なんでも横須賀から参加した金剛さんの艦隊がコテンパンにやられたとか?すっかり意気消沈していると聞きました。」

紳士「そうでしょうねぇ。演習は一週間の予定で防空・水上・対潜・個艦防衛を実施する予定だったのですが、なんでも初っ端の艦隊防空で金剛さんに飛び込んだSSMの打ち所が悪くて、すっかり怯えてしまって演習にならないのだとか。司令部も困ってしまって、一週間の期間延長を決定して横須賀に連絡したとか。」

ベル「聞きました。なんでも、過去のトラウマを呼び覚ましてしまったとか・・・」

紳士「いけませんねぇ・・・おや?噂をすればあちらのテーブルではその金剛さんが、ホストシップのタイコンデロガ級巡洋艦娘「ヴィンセンス」と何やら話し込んでいらっしゃいますよ。興味がありますね。ではでは・・・聞き耳を。」

ベル「紳士!少しだけですよ。」

 

ヴィンセンス「まぁまぁ、金剛さん。少しこれを飲んで落ち着きましょうよ。」

金剛「デ~ス。申し訳ないデ~ス。」

あちゃー。話には聞いていましたが、ここまで落ち込んでいますか・・・

今日の合同演習の内容は防空とのことで、まず手始めにうちのスプルーアンス級駆逐艦艦娘5隻がハープーンSSMを発射したのですが、まぁ、SSMが優秀だったのでしょうか、金剛さんの艦隊がぼけっとしていたのか、探知できなかったのか、結果的にSSMが二発まぁ勿論訓練弾ですが、金剛さんのどてっぱらに飛び込んでしまい、しかも着弾したのが、左舷艦首と2番煙突下のエンジンというわけで・・・しかもそこは大戦中に金剛さんに魚雷が命中し、沈没させるきっかけになった、まぁ、致命傷になったわけでして・・・

その瞬間、金剛さんの「いやぁぁぁぁぁ!!」という悲鳴が訓練海域に木霊して、その衝撃で護衛役についていた軽巡洋艦の「矢矧」さん、駆逐艦の「浦風」「雪風」「浜風」「磯風」も戦闘不能、その模様を見ていた統制官のミッドウェイ級正規空母艦娘「ミッドウェイ」の姉御からの連絡で、対抗部隊役だったスプルーアンス級艦娘5隻に曳航されて、急きょ入港することに・・・

 

戦闘指揮所で管轄エリア全体の指揮管制業務を当時私はしていましたが、その連絡を受けて急きょドッグの調整やほかの艦娘の皆さんのケアやら手配することに・・・

ただ、一番重要なのは金剛さんのケアだとはっきりしているので、人への仕事の割り振りは嬉々とするくせに自分の仕事はあまりしないだとか、会議の席ではよく紅茶にブランデーを注いでいるとか諸所諸々、もっとしっかりしてほしいそこのカウンターで飲んでやがるしr・・・じゃない。紳士にクリソツの司令官に指揮管制の状況報告をして、管制官を同僚のアーレイ・バーグ級駆逐艦娘「コール」に引き継いで、慌てて金剛さんと一緒に話をしています。私はコーヒーを、金剛さんは紅茶を飲みながら・・・

 

金剛さん、ここに来た第一声が「Hey!司令官!紅茶が飲みたいネ!」という噂にたがわぬ紅茶ジャンキーだったのに、今ではカップに入っている紅茶には目もくれずにじっと下を見たままです。

ヴィンセンス「ま、まぁ。金剛さん。ね、少しは落ち着きましたか?・・・」

こういう時には何種類かシャキッとしていただく方法はありますが、逆効果な場合も多くあり、慎重にならないといけません。特にこの警備府ではメンタルケアは最重要項目であり、司令官自らが陣頭指揮になって訓練と演習を繰り返しています。

その時です。すぐ近くにミッドウェイ級正規空母艦娘「ミッドウェイ」さんが来たので、私は「ここにきてください!」との合図を送りました。ちょうど、インディペンデンス級正規空母艦娘「インディペンデンス」さんなどと一緒に飲もうとしていたところらしく、こちらに転進していただきました。

 

ミッドウェイ「大丈夫なのか?金剛さんは?」

さすがにこの状況での場の空気は重く、私はヴィンセンスの隣、金剛さんのななめ間の位置に座った。私の正面にはインディが座って、ぎゅっと金剛さんの手を握っている。

インディのマムは大戦中日本海軍の艦船や艦載機を葬り去ってきたバーサーカーなのに、娘のこいつは意外と受けがいい。あたしもそうだけど、ヨコスカにいたせいか意外とすんなりコミュニケーションが取れる。そもそもあたしは日本海軍を殲滅するため、インディのマムも憎いジャップを殲滅するために生まれた。けれども、それはそれ。これはこれ。というやつだ。

金剛さんはじっとこらえていたのだろう、インディの左肩にくっついて泣き出してしまった。その様子を見て淡々しはじめたヴィンセンスに少し落ち着くように指示を出す。

ミッドウェイ「お前があわあわしてどうする。そうだ、ヴィン。注文を取ってくれ。これとこれ、だな。」

 

さすがはミッドウェイとインディの姉御。あたしではどうもできなかったこの状況を変えていただけました。話には聞いていましたが、じっとしているよりも泣いたり、笑ったりといった何かしらの感情表現が、こういう状況では良いそうです。

さてと、ミッドウェイの姉御の指示に従って、わたしはウェイターの妖精さんを呼びます。

ヴィンセンス「これを4つ。あと、これを2つ。」

そういってメニューを閉じたわたしに、ウェイターは一礼すると注文の指示を出しに下がりました。

しばらく、周りの喧騒はよく聞こえますが、私たちのテーブルでは静寂が流れます。金剛さんはひとしきり泣いたようです。すこし、表情が和らいだ気がします。

金剛「ごめんなさいデ~ス。少し、制服を汚してしまったデ~ス。」

そういって金剛さんは自分のハンカチでインディの姉御の制服を拭こうとしました。

インディペンデンス「いいのですよ。洗えば落ちますし。それに、帝国海軍の“ファーストネイビージャック”に頼られるなんて、誇りですよ。」

そういって、インディとミッドウェイの姐御は顔を見合わせて笑います。

あぁ・・・そういうことですか。それは2人とも笑いますね。そう思った私もその笑いの中に加わります。

 

金剛「な、なにがおかしいデ~ス?」

金剛さんに自然に少し憮然とした表情が出てきました。

ミッドウェイ「すみません。いや、我がアメリカ合衆国海軍では“コンスティテューション”という米英戦争当時からいる再古参のb・・・もとい、長老がいましてね。その艦に続く古参艦のことをfirst navy jackと言うのですよ。ちなみに私もインディもなったことがあります。」

金剛「ということは・・・私たちにも、「三笠」という長老がいるデ~ス。その次に古い艦はと言うト・・・アタシ!?」

金剛さんはびっくりしたようですね。まぁ、よかった。少しは落ち込んだ空気を払えたようです。そんな話をしていると。オーダーしたものが届きました。

インディ「まぁ、金剛さん。紅茶は冷めてしまったので、これを注文しました。」

満面の笑顔でミッドウェイの姐御がテーブルに置いたのは、ギネスの1パイントグラスが4つと白身魚の1枚肉をふんだんに使ったフィッシュアンドチップスが2皿。

金剛「Oh!!fish&chipsとGuinness beerですか?!なんでこれがあるのですか?!」

インディ「まぁ、それはここの経営者のどうk・・・もとい、人徳と交渉力のおかげです。はい。」笑顔の消えた表情でインディの姐御がそうおっしゃいます。ええ、その通りでございますとも。

ミッドウェイ「まぁ、何がともあれこれから2週間よろしくお願いします。Cheers!」

 

まさかこれを飲めるとは思わなかったネ!英国で生まれた帰国子女の金剛デ~スけれども、日本ではおいしいスタウトビアがないデース。あぁ、この言葉づかいもwearyね・・・

私は英国で生まれましたが、生粋の日本の艦娘デース。これまで、妹の比叡・榛名・霧島のsister’s、少し意地悪だけど仲の良い鳳翔や他の艦娘たち、鎮守府のstaffそして提督たちとfriendlyにしてきたデ~ス。それに、日本最初の超弩級戦艦の誇りもあったデース。

だから、今回最初の余市警備府との合同演習で派遣されるtask forceのflagshipになると決まった時にはうれしかったデース。

ただ・・・余市の港に入ったときは驚きました。実際にはほかの戦場で救われましたが、私たちが戦ったあの大戦から50年後の装備を纏った多くの艦娘たち、昔、英国で建造されていたころに読んでいたscience fictionの世界から出てきた彼女たちに、私も随伴艦の矢矧や駆逐艦の娘たちも衝撃を受けたようです。

その最初の演習で、50年後の世界で彼女たちが皆持っていると聞かされた、“ミサイル”という魚雷の訓練弾の直撃を受けた私は、私は・・・・

 

これまで、ちょっと変わった喋り方をして、英単語を混ぜて鎮守府の艦娘たちと仲良くしてきましたが、その鎧が直撃弾を受けて、大戦中のトラウマが出た私は・・・

 

あの海域で絶叫し、号泣してしまいました。

これまで自分が頑張ってきたこと、連合艦隊旗艦を務めた誇り、最初の超弩級戦艦となった自負、いえ、もっと大事なのは金剛四姉妹の長姉としての威厳・誇りそして妹たちを守らないといけないという責任・・・

それが、あの2発のミサイルで大戦での自分の最後を思い出して、トラウマが蘇り、それはそうなのですが・・・味方がいる中で絶叫してしまった自分に気づき、許せなくなってしまい・・・

 

ぽつりぽつりと何があったかを話す金剛さんに、私たち3人は黙って聞いています。

話したいときにはきちんと話を聞いてあげる。これが、メンタルケアの一つだと聞いたことがあります。私にも経験がありますから・・・

金剛「でも、そのおかげでまたGuinnessが飲めたデ~ス。あ、本当は私、きちんとした日本語がtalkできることは妹たちにも、ほかの艦娘たちにも黙っていてほしいデ~ス。」

再び元気な金剛さんが戻ってきました。

 

インディ「私は一番末ですけどなんとなくわかります。マムは私に会うことはありませんでしたが、親戚のカボット伯母さんとはスペインでよく話をしました。マムはカボット伯母さんや他の妹を守ろうと懸命だったそうです。でも、結局プリンストン伯母さんをレイテで喪って、すごく落ち込んでしまったと・・・」

金剛「そうですカ・・・youやyouたちのマムとはあの大戦で戦ったのかも知れませんネ。そこに何か思うところはないのですカ?これはここに来ることが決まった時にallの艦娘が聞きたがっていたことネ。」

ミッドウェイ「私がはっきり言います。思うところはありません。あなたたちが来ると聞いて、あれとも話し合ったのですが、大戦を経験したのはあれだけです。私も大戦を知りませんし、この子たちは大戦を話で聞いただけです。それよりも、今は頼れる味方です。昔は昔、今は今です。」

金剛「それを聞いて安心しました。」

 

その時、バーの入り口に今夜の金剛さんたちの歓迎レセプションの監督をしているはずのしらね級護衛艦娘「くらま」が小走りで入ってくるのが見えました。

私が手を挙げてここだよ!と合図をすると、くらまはこっちに向かってきます。

ヴィンセンス「どうしたの?歓迎レセプションは大ホールで執り行うのではなかったの?」

くらま「それどころじゃありませんよ。矢矧さんも駆逐艦の皆さんも、ガッチガチに緊張しちゃって、話しかけても機械のように硬直してしまって・・・」

無理もありません。今回の歓迎レセプション、内地の艦娘との初の演習とのことで、札幌の軍管区司令官やら恵庭の陸上部隊司令官、千歳の航空部隊司令官といった軍の高官に加えて、余市町長やら北海道知事やら北海道経済同盟会会長やら道の政財界のお歴々がこぞって参加するとのことで・・・それを聞いた司令官は、「シビリアンはかわいい艦娘と一緒に写った写真を有権者やら社長室に飾りたいだけなのじゃないか?ミリタリーはきっといい酒といい食い物につられてきただけなのじゃないのかね?ろくでもない連中だらけだ。」と苦笑していましたが・・・

私たちは地元に理解してもらうことも考えて、最低年に4回は警備府を開放して、バザーをやったり花見をしたり、雪まつりをやったりしていますが内地では・・・・

こんなことは初めてなのでしょう。あいさつ回り慣れした連中に、若い女性とlowteenの娘さん・・・

絵にかいたようなシュールな光景が目に浮かびます。

ミッドウェイ「じゃあ、金剛さんももとに戻ったことだし、レセプション会場に行きますか?くらま、案内を頼むよ。」

金剛「みなさん!私についてきてくださいネ!follow me!!!」

くらま「いやいや金剛さん・・・あなた、会場の場所知らないでしょう?」

必死になって進撃しようとする金剛さんを止めるくらまを見て、私たち3人は大笑いします。

 

紳士「ようやく金剛さんも元の調子に戻りましたね。しかしベル、金剛さんはなぜあんな喋り方をするのでしょうね?本当はきちんとした美しい日本語を話せるのに?」

ベル「それはきっと、艦娘の皆さんを元気にさせるためじゃないでしょうか?」

紳士「ピエロというか、道化師ということ?」

ベル「そうですね。あえて自分がそうなることで、妹さんや他の皆さんを元気づけているのではないでしょうか?“笑い”って重要ですから。」

紳士「たぶん、ベルの推測が正しいと思いますよ。じゃあベル。ごちそう様。」

ベル「行ってらっしゃいませ。」

 

ベルの声を後に、店を出る私。そうそう、例のレセプション。私も招待されているのですよ。その前に、軽く一杯飲んで行こうかな、と思った次第でして・・・

そう私はつぶやくと、会場となっている警備府庁舎の大ホールに向かうのでした。

 

 

Chinzyuhu produced Waiting Bar Avanti

This program presented by, chinzyuhu

 




文才がない!読みづらいし、台本形式だし、批判される要素多いし・・・
とい嘆きながら書きました作者でございます。

「艦これはしない!」と叫んではや2年。ついに始めたのですが・・・

「なんだこれは!なんで6隻編成なんだ?提督の決断だと8隻だったじゃないか?!」
といろいろ戸惑うことが多い昨今でございます。

さて、某所にて日本海軍再古参空母の二次創作を読んでいまして、
「あれ?この雰囲気がマッチするなら、あれでもいけるんじゃね?」
と思ったのがこれをかいたきっかけです。

まぁ、最初はいろいろ考えましたが、そもそもこのスタイル、土曜日の夕方に放送していた某ラジオ番組形式にリスペクトを受けたので壊したくないなと・・・

金剛さんは、けっこう想像が入っています。
アニメ版なりゲーム版の「金剛は俺の(私の)ヨメ!!」な人ごめんなさい・・・
でも、あそこまで元気な人ってどこかで崩れたら、一気に崩れそうな気がしてしょうがないんですよね・・・

ちなみに我が根拠地での金剛さんは基本的に遊撃部隊のポジションです。はい。


今回登場した酒は「Guinness」
はい。ブリティッシュでもアイリッシュでもpubに行くとまず間違いなくあるビールですよね。

作者は酒をたしなみ始めたばかりのころ、Guinnessの味が濃厚すぎてあまり好きではなかったんですよ・・・

それが今ではクラフトビールばかりになってしまったので、そのクリーミーさが出す味の濃厚さが好きになってしまってですね・・・

英国では1800年代後半にはすでに飲まれていたらしいので、金剛さんを建造していたヴィッカース社の造船者も飲んでいたのかな・・・?と


6/27 ヤッホーブルーイング「インドの青鬼」を飲みつつ
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