明治平成偽恋浪漫譚   作:aoh

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この話はるろ剣要素が強く、次回からニセコイ要素が入ってくると思います。よろしくお願いします!


第一幕 イキカタ

「はああっ!瞬天殺(しゅんてんさつ)!」

 

「おおおっ!天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)!」

 

 

客観的に見ればその二人の動きは視認することが出来ない。火花が散ったかと思えば一本の刀が砕けて黒髪の剣客が舞い上がった。それが自分だと気付いたのはぼろぼろの畳に寝そべりながら痺れた腕をなんとなしに見ていた時だった。倒れた自分に和服の女が駆け寄り、もう一方の剣客には背中に悪一文字を背負ったトサカ頭の男が駆け寄った。

 

「最初に戦った時とは反対になってしまいましたね………

不殺を貫かれたままこれだけの強さを会得するなんて………なんかちょっとずるいや」

 

 

癖になっている笑みを浮かべながら呟く。痺れていた腕に感覚が少しずつ戻り、ぴくりと動いた振動でかろうじて握っていた刀が絶妙に手の届かない範囲に転がってゆく。痛む体に鞭を打って行き場の無くなった腕を顔の前まで持ってくる。

 

 

「僕は勝負に負けた。僕の信じていた道は間違っていたんですね………この結果が答え、そうですよね___緋村さん?」

 

 

緋村さんは相棒のトサカ頭の男に肩で支えられていた。しかしその目は自身を傷つけた男を睨んでいるわけでもなく、叩き伏せた男に対して勝ち誇っているわけでもない。ただただ強く、真っ直ぐに自虐的に笑っている男を見つめている。

 

 

「いや…そうではござらん…。勝負に勝った方、つまり強い方が全て正しいという考えは志々雄の論理でごさる。1度や2度の戦いで真実の答えが出るくらいならば誰も生き方を間違ったりはしない…。真実の答えはこれからの自分の生き方から見出すでござるよ」

 

 

答えのようで答えでない、まるで言葉遊びだ。呆気に取られ考えるより先に言葉が出た。

 

 

「あなたが……そうしてきたようにですか?」

 

 

緋村さんはやはり答えない。しかし目が、口元が、まったくこの男は自分と違い感情が読み取りやすい。故に思いが伝わる。伝わってしまうのだ。

 

 

「厳しい人だな……緋村さんは。簡単に答えをくれないなんて……志々雄さんよりもよっぽど厳しいや」

 

 

倒れてから自分の口元には笑みが浮かんでいるが手で覆っている目からは涙が流れ、頬を伝っていた。緋村さんは「そうか」とだけ呟いた。涙でぼやけた世界で見た緋村は赤みがかったもやにしか見えなかったが、見えなくてもわかる。だってこの人(緋村剣心)は変わらない、あの人(志々雄真実)と同じだからこそこんなにも強いのだ。

 

気づくと緋村さん達は先の部屋へと進んでいた。残された僕は和服の女に自分を変えてくれた男と袂を分かつことを伝え、足を引きずるようにその場を離れた。僕が緋村さん達の戦いを見る必要はない、どちらが勝っても自分の生き方を見つけることを心に決めた僕には結果などはどうでもよかったのだ。

 

 

近くの町に寄り宿で休養を取る。これから何をするか___どこに行くのか___これからも剣を握るのか___考え出したらきりがない。寝ながら考えていた僕の口から溢れた言葉。

 

 

「とりあえず怪我…治そう」

 

 

戦いの傷を治す間に彼は全国を流浪人として旅をすることに決めた。生き方を示してくれた彼のように。まずは腹ごしらえと旅に出る前に団子を食べながらどこに向かうか考えていた。

 

 

「おばちゃん、この道はどこに通じてます?」

 

「さあねえ〜、よくわからんけど北の方じゃよ」

 

「北か…。これから暑くなるからちょうどいいかな」

 

 

団子を食べ終え、ゆっくりとした足取りで歩く。これから瀬田宗次郎なりの生き方を見つける旅が始まるのだ。

 

 

「うーん…。迷っちゃったかも」

 

 

一人呟き笑っていた彼の周りには木々が生い茂っており、俗にいう森と呼ばれる場所に迷い込んでいた。しかも辺りは暗くなっているため下手には動けない。

 

 

「まぁ、こんなこともあるか」

 

 

先を急ぐ旅でもない。今日の寝床と決めた大きな木の下で焚き火をしながらゆったりと過ごす。実は目標を見つけた。それは人を愛しそして愛されてみたいということだった。

 

自分は妾の子として生まれ、家族とは呼べない連中に虐待されながら生きてきた。志々雄と会ってからは剣を振り続け生きてきた。彼の人生には愛がなかった。恩人のために人を斬り続けてきた自分にとっては未知のものであり興味深いものであった。

 

そんなことを考えていると睡魔が襲ってくる。

 

 

「明日は森を抜けれるといいけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の上でなにか騒がしい。動物達の声ではない、寝起きの耳でもそれぐらいのことはわかる。

 

「〜〜〜〜〜〜〜っ!」

 

 

人の声らしきものが聞こえると同時に脇腹に強い衝撃が走った。あまりの痛みに驚きながら目を開けると知らない男と女がこちらを睨みつけていた。

 

 

「いつまで寝てんだクソガキが!」

 

怒気のこもった声。そして髪を捕まれ無理矢理起こされた。昨日は生い茂った森の中で眠りについたはずだ。

 

 

「なに、これ」

 

宗次郎の顔にはいつもの笑顔は無かった。

 

 




この感じでやっていきます!中途半端なところで終わってしまった…。
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