明治平成偽恋浪漫譚   作:aoh

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待ってくれていた方々本当に申し訳ございません!
投稿出来なくてすいませんでした!


第十一幕 オデカケ

 

「いきなり大変な事になっちゃったねー」

 

「本当に大変よ!朝いきなり起こされたと思ったらデートしろなんて……」

 

「やっぱり疑われてるみたいだね」

 

「とりあえず今日はなんとかしないと!」

 

 

偽物のカップルだというのに堂々と文句を言いながら歩く2人。気づけば襖の隙間から覗いてくる目が廊下を進むたびに増えていく。

 

 

「とりあえず僕の部屋にいこっか?」

 

「変なことしないでしょうね⁉︎」

 

「楽じゃないんだからしません!僕の事どんな風に見てるのさ?」

 

「ジャンプがすごいニコニコもやし」

 

「想像よりひどい⁉︎そうじゃなくて、ちょっと周りの目がね……」

 

 

そう言われて千棘は周りを見渡すと襖が不自然に音を立てながら閉まる。今日1番のため息を吐きながら、

 

「よーく言いたい事がわかったわ……」

 

そう言うと肩をがっくりと落とし猫背になりながら宗次郎の前を歩く。その背中を見て宗次郎は、

 

「(効果音とか聞こえてきそう。ずーんみたいな。リアクションもやっぱり外国人だね)」呑気に笑っていた。

 

 

 

 

 

 

「ここが僕の部屋だよー」襖を開けて手招きする。

 

「ここがあんたの……、なんかさっぱりしてるわね」少し緊張気味の千棘が入った途端に呆れた顔する。

 

「そうかなー、結構気に入ってるんだけどな。今お茶持ってくるね!」押入れから座布団を取り出して座るように勧め、颯爽と部屋から出て行く。

 

 

「(あいつ結構友達とか来るのかしら、随分手慣れてたみたいだし)」少し羨ましく思いながらまた部屋を見渡す。どこにでもある学習机に今目の前にあるちゃぶ台、そして本棚、ただそれだけである。壁には着物がいくつか掛けてあるがただそれだけである。決して刀などは目に入ってはいない、決して。

 

 

「てかあいつ昨日普通に刀持ってたわよね……。やっぱりヤクザの息子はそうなのかしら、あの兄もやしは全然そうは見えないけどね」鼻で笑っていると、あるものが視界に入り笑いが止まる。

 

 

「これって⁉︎兄もやしが探してた錠じゃない⁉︎なんでこいつの部屋に?」頭を抱えて声を荒げる。そこには小さな頃に書いたであろう絵が額縁に入れて飾られているそしてすぐ隣には必死に探した錠が掛けられている。

 

「あれ?でもよく見ると違うよーな……?」顔を近づけて確認しようとすると後ろの襖が開かれる。

 

「お待たせーって、どうしたの桐崎さん?」

 

「な、なんでもないから!」千棘はすごい勢いで座布団に滑り込んでいた。

 

「そう?ならいいけど。てか着替えなきゃ!」またしても押入れを開けて服を選ぶ。デートの服など選んだことのない宗次郎はとりあえず隣に並んでいても恥ずかしくないもの選びまた部屋を出て行った。

 

「選ぶの早すぎでしょ⁉︎私結構時間かけて選んできたのに……」そう言うと少しずつ腹が立ってきて、宗次郎が持ってきたケーキにかぶりつく。夢中になって食べているといつの間にか帰って来ていた宗次郎が笑顔で千棘を見ている。

 

 

「それ食べたら行こうね。桐崎さんは最近こっちに引っ越して来たんだよね?」

 

「え、ええそうよ⁉︎悪い⁉︎」食べているところを見られたせいか恥ずかしさもあり、逆ギレ気味に返す。

 

「なんで怒ってるの……。じゃあ今日はこの街の案内だね!」

 

「ふーん、悪くないわね。私学校までの道くらいしかわからないし」

 

「じゃあそれで決定!僕これ片付けちゃうから先に玄関行っててー」その後先に向かった千棘と偶然通りかかった楽がいつもの口喧嘩をしていて止めようとすると、千棘が殴って終わるといういつも通りの流れを見て止めるのも面倒くさくなってきた自分に驚く宗次郎であった。

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえずこんなところですかね。そこに座りますか?」公園の空いているベンチを指差しながら宗次郎が問いかける。

 

「賛成!この街も意外と広いのねー」足をぷらぷらさせながら千棘が言う。

 

「そうなんですよ。特別な物があるわけじゃないけど基本的になんでもあるんですよ」放課後みんなで集まるファミレスやハンバーガー屋、ゲームセンターにそれに隣接する映画館、なんでも揃う商店街におしゃれな雑貨店もある。それらを案内してきた宗次郎は自慢気に言う。

 

「まあ確かに悪いところではないわね」この公園はちょっとした山になっており、座っているベンチからは街が見下ろせる。風で綺麗な金髪がなびいている。宗次郎はその姿に見惚れ、胸が痛むと同時にここにいたらまずいと直感的に感じた。

 

 

「飲み物買ってくるね‼︎」普段出さないような大きい声がさらに裏返って千棘に変な目で見られたが、そんな目にも気づかず走る。

 

「なんか顔が熱い……。胸もなんか変な感じ」違和感の正体もわからないまま自販機を探しに行く。

 

 

 

 

「どうしたのかしらあいつ……」そう言いながら今日1日の出来事を振り返る。正直最初は何もしないで帰ろうかと思っていたが、大量の見張りがいるせいでデートをしなければならなかった。しかし途中からはそんなことを気にする事もなく純粋に楽しめた……と思う。むかつく不良に絡まれた時もあっさり助けてくれた。別に助けてくれなくても1人でなんとか出来たと文句を言えば、

 

 

「桐崎さんだったら出来るかもしれない、けど僕だって出来るんです。だったら無理に桐崎さんがやる必要はないでしょ?怪我でもしたら大変です!」人差し指を立てながら言い放つ。今まではギャングの娘として見られ遠ざけられてきたのに、普通の女の子として見られ守ってくれたことが純粋に嬉しかった。さっきまでの宗次郎に対して呆れ顔に笑みが浮かび呟く。

 

「変な奴」その言葉には悪い意味は含まれていなかった。

 

 

「あれ?もしかして桐崎さん?」そんな千棘に不意に近づいてきた1人の少女がいた。

 







変なところで切れてしまいました。
早く投稿したかったんです!
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