宗次郎視点
衝撃的な起こされ方から数日たち、話を合わせながらわかったことがある。まずこの見知らぬ男女は一応母親と父親のようなものらしい。一応というのは母親は僕を産んだらしいが、本当の父親に逃げられ仕方なく育てていると言った状況である。母親が働いて稼いでいる金はほとんどこの男に貢いでいるようだ。
この男は今自分の母親に寄生している「にいと」というやつで、酒を飲みたばこを吸いそして母親と僕に暴力を振るって満足したら寝るという生活している。反抗してやろうと思ったがそれは無理でした…。
なぜなら僕、5歳になってました、あはは。笑い事じゃなく。起きた時になんとなく違和感はあったんですけどね。手も足も小さくなって抵抗すらできませんでしたよ。縮地も試してみたけど「走り回るな!」って殴られただけでした。
それよりも驚いたことは……時代が違うということ。僕が生きていた時代は『明治』今の時代は『平成』と呼ばれ、簡単に言うと僕がいた時代から140年近くの時が立ってました、あはは。これは本当に笑うしかなかったです。それにしても平和な世になったなぁ……殴られてばっかりだけど……。自分の生き方を見つける旅がこんなことになるとは……。
そして僕は今散歩をしています。実は僕は普段『保育園』という所に通っているらしいのですが、そこがこの時期『夏休み』というものでお休みらしいです。つまり保育園休み→家待機→父親もどきと顔を毎日合わせる→殴られる、というものを避けるために家にはいられないのです……。
正直あの男や母親に殴られる度に過去の虐待の思い出し、気分はあまり良くなかった。宗次郎はまたしても無意識に作り物の笑顔を浮かべ始めていた。
「どうせならまともな親が欲しかったなぁ」と呟き川原を眺めていた。もう空は赤みがさしかかっていて暑かった日中に比べると涼しく
川原の側だからか風も気持ちいい。
「こういう所は昔と変わらないんだなぁ」と呟くと、
「なにが変わらないの?」と後ろから声がした。そこに立っていたのは僕と同じくらいの歳の子が僕の顔を見つめていた。
楽視点
僕は今親父の大切な仕事に付いてきている。理由は親父の仕事に家の連中が全員付き添うので仕方なく付いてきた。でも仕事は手伝えないから1人で遊んでたんだ。その帰りに同じ歳くらいの女の子が川原にいたから話しかけようとしたんだよ。
そしたら「昔と変わらない」って聞こえたから「なにが変わらないの?」と考えるのと同時に言葉が出た。これが僕と宗次郎の出会いだった。
「なにが変わらないの?」と楽は聞いた。
「前に住んでいた場所の川原もこんな感じだったんだ」と急に話しかけられた事に驚きながらもそう答えた。
「もしかして引っ越してきたの?」
「まあそんなところかな」
「じゃあ友達いない!?」
「う、うん、いないけど……」
宗次郎は少し困りながらそう答えた。
「じゃあ今日から僕達は友達ね!」
「…………へ?」
そう言うと楽は宗次郎の手を取りぎゅっと握手した。宗次郎は急な展開に全くついていくことはできなかった。
「そういや名前言ってなかった!僕の名前は一条楽!君は?」
「えと、瀬田宗次郎です…」とお互いに自己紹介をした。
すると
「………へ? 男の子……?」と楽が声を漏らした。
「あ、うんそうだよ」と宗次郎が言うと
「まじかよ!女の子だと思ってたわ!ごめん!」と笑いながら言う。
「大丈夫。慣れてるから」と宗次郎も笑いながら言う。
その後は暗くなるまで色んなことを話した。その中で夏休みの間は2人は毎日一緒に遊ぶことに決めた。楽の父親が迎えに来て宗次郎は1人帰り道を歩いていた。その顔には笑みが溢れていた。その時になって初めて宗次郎は気付いた。
「僕、友達なんて初めてだ……!」
またしてもその顔には笑みが溢れた。
ようやく楽と出会いました!
次では女の子達と会わせたいですねー!