明治平成偽恋浪漫譚   作:aoh

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今さらながら感想の存在に気がつきました!笑
感想をくれた方ありがとうございます!モチベーション上がりました!笑


第六幕 ヤクソク

 

 

「あなた達は『錠』を、私は『鍵』を、肌身離さずずっと大切に持っていよう。

いつか私達が大きくなってまた会えたら、この鍵でその中の物を取り出すからそしたらーーーー」

 

「「うん!」」

 

「「「結婚しよう……!」」」

 

 

 

 

 

 

「………久しぶりに見たな、この夢。」

 

楽視点

 

 

 

俺の名前は一条楽。この春から高校に通う、ある一点を除けばどこにでもいる高校生だ。そのある一点とは、

 

「おーい!メシ出来たぞおめぇら!」

 

「おはようごぜぇやす!楽の坊っちゃん!」

 

俺の家族は厳つい男がうじゃうじゃいる、俗に言う『ヤクザ』ってやつだ。『集英組』と言えばここらじゃ有名なヤクザであり、俺はそこの組長の息子だ。

 

「あぁー、早く1人暮らししてぇなあ……。」

 

「「「そんな⁉︎どこにもいかねぇでくだせぇ!二代目ぇ!」」」

 

「誰が二代目だ⁉︎大体二代目なら宗次郎が………ってあいつは?」

 

「あぁ!宗の坊っちゃんはまだ寝てまさぁ。」とけらけらと笑っている。

 

「なんだと⁉︎早く起こしてこい!時間ねぇぞ!」

 

「もう起きたよ。楽、おはよう。」と着物がよく似合う男がまだ眠そうに入ってきた。

 

「「「おはようごぜぇやす!宗の坊っちゃん!」」」

 

そう、俺には弟がいる。こいつの名前は一条宗次郎。元々は違う家の子だったが親に捨てられ、1人になってしまった所を俺の親父が引き取ったという形だ。俺はその場面をなんとなくでしか覚えていないが、宗次郎の泣きながら笑った顔だけははっきりと覚えている。

 

「もうご飯出来てる?」

 

「あぁ。早く食べないと遅刻するぞ。」

 

「はーい。……ん、美味しい、さすが楽だね。」とニコニコと俺の事を褒めてくる。

 

「美味しいのはわかったから、もっと急いで食べような?」と時計をチラチラと見る。

 

「わかったよ〜だ。」と先程とあまり変わらない速度で笑みを浮かべて食べている。

 

 

こいつは家に来てからよく笑うようになった。前からニコニコとはしていたが、なんか雰囲気が変わったというか……。でもまぁそんな姿を見て俺はかなり嬉しく思う。この間ウチのヤクザ達に、

 

「楽の坊っちゃんは少し弟愛が強いと言うか……。」

 

「ブラコンってやつでさぁ。」

 

「馬鹿野郎がっ!楽の坊っちゃんは宗の坊っちゃんの事を大事にしてるだけだ!そんなモンと一緒にすんなっ!」

 

「「すいやせんでした!竜の兄貴!」」

 

 

 

 

そんなことを言われていた、俺はブラコンじゃないさ。HAHAHA。ただ普通の人よりちょ〜〜っと心配性なだけだよ、うん。………俺ブラコンじゃないよね宗次郎⁉︎

 

 

「ご馳走様でした。今日も美味しかったよ!」そんな事を考えている間に食べ終えている宗次郎。

 

「そうかそうか。そう言ってくれると作った甲斐があるってもんだぜ。」とニヤける俺。あぁしょうがねえよこんなにまっすぐお礼言われちまったらニヤけちまうよ畜生!すると、

 

 

「楽〜。ちょっと時間やばいかも。」

 

「ん?……本気でやべぇよ⁉︎急げ宗次郎!」

 

「そいつはいけねぇ!おい!早くリムジンを用意しろ!馬鹿野郎15m級のをだ!」

 

「やめろーー!」

 

 

集英組の若頭である竜が暴走していると、奥から和服に白髪の男が出てくる。

 

 

「まったく、朝から騒がしい奴らだなおめーらは。」

 

「親父。」

 

「父さん。おはよう。」

 

 

この人が俺の親父。ヤクザの組長で、ウチのモンにはかなり慕われているようだ。だからこそウチのモンは俺や宗次郎に二代目をやらせようとしているが、親父は俺達に強制してくるわけではなく『やりたければやればいい』というスタイルである。

 

「おお、おはよう。そうだ2人共、近いうちにてめーらに大事な話があっから覚えときな。」

 

「……?大事な話……?」なにかと考える俺。

 

「はーい!わかりました。」特には考えない宗次郎。

 

 

こんな会話をしているとすでに外にはリムジンがピカピカに磨かれて待機していた。ヤクザ達に無理矢理乗せられ学校の目の前まで送られると明らかに生徒がこちらを見て怯えている。

 

 

「さぁ坊っちゃん達。今日も元気に行ってらっしゃいやせ‼︎」

 

「「「「「行ってらっしゃいやせ‼︎」」」」」

 

「…………。」ヤクザ達の見送りに言葉の出ない俺。

 

「みんな、行ってきます!」と相変わらずの笑顔で答える宗次郎。

 

 

あぁ周りの目線が痛い……。高校では家の事を隠して静かに通うつもりだったのに………。こいつらのせいで友達作るのも一苦労だっつーの‼︎

 

「そうだ坊っちゃん達、最近見慣れねぇギャング共がウチの島を荒らし始めてやしてねぇ………気ぃつけてくだせぇ。」

 

「はぁ?ギャング?」

 

「まぁ僕は大丈夫だよ。楽は知らないけど。」

 

「お前一応俺の護衛だろ⁉︎ちゃんと守ってくれよ⁉︎」

 

「いいよー。」

 

「軽いわ‼︎」

 

 

そんな会話をしながら下駄箱まで歩いている。

 

 

「その錠、久々に見たかも。」と俺の胸元にある錠を指しながら言う。

 

「あぁ。今日はあの夢見たからな、高校では身に付けようかなって思って。」首から外して宗次郎に錠を見せつける。

 

「あ!そういえば僕もこないだ見たよー。やっぱり顔も名前もわからなかったけど。」

 

「やっぱ無理かぁ。てかだったらお前もちゃんと身につけろよ。あの子に会えるかもしんねーだろ。」

 

「やだよ〜。僕まで付けたら楽とお揃いみたいで気持ち悪いじゃん。」

 

 

ぐぅっ⁉︎これはかなりくるものがあるなぁ……。気持ち悪いはちょっと酷くないか……?やばいちょっと泣きそうだ……。だめだ‼︎俺は決してブラコンではない‼︎そうだね、兄弟で同じものはあまりつけない、OKOK当たり前よそんなの。と自分に言い聞かせる。そしてしれっと話題を変えよう。

 

 

「そういや先週、先生が転校生が来るって言ってたけどどんな奴なんだろうな〜?」よし、完璧だ俺。と思っていると返事がない。後ろを振り返ると靴紐を結んでいる宗次郎の姿があった。この距離からすると結構前に靴紐が解けているに気付いたのだろう。

 

「俺がひとりごと言ってるみたいになったじゃねぇか……。」と手に持つ錠を指で回しながら靴紐を結び終わるのを少し離れた所で待っていた。

 

 

顔を上げた宗次郎はこっちを見て笑ったかと思うとすぐに驚きの表情に変わった。

 

「危ない‼︎」

 

その声と同時に俺は上を見ると金髪の女の子がそこにいた。

 

「えっ?」

 

 

千棘視点

 

 

 

初日から遅刻とかありえない!もう〜学校は目の前なのに塀ばっかりで入れないんですけど⁉︎ちゃんと昨日の内に確認しとけば良かったよ〜。もういい!塀乗り越えちゃった方が早い!

 

 

「ハッ!よっと!てやぁ!」

 

 

私は軽々と塀を蹴り上がり飛び越えた。すると運悪くそこに男の子が突っ立っていた。

 

「げっ⁉︎」

 

 

 

宗次郎視点

 

 

 

 

「やだよ〜。僕まで付けたら楽とお揃いみたいで気持ち悪いじゃん。」

 

 

それに大事な物だから絶対無くしたくないし、と心の中で続ける。楽はこれまでに何回も持ち出しては無くしただの、見当たらないだの騒いでいる。それを見て持ち出そうとは誰も思わない、そう思った時足に違和感がある。見ると靴紐が解けていて靴紐を結ぼうとする。前の方で楽が何か言っているがとりあえず結んでから聞けばいいや、と思い結び終わって前を向くとなぜか空から女の子が降ってきている。

 

 

「危ない‼︎」

 

咄嗟に出た言葉と同時に縮地を使い、この距離を一瞬で詰め降ってきた女の子を抱き抱える、楽にはぶつからなかったようだ。しかしそう甘くはなかった、彼女の持っていた鞄が楽の顔面に突き刺さっていたのだ。その音と威力を見る限り鞄の中身は教科書などでいっぱいなのだろう。楽は吹っ飛び、地面に寝そべっていた。

 

 

「ちょ、ちょっと⁉︎は、早く下ろしてくれない⁉︎」

 

「あっと、ごめんなさい。」

 

「(お、お姫様抱っこされちゃった…。うわぁすごい恥ずかしいよ〜!重くなかったかな⁉︎)」

 

「はいこれ、鞄。怪我はない?」

 

「へっ⁉︎あっ、はい!大丈夫、です!そこの人ごめんね?」と倒れた楽に言う。

 

「次からは校門から入ろうね?」とクスりと笑う。

 

「わ、わかってるわよ‼︎あ、あとその〜。」

 

「なに?」

 

「あ、ありがとう…。」顔を真っ赤にしてそう僕に言ってきた。

 

「どういたしまして。それより急いでたんじゃないの?塀を飛び越えてくるくらい。」

 

千「う、うっさいわね!もう行くわよ!」と走り去っていった。その後ろ姿を見ながら、からかいがいのある子供みたいで可愛いなと思っていると、

 

 

「宗次郎、ちょっと手貸してくれ。」

 

「はーい。本当に遅刻しちゃうよ!」

 

そう言って楽の手を掴み、文字通り楽を引きずりながら教室まで走る。後ろで楽が「ちょ、待て、おい」とか言っていたが無視して走り抜ける。嫌な音がしたが気のせいだよ、うん。

 

 

「「おはよう〜。」」

 

「おーす楽、宗次郎…ってうわ⁉︎」挨拶に真っ先に反応してきた集が引きずられてきた楽を見て驚く。

 

「一条君⁉︎どうしたのその怪我⁉︎」同じく楽を見て鞄をあさり、何かを探しはじめる小野寺さん。

 

「あ!小野寺。大丈夫大丈夫!全然平気だから!」声をかけられいきなり立ち上がる楽。

 

「あれー?楽そんなに怪我酷かったっけ?」

 

「お前が引きずるから柱に顔ぶつけたんだよ!」

 

「はい、一条君!絆創膏貼るよ。」鞄から可愛らしい絆創膏を出し楽の鼻に貼り付けた。

 

「わ、悪いな小野寺、サンキュー!」

 

「……良かったな、楽♡」

 

「ああっ⁉︎う、うっせーよ‼︎」集にからかわれた楽が顔を真っ赤にして怒鳴っている。そういえばさっきの子見たことない人だったなぁと考えていると、先生がいつもより早く教室に入ってきた。

 

 

「はーいおはよー!みんな座ってー。先週言った通り転校生が来てるぞー。入って桐崎さん。」

 

「はい!」

 

入ってきた途端、さっきまでざわざわしていた生徒が静かになる。

 

「初めまして!アメリカから転校してきた桐崎千棘です。母が日本人で父がアメリカ人のハーフですが、日本語はばっちりなので皆さん気さくに話しかけてください!」

 

自己紹介が終わると静かになっていた生徒達が、一斉に喋り出す。

 

「うおーーーっ!すっげえ可愛いんだけど!」

 

「スタイル良すぎでしょ!」

 

「あんな可愛い子と3年も一緒とか最高かよ!」

 

彼女もクラスメートの賛美の声に照れながらも嬉しそうにしていた。僕は朝に会った人が転校生ということに驚いていた。すると隣の席の楽を見ると僕以上に驚き固まっていた。

 

 

「じゃあとりあえず後ろの空いてる席に座ってー。」

 

「わかりました!」

 

彼女が僕と楽の席の間を通ろうとした時、楽と彼女の目が合った時、

 

「「あーーーっ‼︎」」

 

「さっきの暴力女‼︎」いきなり楽が転校生を罵倒し、周りの人間から疑問符が頭の上に出る。

 

「楽、そんな言い方良くないよ。」とりあえず興奮している楽を落ち着かせる。

 

「ちょっと、何よ暴力女って⁉︎」当然の反応をする桐崎さん。

 

「さっき校庭で激突したろうが‼︎」

 

「ちゃんと謝ったし当たったのは鞄でしょ‼︎」

 

「あれのどこが謝ったんだよ!」

 

「ぶつかったぐらいでぐちぐち言っちゃって女々しい人ね‼︎」

 

「それが謝ってるやつの態度かよ!この猿女‼︎」

 

「楽!いい加減にーーー」徐々に熱くなっていく2人を止めようとした時、細身の彼女からは信じられない力を感じた瞬間楽の体が宙を舞った。

 

「誰が猿女よ‼︎」

 

殴った後、彼女は憤怒の顔から絶望の顔に変わりその間に楽の体は後ろの黒板に叩きつけられた。そして誰かが呟いた。

 

 

「死んだな……。」

 

 

教室はなんとも言えない空気に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 





キリのいいところまで持っていこうとすると長くなってしまううう。
申し訳ないです。些細なことでも良いので感想くださると嬉しいです!
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