インフィニット・ストラトス IS〜ヒロインは簪さん 作:如月睦月
「どうしてだよ!!」
「私、決めたの。一夏」
「でもっ…!!」
「でも…もう決めたの」
この時思い出した。
俺の「心の闇」が言っていた『大切な人を傷つける』という言葉。
…俺は警告をされたのにいかせなかった、チャンスを。
もう俺達からは言葉すら出なかった。
「もう行くね?」
そう言って立ち去って行こうとする簪。だが、
「待ちなさい」
不意にした声、草むらから出てきたのは…
「お姉ちゃん?」
刀奈さんだ。でもどうして…
「どうして、一夏君と別れるのかしら?」
「…お姉ちゃんには関係ない」
そう言って刀奈さんを押しのけるように行こうとする。
だが簪は刀奈さんに腕を掴まれる。
「離して…!!」
「そうやって逃げる気?」
「わ、私は逃げてなんか…」
「逃げてるわ、私からも。そして一夏君からも」
「逃げてない!」
「じゃあ何故一夏君の気持ちを考えないのかしら?」
「考えたよ…」
「一夏君は貴女と別れたいと思ってる、とでも言いたいのかしら」
だんだん刀奈さんの声がいつもの温和な声から鋭いような声に変わっていく。
「…うん」
それを刀奈はそれを聞いた瞬間
「簪ちゃんのバカ!!」
そう言って簪の頬を叩く。
簪はその場に尻餅をつく。
「何するのお姉ちゃん…」
「何するの?じゃあ貴女は何を言っているの!!一夏君と別れる?冗談は言わないで!」
「…冗談じゃないもん」
「そうやって簪ちゃんは一夏君を傷つけて逃げるんだ」
「…え?」
「簪ちゃんがやってるのは私が悪いと一方的に思い込んで結果、最悪の答えを出したの」
「…最悪の答え?」
「自分が傷つきたくないから他者にその傷を押し付けたの。よりにもよって貴女のことを大切に想ってくれている彼に」
「け、けど!」
「けど何?それが最良とでも言いたいのかしら」
「…うん」
「はっきり言うわ。今の貴女は最低よ。本当に」
「最低でも別にいい」
「…!!」
刀奈はそれを聞いてまた腕を振り上げるが
「お嬢様、落ち着いてください」
突如後ろから現れた虚に腕を掴まれた。
「虚ちゃん…」
「お嬢様いくら何でもやりすぎです」
「でもっ…」
「お嬢様の気持ちもよく分かりますが…」
簪は前の二人を無視して行こうするが
「かんちゃん」
「本音…そこどいて」
今度は本音が簪の前に現れる。
「かんちゃん逃げないで。お願い」
「だから逃げてなんかない」
「かんちゃんお願い。おりむーと仲直りして」
「…」
「かんちゃん!」
「…」
簪は黙ったまま俯く。
「どうして?かんちゃんは私に言ったよね?」
「…?」
「『今日謝るのは私達の方だ』って……」
「…うん」
「だからかんちゃん。おりむーと別れるのはやめよ?謝って仲直りして?」
「でも、一夏は…」
「大丈夫だよ。勇気を持って?」
「…」
「行くよ〜かんちゃん」
本音は簪を押して一夏の所へ向かわせる。
「ちょ、本音…」
「おりむー、かんちゃん来たよ〜」
「簪…?」
一夏はその場にへたりこんでいた。まるで真っ白な灰になったかの如く。
「ああどうしたんだ?」
「謝りたいことがあるの」
「謝ること?」
「私は…一夏とお姉ちゃんとのあるはずもない関係に嫉妬したからあんな事言ったの」
「そう、なのか?」
「うん。だから謝まらせて。…ひどい事言ってごめんなさい!」
「簪…」
「それと…お姉ちゃんの言う通り別れる、なんて馬鹿な事もう言わないよ」
「簪、本当か?」
「うん…簡単に言って本当にごめ「簪ぃぃぃ!」きゃっ!?」
一夏は簪が言い切る前に簪に抱きついていた。
「俺、本当にダメな彼氏でごめんよおぉお!勘違いさせるダメ男でごめんよおぉおおお!!」
「おりむー、落ち着いて〜」
この後数分間、一夏は簪に抱きついたままだった。
「これで万事解決、かしら?」
「そのようですね」
「やっぱり私じゃ簪ちゃんの心には届かないのかなぁ…」
「いえ、お嬢様が背中を押されたと思いますよ?」
「そう言ってもらえると助かるわ…」
「戻りましょう。お嬢様」
「そうね」
そうして二人は先に別荘に戻っていった。
所変わって某所ー
「うぐっ…ひっく…」
一夏が簪に抱きついているシーンをモニターで見ていた大天災、篠ノ之束は泣いていた。
「良かったね、二人共ぉ…」
どうやら二人が仲直りしたことに歓喜の涙を流していた。
「只今戻りました」
するとそこに帽子を被ったスーツ姿の青年が入ってくる。
「あぁ、お帰りぃ…『りょうくん』…」
「どうしたんですか?」
「二人が仲直りしたんだよぉ…」
「成程。それで歓喜の涙を流していた、と」
「うんうん」
「良かったですね…。僕も嬉しく思いますよ。それとなんですが『例の件』。終わりましたよ」
「どうだった?」
「色々と交渉してやっと呑んでくれましたよ。法外なお金が要求されましたが」
「まぁ奴らも色々とやって借金だらけだったもんねー。見つけるの苦労したんだよぉ?」
「お疲れ様です」
「ねーねー、その帽子何なの?」
「ああ、これはクロエが僕にプレゼントしてくれたんです」
「くーちゃんが?羨ましいなぁ」
「ま、今度頼めばいいでしょう。とりあえずこの書類にサインを。僕の名前も一緒に」
「はいはーい」
そう言って束は書類にサインをする。
偽名と『佐宮亮介』という名前を。
まずお詫びを。
一瞬でも題名と沿わない話を書いてしまい
誠に申し訳ありませんでした。
とりあえずこれで回避しました…よね?
ではまた次回でお会いしましょう。