インフィニット・ストラトス IS〜ヒロインは簪さん 作:如月睦月
今回でドイツ編は終了です。
さて、日本編はどうしようか…
「あ……」
俺は先程の少女が近づいてきて、声が出なかった。
なんというかまぁ……緊張と自分の感情のせいだが。
「さっきの…大丈夫だった?」
「あ、ああ!大丈夫大丈夫!怪我一つないよ!君のおかげだよ!」
「そう……なら良かった。」
そう言ってその女の子は、顔を下に向けた。
よく見ると、顔が赤くなってるような……?
「あ、あれ?千冬姉は?」
「あそこにいる。ドイツ軍の人と話をしている。」
「俺、ちょっと行ってきます。」
「待ちなさい!一夏君!」
俺は楯無さんの言葉も聞かず千冬姉の所へ走っていく。
「ー何故だ?」
「これくらいのことで貴女は、私達ドイツからの批判を受けなくなるのですよ?」
「何?どういうことだ。」
「元はと言えば貴女があの弟を連れて来なければ、この様な事態にはならなかった。違いますか?」
「それはそうだが…」
「でしょう?ならば、私達ドイツ軍で1年半教官としてここに残っていただければその様な批判は受けなくなります。」
「(批判など、どうでもいいが…だかしかしこれはドイツ軍に恩を売るチャンスでもー)」
そう私が頭で考えていると
「千冬姉?どうしたの?」
一夏が来たのだ。
「あ、ああ……ちょっと相談をな」
「どんな?」
「それはー」
そう言ってまた考える。もしここでドイツ軍に私が教官として行くのならばー
一夏はどうなる?日本でたった一人で1年半も暮らせというのか?幾ら何でもそれはいけない。
あのクズ共の様なことは私は絶対しない。一夏を絶対に1人にはしない。これはあの日に心に誓ったことだ。
「(だったら私はー)」
ドイツには残らず日本へ帰る、と言いかけたその時だった。
「話は聞きました。千冬さん、一夏君は私が預かりましょう。」
そう言ったのは更識楯無、だった。
「簪」
「何?お父さん。」
「彼のこと、どう思っている?」
「…よく分からない。」
「ふふっそうか」
「?」
私の質問の答えを聞いた反応で頭にクエスチョンマークが出ている簪。
「ちょっとここで待ってなさい。」
「分かったよ、お父さん」
私の視線の先にはードイツ軍と話している千冬さんの姿があった。
「すみません」
「どうしました?Mr.更識」
「あの織斑千冬と何を?」
「ああ、我が軍に是非教官として来ないかという、まぁお誘いです。」
「なるほど。その教官のことで、なかなか首を縦に振らないのですな?」
「そうなんです。」
楯無は、状況を聞いただけで内容を把握した。
こういったことは、楯無は得意なのだ。
「では、私にお任せ下さい。」
「そ、それでは…」
「ええ。彼女の首を縦に振らせてみせますよ。」
そう言って彼女達の元へ近づく。きっと千冬さんが首を縦に振らないのは…
「一夏君の存在、かな?」
私はそう推理し、彼女達に近づきこう言う。
「話は聞きました。千冬さん、一夏君は私が預かりましょう。」
「…何故だ?」
「貴女が首を縦に振らないのは、一夏君の事が心配なのでしょう?」
「!!」
図星をつかれ、私は驚くしかない。その一夏も驚いているが。
「一夏君はまだ中学一年生。保護者の立場でもある千冬さんには、一夏君が一人で生活できるか、とか…お金の管理はしっかりできるか…そういった心配があるのでしょう?」
「…その通りだ。」
またもや図星をつかれる。やはり更識家当主はこういうことは得意なのか?
「しかし、その心配を私が預かることで無くしましょう。貴女がドイツにいる1年半、私の家で預かると同時に彼を鍛えましょう。」
「鍛える?」
「彼は男でありながら、ISを動かした…。いずれ世界に露見するでしょう。そのような時のために彼を私の家のIS部隊の者達の訓練などに参加させ、彼をIS乗りとして一流に近い実力をつけさせます。」
「なるほどな。だがそちらの家に迷惑では…」
「心配はいりません。ウチは大屋敷でね。部屋は余るほどあるのですよ。一夏君一人来ても、全く問題ありませんよ。」
「食べ物などは…」
「千冬さん、そこまで心配するほどウチは小さくはありません。ここは『大人』の言うことを聞くことも大切ですよ。一夏君のためにもね。」
一夏のためにも。これが私の中の心配を全て払拭させた。
「分かりました。私はドイツに残ります。その間、一夏をよろしくお願いします。」
「ええ。任されましたよ。」
私達は話を終える。そしてー
「一夏君」
「え、あ、はい!?」
ずっと話についていけず頭から煙を出していた一夏君を現実に呼び戻す。
「今日から君は私の家に来るんだ。1年半だけだがな。」
「え、ええっ!?」
「このいっくんの専用機『エレメント』……束さんでも分かんない部分があるとはねー。驚きだよ!」
私はいっくんのISを見ていると謎のデータが出てきて、そのデータを解析しようとしたけど……
「まさか解析不能とはねー、束さんの予想を上回る機体だね。」
ついつい見すぎて、いっくんに渡しそびれちゃった。日本に行った時に渡そうっと。
どうでしたでしょうか?
一夏専用機の名前は『エレメント』。
後々、再登場します。
それでは、また次回。