インフィニット・ストラトス IS〜ヒロインは簪さん   作:如月睦月

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更新が大変に遅れました……。
申し訳ございません。
これから先、土日にしか更新が出来なくなってしまいます…。
頑張って更新を遅れないようにしたいと思います。

では本編をどうぞ。


特訓と過去の記憶

俺達は亮介さんに促されアリーナの下に向かうと

「やぁ一夏君達、遅かったね」

「え」

そう言った亮介さんの背中にはクロエが背負われていた。

「えっと…クロエは?」

「あぁ、一夏君達が下に向かったのとほぼ同時で仕掛けてきたからね。不意をつかれてしまったんだ」

「じゃあ、なんでクロエは気絶をしてるんですか?」

「疲れちゃったのかもね、かなり激しくしたからねえ」

「そ、そうなんですか」

「じゃあ僕はここで」

「はい」

そうして亮介さんはクロエをおぶってアリーナを出ていった。

 

「じゃあ始めるね一夏」

「おうよろしく頼む」

「今日は時間が少ないから、基本動作の確認にするね」

「分かった。まずは展開か?」

「うん、じゃあちょっと離れてて」

「おう」

俺が離れた直後、簪は自身のIS『打鉄弐式』を展開していた。

「は、早いな」

「これが普通だよ、一夏。代表候補生だったらこれくらいは当然だよ」

「俺に出来るかな…」

「実践あるのみ、だよ」

「…そうだよな、やってやるか!」

俺はそうして素早く展開する訓練を始めた。

 

「……一夏」

「な、なんだ?」

「出来るの早くない?」

「コツさえ掴んだら出来たんだが…」

「私が教えたのは役に立ったのかなぁ…」

「もちろんだぞ!だ、だからそんなに遠い目をするなよ」

あれから数十分。何十回と繰り返していく内に段々コツを掴んでいき、何とか素早い展開をできるようになっていた。

「じゃあ気を取り直して次は武器の展開だよ」

「OKだ。じゃあ…」

「待って一夏。武器の名前を言わずに展開して」

「え、でも」

「名前を言いながらじゃ、相手に隙を与える可能性もあるの」

「ま、まあそうだけど…」

「それで確か相手はイギリスの代表候補生だったよね?」

「え、なんで知ってんだ?」

「4組に流れてきた噂を聞いたの。『学園唯一の男子がイギリスの代表候補生にケンカを売った』って」

「あ、あははは…」

一夏は女子の情報伝達の速さに恐れを抱いた。

「代表候補生なら尚更警戒するべきだからやろう…と思ったけど」

そう言って簪は上を見る。

「どうしたんだ?」

「もう時間だね」

「もうそんな時間なのか?」

ISのセンサーで簪の目線の先、管制塔にある時計を見ると午後6時前を指していた。

「もうそんな時間なのか」

「元々アリーナは午後7時まで使えるけど予約制だから。私が予約した時間は6時までだから」

「なるほど」

「じゃあ着替えに行こっか」

「そうだな」

一夏達はそうしてアリーナを出ていった。だが

「アレが織斑一夏(後継者)、ねぇ…。頼りなさそうなぁ…」

アリーナの観客席の一番上の段にある柱の影から見ていた者がいた事は気づくことは無かった。

 

 

俺と簪は着替えを終え、合流し俺は簪に質問していた。

「なぁ簪は寮の部屋とか分かってるのか?」

「えっ!?あ、う、うん!!」

「どうしたんだ?」

「う、ううん!なんでも!」

なんだ?簪の顔が真っ赤だぞ?どういう事だ?

「うふふ、簪ちゃんは一夏君と同じ部屋だからね~」

「そ、そうなんですか…ってうわぁぁ!?」

「そんな悲鳴上げられるとお姉さん、少し傷つくなぁ…」

「い、いや突然出てきたらそりゃ上げますよ!」

「お姉ちゃんいつの間に後ろに?」

「『たまたま』アリーナの前を歩いてたら2人が居たからね」

何だろう。この人だと『たまたま』が狙ったと感じるのは俺だけなのだろうか?

「それにしても簪ちゃん、一夏君と同じ部屋で良かったわねえ」

「…う、うん」

簪は引きつったような笑顔で答える。まぁあからさま過ぎるからなぁ……。

「一夏君も簪ちゃんと同じ部屋で嬉しいでしょう?」

「楯無さんがそうしてくれたんですよね。ありがとうございます」

「バレてた?」

「いや、あからさま過ぎるので……」

「うふふ、もっと感謝していいのよ?」

「じゃあその感謝の気持ちを示してあそこの自販機でジュースを買いましょうか。簪の分も買ってくるぞ」

「え、一夏いいの?」

「おう。今日特訓をしてくれたお礼だ」

「じゃあ、私はお茶でいいよ」

「了解、じゃあちょっと待っててくれ」

一夏はそう言って自販機に向かった。すると

「簪ちゃん、ちょっといいかな?」

楯無が口を開いた。

「どうしたの?お姉ちゃん」

「今一夏君といれて嬉しい?」

「うん、もちろんだよ」

「うふふ、それを聞けて安心だわ」

「それよりお姉ちゃん仕事は?」

「…虚ちゃんに任せちゃった☆」

「……もしもし虚さん?」

「簪ちゃんやめてぇえぇ!」

簪は残姉ちゃんだな、と感じていた。

 

 

「えーっと、お茶と…楯無さんにはコーラでいいか」

俺はスボンのポケットに手を突っ込み500円玉を出し自販機に入れた。すると

「やぁ一夏君」

「あ、こんばんは亮介さん。どうしたんですか?」

「僕も飲み物を買いにね。お嬢様がご所望だからね」

「そうなんですか」

俺は買った緑茶とコーラを手に取る。

「じゃあ俺はこれで」

「ええ。ではまた明日」

俺は自販機から立ち去った。

 

「戻りました……って、何故楯無さんはそんな絶望顔なんだ?」

「多分、処刑人(虚さん)がやって来るから」

「そ、そうなのか…楯無さんコーラどうぞ」

なんか虚さんの呼び方が違ったけど気にしないでおこう。

「ありがとう一夏君……」

「楯無さん、目が虚ろですけど大丈夫なんですか?」

「大丈夫じゃない、大問題よ」

「が、頑張ってください……。はい簪、お茶だ」

「ありがとう一夏」

俺が簪にお茶を渡していると

「うーむ……」

「な、何ですか?楯無さん」

「いや、一夏君が簪ちゃんのお兄ちゃんだったらどうなのかなーって」

「ど、どうと言われましても…」

「そうだ!簪ちゃん一回一夏君の事『お兄ちゃん』って呼んでみてよ!」

急に元気になる楯無さん。何を想像してるんだ……。

「い、いやだよ…恥ずかしい……」

「一夏君も言われてみたいんだって!さぁさぁ早く!」

「ちょっ楯無さん!?」

「い、一夏本当に?」

「えっ、あー……呼ばれて、みたいかな…」

俺がそう言うと簪は軽くうなずき

「じゃ、じゃあ……

 

一夏お兄ちゃん、お茶ありがとう…」

「ンゴフッ!!」

簪の上目遣い+お兄ちゃん呼びで楯無さんは吐血、俺は後ろに倒れー

『カーン!!』

ずに、缶が落ちたような音で踏みとどまった。その音の方を見てみると

「………」

亮介さんが青ざめた顔でこっちを見ていた。

「り、亮介さん?」

そう俺が言うと亮介さんは現実に引き戻されたのかすぐに缶を拾い

「一夏君、お釣り取り忘れてたよ」

「あ、ありがとうございます」

「じゃあ僕はこれで」

そう言って亮介さんは足早にその場を立ち去っていった。

「どうしたんだろうね?」

「さぁ……」

俺達は亮介さんのあの反応が忘れられなかった。

 

 

「お兄ちゃん、か…」

亮介は足早に一夏達の前から立ち去った後、部屋に戻っている最中に呟く。

「あれから12年、か……」

亮介は手に持っていた缶コーヒーの蓋を開ける。

「『祈』、君は僕を許してないのかな…」

コーヒーを一口のみ続ける。

 

 

 

 

「君を僕が殺した事を」

亮介はそう言った後は何も言わず部屋に戻っていった。

 

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