インフィニット・ストラトス IS〜ヒロインは簪さん 作:如月睦月
ネタがあっちこっちに行ったり、用事やら。
もう危ないです。
読んでいただけるだけで私は幸せと感じます。
それでは本編をどうぞ。
「一夏っ…!」
モニターで試合を見ていた簪は声を上げる。
「全くあの馬鹿は…」
千冬は手を額に当てながら呟くように言う。
「織斑君は大丈夫でしょうか?」
麻耶は少し心配そうな顔で千冬に向かって言う。
「……大丈夫だ、と思いたいな」
「それは織斑先生の弟だからですか?」
「いや、一夏だからこそだ。あいつは強いからな」
「強い、ですか」
「そこにいる更識妹がよく分かっているさ」
千冬はモニターの前の簪を見る。
(一夏、私は勝つことを信じているぞ。義妹と共にな)
「おあいにく様、ブルー・ティアーズは六機ありましてよ!」
それを聞いた俺はハッとする。
しまった。あれほど油断はいけないと千冬姉はもちろん簪や刀奈さんに言われ続けきたじゃないか。
「くっ…間に合えぇええ!」
俺は加速していたのを止め、腕を顔の前にやる。こんな程度で
(くそっ…せめて、せめて躱す事ができれば勝てるのに!!)
残り数メートルで
その時だった。
『…モードを指示してください』
な、なんだこの声?俺の頭に響いてくる?
『指示してください、早く』
突然の声で俺は訳も分からず頭が混乱していたが
(ウッドで頼む!)
と心の中で言った。言った後にハッとしたが
『大丈夫です。モードを変更します』
するとすぐにモードがライトニングからウッドに変更された。
俺は急いで盾を1枚俺の前に構える。
それと同時に構えた盾に
「ふん、これで私の勝ちですね」
あれだけの至近距離で
煙が晴れるとそこには
「危ねえ…」
「な、何故!?何故無事なんですか!?それにその機体は……」
盾らしき物を構えた先程と違った機体を纏っているように見える一夏がいたのだ。
「これか?できれば見せたくは無かったが……後で教えてやるよ!!」
一夏は一気にセシリアの方に加速する。
「くっ、私に突進ですか!撃ち落としてさしあげますわ!」
「それは出来ないぜ、お前のビットの周り見てみろ」
セシリアは言われた通りに見ると
「な、なんですか、これは!?」
「ソイツは盾だ。そしてこれは俺の意思で動かせる盾だ」
「なっ」
「よそ見する時間は終わりだぜ!」
一夏は瞬時加速を行いセシリアに近づく。
「くっ、撃ち落としてさしあげますわ!」
セシリアは突進気味の瞬時加速をする一夏に向けてライフルを構える。
「無駄だ!」
一夏は更に速度を上げ、ライフルの砲身の真横にたどり着く。
「1発!」
「きゃあ!」
一夏は蹴りをセシリアの腕に当てる。その衝撃でセシリアはライフルを落としてしまう。
「これでぇ……」
一夏はそのままモードをfireに変え、鳳凰を呼び出す。
「トドメだぁ!!」
そのまま鳳凰をセシリアに向けて振り下ろす。そこから炎が発生しセシリアが炎に包まれる。
「きゃああああ!!」
ブルー・ティアーズのシールドエネルギーは炎に削られていき0になった。
『試合終了。勝者、織斑一夏』
「あー……疲れた」
「お疲れ、一夏」
俺はベンチに座りながら簪から貰ったスポドリを飲む。
冷たさが体にしみてうまい。火照った身体に丁度いい冷たさだ。
「俺もまだまだだな…」
「そんなこと無いよ。代表候補生相手に勝ったんだよ?」
「…いや、ちょっと納得いかないんだ」
「なんで?」
「よく分かんないんだけどさ、なんかエレメントに助けて貰ったって感じがするんだ」
「ISに?」
「声が聞こえた気がしたんだけどな。気のせいかな?」
「さぁ…、あ」
「どうした?簪」
「一夏。部屋に戻ったら…その…」
「なんだ?」
「…部屋に戻ったらね?」
部屋に戻ったあとの事は皆の想像に任せよう。
でも18禁展開はないぞ?そんな展開はないぞ?
(織斑、一夏……)
セシリアはシャワーを浴びながら今回の模擬戦を振り返っていた。
(技術や経験などは私の方が上。では何故私は負けてしまったのか……)
セシリアはシャワーの水を止める。
(答えは、簡単ですわね)
セシリアの頭の中では既に答えはあった。
「私の考え、ですわね」
男に対しての態度。母に対する父の態度を見て育ったセシリアは男は全てあのような態度しかとらないと思っていた。実際、セシリアの育った環境ではそんな男しかいなかった。
「織斑一夏に対して謝罪しなくてはなりませんね」
セシリアは強い意思を目に宿し、濡れた身体を拭きシャワー室を後にした。
夜、とある部屋にて。
「織斑さん凄かったですね、お父様」
「そうだね。初心者とは思えない動きだった」
「私も頑張らなくてはなりませんね」
クロエと亮介は今回の模擬戦を見ており感想を述べていた。
「一夏君はまだ隠してそうだけど…」
「お父様でいう『お楽しみ』というものですね」
「まぁそうなるね」
すると部屋のドアがノックされる音がした。
「僕が行くよ。クロエ先に寝てなさい」
「今日はお父様と一緒に寝ます」
「……そろそろ親離れをしなさい」
そう言いながら亮介はドアに向かう。
「無理ですね」
「……」
クロエがキリッという効果音が鳴りそうな顔で言う。亮介はそれをスルーしつつ
「はい、どちら様でーってあれ?」
ドアを開けるが誰もいない。
「おかしいな…ん?」
ふと下を見ると封筒が落ちていた。宛先は亮介、差出人はない。
「…クロエ先に寝なさい」
「お父様と一緒に「今度、買い物へ一緒に行こうか」おやすみなさいお父様」
クロエはペッコリ45度でおじぎをしてベッドに入った。
(僕に対してこんな手紙を寄越す人はあんまりいないけどな…)
亮介はドアを閉め、封筒を開き手紙を読む。
『昔の話をしたい。
寮舎屋上に来られたし。 』
と書かれていた。
「……あの人、ここにいるのか」
亮介は屋上に向かって歩き出した。
「……あれ?屋上ってどうやって行くんだ?」