インフィニット・ストラトス IS〜ヒロインは簪さん   作:如月睦月

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どうも、如月睦月です。
今回で亮介さんの過去が少々語られます。
視点は亮介さんメインです。
それでは本編をどうぞ。


過去と再会

「屋上って階段じゃ行けないんだねぇ」

僕は目的地である屋上に向かう梯子を登っていた。

「結構長いなぁ……。三階からだし仕方ないか」

この寮舎は4階建てなのだが4階からは非常時の場所らしいので通常は行けないようになっている。

なのでこのような作りになっていると千冬さんに聞いた覚えがある。

「あの人も用意周到だね。ま、昔からか」

僕は梯子を登り切り、屋上への扉を開ける。まだ4月だというのに冷たい風が身体に突き刺さる。

「……いない?」

周りを見渡してもそれらしき人影は見られない。

「間違えたのかな」

そう思った時だった。僕の頬を何かが掠めた。

「!!」

僕は咄嗟にバックステップをし、懐に隠してあった拳銃を取り出し構える。

「ご大層なお出迎えですね。それが『貴女』のやり方ですか?」

そう言うと人影は扉の後ろにあったボイラーの陰から出てくる。

「全く2年振りだというのに。貴女は」

「……」

人影は何も言わずに僕に襲いかかってくる。

「あくまで戦うんですね」

僕はそれに応戦する。パンチ、キック、そして拳銃。

持っている全てを駆使しながら僕は『彼女』の攻撃をいなし、躱す。

そして5分くらいだろうか。『彼女』の攻撃は止んだ。

「……はい。合格ですね」

人影はついに口を開いた。

「……貴女ここで何やってるんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山田先生。いや隊長(リーダー)

「ちゃんとした理由で私はここにいるんですよ。貴方も分かってるでしょう?」

「まぁそうですけど…」

「それに私は貴方の『元』隊長です。そこを間違えないで下さいね」

「細かいですね」

この人は昔からそうだ。何事にもすべて細かい。と言ってもこの人の立場上細かくないとやっていけなさそうだけど。

「それで?今回の任務は何をしに?」

「貴方に言うことはありませんよ。貴方には関係の無いことですよ」

「…分かりましたよ、山田さん」

僕は呼び方を変えておく。また隊長(リーダー)なんて言ったら僕の頬に山田さんの懐にある拳銃の弾丸がさっきのように掠めるから。

「ふふふ。宜しい」

僕は気になることを聞いてみる。

「…それで怒ってます?『あの時』のこと」

「ええ。とっーても怒ってますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たがが小娘1人のためにドイツ軍に『喧嘩』を売った貴方を」

「たがが、とは心外ですね。人1人に変わりないんですから」

「私の命令を無視したんですよ?貴方の判断で私のチーム全員の首どころか命が吹っ飛びかけましたよ?」

「どうせ僕達のチームは『存在しない』チームじゃないですか。関係の無いことですよ」

「それでも、ですよ。はぁ…昔から貴方には手を焼かされましたねぇ…」

「…僕は嫌いでしたよ。あそこは」

「私たちの事ですか?」

「いえ。あのチームはいいですよ。でも女尊男卑に染まった自衛隊なんて。僕は嫌いでしたよ」

「仕方ないですね。でも今ではそんなものはなりを潜めはじめましたよ?」

「…平然と嘘をつくんですね。

 

 

親父と似てるよアンタ」

「………」

『俺』は目の前にいる女に向けて言う。

「俺は許さねぇぜ。親父を見殺しにしやがっって。おかげでこっちは家庭が崩壊したんだぜ?」

「…それに関しては、謝ることしか出来ないですね」

俺は疑問をぶつける。

「………自衛隊では戦略、操縦、格闘。様々な分野において優秀な成績だった親父とほぼ同等だった自衛隊で唯一の御身分を与えられた山田麻耶特殊陸曹。なんで『あん時』親父を見捨てたんだ?アンタ程の人だったらそれ位回避できるような策が思い浮かんだんじゃねえか?」

「…それについては、ノーコメントです。貴方といえ……調子に乗るのはそこまでですよ?」

「!?」

俺は久しく感じていなかった…『恐怖』を感じていた。

顔には笑顔が張り付いている。だが「張り付いて」いるだけだ。目には、

有無を言わさない覇気と確実な殺意を含んだ目が俺を見ていた。

「……僕には言えない事情があるんですか?」

僕は口調を戻す。どうやらどうやっても言ってはくれないらしい。

「はい。あの時は私と彼の…秘密ですので」

「そうですか……。あのそれといいですか?」

「はい。何でしょう?」

「そろそろ本題を言ってもらっていいですか?」

「そうでしたね。実はー」

僕は山田さんに言われた本題に驚愕した。

一夏君はおろか、このIS学園を。

全てを巻き込んだ悪意が始まろうとしていたのを僕は知ったから。




ちなみに特殊陸曹というのは実在していません。
私が勝手に作った架空の階級です。
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