ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか【魔を滅する転生窟】 作:月乃杜
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宴会も終わってベルが食べたパスタや飲み物分……その代金もロキ・ファミリアが支払ってくれたから、懐も痛まなかったベル。
ヘスティアへのお土産まで持たされ、ベルは何だか申し訳ないくらいに恐縮してしまう。
ベートに謗られて泣きながら出て行こうとしたが、今や憧憬の対象と会話を交わしながら食事までして、とっても感無量。
然しながらベルの心にはささくれ立ったみたいに、ベートの言葉が蝕む。
──僕は弱い。
アイズ・ヴァレンシュタイン、LV.5の第一級冒険者たる彼女と比べるのは烏滸がましいのかも知れないけれど、だけどあの時にミノタウロスをあっさりと斬り伏せた実力、血に塗れたというのに損なわれる事のない美しさに憧れた。
一目で心奪われたのだ。
だけどベートの言っていた通り、弱い自分がアイズ・ヴァレンシュタインの隣に並び立つなど許されないと思うし、それにもう一人──思い出したのである。
今現在、ベルの隣で歩くマサキ・優斗という青年にも救われた事を。
そうだ、黄金の透明に煌めく障壁によってあの猛牛の攻撃を弾いていたのは、間違いなく彼だった。
「くりすたるうぉーる」
「うん? ああ、思い出してくれたのか?」
「あ、はい! あの時に僕をミノタウロスから助けてくれたのはアイズさんだけじゃなく、ユートさんもだったって……あの障壁が僕を助けてくれて、それを張ったのが貴方だったと!」
「正解だ、ベル」
言われてすぐに直立不動から腰を九〇度にまで前方に曲げ、頭を下げたベルがユートに向けて叫ぶ。
「ありがとうございます! それと、忘れてしまっていて済みませんでした!」
好感の持てる態度だ。
礼を言って謝る、それが普通に出来るヒューマン。
「(若しかしたら彼こそがこの世界の主人公か?)」
ピンチから救われて──そして立ち上がるかどうかは今後次第だが、それが叶うなら確かに主人公としての資格は充分であろう。
「(ま、良いか)」
いずれは真価を発揮するのを楽しみにしていよう、自身の新しい双子の兄──柾木天地の様に、いつかの双子の兄──ネギ・スプリングフィールドみたいに。
「あの、ユートさんのアレは魔法……なんですか?」
何だかキラキラした紅色の瞳で見られている。
「魔法じゃない……けど、魔力を使っているから魔法と言っても良いのか」
「はい?」
「いや、そうだな。魔法って事で構わないかな」
「凄い! 凄いですよ! 僕はまだ、スキルも魔法も発現してないんです!」
「普通はLV.1じゃあ、魔法もスキルも発現しないものらしいし、ベルもいずれは発現するだろう」
「けど、ユートさんも僕より半月程度前ですよね? つまりLV.1の筈……」
彼の最短LV.アップの記録保持者──アイズ・ヴァレンシュタインでさえ、一年間を掛けたと云う。
なれば、ユートもLV.は未だに1でしかない。
「確かにLV.は初期段階だけどね。僕は君とは違ってオラリオに来る前から闘ってきた。だからかな? 魔法もスキルも発現しているんだよ」
自嘲気味に言うユート、然しベルはと云えば……
「す、凄いです! 魔法ばかりかスキルまでも!? いったいどんなスキルなんですか!?」
更にキラキラと瞳を輝かせながら訊いてきた。
まあ、他派閥なら教えるのも憚られるが、ベルは同じヘスティア・ファミリアの一員だし、ウブなベルには【情交飛躍】は未だしも他は構うまい。
それに、ベルの声は何だか懐かしいものがあって、少し甘くなっていた。
「武器に僕の知る聖剣の力を附与する【
「聖剣って、英雄譚なんかに出てくるみたいな?」
「……ま、そうだね」
この世界の聖剣なんて識らないが、確かに英雄達が持つ聖剣の力であろう。
飽く迄もユートが識る……という条件付きだけど、間違いなく〝聖剣〟であると認識した武器の特殊能力を附与が可能。
例えば、同じ【エクスカリバー】であっても星により鍛えられた神造兵装と、折れて錬金術で鍛え直した劣化聖剣、効力がまるで異なっているがこれを個別に与える事が出来た。
つまりはそういう事だ。
ロキ・ファミリアと共闘した際は、武器を溶かしてしまう溶解液を吐いてくるヴィルガが相手だったし、決して壊れない不壊属性を与える【デュランダル】の効果を附与している。
真実事実など無関係に、飽く迄もユートの知識を基として……だ。
【
それにあれはユートの使う権能を、この世界の神の力だとダンジョンに誤認をされない為の、云ってみればこの世界でしか意味を為さない死にスキルだから。
第一、ベルは【聖剣附与】だけで興奮しているし、それだけで充分。
「はぁ、僕も強くなりたい……魔法だって使いたい、スキルも欲しい」
「強くなりたい……か」
「はい」
「なら、稽古くらいは付けてやろうか?」
「へ? 稽古を……」
「ああ、稽古でも経験値は得られるからね。上手くすれば数値も伸びるさ」
ユートが教えてやれば、才能が皆無かやる気が皆無でない限り、時間が掛かっても基本的には修得が可能であると既に判っている。
魔法やスキルに関して、ベルの才能という意味では未知数でも、単純に経験値を得るのは可能だろう。
「スキルは兎も角として、魔法はそうだな……今現在は駄目だが、その内に修得させて上げよう」
「へ? 魔法の修得なんて出来るんですか?」
「まあね」
インストールカードを使えば、カード内に封入した術式を焼き付けて使用可能となる為、魔法くらいなら簡単に使える様になる。
「今は駄目なんですか?」
「簡単に修得が出来るってのはね、ある意味で諸刃の剣なんだよ。資質を腐らせ易いって事なんだ」
「つまり、弱い内に頼り切りになって伸びなくなるって事ですか?」
「正解だよ」
「解りました……」
ちょっと残念そうだ。
「LV.が上がったなら、御褒美に魔法を上げるさ」
「本当ですか!?」
「ああ、その前に魔法を覚える可能性もあるけどね、それならそれで方向性の違う魔法を覚えれば良い」
「はい!」
インストールカードによる焼き付け、それは恩恵の魔法スロットとは無関係に修得させるが故に、情報の拡散には注意が必要。
任意に魔法スロット拡張が可能なアルテナという国の魔導書すら越える効果、何しろその拡張も結局の処は魔法スロットの最大数である三つを越えないから。
魔法スロットと無関係という事は、焼き付けによる負担にさえ目を瞑れば幾つでも好きなだけ修得が可能となるに他ならない。
「取り敢えず、腹ごなしを兼ねてダンジョンに行ってみようか?」
「え? 今からですか?」
「強くなりたいんだろ? なら少しでも闘おうか」
「は、はい!」
スパルタ式だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「うわぁぁぁっ! 死ぬ、死んじゃうぅぅぅぅっ!」
「逃げ回って獲られる経験値は俊敏だけだ! 攻撃をしろ、ダメージを受けろ」
「無茶苦茶だぁぁぁっ! こなくそ!」
ガキン! パリン!
「折れた!?」
自棄になって攻撃をしてみたら、手持ちの支給品なナイフがポッキリ逝った。
「ったく、仕様がないな。ベル、すぐに僕の後ろにまで下がれ!」
「は、はいぃぃっ!」
攻撃手段を喪ったベルはすたこらさっさと、俊敏を活かしてユートの後ろへと下がってしまう。
「いっ!?」
ユートを見遣れば、凄まじい熱量が両手に集中してベルに熱気が当たる。
頭上で両手を合わせて、真横に伸ばす様に広げると熱気が半円を描く。
両腕を前に突き出して、ユートは叫んだ。
「
ダンジョンの床から天井までも焼き尽くす勢いで、熱エネルギーの奔流が射出され、集まっていた蟻型のモンスター、キラーアントが消滅していった。
「ふぃぃっ」
エネルギーの奔流が収まった後、その先にキラーアントはもう存在しない。
「こ、これが魔法?」
余りの凄まじさに戦慄を覚えたベル。
自分ではまるで歯が立たないキラーアント、それを一瞬で数十匹も居たそいつらを消し去った魔法。
成程、弱い今の自分にはある意味で劇薬だった……過ぎたる力は何とやらと。
だけどあれ程ではないにしろ、間近で魔法を見れて逆に上級冒険者になるのが楽しみでもある。
「ベル、取り敢えず装備がダメダメ過ぎるのは理解が出来たな?」
「は、はい。ですけど幾ら何でも七階層は無謀だと思います……」
しかも、何を思ったのかキラーアントを生きるか死ぬかにまで傷付けて放置。
それに惹かれたキラーアントが次々と沸いて出た。
「僕の腕力は大した事がないですし、支給品のナイフなんて攻撃力も低いから、キラーアントの甲殻は傷付けられませんよ」
六階層から現れるウォーシャドーは、防御力もまだ低めで斃せなくもないが、キラーアントの甲殻はまだ傷一つ付けられない。
「ベル、それは闘い方がおかしいんだ」
「へ?」
「例えば、フルアーマーの人間へ馬鹿正直に鎧に剣を振り下ろす必要は無い」
「えっと……」
「鎧の継ぎ目や動かす為に柔らかい関節部、其処を狙ってやれば良いんだ」
「あ、キラーアントも!」
「そう、脚を破壊しても良いだろう。身体を動かす為に甲殻に覆われない継ぎ目でも良いな。歯が立たないなら立つ部分を攻めろ」
「はい!」
基本アビリティが上がっていけば、いずれは甲殻を破壊も出来るだろうけど、出来ないなら出来ないなりに闘う術を教える。
「まぁ、武器は換えなきゃ駄目だろうな」
「あ!」
ベルの手には最早、用を為さないナイフが未だに握られていた。
「これを使え」
渡されたのは支給品とはえらい違いのナイフ。
刃も大きいみたいで鞘はそれに合わせた大きさで、鍔の部位には緑色の宝玉が填まっている。
「パプニカのナイフ・レプリカと云う」
「レプリカ?」
「そう、オリジナルを元に造った模造品。とはいえ、攻撃力は変わらん」
攻撃力は24と高め。
支給品のナイフは【ひのきの棒】よりはマシ程度、こん棒に比べたら弱い。
「これならベルの腕力でも甲殻に傷付けるのも可能だろうが、さっき言った通りに闘う様にな?」
「わ、判りました!」
誘き寄せる【死に掛けのキラーアント】も吹き飛んでいたが、いい加減で沸き出たモンスター。
ベルは教わった通りに、【パプニカのナイフ・レプリカ】を手に戦った。
成程、甲殻がスパスパと斬れる辺り良い武器だ。
とはいえ、狙いは体躯の継ぎ目や脚の関節であり、甲殻は試しに斬っただけ。
「うりゃ! せいっ!」
キラーアントの体躯が、スッパリと切断される。
その度に死ぬキラーアントは捨て置き、次のキラーアントの脚を斬って動けなくなった処を狙い、頭へとパプニカのナイフ・レプリカを突き立てた。
まだ未熟故にダメージを貰う事もあるが、それでも致命傷は確り避けている。
本来の世界線に於いて、ベル・クラネルは現段階でもウォーシャドー程度なら斃せるが、流石にキラーアントは簡単ではない。
それこそ〝あのスキル〟を発現させた上で、何度かダンジョンに潜って基本アビリティのパラメーターを上げれば可能だろうが……
「ベル! ナイフはリーチが短い分、軽くて威力も低いからな体術を混ぜたり、斬る回数を増やせ!」
「は、はい!」
早速、蹴りを入れて転がせてから柔らかい腹を刺したり、連撃でバラバラにしたりと飲み込みは早い。
これならば良いペースで基本アビリティが上がり、更にはステイタスに依らない技術も手に入る。
この世界に於ける冒険者は皆が皆、【神の恩恵】に頼り過ぎていた。
勿論、単純に能力が上がるだけで勝ち続けられる程ダンジョンは甘くはなく、技術を確り会得して深層にまで進出する者も居る。
ロキ・ファミリアがそうだし、フレイヤ・ファミリアもそうだろう。
実際に、【神の恩恵】の数値はどれだけ努力をしてきたかの確認にもなる。
その最たる者こそがこの迷宮都市最強のLV.保持者──【猛者】オッタル。
【勇者】フィン・ディムナや【重傑】ガレス・ランドロックや【九魔姫】リヴェリア・リヨス・アールヴでさえ届かぬ高み、それが彼のフレイヤ・ファミリアの首領なのだから。
ユートから視てベル・クラネルは今の処、見るべきは俊敏が若干高い程度でしかなく、然しながら努力をして自らの血肉に変えていけるなら、英雄にだって成れるものだと理解しているが故に、長い目で見ていこうと考えている。
「何か、主人公に似つかわしいチートでも在ればな。一誠の【赤龍帝の籠手】みたいなのとか、最弱であれ短期間で最強に成れそうな何かしらを持っていれば、ベルもきっと英雄足り得るんだろうが……」
主人公が与えられる……主人公を主人公足らしめる何か──竜の紋章でも何でも良いので在れば、それを切っ掛けに化けるだろう。
「【神の恩恵】が在るんだから、スキル関連に出てきそうだよね」
或いは魔法か?
ベル曰くどうやら未だに魔法もスキルも発現していないらしいが、レアスキルか何か発現をすればベルが主人公だと確認が出来るのかも知れない。
結局、今日はキラーアントをベルが二十匹ばかりを斃せたから帰る事に。
ユートが極大閃熱呪文で潰したのや、六階層で斃したウォーシャドーや他にもコボルトやゴブリンなど、雑魚も含めて三万ヴァリス以上を僅かな時間で稼ぐ。
その額にベルは金貨を見ながら震えていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あ、神様! ただいま帰りました」
「遅いじゃないかベル君。いったい何処に行っていたんだい?」
「それが、【豊穣の女主人】で食事をしたんですが、ロキ・ファミリアの方々と御一緒しまして……」
「ロキィ〜? 全く、君はヴァレン某に助けられた事といい、ロキと縁でもあるのかい?」
ヘスティアがスッゴく嫌そうな顔で云う。
そんな彼女の背後に影。
「ぐはっ!?」
ユートが両拳でヘスティアの
所謂、【うめぼし】だ。
「ぎにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!?」
涙目になりながら絶叫を上げ、自由な両脚をジタバタと動かすヘスティア。
「か、神様ぁぁっ!?」
ユートの突然の暴挙に、ベルも何が何やら?
「ヘ・ス・ティ・アちゃーん? 誰が放蕩眷属だ? だ・れ・が!」
「ユ、ユ、ユート君!? 帰っていたのかい?」
「ああ、その通りだとも」
「痛い、痛い! お願いだから放しておくれぇっ!」
グ〜リグリッ! 捻り込む様に拳を動かされては、然しもの【
「まったく!」
パッと放す。
「きゃん!?」
行き成り放されて尻餅を突いたヘスティア。
「此方はファミリアの為に稼いで来たのに、放蕩眷属とか陰口を叩かれるとは」
「うう、ごめんよ。だってちっとも帰って来ないから寂しかったんだ……ベル君が眷属になってくれなければずっと独りなんだぜ?」
「それは悪かったがね」
ユートは右手で空中にて某かしながら言う。
「ほら」
そして大きな袋を出し、ヘスティアの前に投げた。
ガシャン!
重々しい大きな金属音と共に、巨大な白い袋が落ちてきて驚愕する。
「な、何だいこれ?」
「ファミリア運営資金だ。一千万ヴァリス入ってる……って、どうした?」
ヘスティアとベルが一斉に動かなくなって不審に思ったユートは、取り敢えずロリ巨乳御自慢の巨乳を揉んでみるも、嫌がる素振りは疎か叫びもしない。
「……気絶してるし」
パタパタと目の前で掌を上下させても視線はまるで動かないし、ベルの目の前でヘスティアの服を開いて巨乳をさらけ出したのに、ベルも全く動じない。
どうやら二人共が揃って気絶したらしかった。
「一千万ヴァリスはちょっと毒だったか?」
苦笑いをしながら言う。
「ま、丁度良いか」
本拠地がボロ教会の地下という、ヘファイストスやロキに比べて余りに余りな状態だし、改築をする心算だったから一気にやってしまおうと考えたのだ。
小宇宙を使えないというのは正直に言えばキツいのだが、それでもやってやれない事はない。
【魔法少女リリカルなのは】の世界のギリシアにて聖域を構築したり、ゲートの向こう側──アルヌスに都市を創ったアレだ。
ハルケギニアの魔法──【錬金】の上位互換である【錬成】を更に突き詰め、【創成】にまで高めた力。
イメージの侭に世界すら構築可能なソレを、ユートは教会の地下へと流す。
ほんの僅かな時間で全ての処理は終わり、ヘスティア・ファミリアの新たなる本拠地は完成をした。
二人を両脇に抱えると、新本拠地へと入ってベルはソファーへ、ヘスティアはベッドへと投げ出してから新しい部屋へと向かう。
空間歪曲技術も用いて、小さな空間を可成り拡張しておいたから、部屋なんて幾つも存在している。
その最初の部屋が元々、ヘスティア・ファミリアの本拠地だった部分であり、其処から新しい扉を開いて廊下を進めば、幾つか扉が有って開けば大きな部屋が存在していた。
とはいえ、まだ部屋だけで家具も何も無い。
取り敢えず、【ゲヌークの壺】を設置して下水道も設え、風呂やシャワーなどが使えてキッチンも造る。
因みに【ゲヌークの壺】とは、ユートがハルケギニア時代に世界間漂流をした際にザールブルグで作り方を覚えたアイテムだ。
蒸留水がコンコンと湧き出るから便利である。
【パチパチ水】が出る壺も在り、ソーダ水を作る事も出来た。
「部屋は……いずれ閃姫や何やら喚ぶし、若しかしたらヘスティアの眷属が増えるかもだからな。数は在れば在っただけ良いか」
大浴場も造っておくが、各部屋にも小さな浴場とか有っても困らない。
ユートの部屋を造って、ベルの部屋にヘスティアの部屋も造る。
各部屋に【ゲヌークの壺】を設置したから、普通に風呂にも入れるだろう。
勿論、大きな湯タンクも有るからその気になれば、風呂を沸かさず入れる。
「取り敢えず完成かな?」
ベルを【ベルの部屋】のベッドに投げ入れて布団を掛けてやり、ヘスティアも【ヘスティアの部屋】へと連れて行く。
未だに巨乳が晒された侭で揺れていた。
ヘスティアをベッドへと寝かせ、設えた金庫にお金を仕舞ってユート本人も、自分の部屋へと戻る。
シャワーを浴びて身体を拭くと、裸の侭にベッドに入って目を閉じた。
ユートは基本的に裸で寝るから問題は無い。
「明日はどうしようかな? ヘファイストスに会って防具の感想を述べてから、リリも捜したいな。それに久し振りに春姫を抱きに行こうか………………」
結構、疲れが出ていたのだろうか? ユートの意識は次第に落ちていった。
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既に原作としてのリリの噺は無かった事に……