ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか【魔を滅する転生窟】 作:月乃杜
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それを見世物とするのがギルドからの指令として、ガネーシャ・ファミリアが直々に受けたもの。
まあ、ティムには興味も無いユートだったのだが、折角の盛り上がった祭だから女の子とデートと洒落込む気満々だし、その後には夜の逢瀬を楽しみたいという欲望も強かった。
自身を幾つにも分身させる事も可能な為、ユートはダブルブッキングやトリプルブッキングも怖くない。
木ノ葉隠れの里でどん尻少年が使う多重影分身の術を視て、それを扱える様になった上で権能の一つである【
但し、これだと本体は未だしも分体は戦闘能力的には百分の一程度、影分身の方が戦闘力は高かった。
まあ、デートに戦闘能力は基本的に必要は無い。
某・おっぱいドラゴンみたいに、デートの相手から殺される可能性もそんなに高くは無いと思うし。
リューやエイナやサーシャやラブレスなど、出逢った中でもデートの約束をした相手はそれなりに多く、ユートはこの分身で熟そうと考えている。
何処ぞのシドーみたく、トリプルブッキングで走り回る必要なんて無い。
しかも影分身と違って、強い衝撃でも消えない上にチャクラ切れも考慮しなくて良いから、使い勝手などは格段に上だから。
早く
中層の第一四階層。
来ているのはユート以外だと、ラブレスとナァーザとリリとヴェルフとベル。
敵対するのはヘルハウンドやベル──ではなくて、アルミラージだ。
六人パーティに対して、モンスターは実に三〇匹を越えている。
ナァーザなど、トラウマこそユートの力で払拭する事も出来たが、記憶を消した訳ではないからあの時を思い出して真っ青に。
「チィッ、ヘルハウンドが火ぃ吹きそうだぞ!」
ヴェルフが叫ぶ。
「させるか、
同時にユートが手を翳して呪文を放つと……
「キャァッ!」
「なにぃ!?」
ラブレスが目の前に躍り出て喰らってしまう。
「冷たっ! 寒い寒い寒い寒い! ブルブルブル!」
そして至極真っ当な感想を叫びながら暴れた。
「何してるんだ!」
「往きます!
ユートの問いに答えず、ラブレスがヒャダルコを撃ち放った。
『ギャァァァッ!』
数匹のヘルハウンドが、凍気によって倒れる。
「ラーニングか!」
ラブレスのスキルには確かに、喰らって修得をするというものが在る。
それが【
攻撃呪文を喰らうからにはダメージを受ける。
その代わり呪文を修得、使う事が可能となるのだ。
便利なのか不便なのか、微妙な使い勝手ではあるのだが、ラブレスは割と積極的に使っているらしい。
「アルビオン!」
ユートが手にした機器、それがベルト化して腰へと装着された。
「変身!」
ハンドルを引きながらも叫ぶユート。
《TURN UP》
オリハルコンエレメントがベルトから出現すると、ユートがそれを潜る。
《Vanishing Dragon Balance Breaker!!》
人型ながらも龍を模した白亜の鎧兜、背中には光を放つ翼が輝いていた。
【
嘗て、まだスプリングフィールドだった時代の事、ユートは闘神都市と呼ばれる場所に喚ばれて、色々とやらかしたりしたのだが、その際に【仮面ライダー】に関するあれこれに力を入れて手を出した。
その時に造った一つが、【仮面ライダー剣】系。
但し、ブレイドはブレイブという似て非なるものであり、他にも混ぜたりしていたけど基本はブレイドと変わらない。
このブレイブバックルはユーキが造った代物だが、仮面ライダー自体はユートが【ハイスクールD×D】世界でレオナルドという名の少年から奪った神滅具──【魔獣創造】の亜禁手の【至高と究極の聖魔獣】で創造した聖魔獣だ。
まあ、それは兎も角……それと同時にユーキが別口の転生者から奪った
一般的にキングフォームとされるフォームに組み込んでおり、更にブレイドのキングフォームには覇龍を応用したりしたが、現在は初期フォームが【白龍皇の鎧】の状態に調整してる。
《久し振りの出番だな》
アルビオンも何処か嬉しそうな声色。
「派手な鎧だけに使える様な機会は少ないからね」
三大勢力だのアースガルズだのと、神や天使や悪魔や堕天使が跳梁跋扈していた世界ではなく、あの地球は本当に地球その物は普通が普通に普遍する世界だ。
こんなド派手な真っ白い鎧兜を纏う機会など在ろう筈もなく、柾木に転生してから使った最初の事例とは【天地無用! 魎皇鬼】の原作が始まってから。
尤も、【地球では】との注釈は付くが……。
しかしよく調べてみると異星人は割とそこかしこ、地球に潜り込んでいるみたいで、異星人のアイドルがテレビに出ていたり。
他にも養護教諭だったりお姫様だったり暗殺者だったりと、とある地域に密集しているから恐ろしい。
他は【スーパーロボット大戦Z】の世界に跳ばされた挙げ句、第三次から第二次の破界篇に跳ばされた時に使えるロボットが無く、已むを得ず使った時。
そして何故か原作前に、宇宙へと上がった際に見付けた『ちょっと過剰なまでに自らの美しさを強調する少女』と出逢った際、行き違いから黒髪の少年と戦闘になった時だろう。
割と使っている気もしないではないが、アルビオンからすれば不満なのか?
使う時は嬉しそうだ。
尚、黒髪の少年はユートが遙照の孫と知り、生まれたのが娘で且つ二人目とか三人目なら政略的に嫁に出してやると言われたけど、まさか本当に双子の娘達を送り込んでくるとは思いもしなかった。
「さて、取り敢えず数減らしだろうね」
ダンジョン内を縦横無尽に三次元軌道で駆け巡り、飛び回った挙げ句手にしたダークリパルサーで敵対するモンスターを斬り裂く。
死んだモンスターはソッコーで灰化し、魔石もドロップアイテムも落としてはいなかったが、全てユートのアイテムストレージへと格納されているだけ。
怪物の宴で大量に顕れたモンスター、それは百すら越えたが今や二十匹を切っているだろう。
「このくらいが適量かな? それじゃ始めようか」
ユートに言われてベル達は驚愕を冷め遣らぬ内に、再び戦闘を開始した。
未だに全員がLV.1、それなのに中層での戦闘を余儀無くされ、然しながら小型のモンスターなら何とか斃せている。
ラブレスの魔法が強力なのもあるが、短剣やリトル・バリスタを駆使しているリリが意外と強い。
リリ本人もこんなに戦えるとは思わなかった。
一度、アテナに確認して貰った際に見た基本アビリティに付いたプラスの数値が凄まじく、それがユートとのセ○クスが原因だとはすぐに理解する。
問題は新しいスキル。
【
どうして発現したのか? 疑問なリリだったけど、ユートが推測を含めて説明をしている。
やはりそれは、ユートとの目眩く退廃的なセ○クスが原因だったらしい。
ティオナとヤった時には思い付かなかった事だが、昔は普通にやった方法での性交を試してみた。
自らの氣を相手に送り、混ぜて循環させる手法。
全身が触れ合っていて、尚且つユートの極一部分が相手の内に入り込み、粘膜接触をしている状態だからこそ可能なもの。
この状態で息吹きの如く互いの氣を混ぜて循環し、まるで一つの生命体の様に交わると、突き抜けた快楽を得られると知った。
全身が性感帯にでもなったかの様な、肌と肌が触れ合い擦れ合う毎に絶頂にも似た快楽が脳を中心に刺激をお越し、実際に絶頂にまで到達すればそれこそ頭が真っ白に漂白されたみたいな鮮烈なる快感が雪崩れの如く襲ってくる。
リリは熱い欲望の塊を流し込まれる度、荒波の様な強い快楽悦楽に流されて、意識を手放し気絶すらしていたにも拘わらず、強過ぎる快感にすぐ強制的に覚醒させられてしまう程に。
終わって一眠りした後、目を覚ましたリリはユートに言う──『お願いしますからもうあれはやめて下さい……』──と。
好きで受け容れてもあれは廃人になりかねない。
否、氣の循環の所為だろうか? 廃人になる事すら出来ないのだから。
あの拷問にも似た性交、あれで行われた氣の循環は陰陽合一で完全なる存在と認識、誤認されたらしく、ユートが行っていたにも拘わらずリリの経験値として計上され、スキルの発現と相成ったという訳だ。
その効果を要約すると、DB染みた氣の扱い方とかが可能で、更にH×Hっぽくも扱えるらしい。
しかも魔力と合一までも可能とあっては夢が広がる一方で、LV.1の身ながらLV.3くらいの能力にまで引き上がっていた。
氣の大きさが大した事もなかったが、魔力と合一をすればそれでも可成り増強が成されたのだ。
但し、成長を阻害するから強敵以外には使わない。
久し振りにやったアレ、自分も凄いとかどうとかを超越した快楽を得られて、しかも棚ぼたでリリが大幅にパワーアップした。
因みにエセルドレーダにも試した処、流石に初めての感覚だったらしくて──『もう教える事は無いわ』──なんて意識も朦朧としながら呟いていたり。
今もリトル・バリスタでダメージを与えながらも、一気に突撃をして短剣を用いてトドメを刺している。
ヘルハウンドも炎を吐く前に脳天に矢に射抜かれ、動きを止めた瞬間に首への斬撃を喰らって死ぬ。
まあ、闘氣が在ってこその戦術となるが……
勿論、ベルもヴェルフもリリやラブレスに負けず劣らずの活躍をしていたし、ナァーザもトラウマさえ無ければ、百発百中の射撃の腕を確りと魅せている。
ナァーザは存外と拾い物だったかも知れないなと、ユートは彼女の働きに満足をしていた。
「ふむ、リリの装備はそろそろ新調しても良いかな」
短剣は【聖なるナイフ】を持たせていたが、使い勝手が良いのか使いまくっていたから刃も劣化著しい。
間に合わせで渡した武器なだけに仕方が無かった。
「アサシンダガーか、或いはもう少し上の銀の短剣でも使わせるか?」
自分で造った物でなく、別世界で大量に購入したり造って貰ったり、鍛造ではなく錬金釜と呼ばれる物で合成したりと、幾つも持っているその別世界の武具。
まあその別世界は所謂、ナンバリングを持たせればゲームが幾つも作れそうな世界が沢山存在しており、そんな世界群でもユートはブレずに女の子と仲好くしたり、好感度がMAXになれば勿論の事ながら閨事に進んだものだ。
偶に仲好くなる前に閨事に持ち込む事もあったが、それはユート自身が気にしていない。
ナンバリングの四番目、第二の物語のメインキャラである彼女、勝負に勝って王女様を守ると意気込んでユートに敗北、少女は自らを捧げて王女様を戴きますするのを止めて貰った。
その後は急速に仲好くなった──存外と思い込みが激しくヤった後で堕ちたらしい──事もあり、武具を造ってやったりもする。
特に鉄の爪がメイン武器の時点で、炎の爪より威力が高くてヒャダルコの効果を生む【凍華の爪】を渡したら喜んだ。
それは兎も角としても、そろそろ全員の武具類更新を考えたい時期。
ラブレスは魔法がメインとはいえ、ラブレスを使えるからそれに近い物を。
ナァーザは昔に使っていた弓を引っ張り出し直してから使っており、LV.2として中層に足を踏み入れていたとはいえ、やっぱり心許ない武器であろう。
リリの短剣は候補も出たけど、リトル・バリスタも何とかしてやりたい。
ベルとヴェルフ? 野郎は知らん……ではなくて、そもそもベルはヴェルフと鍛冶師契約を結んでおり、ベルの武具はヴェルフへと一任しているし、ヴェルフ本人はそもそも自分自身で武具を造れば良い。
女の子達にそういったのが無いから、ユートが普通に世話を焼いているのだ。
ユートは一時期、鍛冶師に傾倒した事もあったし、件の別世界では魔界一とされる名工と腕を競った程。
そんな経験を生かして、SAO主体世界ではゲーム内にてリアル鍛冶を行い、強力な武器を高値で取り引きしたりしたものである。
普通の武具から魔法武具まで様々に、幅広く造っては他者に与えていた。
お陰様で聖衣などを造るのにも腕前的に一役買い、今や最上位の聖衣さえ造る事が出来ているのは、本拠地のアテナ──サーシャの部屋に飾られた小さな神像が物語っている。
嘗て、まつろわぬアテナにも与えた事があるから、もう手慣れたものだ。
あの【アテナの聖衣】を造るのも。
二十にも満たぬモンスターなど、ベルやヴェルフの様な今はLV.相当でしかない二人を除き、LV.を超克したリリやラブレスにLV.2のナァーザが居るから割と楽に終わった。
「みんな御苦労さん。魔石やドロップアイテムを抜き取ろうか。メインは長年のサポーター生活で慣れているリリ、ヴェルフは素材類の勉強も兼ねて。ナァーザとラブレスは周辺警戒を、ベルはリリのを見て覚えたら自分でもやってみろ」
指示を飛ばしたユートはその場から離れる。
気配からモンスターらしいが、少しおかしいと思える存在に気付いたのだ。
ダークリパルサーを正眼に構えると、覇気を籠め隠れている者へ声を掛ける。
「其処に居る奴、モンスターらしいが何か用か?」
「バ、バレていたのか」
「リザードマンか」
ユートも何度か殺して、魔石やドロップアイテムを手にした事がある。
「珍しいな喋るってのは。僕が今まで遭遇した連中は喋ったりしなかったが」
「俺はちょっと別物さ」
「ふーん。用は?」
「アンタを見に来たのさ」
「僕……を?」
「フェルズが言っていた。今は警戒も必要だが或いは希望足り得るかもとな」
「フェルズ? あの黒衣の骸骨っぽい奴か?」
「ああ、そうだ」
フェルズとは最初の遠征から帰還、魔石をヴァリスに交換する際に芋虫モンスターから出た極彩色の魔石を大金で引き取った黒衣。
魂は人間だったが肉体的にはリッチに近い。
実は素顔を見ていたから元人間だと知っている。
「アンタ、俺を見て攻撃的にならないんだな?」
「殺気も無いし、襲っても来ないなら闘う意味だって無いだろう?」
「フッ、フェルズが言った通りだな。希望になるかも知れない」
「希望?」
「俺──俺達【
「……解った。詳しくは、フェルズに訊こう」
ユートがそう言うとリザードマンは首肯。
「俺の名前はリドだ」
「ユート。柾木ユート」
「そうか、またな」
リドはダンジョンの奥へと消えて行った。
「ダンジョン。一筋縄ではいかない場所みたいだね。にしても、僕の場所を正確に把握してる辺り
ユートは一度だけリドの去った奥を見遣り、頭を振ってパーティメンバーの居るフロアへと戻る。
帰り際、ベルがキラキラとした瞳でユートに【白龍皇の光翼】について訊いてきて、少し鬱陶しかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
フェルズに会えとリドは言っていたが、そもそもにしてフェルズが何処に居るのか知らない。
あんな
まあ、別に会いに行かずともいずれ向こうから接触をしてくるだろう。
「完成。何とか怪物祭までに出来上がったな」
腕へと装着するタイプのボーガンで、魔力をその侭で矢へと変換する【ビームボーガン】というやつだ。
リリの為に製作した。
本人の魔力でも良いが、バッテリー式で魔石の魔力をチャージ、矢へ変換する機能も備え付けてある。
連射も可能で威力もリリのリトル・バリスタに比べて高く、しかも一撃必殺のパワーチャージも出来る。
小振りながら極めて高い性能に纏まった武器だ。
「んゆ? ユートさまぁ、何してらしたのでしゅ?」
寝惚け眼で呂律が若干回らない口調、素っ裸なリリがムクリと上半身を起こして訊ねてきた。
「リリの新しい武器を完成させていたんだよ」
「ぶき〜?」
「まだ寝惚けているな」
「ふにゃ〜」
服装も新調したい。
白いローブもボロボロだったし、下に着ている服は裾が破れて臍出しルック。
「今度、服屋にでも連れて行こうかな?」
ユートに凭れ掛かって、明らかに甘えん坊になっているリリ、そんな可愛いらしい寝顔を見ながら新しい服に身を包む彼女に思いを馳せつつ、【リリルカ・ボーガン】の最終調整をして次に備えるのだった。
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リリルカ・アーデ
所属:アテナ・ファミリア
種族:パルゥム
職業:サポーター
LV.1
力:I45(+274)
耐久:I48(+250)
器用:H148(+170)
俊敏:G296(+168)
魔力:F325(+143)
飛躍ポイント:52+723+230
《魔法》
【シンダー・エラ】
・変身魔法。
・変身像は詠唱時のイメージ依存。具体性欠如の際は失敗(ファンブル)。
模倣推奨。
・詠唱式【貴方の刻印は私のもの。私の刻印は私のもの】
・解呪式【響く十二時のお告げ】
《スキル》
【縁下力持(アーテル・アシスト)】
・一定以上の装備過重時に於ける補正。
・能力補正は重量に比例。
【練氣発詔(オーラ・パワー)】
・身体に纏う事で器用と魔力以外の基本アビリティに上昇補正。
・纏わせ方を変えると補正値に変動。
・特殊なオーラを展開可。