それではどうぞm(__)m
第一話
「行ってきます」
昔もこんな感じだったな、と兵藤一誠こと沢田綱吉は家の玄関を潜りながら、ふと感じる。今に始まったことではなかったのだが、毎朝この時間帯はそういった感傷に浸ってしまう。
通学路を歩いていると、途中で金髪の少年と出会う。
「やぁ、一誠君。おはよう」
「おはよう。木場君」
見事なまでのイケメン爽やかスマイル。何だか山本を思い出すな~。カッコいいと言ったら木場君かもしれないけど、こういった爽やかさは何だか懐かしく感じる。
「一誠君…どうしたんだい?何だか元気が無さそうだけど…」
「いや、大丈夫だよ。…ちょっと寝不足で…アハハ」
それなら良かった、と木場君が安堵する。木場君とは一年の時からの仲だからこうやって通学路を一緒に歩くのは、もう日課みたいになっているのかもしれない。
でも、時々同じ学校の女子生徒から、
「木場君と兵藤君よ!」
「一緒に歩いてるってことは…木場君×兵藤君!」
「…いや…。今回は、兵藤君×木場君よ!」
「「それだ!!」」
何が!?それだ!!って一体今日も何なの!?
こういった話を影でされるので、少し居心地が悪い。それにいつか慣れそうで怖い。慣れてしまったら多分人として何か大切な物を失いそうで怖いので、慣れるのだけは絶対に止めようと毎回のように思うのだった。
◇◇◇◇◇
今俺が通っている高校は駒王高校と呼ばれる学校で、つい最近までは女子高だったのだが、共学となり、今では男子も少なからず通っている。俺もそのうちの一人だ。
学校から家までの距離が近いので相当楽で助かる。
学校へ到着して玄関で下履きに履き変える。そこで白髪の少女が通りすぎた…と、思ったら急に此方へとやって来た。
「……どうも」
「えっ?…あ、ああ…どうも」
一年生の女の子で学校のマスコットになっている?と、友達から聞いていたので、名前は知っていた。面識は…ほとんど無いはずなのだが、
「えっと、どうしたのかな?」
「……いえ、先輩にはしっかりと挨拶をしなければいけませんので」
ペコッと頭を下げると、そのまま階段を上がっていった。
途中で明らかに先輩らしき人物とすれ違っていた筈なのだが、普通に通りすぎていく。あれ?とは思うが、別にほとんどあの子とは関係ないので、気にせずに自分の教室へと向かう。なにぶんデカイ学校なので並盛高校みたいにはいかない。最初に来たときなんて数十分迷ってしまった記憶がある。自分でも、情けないな…と思いつつも教室へとたどり着き、扉を開ける。
「「一誠っ!!」」
「…どうしたの…二人とも…」
今目の前にいるのは松田と元浜というクラスメイトだ。…正直二人の事は余り好きとは言えないが、悪い奴等じゃ無いなというのは分かる。普段から一緒にいて楽しいし面白い……なのだが、
「今日、玄関の所で学園のマスコット塔城子猫ちゃんと話をしていたな!」
「……なんで知ってるの?」
「隣のクラスの奴からの情報だ!なんて羨ましい奴だ!どうせ自分から話しかけたんだろ!」
「…いや。向こうから」
「「何ィィィィィィィイイ!!!」」
二人が涙を流しながら絶叫する。
「お前!……なんという羨ましい……」
「俺なんて声をかけたら普通に無視されたんだぞ!それを…お前はぁぁぁあ!!」
…本気で涙流してるよ、この二人は。…一体何なの?
「よーし。松田!今日は二人で鑑賞会といこうじゃないか!」
「ああ、そうだな。この感情をどこに向けていいのか解らない!鑑賞会で発散しようじゃないか!」
と、二人でゲスイ笑みを浮かべて机に下げてあった鞄からいかがわしいDVDを取り出す。その光景を見ていたのか教室の女子が悲鳴を上げる。
「こらぁ!!そこの変態二人組!!その汚い物をしまえ!」
「そうよ、そうよ!」
「あと、一誠君から離れなさいよ!一誠君が穢れるわ!」
と教室中から嵐のブーイング。二人も負けじと声を出すが、眼鏡をかけた女子生徒にぼこぼこにされ帰ってくる。
「…くそぉ…桐生の奴め…」
「フン!一誠、お前には見せてやらないからな!」
「いや、いいよ」
…悪い奴等では無いのだが…何か残念だ。それに、ここに雲雀さんがいたら確実に二人は噛み殺されるだろう。
それも徹底的に。
◇◇◇◇◇
放課後、今日は家に母さんがいないので晩ごはんを作る材料として、商店街に来ていた。途中、本屋に寄ってから。スーパーへ行こうとしたのだが、
「あ、あの貴方が兵藤一誠君ですか?」
突如、後ろの女の子から声がかかった。黒髪の綺麗な女の子だ。
「…何かな?」
…危険だね。この子は。
直感でそう思った。この子は何かまずい気がする。自分の頭の警報がそう鳴り響く。
超直感【ブラッド・オブ・ボンゴレ】という相手を見透す力があるのだが、今のツナに超直感たる力は宿っていない。魂や記憶は沢田綱吉本人でも、この体は兵藤一誠という全くの別人だ。…まぁ違うのは名前だけだが。
じゃあ何故、目の前の女の子が危険だと判断できるのかと言うと、それは今まで数々の戦いに身を投じてきた経験と実戦によって、培われた戦闘勘。超直感ほどの力が無くても、今のツナにとって、邪な考えを持つ相手を見抜くのは容易いことだ。
だからツナは思った。
この女は危険だと。
「あの、私、天野夕麻って言います。その、えっと。
私と付き合ってくれませんか!?一目惚れなんです」
「……えっと…。そう言われても俺は君を知らないし、何よりお互いの事をわかっていない。…悪いけど、君とは付き合えない」
そう言うと、夕麻と名乗った女の子から一瞬だが殺気が感じられた。常人にはわからないレベルだが、ツナにとっては日常茶飯事みたいなものなので、警戒を緩めない。
「…そうですか…。いきなりですみません。迷惑でしたよね…」
バッと頭を下げるとタッタッタと商店街を走っていった。彼女の背中が見えなくなるまで警戒を緩めない。そして、後ろからの視線にも。
後ろを振り向くと、今朝玄関で出会った、塔城子猫がいた。彼女は此方の視線に気付くとすぐに人混みの中に消えていった。
「…はぁ。まさかとは思うけど、もとの世界よりややこしいってことは…無いよね…」
そんな事は勘弁してくれと切に願うツナだった。
◇◇◇◇◇
公園の噴水近くを歩くツナ。商店街から家に帰るのはここが一番の近道で、尚且つ、
『他の人物が居ない』絶好の場所だった。
「…まだ、何か?…天野夕麻ちゃん、だっけ?」
後ろを振り向くと、そこには先程商店街で出会った少女が立っていた。
「あっ、いや…その…」
「ストーカーは立派な犯罪だよ?それとも―――」
何かもっと別の用事かな?
ツナが荷物を置き、彼女を見据える。すると、彼女はため息をつき急に笑い始めた。
「…ックククク、はぁ~。折角、最後だから楽しい時間をプレゼントしようと思ってたのに…。見事にフラれたからどうしようかと思ってたけど…」
夕麻の着ている服が、真っ黒いボンテージのようなものに変わり、背中から黒い翼が生えていた。
「さっさと殺してしまうのが楽みたいね」
手に光る大きな槍を作り出すと、彼女はそれをツナに向かって投げつけた。
どうだったでしょうか?
夕麻ちゃんの所がちょっと強引過ぎたなと思っています。いきなり付き合って下さいは無理過ぎましたかね?
ツナの口調もおかしい所があったらご指摘お願いします。超直感のところの説明がいまいちだったかなと思っているので、口調もろとも、漫画を読み返さなければ…。
それでは、次も読んでくださったら嬉しいですm(__)m