ハイスクールD×D 大空の転生   作:東流

4 / 4
お気に入りが100越えててびっくりしました。皆様ありがとうございますm(__)m

これからも頑張っていくのでよろしくお願いしますm(__)m

それではどうぞ!


第三話

「…悪魔…ですか?」

 

正直あまり驚きはしなかった。昨日の事もあるし、何より向こうでは悪魔よりも恐ろしい家庭教師に毎日のようにしごかれてきたからだ。それにそういったことについては免疫が出来てしまっている。

 

「あら、あまり驚かないのね。普通ならもっと取り乱すと思っていたのけれど」

 

「…まぁ、結構充実な日々を過ごしてきましたから」

 

「気になるわねそれ…。まぁいいわ。取り敢えずこれを見てもらおうかしらね」

 

グレモリー先輩は指をパチンと鳴らすと、俺以外の全員がバサリと黒い羽を広げていた。

 

「……っ!?」

 

「まだ、あまりピンときてなかったみたいだから、これを見たら信じるんじゃないかと思って」

 

「いえ、最初から信じてましたよ…」

 

「ならいいわ。…自己紹介は全員済ませたようね。今から貴方について、というより貴方が持っている『神器』について説明させてもらうわ」

 

と、その前にとグレモリー先輩が話を句切る。

 

「貴方には私達悪魔の事と、堕天使、それと天使について説明するわ。まず、昨日貴方を襲ったのは堕天使。元々は神に仕えていた天使だったんだけれど、邪な感情を持っていたため、地獄に堕ちてしまった存在。私達、悪魔の敵でもあるわ」

 

堕天使…。そんなものもいるのか。

 

「私達悪魔は堕天使と太古の昔から争っているわ。冥界――人間界で言うところの『地獄』の覇権を巡ってね。地獄は悪魔と堕天使の領土を二分化しているの。悪魔は人間と契約して代価をもらい、力を蓄える。堕天使は人間を操りながら悪魔を滅ぼそうとする。ここに神の命を受けて悪魔と堕天使を問答無用で倒しに来る天使も含めると三すくみ。それを大昔から繰り広げているのよ」

 

…凄い内容だ。悪魔に天使に堕天使。向こうでもそこまでの規模じゃなかったと思うけど…多分。

 

「これが一通り私達の説明よ。次は『神器』についてね」

 

グレモリー先輩の次に木場君が口を開く。

 

「神器【セイクリッド・ギア】とは、特定の人間の身に宿る規格外の力。例えば、歴史上に残る人物の多くがその神器所有者だと言われているんだ。神器の力で歴史に名を残した」

 

「現在でも体に神器を宿す人々はいるのよ。世界的に活躍する方々がいらっしゃるでしょう?あの方々の多くも体に神器を有しているのです」

 

木場君に続いて姫島先輩も説明してくれた。グレモリー先輩が更に続ける。

 

「大半は人間社会規模でしか機能しないものばかり。ところが、中には私達悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの力を持った神器があるの」

 

手を上に、とグレモリー先輩が声をかける。その言葉に上に手をかざす。

 

「目を閉じて、貴方の中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」

 

俺は目を閉じ今まで会ってきた人物を思い出す。確かに全員強かったが、最強と言われると何かしっくりこない。思い浮かべるのはリボーン達アルコバレーノ。それぞれがそれぞれの領域で世界の頂に立つ。これ以上の人物達は居ないと思うのだが、

 

「(……やっぱり『一番最初』に出てきたのは…)」

 

 

 

自警団を組織し、ボンゴレの基盤を作った…。

 

 

 

『ボンゴレⅠ世』。

 

 

 

彼以上の人物はいないだろう。

 

「思い浮かべた?じゃあその人物が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ」

 

一番強く見える姿…。彼が『覚悟の炎』を拳に灯すときだろうか?

 

「(…炎を灯すイメージでいいのかな?)」

 

そう思い、ボンゴレリングに初めて炎を灯した時の事を思い出し……覚悟を決める。

 

「………ッ!!」

 

その瞬間グレモリー先輩達の顔が驚きに変わる。それと同時にかざした左手から赤い籠手のようなものが装着されていた。

 

 

 

 

 

リアスside

 

……何!?…今の空気。明らかにこの部屋の温度が一瞬下がったような気がしたけど…。

 

チラッと横を見ると皆の表情が明らかに先程のものではなかった。

 

彼が一体何をしたというの?

 

朝とはまるで別人のような表情だ。こんな表情見たこと無い。まるで何か覚悟を決めたような……、そんな強くて、悲しくて……寂しそうな表情だった。

 

 

 

 

 

一誠side

 

「…これでいいんですか?」

 

そうグレモリー先輩に話しかけるが、応答が無い。どうしたんだんだろう?

 

「あの、グレモリー…先輩?」

 

「…っ!あ、ああ、そうね。それでいいわ。神器は一度ちゃんとした発現が出来れば、後は貴方の意思でどこにいても発動可能となるわ」

 

「わかりました」

 

これが新しい俺の力。…これで死ぬ気モードにもなれたら…。いや、考えるのは後にしよう。リングには炎を灯せるんだ。多分、大丈夫。

 

「神器の発動も確認出来たし、改めて、私達は兵藤一誠君。いや…イッセー、貴方のオカルト研究部への入部を歓迎するわ。よろしく、イッセー」

 

グレモリー先輩が手を差し伸べてくる。これに反対する事もなく、その手を握る。

 

「よろしくお願いします、グレモリー先輩」

 

「グレモリー先輩じゃなくて、私の事は部長と呼んで頂戴。いいわね?イッセー」

 

グレ…じゃくて部長がそう言うのであれば、

 

「はい、部長」

 

マフィアから悪魔に転職?…笑えない冗談だが、何故か久しぶりに心地よい感じが俺を包んでいた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「自転車なんて久しぶりだな~」

 

夜の町でひたすら自転車をこぐ。何だか朝よりも力が出てきて、自転車のスピードがどんどん上がっていく。悪魔になったおかげで、朝よりも夜の方が力を発揮しやすいという事らしい。そのぶん朝には少し弱いが。

 

今は悪魔の仕事をしている。チラシ配り…。簡易版魔方陣だそうだ。魔法についての知識がイマイチ足りていない。その辺りは今勉強している最中だ。

 

「…まぁ、取り敢えず頑張ろうかな」

 

篭にはまだまだチラシがたまっている。急ごう。そう思うと更に自転車のスピードを上げていく。……前みたいにパンクしませんように…。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

ある日の放課後。

 

部長に呼ばれオカルト研究部の部室に来ていた。いつもより中が暗い。それに…なんか光ってる。

 

「…何ですか?これ」

 

「これは転移用の魔方陣よ、イッセー。これを使って依頼者のもとへ瞬間移動するためのものよ。そして契約が終わるとこの部屋へ戻してくれるわ」

 

10年後の未来に出てきた炎圧を使って対象者を転移させるアレに似てるな。…その簡易版と思えばいいのかな?

 

「朱乃、準備はいい?」

 

「はい、部長」

 

姫島先輩が魔方陣の中央から身を引く。

 

「イッセーにはこれを使って依頼者のところまで飛んでもらうわ。ちょうど貴方に依頼がきてるから初仕事ね」

 

初仕事で初魔法。なんかドキドキするな。魔方陣の上に立ち、魔方陣が一気に輝き出す。

 

「わかりました。それじゃあ行ってきます」

 

その瞬間、部長達の姿は見えなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「行ったみたいね…」

 

さて、イッセー以外皆いるからちょうどいいかしら。

 

「…どうさまれした、部長」

 

「そうね。貴方達にもちゃんと説明しないといけないわね」

 

椅子に座ると、皆がこちらに視線を集める。

 

「イッセーのことよ」

 

その言葉に全員の表情が固まる。なんせ、先日はあんなことがあったから驚くのも無理はないわね。

 

「兵士の駒八つ使ったことは言ったわよね?」

 

全員が頷くと、私が机の上に置いた一つのアクセサリーに目がいく。

 

「…部長、これは?」

 

「うーん。流石に駄目な事はわかっていたのけれど…どうしても調べたくてイッセーの家にあった六つあるうちの一つを持ち出したの。イッセーに内緒でね」

 

「……部長…流石にそれは」

 

小猫からジト目で見られるけどスルーよ。

 

「だから悪かったとは思っているわ。でも…これが気になって私なりに調べたのだけど…これが『神器』と同等の力があることがわかったわ」

 

「あらあら…」

 

「……っ!?」

 

「本当ですか?部長」

 

「ええ、間違いないわ。でもこれが『神器』かどうかはわからない、けど魔力が半端じゃないわ。詳しくはまだわからないけど…。これと同等があと五つ」

 

正直頭が痛くなる。こんなものを所有していたなんて…しかも悪魔に転生する前から持っていたと仮定するなら、よく他の勢力に奪われずに持っていたわね、と逆に感心してしまう。

 

それに…、イッセーはまだ何か隠しているものがある。それも相当大事な秘密を。

 

「……貴方は何者なの…イッセー…」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

次の日の放課後。部活も終わり、いつも通り通学路を歩いていた。昨日の依頼者は女の人で料理を教えて欲しいとお願いされた。こういうのは姫島先輩辺りが得意そうなのだが、何故か俺の所に来てしまった。料理については散々リボーンに指導された。やれ甘いものを作れ。辛いものを作れ。こんなものも出来ないのかダメツナめ!とこってり絞られた。あの頃が懐かしい。そのおかげか料理のスキルがぐんぐん上がっていき、リボーンの舌を唸らせるようなレベルまで来てしまった。

まぁ、出来なかったらポイズン・クッキングを食べて参考にしろ、所謂死にたくなかったら死ぬ気で頑張れ、という事だったので、本当に頑張った。

なので、料理を教えるのは簡単だったし、向こうの評価も良かったのでちゃんと契約してもらえた。

 

「…今日は何作ろうかな…」

 

献立を考えながら歩いていると、

 

「はわっ!」

 

突然の声。後方を見ると一人の女の子が顔面から突っ伏し、倒れていた。…なんかよく見たことがある光景だった。

 

「…だ、大丈夫?」

 

倒れていたのはシスターさんで、起き上がれるように手を差し出す。

 

「あうぅ。…す、すみません…あ、ありがとうごさいます」

 

声からして同年代だろうか?すると、いきなりの突風。シスターさんのヴェールが空中へと舞い上がる。

 

「……あっ…」

 

ヴェールで隠されていた素顔が露になり、一瞬心奪われる。

金髪をヴェールの中で束ねていたのだろうか?綺麗なブロンドの髪が風でなびく。

 

「あの…どうかしたんですか?」

 

金髪の少女が訝しげなひょうじょうでこちらを見てくる。

 

「…ああ、いや…別に」

 

うーん何とかして話題を変えられないものかと思っていたら大きな旅行カバンを見つけた。

 

「…旅行、ですか?」

 

「へっ!?…ああ、これですか。いえいえ旅行というわけではなく、私はこの町にある教会に今日赴任してきたんです。貴方はこの町の人ですよね?これからよろしくお願いします」

 

ペコリと頭を下げる少女。…こんな少女が一人でこの町の教会に人事異動なんて大変なんだな。

 

「この町に来てから困っていたんです。その…私、日本語をうまく話せないので…道を尋ねても中々伝わらず…」

 

シュンとしている少女だが、ふと此方の方を向くと、バッと詰め寄ってくる。

 

「そ、そういえば…貴方は私の言葉が…わかるん、ですか?」

 

「…あ、うん。一応」

 

部長から悪魔に転生したときの特典に『言語能力』というものがあると言われていたが、向こうでは取り敢えず全世界の要人やらお偉いさんやらと会って話す事が多かったので、英語、イタリア、フランス、ロシア、ドイツ、韓国、中国語などの言葉を徹底的にリボーンに叩き込まれた。マフィアはグローバルじゃないといけないらしい。……あれは辛かった。

 

「本当ですか!?助かりました!ああっ、これも主のお導きのおかげです」

 

少女の首もとから光るロザリオがまぶしい。というか拒否反応が起こる。悪魔だから仕方ないけど。

 

「教会の場所も知っているから案内するよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

教会へ向かう途中、公園を横切る。その時、公園の中で泣いている男の子を見つけた。どうやら転んでしまって、膝を擦りむいたようだ。

 

シスターの少女がその泣いている男の子に近づいてく。

 

「大丈夫?男の子がこの程度の怪我で泣いてはいけませんよ」

 

言葉は通じていないだろうが、その表情は優しさにみちあふれていた。

少女が手を膝にかざすと淡い緑色の光が発せられ、男の子の傷を癒していく。

 

…魔力…?それにあの指輪…。まさかこの子も『神器』持ちなのか?

 

みるみると傷がふさがっていき、男の子の膝は綺麗な肌に戻っていた。

 

「はい、治りましたよ」

 

男の子はキョトンとしながら自分の膝を見ていたが、すぐに笑顔になり、

 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 

そう言い男の子はタッタッタと走りながら公園から出ていった。少女は男の子の言葉がわからなかったので通訳をしてやった。そして、

 

「……君…、それ…」

 

「はい…。神様からいただいたものです」

 

微笑む少女だが、どこか寂しげな表情だった。

 

「…そう、なんだ」

 

 

 

 

一時会話が途切れたが、この町の古びた教会へと足を向けた。

 

そして、教会の前まで来たのはいいが…。

 

「あ、ここです!良かったぁ」

 

少女は喜ぶが俺は嫌な汗が止まらない。悪魔なので教会とかは駄目なのだろう。部長からも散々注意された。

 

「じゃあ、俺はここで」

 

「待ってください!」

 

別れを告げてここから離れようとするが、少女が呼び止める。

 

「私をここまで連れてきてもらったお礼を教会で――」

 

「いや、ごめんね。俺も急いでいるから」

 

「……でも、それでは」

 

教会の中でお茶を出してくれるんだろうが、流石にこれ以上はまずい。

 

「アーシア・アルジェントです」

 

「……えっ?」

 

「私の名前です。……また、会えますか?」

 

少女は笑顔で、自分の名前を言ってくる。寂しそうな笑顔だが何だか懐かしいような…前にも見たことがある表情だった。

 

「…兵藤一誠。皆からはイッセーって言われてる」

 

「…イッセー、さん?」

 

「また会えるよ、アーシア」

 

その言葉にアーシアは満面の笑みを見せる。

 

「はい、イッセーさん!」

 

そう言うと教会から離れていく。後ろを振り向くとアーシアが手を振ってくれていた。優しい子なんだなと改めて理解できる。だが、正直もう会うことはないだろうと思う。

 

 

 

だが…。

 

 

 

これが、この子との数奇な運命であり、出合いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうだったでしょうか?

感想やご指摘がありましたらよろしくお願いしますm(__)m

また読んでくれたら嬉しいですm(__)m

それでは。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。